コーナンTips ペット 老犬がご飯を食べない原因は?原因別の対処法とシニアステージ別の給餌量 老犬がご飯を食べない原因は?原因別の対処法とシニアステージ別の給餌量 ペット クリップボードにコピーしました 老犬がご飯を食べない原因は?原因別の対処法とシニアステージ別の給餌量 この記事をシェアする! クリップボードにコピーしました 加齢とともに愛犬の食欲が落ちていく様子は、見ていてとても心配になるでしょう。 もちろん、いくつになっても食欲旺盛な子もいますが、シニア期の犬はだんだんと食欲が落ちていくのが一般的です。 本記事では、そもそもなぜご飯を食べなくなってしまうのか、食欲低下の原因と対処法を詳しく解説します。また、食欲のチェック方法や、ステージ別に適した給餌量などもご紹介します。 愛犬がいつまでも元気で過ごせるように、食欲が落ちる原因をしっかりと把握して、適切な対応をしてあげてくださいね。 目次 老犬がご飯を食べない5つの原因味覚や嗅覚の変化筋力の低下口内トラブル環境の影響食欲不振を引き起こす病気【原因別】老犬がご飯を食べないときの対処法味覚や嗅覚の変化|香りが強いフードを与える筋力の低下|食器台やシリンジを使う口内トラブル|柔らかいフードを手作りする環境の影響|適度な運動やマッサージで気持ちを落ち着かせる食欲不振を引き起こす病気|病院で受診する老犬の食欲をチェックする方法シニアステージと給餌量シニア1期:給餌量と回数を調整するシニア2期:食事の回数を減らすシニア3期:食べられる分を与えるシニアステージの愛犬の食事をサポートしよう! 老犬がご飯を食べない5つの原因 老犬(シニア犬)と呼ばれる時期に入った犬は、身体のさまざまな箇所に変化があらわれます。体力や筋力の衰えのほか、口内トラブルや病気などによってご飯を食べなくなることがあるので注意が必要です。 愛犬の食欲不振が気になる場合は、様子をこまめに観察し、早めにかかりつけ医に相談するようにしてください。 味覚や嗅覚の変化 犬は嗅覚が非常に優れた動物であり、匂いが強いものを好む傾向があります。匂い次第でご飯やおやつに対する食いつきが変わるため、加齢によって味覚や嗅覚が衰えると、食欲がなくなる可能性があるでしょう。 筋力の低下 筋力の低下によってご飯を食べなくなっているケースもあります。老犬になると、 食べるために必要なあごの筋肉をはじめ、姿勢を維持するための首や足腰の筋肉などが衰えてきます。そのため、食べるという行為を長時間続けることが困難となるでしょう。 食欲はあるのに思うように食べられない状況は、栄養不足につながるだけではなく、愛犬にとって大きなストレスとなるので、適切な対策が必要です。 口内トラブル 私たち人間が口の中にトラブルを抱えているとき、食事ができなかったり食欲が低下したりするのと同様に、犬にとっても「口内トラブル」は非常に厄介です。 老犬になると歯茎の縮みや歯周病、歯や唾液の減少といった口内環境の変化が起こりやすく、固いものや乾燥したフードを食べることを嫌がるようになります。 環境の影響 シニア期になると体力や筋力の衰えから、身体を思うように動かせなくなったり、疲れやすくなったりします。散歩や遊びのボリュームが減ることでストレスを感じ、食欲がなくなってしまうことがあるので注意してください。 また、老犬に限りませんが、引っ越しや一緒に住む相手の増減といった「環境の変化」でも、ストレスを感じるおそれがあります。何か環境の変化があったときは、愛犬の様子を気にかけてあげましょう。 食欲不振を引き起こす病気 何らかの病気が原因で食欲不振を引き起こしている場合もあります。元気がなく、どこか調子が悪そうな様子であれば病気を疑ってみてください。 老犬の身体は体力や筋力が低下しやすく、運動量も減ることで病気のリスクが高まります。定期的にボディチェックをおこない、異変に気付いてあげることが大切です。 【原因別】老犬がご飯を食べないときの対処法 食欲低下の原因がわかったら、適切な対応をしながら寄り添ってあげることで、愛犬の食欲や元気が回復する可能性があります。 ここでは、上記でご紹介した原因別に具体的な対処法を解説しますので、ぜひ試してみてください。 もし、原因がわからず不安な場合には、信頼できる獣医師に相談して指示を仰ぎましょう。 味覚や嗅覚の変化|香りが強いフードを与える 味覚や嗅覚の変化が疑われるときは、ご飯の匂いを強くする工夫をしてみてください。ドライフードをふやかしたり、ウェットフードをあげたりと、固形タイプよりも半生タイプの餌のほうが嗅覚を刺激するのでおすすめです。 愛犬がご飯に興味を持っておいしく食べられるように、しっかりとサポートしてあげましょう。 筋力の低下|食器台やシリンジを使う 食事の際に使う食器を高さがあるタイプに変えたり、食器台を使ったりして、なるべく楽な姿勢で食事をさせてあげましょう。 また、愛犬が嫌がらなければスプーンやシリンジを使用する方法もあります。愛犬の口に直接ご飯を少しずつ流し込んであげれば、あごの筋肉や飲み込む力が弱くなっている場合でも食べやすくなります。 口内トラブル|柔らかいフードを手作りする シニア期には、できるだけ柔らかくて水分がたっぷり含まれた食事がおすすめです。 市販のウェットフードでも構いませんが、手作り食であれば愛犬の好みに合わせながら足りない栄養を補うことができるでしょう。 茹でたサツマイモやかぼちゃ、キノコ類などを組み合わせて、愛犬のためのスペシャルメニューを作ってあげてみてください。 環境の影響|適度な運動やマッサージで気持ちを落ち着かせる 愛犬の運動量の減少を感じる場合には、飼い主さんから積極的に遊びに誘ってあげてください。のんびりと散歩を楽しんだり、好きなおもちゃを与えたりしながら、決して無理をさせないように愛犬のペースに合わせて遊びましょう。 また、たっぷりとスキンシップをとることもストレスの緩和につながるのでおすすめです。愛犬が喜ぶ場所を撫でてマッサージをしてあげれば、気持ち良さそうにリラックスしてくれるでしょう。どんな環境下でもなるべく一緒に過ごす時間を増やして、愛犬を安心させてあげることが大切です。 食欲不振を引き起こす病気|病院で受診する 愛犬の様子に異変を感じた際は、早めにかかりつけ医に診てもらいましょう。 シニア期には、腎臓や心臓などの疾患、口腔内や目の病気などにかかりやすくなります。そのため、できる限り定期的に健康診断を受けさせることが大切です。また、与えてはいけない食べ物や、老犬にとって必要な栄養素といった知識を深めておきましょう。 脳の病気や腫瘍など、命に大きく関わる病気になってしまう危険性もあるため、様子を気にかけ、適切な治療をしながら愛犬に寄り添ってあげてください。 老犬の食欲をチェックする方法 愛犬の食欲の変化に素早く気付くためには、子犬や成犬の頃から食事の様子や食べっぷりをよく観察しておくことをおすすめします。 愛犬が元気いっぱい食べているときに好物を把握しておけば、食欲が低下した際の対応に役立つでしょう。通常のご飯のみならず好物でさえも口にしない日が続いた場合には、食欲の低下を疑ってみてください。 また、好みの食べ物をひとつと決めつけず、フードの種類やおやつなどさまざまなジャンルでランキング付けをしておくと、食欲チェックや治療にも役立ちます。 シニアステージと給餌量 明確には決まっていませんが、シニア期には、大きく分けて3つのステージがあります。 ステージごとに適切な給餌量やご飯の回数は変化するので、日々愛犬の様子をよく観察しながら見直してください。 シニア1期:給餌量と回数を調整する 成犬時代を終え、老犬と呼ばれる年齢に入ったばかりの時期が「シニア1期」とされています。見た目や日常生活に大きな変化はなく、食事も問題なくできるでしょう。 しかし、徐々に代謝や筋力などが落ち、被毛や鼻の色が少しずつ薄くなってきます。確実に身体の老いは進行していくので、まずはこのタイミングで給餌量と回数を見直して調整することが大切です。 シニア2期:食事の回数を減らす 「シニア2期」に入ると、体力や筋力の衰えから成犬時代のような日常生活を送ることが難しくなってきます。介護や手助けを必要とし、毛の白さや目の白濁が目立ってくるでしょう。 床置きの低い食器を使った食事が難しくなるので、置き場所や高さを工夫してあげる必要があります。また、シニア2期の頃には食事の回数を減らして、一度に与える量も少しずつにしてください。 シニア3期:食べられる分を与える 日常生活が困難となり、飼い主さんが寄り添いながら過ごす時期を「シニア3期」と呼びます。食欲が減って体重が減少し、自力で食べたり飲んだりできないこともあるでしょう。 シニア3期には、無理はしないで「食べられる分を食べられるときに」という考えで食事をさせてあげるのがコツです。水分を含んだ柔らかいフードや手作り食、大好きなおやつなどを、工夫しながら少量ずつ分けて与えてください。 シニアステージの愛犬の食事をサポートしよう! シニアステージの愛犬は、身体や心の変化を中心にさまざまな理由でご飯を食べなくなってしまうことがあります。しかし、食欲低下の原因をしっかりと見つけてあげれば、適切な治療や工夫次第で食欲が回復して長く元気に過ごせるでしょう。 何よりも、愛犬にとって快適な環境を整え、一緒に過ごしながらたっぷりの愛情と安心感を与えてあげることが一番の薬です。万が一愛犬の様子が気になる場合には、早めに病院を受診して不安を取り除きましょう。 犬の関連商品を見てみる この記事を監修した人 小松 智彦 獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。 20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。
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