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おたまじゃくしの上手な飼い方!種類の見分け方や飼育のポイントを紹介

おたまじゃくしの上手な飼い方!種類の見分け方や飼育のポイントを紹介

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おたまじゃくしとは、春から夏にかけて池や田んぼに生息するカエルの幼生です。子どもがおたまじゃくしを捕まえてきたものの、飼い方がわからず困ってしまった経験はありませんか。実は、おたまじゃくしを飼育するためには、注意しなければならないポイントがいくつかあります。

本記事では、おたまじゃくしの基礎知識や上手な飼い方、注意点について詳しく解説します。飼い方のコツをつかめば、初心者の方やお子さんでも簡単に飼育ができますよ。

おたまじゃくしが元気なカエルに成長できるよう、ぜひ参考にしてみてくださいね。

おたまじゃくしの基礎知識

おたまじゃくしの基礎知識

カエルの子どもであるおたまじゃくしは、春から夏ごろに淡水域で確認できます。カエルとは似ても似つかぬ姿ですが、成長するにつれて手足が生え、魚類から両生類へと変化する生態です

初心者の方や子ども向けに、おたまじゃくしを飼育するうえで知っておきたい基礎知識をご紹介します。

その1:カエルの種類と見分け方

日本には、40種類以上のカエルが生息しています。飼育しやすいおたまじゃくしの種類は、ニホンヒキガエル、ニホンマアガエル、トノサマガエルです。

それぞれの特徴は以下のとおりです。大きさや色の違いをもとに探してみましょう。

【ニホンヒキガエル】

  • 体長:約35〜40mm(成体は80~150mm)
  • 色:黒っぽい色

【ニホンアマガエル】

  • 体長:約20~50mm(成体は20~40mm)
  • 色:少し赤みがかった茶色

【トノサマガエル】

  • 体長:約70mm(成体は50~90mm)
  • 色:雄→黄緑色、雌→白か灰色

なお、ウシガエルは特定外来生物(生態系などに関わる被害の防止に関する法律によって定められた生物)に指定されているため、飼育ができません。卵やおたまじゃくしの状態であっても、生きたまま運ぶことや飼育は法律で禁止されています。ウシガエルを確認したら、その場で殺処分することが義務付けられていることを覚えておきましょう。

ウシガエルのおたまじゃくしは、他のおたまじゃくしよりもサイズが大きいのが特徴です。
ウシガエルの特徴は以下のとおりです。

  • 体長:120mm〜150mm(成体は約120〜180mm)
  • 色:緑色を帯びた褐色
  • 模様:虎班模様が多い
  • 鼓膜:長く大きい

ウシガエルの雄が、「モーモー」と牛のように鳴くことからその名が付けられました。鳴き声も覚えておくと見分けやすくなります。

その2:成長と変化

おたまじゃくしは、孵化してから最初の約2カ月弱で「変態」が起こり始めます。変態とは、最初に足が生えたら次に手を生やし、尻尾がなくなったあとにカエルへと変化していくことです。

カエルになるまでの飼い方は、比較的簡単です。しかし、おたまじゃくしと異なり、カエルの飼育は難易度が高いといわれています。

その3:採取の仕方

おたまじゃくしは、田んぼや川、池などに多く生息しています。田植えシーズンの6月ごろまでは、おたまじゃくしを採取するのに適しています

おたまじゃくしを採取するときは、以下の点に注意してください。

  • 手で直接触れない
  • 水温の上昇と酸欠に注意

おたまじゃくしの皮膚はデリケートです。したがって、人間が直接手で触れると、熱くてやけどをした状態となり、衰弱してしまうおそれがあります。おたまじゃくしを見つけたらまずは入水し、プラケースなどの容器で周囲の水ごとすくい上げましょう

おたまじゃくしの採取で必要なものは以下のとおりです。

  • 長靴など
  • 入れる容器

(必要に応じて)

  • 断熱容器
  • 電池式のエアポンプ

家まで持ち帰るときも、水温の上昇や酸欠に注意が必要です。対策として、クーラーボックスなどの断熱容器や、電池式のエアポンプを用意し、採取時の状態に合わせて使用しましょう。

おたまじゃくしの上手な飼い方

おたまじゃくしの上手な飼い方

おたまじゃくしを上手に飼うためには、適切な道具をそろえることが重要です。必要な道具を用意したら、エサの種類やあげ方、水換えや掃除方法など、飼い方のコツについても確認していきましょう。

必要なもの

おたまじゃくしの飼育に必要なものは以下のとおりです。

  • 飼育ケースや水槽
  • 砂利や水草
  • カルキ抜き

狭い容器や水槽で飼育するときは、必要に応じて、水を浄化するためのろ過器も使用しましょう。

飼育ケースや水槽

おたまじゃくしがカエルへと変態することを考慮して水槽を選びましょう。最初はバケツなどでも問題ありませんが、成長するにつれて飼育ケースや蓋つきの水槽が必要となります。

水槽のサイズは、おたまじゃくしの種類や個体数に応じて若干の差はありますが、幅60cm×奥行き30cm×高さ36cmの、「60cm規格水槽」がおすすめです。

水槽を用意したら、砂利や水草をそろえて飼育環境の作り方を確認しましょう。

砂利や水草

水槽を用意したら、砂利や水草を用意しましょう。

水槽の下に砂利や石、水草やコケを入れるのは、おたまじゃくしがもといた田んぼや池の雰囲気に寄せて、住みやすい環境を整えてあげるためです。水草はおたまじゃくしのエサになるほか、つかまって休むための場所にもなります。

カルキ抜き

飼育水は採取したままの水を利用します。水道水を使用するときは、塩素が含まれているため必ずカルキ抜きをおこないましょう

カルキ抜きとは、水道水に含まれるカルキや、クロラミン重金属を無害化し、熱帯魚などが住める状態にすることです。

カルキ抜きのやり方は、容器に水道水を入れて、日当たりの良い場所に2日ほど放置すると、塩素が抜けて無害化します。また、市販されているカルキ抜き専用の薬剤を使用すると手早くできるのでおすすめです。

エサのあげ方

おたまじゃくしは草食よりの雑食であるため、食べられるものが多いのが特徴です。

エサとして与えて問題ない食べ物は以下のとおりです。

  • 煮干し
  • かつお節
  • ゆでたほうれん草
  • 米やパンなど

一度に与えるエサの量は少なめにし、最低でも1日2回は与えましょう。何をあげても問題ありませんが、食べ残しがあると水槽を汚す原因となります。

おたまじゃくしは、水中が多少汚れていても生きられます。しかし、観察がしにくくなり、掃除も大変になるため、与えすぎには注意してください。水を汚しにくい人工飼料を利用してみるのもいいでしょう。

水換えと掃除

おたまじゃくしの飼育では、頻発な水換えや掃除は必要ありません。飼育環境にもよりますが、4〜5日に一度が目安です。
おたまじゃくしは水位の浅い場所に生息する生き物であるため、水位が高すぎたり、深すぎる環境を好みません。逆に水位が低すぎると、自由に泳ぎ回れず成長に支障をきたすおそれがあります。したがって、水位はおたまじゃくしの体長の2倍くらいがベストです。

水換えのときは、カルキ抜きをした水道水を使用してください。ただし、一度にすべての水を換えると、おたまじゃくしが環境の変化についていけず弱ってしまうおそれがあります。そのため、半分程度の水を交換してあげましょう。

水槽や容器の掃除にはピペットを使用すると便利です。ピペットとは小さいスポイトのことで、付着した汚れを水流で吹き上げて浮かせたり、吸い取ったりするのに役立ちます。

おたまじゃくしの足が生えたら

おたまじゃくしの足が生えたら

おたまじゃくしは魚類から両生類へと変態する過程で、えら呼吸から肺呼吸(一部は皮膚呼吸)へと変化します。

また、カエルへと成長すると、草食よりの雑食だったのが肉食になるため、成長に合わせて飼育環境も整えてあげる必要があるでしょう。

おたまじゃくしの足が生えてきたら、意識したいポイントをご紹介します。

飼育環境を変える

おたまじゃくしの飼い方のコツは、成長に合わせて飼育環境を変えることです。カエルになるまでの飼育時の水温や個体差にもよりますが、おたまじゃくしは2〜3週間でうしろ足が生え、次に前足も生えてきます。足が生えたら、1〜2日で尻尾が無くなってゆき、上陸します。

飼育環境を変えるときのポイントは以下のとおりです。

  • 上陸場所を確保しておく
  • 水位は常に高すぎず、低すぎずのバランスを保つ
  • エサは均等に与える

おたまじゃくしは尻尾が無くなると泳げなくなるため、必ず陸地を用意しましょう。

エサを変える

うしろ足が生えたタイミングで、エサを変える準備をしましょう。おたまじゃくしのうしろ足が生え、見た目もカエルに近づいてきたら、肉食性へと変化している証拠です。エサは生きた昆虫か、乾燥させたコオロギを用意してください

なお、前足が生えると成長スピードは一気に速くなります。そのため、しっぽが無くなりカエルへと変態するまでの期間のエサやりは不要です

おたまじゃくし飼育の注意点

おたまじゃくし飼育の注意点

おたまじゃくしを飼育するときは、以下の3点に注意しましょう。

  • 過密にしない
  • 毒に気をつける
  • 混泳は難しい

おたまじゃくしは、カエルへと変態が進むにつれて飼育が難しくなります。うしろ足が生えてからは、注意点を意識しながら飼育をしてみてくださいね。

注意点その1:過密にしない

おたまじゃくしの水槽は、過密にならないように注意する必要があります。多く飼いすぎると、自然淘汰の力が働いてしまい、共食いをしはじめるからです

幅60cmほどの水槽であれば、飼うのは最大でも20匹までにしましょう。成長して大きくなったら、1水槽あたり5〜6匹に減らしてください。

注意点その2:毒に気をつける

おたまじゃくしの手足が生えそろったら、毒に気をつけましょう。カエルは、外敵に襲われたとき、毒性の液体を噴射して身を守る習性があります。

一例として、ヒキガエルは卵のときに毒を持ち、おたまじゃくしになると毒を無毒化し、再び手足が生えそろうと、毒を有毒化します。

毒の強さは種類によって異なりますが、卵やカエルの状態のときは絶対に触れず、誤って触れてしまった場合にはすみやかに手を洗うようにしてください。触っただけで被害を受けるケースはほとんどありませんが、目に触れると炎症を招くおそれがあるため注意が必要です。

注意点その3:混泳は難しい

おたまじゃくしは、小さい魚となら混泳しても問題ありませんが、あまり推奨はできません。

理由は以下のとおりです。

  • 小さいうちはほかの魚の捕食対象にされやすい
  • 変態生物のため、ほかの魚と同じ状況で飼うのは難易度が高い

おたまじゃくしは魚類から両生類へと変化する過程で、水中から陸上へと住む場所が変化します。ほかの種類のおたまじゃくしや魚類と一緒に飼うことは適さないため、専用の水槽を用意するのがおすすめです。

おたまじゃくしの飼い方は簡単!変態する様子を観察してみよう

おたまじゃくしの飼い方は簡単!変態する様子を観察してみよう

おたまじゃくしの基礎知識や上手な飼い方、注意点についてご紹介しました。おたまじゃくしは飼育の手間がかからず、お子さんや初心者の方でも育てやすい生き物です。しかし、カエルへと成長したあとは難易度が高くなります。

そこで、おたまじゃくしからカエルになるまでの過程を楽しみ、無事に成長をとげたら、もといた場所へ放してあげましょう。コツを押さえれば簡単に飼うことができるため、おたまじゃくしが変態する様子を楽しみながら観察してみてくださいね。

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