防草シートの敷き方・貼り方を解説|DIY・失敗しないキレイな仕上げ
防草シートの敷き方・貼り方を解説|DIY・失敗しないキレイな仕上げ

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根から抜かない限り成長し続ける雑草は、定期的に刈り続ける必要があり手間がかかります。費用を抑えつつ、雑草の成長を止めて草刈りの手間を省けるのが防草シートの魅力です。この記事では、防草シートの敷き方を解説します。
目次
防草シートを敷く理由
繰り返し生える雑草の成長を抑制するのが防草シートの役割です。防草シートは繊維を織り込んだ織布、または繊維を絡み合わせた不織布で、日光が遮断できるように、特殊な構造で造られています。日光を遮断して雑草の光合成を防ぎ、成長を抑制するのが防草シートの仕組みです。
防草シートのメリット・デメリット
防草シートのメリットは敷くだけで、雑草の成長を長く抑制できること。除草剤に抵抗がある場合にも有効で、防草シートを敷いた土地を再利用したいときに活躍します。また、庭に砂利やウッドチップなどを敷きたいときに使用すると、雑草の成長を止めつつ砂利が地面に沈まないように抑制できるのがポイントです。
一方でデメリットとしては、経年劣化に合わせて、耐用年数が経過したものは張り替えを行う必要があることがあげられます。一度敷けば長期にわたって雑草の成長を抑制できる防草シートですが、時間が経つにつれて雑草の成長を抑制しにくくなるのが難点です。基本的に耐用年数が長いものほど価格は高くなります。
また、広い土地に敷いた防草シートは交換の手間がかかったり、敷く前の事前準備を再び行う必要があることもデメリットのひとつです。
防草シートの種類
防草シートはタイプによってさまざまな特徴があります。大きく分けて防草シートは、不織布タイプと織布タイプの2種類あります。
不織布タイプ
不織布タイプの防草シートは、原料の繊維を絡み合わせて成形したもので、繊維同士の隙間が少ないのが特徴です。隙間が少ないことで、耐久性が強く、雑草の突き抜けも抑制できるのが魅力。また、ほつれにくく経年劣化が少ない点も不織布タイプならではのメリットです。耐候性を高めた厚手のものなら、さらに長持ちさせられます。
織布タイプと比べて排水性が高いのもポイントです。
デメリットとして、織布タイプと比べて価格が高い傾向があります。
織布タイプ
織布タイプの防草シートは、繊維を束にして織合わせたものです。不織布タイプと比べて安価な傾向ですが、厚手で耐候性の高いものを選べば、十分な防草効果を期待できます。
ハサミなどでカットすると、切れ目の部分からほつれてきてしまうので、長く使うためには耐水テープなどで補強するのがおすすめです。折り目の隙間から雑草が突き抜けてくる場合があるのでなるべく折り目の細かいものを選んでみてください。
防草シートを敷く下準備
防草シートは光が入らないよう、きれいに敷くための下準備が重要です。大きめの石や凹凸になる障害物は取り除きます。また、事前に除草作業を行う必要があります。使用する道具が土地の性質によって異なることも、下準備をする際に注意するポイントです。
用意するもの
除草作業では
- 軍手
- 長靴
- 草刈り道具(カマ・ショベル・草刈りなど)
- トンボ(土を平らに整えるために使う道具)
- 除草剤
を使用します。トンボが無い場合は、大きめの板でも代用可能です。
また、防草シートを敷く作業では
- 防草シート
- 防草テープ
- 押さえピン
- ハサミ
- ハンマー
- メジャーまたは定規
- チョーク
を使用します。押さえピンはU型・パッド付U型ピン・アンカーピンなどの種類があります。防草シートを固定するために販売されている、防草シート用固定釘を使うのもおすすめです。
小石が多い土地では、パッド付太釘を使ってみてください。また、U型ピンがすぐに抜けてしまう土地には、返しが付いたプラスチックピンが適しています。返し付きのピンは引き抜く際にシートを傷める可能性があるため、十分に注意して取り扱います。
除草・整地
まずはカマ・草刈り機・除草剤などを使い、雑草と異物を丁寧に取り除きます。雑草が防草シートを突き破ったり、シートが波打ったりなどは、雑草が残った状態で防草シートを敷いてしまったことが原因です。シートもめくれやすくなります。
掘り起こして取り除いたり、必要に応じて除草剤を使ったり、根をできるだけ残さないように注意してみてください。植物を植える予定の場所に除草剤を撒く場合は、作物名・適用雑草名・適用場所をよく確認するのが大切です。
除草が完了したら、防草シートを固定するピンに支障が出ないように、異物を取り除く整地作業を行います。異物が残っていると表面が波打ち、場合によってはシートを傷つけてしまうため、丁寧に作業することが大切です。広い範囲の異物が一気に取り除ける、トンボなどの道具を使うのがおすすめです。
貼る場所の広さを計測
防草シートは貼る場所よりも少し大きめにカットするのがポイントです。防草シートをつなげて使う場合もできるだけ隙間をつくらないように、重ねてつなげます。貼る場所のサイズを測ったら、両端を10cm程度ずつ大きくとるようにしてみてください。
カットする際は織布タイプの防草シートは切り口がほつれやすいので、防草テープを貼った上から切るのがおすすめです。
防草シートの敷き方(貼り方)・コツを解説
防草シートを敷く準備が整ったら、防草シートを敷いていきます。防草シートは一気に広げず、少しずつ広げて作業していくのがコツ。強風の日はできるだけ避け、作業しやすい日を選びます。実際に敷き方の手順とコツを細かく解説していきます。
①端から引っ張りながら敷いていく
防草シートは端から少しずつ広げ、風であおられる前に固定するのがポイント。端から引っ張るようにして広げていきます。障害物や壁に当たったときは、少し長めにカット。防草シートに穴が空いて中に日光が入らないように、十分に注意して作業してみてください。
②50cm~1m間隔でピンを打つ
ピンを打つ間隔は50~100cm間隔です。ピンを打ち間違えないように、ピン打ちする位置をチョークでマーキングしておくのがおすすめ。少し長めにカットしておいた壁や障害物に接する部分は内側に折り込んで、壁と障害物の間際まで貼れるように調節してピンを打ちます。
固い場所には無理に打ち込まず、角度や位置を調節してみてください。ピンを抜いて打ち直した場合は防草テープで補修しておきます。打ったピンの上から防草テープを貼るのもおすすめです。
③2枚以上の場合は重ね代を10cm以上に
防草シートが重なる場合は必ず重ね代を10cm以上とって、重なっている部分にもピンを一定の間隔で打って、上から防草テープを貼ってみてください。きれいに防草シートを貼っても、重なる部分に隙間ができると日光を遮れず、雑草が成長する可能性があります。風であおられそうな場合には、中央も固定するのがおすすめです。
④障害物などがある場合
障害物は壁際と同じように長めにシートを切って内側に折り込み、障害物のすぐ手前で隙間が無いようにピンを打ちます。障害物をよけてシートを引いた後は、障害物の前や下にも同様に防草シートを敷くのがポイントです。
散水栓や汚水マスがある場所は、防草シートを敷いてからカットし、使用に支障が出ないようにします。四角の障害物は対角に、円形の障害物は放射状に切り込みを入れて、切り落とします。ピン打ちの際に配管を傷つけないように注意してください
⑤仕上げ
防草シートの上には砂利・ウッドチップ・人工芝などが敷けます。自然な見た目に仕上がるのはもちろん、日光による防草シートの劣化を抑制するメリットもあります。また、防草シートを敷いてから砂利を敷くと、砂利が土の中に埋没して目減りする現象を防ぐことができます。
手入れ不要な人工芝を敷けば、1年中きれいな緑色を楽しむことができます。防草シートの上から敷くことで、隙間から発生する雑草を抜く手間も省けます。
高級感のあるウッドチップも、砂利と同じように使用可能です。防草シートがウッドチップの埋没を防ぎ、雑草の発生も抑制します。
仕上がりの見栄えにこだわりたい方は、ブラウンやグリーンなど景観に配慮した防草シートの使用も検討してみてください。
まとめ
防草シートを貼る際は、隙間をつくらず日光を完全に遮るように敷き詰めるのが重要です。ピンの穴や防草シートのつなぎ目から光が入ると、雑草の抑制効果が弱まってしまいます。サイズや耐久年数などを参考に、シートを敷く場所に合った防草シートを選んだり、効率的に作業できるように、作業に必要な道具を用意しておくのも大切です。
今回の記事を参考に、ぜひ防草シートの設置に挑戦してみてください。