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じゃがいもの栽培方法と注意点!植え付け時期や育て方のポイントを初心者にもわかりやすく解説

じゃがいもの栽培方法と注意点!植え付け時期や育て方のポイントを初心者にもわかりやすく解説

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スーパーでは年中売られているじゃがいもですが、栽培に適した季節や植え付け時期があります。
そのため、じゃがいもを栽培する際は時期に注意して育てることが重要です。

また、じゃがいもをうまく育てるためには、正しい手順を踏むだけではなく、適切な種いも選びも欠かせません。初めてじゃがいもを育てる場合、どの種いもがよいのか分からないこともあるでしょう。

そこで本記事では、じゃがいも栽培のポイントや具体的な手順、注意点を分かりやすく解説します。

じゃがいも栽培のポイント

じゃがいも栽培のポイン
じゃがいも栽培ではじめに考慮すべき重要なポイントは以下の2つです。

  • 植え付ける場所
  • 種いもの選び方

じゃがいもは、しっかりとポイントさえ押さえられていれば、初心者でもおいしく育てられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

植え付ける場所

じゃがいもを育てる前に、まずは植え付ける場所を決めます。自宅での栽培であれば、プランターを使うのが一般的です。庭などにスペースがある場合は、畑を作ってもよいでしょう。

また、培養土の袋にそのまま植え付ける方法もあります。プランターや畑よりも収穫できる数は減ってしまいますが、袋の底に排水できる穴を開けるだけで栽培できるようになり、手軽でおすすめの方法です。

以下でそれぞれの育て方を詳しく掘り下げているので、ぜひ参考にしてみてください。

プランター

プランターを使用する場合は、深さが30cm以上の菜園用プランターを選んでください。じゃがいもは土の中で育つ植物なので、深さが重要となります。

1株ごとに30〜40cm程度の間隔を開けて植え付けましょう。使用する土は1から作るよりも、あらかじめ適切に配合されているじゃがいも用の培養土を使用するとよいでしょう。

なおプランター栽培におすすめの野菜についてはこちらで詳しく解説しています。

畑でじゃがいもを栽培する場合は、酸性の土を作ることが大切です。通常、土を作る際に石灰を入れて酸度を調節しますが、じゃがいもの場合は必要ありません。

1㎡あたり完熟堆肥2〜3kg、成分8-8-8程度の化成肥料や有機配合肥料を100gを加えて、よく耕しておきましょう。

pHが7.0を超えるとソウカ病になってしまうため、pHの目安は5.5〜6.0です。土を作る際は、植え付けの1週間以上前までにおこなうようにしてください。

培養土の袋

販売されている培養土の袋でじゃがいもを育てる場合は、袋の側面の下部に穴を開け、水やりをした際に排水できるようにしてください。
プランターに続いて比較的簡単に育てることができ、見た目もかわいい方法なので、初めてじゃがいもを栽培する人はぜひ挑戦してみてください。

種いもの選び方

種いもは一見普通のじゃがいものように見えるため、「普通のじゃがいもを使ってもよいのでは?」と考える人もいるでしょう。しかし、食用のじゃがいもを種いもとして植え付けることは推奨されていません。
種芋として販売されるじゃがいもは三種類の害虫(ジャガイモガ、ジャガイモシストセンチュウ、ジャガイモシロシストセンチュウ)と七種の病気(馬鈴薯ウィルス、輪腐病、青枯れ病、そうか病、輪状そうか病、黒あざ病、疫病)を検査され、それに合格した種芋のみ販売することができます。食用じゃがいも場合はそのような検査を受けること無く栽培した物が流通するので、それらを種芋として使用すると上記の病気を自らの畑に招き入れるリスクが高くなります。
必ず種いもとして売られているものを選んでください。

Tips
逆に種芋を食用にして良いのか?と疑問が湧きますが、種芋の場合は病気の予防に重点を置いて管理されます。病気や害虫の発生が無いように通常よりも殺菌剤を多く散布されている事があり、食用として適していません。

種いもは春と秋の2回販売されます。初心者の方は春に購入するのがおすすめです。市販されている種いもは、農林水産省の検査機関による検査に合格したものです。品質については保証されているため問題ありません。

ただし、失敗をできるだけ防ぐためには、切らずに植えられるくらい小さいものを選びましょう。

また、育てる時期によって選ぶ品種を変えることもおすすめです。とくに、秋は育ちにくいといわれているため、芽が出やすいものを選ぶとよいでしょう。

 

春植えじゃがいもの主な品種 男爵
キタアカリ
メークイン
秋植えじゃがいもの主な品種 デジマ
インカの目覚め
アンデスレッド
ニシユタカ

じゃがいもの栽培時期


じゃがいもは、春と秋の2回栽培ができます。春植えじゃがいもは2月下旬~4月上旬に植え付けし、5月上旬~7月上旬に収穫します。
また、秋植えじゃがいもの場合は8月下旬~9月上旬に植え付けし、11月上旬~12月中旬に収穫します。

初心者の方には、春植えでの栽培をおすすめします。
なぜなら、秋植えの種いもは気温が高い時期に植え付けるため、暑さで腐りやすいからです。
また、冬が早く到来すると、じゃがいもが大きく育たないこともあります。
これらの理由から、自宅でじゃがいもを栽培するのであれば、春に始めるとよいでしょう。

じゃがいも栽培の手順

じゃがいも栽培の流れ

次に、じゃがいもを栽培する一般的な流れについて解説します。

  1. 種いもの芽出しをする
  2. 植えつける
  3. 芽かきをする
  4. 追肥と土寄せをする(1回目)
  5. 追肥と土寄せをする(2回目)
  6. 花を摘む
  7. 収穫をする

手順ごとに、ポイントや注意点を見ていきましょう。

手順その1:種いもの芽出しをする


種いもを購入したら、植え付けの2~3週間前から芽出しが必要です。

朝から夕方くらいまで日が当たる場所に種いもを並べ、太陽光に当てる作業を毎日おこないましょう。夜は寒さによって傷むおそれがあるため、室内に取り込んでください。

2週間ほど続けると、芽が出ているのを確認できます。緑や赤、紫色の硬い芽が出ていれば成功です。
芽出しをしておくと、発芽が揃って生育が良くなる傾向があります。

また、種いもの切り方についても確認しておきましょう。小さい種芋であれば切らずにそのまま植え付けが可能ですが、50g以上の大きい種いもは、芽出しをしたあと大きさに合わせて切る必要があります。

まずは「へそ」と呼ばれる、元の種芋とつながっていた部分を切り落としてから、芽が出ている部分をよけて縦に半分に切りましょう。その後、腐りやすい切り口部分には草木灰をつけ、天日干しを1日おこなってください。

Tips
草木灰をジャガイモの切口に塗して植える利用方法が古くから一般的ですが、近年はゼオライト等の鉱物粉末を切口保護剤として利用する方法が普及しています。
草木灰も古くから利用されている方法なので大きな問題は発生しませんが、草木灰はアルカリ性が強く、多く使用すると土壌をアルカリ性に傾け過ぎてしまい、そうか病の発生要因になる場合もあるので注意が必要です。

手順その2:植え付ける


次に、種いもを植え付けます。幅60〜70cmで深さ10cmくらいの植え溝を掘り、30cm間隔で植えてください。

土の中で育つじゃがいもですが、深く植え付けすぎると芽が出づらくなるため注意しましょう。目安は、種いもの上に土が5cm乗っている状態です。

手順その3:芽かきをする


じゃがいもの芽が伸びてきたら、芽かきが必要です。硬くてよい芽を2~3本程度残して、残りの芽は引き抜きます。

種いもが動いてしまわないようにしっかりと押さえて、芽だけを引き抜くようにしてください。
地中で育つじゃがいもの数は、出てきた芽の数に比例します。芽を残しすぎると、数が多くなる代わりに小さいじゃがいもしか育たなくなるので、思い切って芽かきしましょう。

芽かきの後は、残した芽が安定するように土寄せします。

Tips
芽かきで取れた芽を挿し木する事で、株を増やすことが出来ます。
一般的な挿し木を行う要領で畑の開いた場所に挿し木を行うか、場所が決まってなければ栽培用のビニールポットに挿し木をして置いて発根させてから畑に植えても大丈夫です。
発根させるときは用土と挿し枝が土と密着するように押さえ、たっぷりと水を与えて数日間は日陰~半日陰で管理します。葉がピンと立ったら挿し木成功です。挿し木苗は種芋に比べ一株あたりの収穫量は少ないですが、通常よりも+αで収穫量を増やせます。難易度は比較的高いので、慣れてきたら挑戦してみてください。

手順その4:追肥と土寄せをする(1回目)


芽かきが終わったらすぐに、土寄せ(増し土)をおこないます。土寄せはじゃがいもの根元に土を寄せて盛る作業で、このとき土に追肥を混ぜ込むと育ちやすくなります。

追肥については以下の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。
追肥のやり方を解説|野菜や花を大きく元気にする肥料の重要性

土寄せをおこなう理由は、根が露出するのを防ぐためです。縦に伸びてくると根元から折れてしまう可能性があるため、土寄せをして倒れるのを防ぎます。

手順その5:追肥と土寄せをする(2回目)

草丈が30cmまで伸びてきたら、2回目の追肥と土寄せをおこないましょう。方法は1回目と同じで、追肥した土をじゃがいもの根元部分に盛ります。

2回目ではじゃがいもが大きくなっていて、土から出てしまう危険性があります。じゃがいもは太陽の光に当たると有害物質であるソラニンが増えるため、じゃがいもが土から出ていたら埋めるようにしてください。

ソラニンは食中毒を引き起こします。土寄せがうまくおこなわれておらず、緑色に変色してしまったじゃがいもは食べないようにしましょう。

手順その6:花を摘む

しばらくすると、じゃがいもの花が咲きます。花が咲くと、極めてまれにトマトのような形の実がなることもあります。

そのまま放っておいても害はありませんが、実のほうに栄養を吸い取られてしまい、じゃがいもの生育に影響を及ぼすおそれがあります。大きいじゃがいもを育てたいのであれば、花はできるだけ取り除くことをおすすめします。

手順その7:収穫をする

最後に、育ったじゃがいもを収穫します。3~4月頃に植え付けた場合、6月中旬頃に収穫が可能です。ただし、品種や地域、その年の天候によっても収穫時期は前後するので、収穫する目安を知っておきましょう。

じゃがいもを収穫する目安は、葉の7~8割が黄色くなって枯れてきた頃です。水に触れると腐りやすくなるため雨の日や雨上がりは避け、晴れの日が続いているときに収穫してください。

また、収穫できたじゃがいもは土が落ちるくらいにまで乾かし、中へ取り込みましょう。日に当たりすぎるとシワシワになったり、ソラニンが増えたりするため注意してください。ソラニンは、早く収穫しすぎても残る性質を持っています。

収穫時期には十分に気をつけましょう。

じゃがいもの栽培をする際の注意点

じゃがいもの栽培をする際の注意点
じゃがいも栽培を成功させるために知っておくべき注意点を解説します。ここで解説する注意点を押さえておけば、ジャガイモ栽培でありがちな失敗を避けることができます。

水やりは控えめにする

じゃがいもを畑に植えた場合、水やりは頻繁にしなくても大丈夫です。鉢植えや培養土の袋に植えた場合、土が乾いたら水を与えましょう。

じゃがいもは基本的に湿った環境を好まないため、水をやりすぎないように注意してください。

芽出しは必ず行う

種芋を植え付ける前の芽出しは必ず行うようにしましょう。
芽出しを省略すると土の中で芽が十分に伸びず、そのまま傷んでしまう場合があります。

じゃがいも栽培の流れで解説した手順を参考に、十分に芽出しをしてから植え付けてください。

食用じゃがいもは使わない

栽培用の種芋は、農林水産省の品質検査をクリアした専用品を使いましょう。
食用のじゃがいもはウイルス病を持っている場合があり、栽培に適していないため使用は控えてください。

栽培専用の種芋は、ホームセンターの園芸コーナーなどで販売されています。

害虫はすぐに取り除く

じゃがいもにはニジュウヤホシテントウという害虫がつくことがあるため、見つけたら取り除き、野菜用の殺虫スプレーを散布してください。
とくに、葉の裏をこまめに確認しましょう。

虫の卵や幼虫がいないかもチェックしておくと、大きな被害に遭うことがありません。

そのほか、センチュウ類、ヨトウムシなどの蛾の幼虫、アブラムシなどもじゃがいもにつくことがあります。大きな被害を防ぐためには、大量に発生する前に見つけて駆除することが重要です。

また、植え付けには必ず種いもを使い、連作はしないなどの対策をおこなうことで、病害虫の予防につながります。

ソウカ病の対策をする

じゃがいものかかりやすいソウカ病は、地温の高さ、pHがアルカリに傾きすぎ、連作、未熟堆肥の混ぜ込み、種いも以外の芋を使用したことなどが原因です。
じゃがいもに適したpHは5.0〜6.0と酸性に傾いているので、石灰を入れすぎないように注意しましょう。

ソウカ病になってしまった場合、病気になった箇所を厚めに剥けば食べることは可能です。

収穫後は通気性の良い容器で陰干しして保存する

収穫したじゃがいもは通気性の良い容器に入れましょう。そして、日の当たらない場所で2~3日ほど陰干しします。

じゃがいもは収穫後も呼吸をおこなっており、密閉された場所を嫌います。そのため、冷蔵庫で保存する際は袋に入れないようにしましょう。

Tips
一度栽培に利用した土を再利用すると連作障害(病気になりやすくなること)を起こすため、土は植え付けのたびに新しいものを用意するようにしましょう。

じゃがいもを栽培して美味しく食べよう

難しそうに見えるじゃがいも栽培ですが、慣れてしまえば初心者でも簡単に育てることができます。じゃがいも栽培のメリットは、何といっても省スペースでも育てられる点です。

賃貸のベランダでも育てられるため、これまで家庭菜園のハードルが高くて挑戦できていなかった方にもおすすめです。どんなレシピにも使える万能野菜なので、ぜひこの機会にじゃがいも栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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