レンジフード(換気扇)の油汚れの落とし方!掃除の手順とコツを解説
レンジフード(換気扇)の油汚れの落とし方!掃除の手順とコツを解説

この記事をシェアする!
毎日料理をするご家庭では、どうしてもレンジフードや換気扇に油汚れがついてしまいます。こまめにお掃除するのが良いのはわかっていても、手の届かないコンロの上のレンジフードはついつい後回しにしがちです。
そんな、お掃除するのがちょっとおっくうなレンジフードや換気扇の汚れについて、上手な掃除方法について見ていきましょう。
目次
レンジフード(換気扇)の汚れの原因
レンジフード(換気扇)の汚れの原因は、大きく分けて2つです。
- 油汚れ
- ほこり
それぞれの汚れの特徴を見ていきましょう。
油汚れ
レンジフード(換気扇)の油汚れは、直接油が飛び散ることよりも、調理中に発生した油煙がレンジフード(換気扇)に取り込まれ、フィルターや内部、外部に付着することが主な原因です。付着した油煙は温度が下がると油に戻ります。油は時間が経つと、酸化が進みベタベタとした粘着性のある油汚れとなってレンジフード(換気扇)にこびりつきます。
ホコリ
レンジフード(換気扇)は調理中の油煙だけでなく、空気中に漂うホコリも一緒に吸い込みます。ホコリがベタつきのある油汚れに付着することでより頑固な汚れとなっていきます。
レンジフード(換気扇)の汚れを放置するリスク
レンジフード(換気扇)は高い位置にあって届きづらいため、ついつい、後回しにしてしまいがち。しかし、レンジフードや換気扇の汚れを放置すると様々なリスクが生じます。どんなリスクが発生してしまうのか見ていきましょう。
換気機能が低下する
レンジフード(換気扇)の油汚れが積み重なると、換気機能が十分に働かなくなる可能性があります。換気機能が低下すると、本来レンジフード(換気扇)により換気されるはずの油煙がダイニングやリビングに広がり、天井や壁に付着することで、部屋全体に臭いがついてしまいます。さらに、換気機能が落ちているのに無理にファンを動かそうとすると、通常より多くの電力が必要になり、電気代も余計にかかるリスクがあります。
異音の原因となる
レンジフード(換気扇)の油汚れが蓄積されるとモーターにも負荷がかかります。異音がするようになったら要注意。放置しておくとファンが故障する恐れがあります。また、あまりに長い間汚れをそのままにしておくと、汚れの重みで部品に歪みが生じてしまい、仮にプロに頼んで掃除をしてもらったとしても異音が直らない場合もあります。
火災の恐れがある
ホコリが付着した油汚れは引火しやすい傾向があり、汚れたレンジフード(換気扇)の下で火を使うと、引火して火災に発展するリスクが高まります。そもそも油は酸化することで発火しやすくなる性質があります。油汚れを放置すると自然発火や引火による火災の危険性もあるため、こまめに掃除をすることを心がけると良いでしょう。
レンジフード(換気扇)の掃除で必要なもの
レンジフード(換気扇)の油汚れを掃除するために必要なアイテムは以下の通りです。
※洗剤は、汚れの程度や素材によって使い分けましょう。
- アルカリ性洗剤
- 中性洗剤
- 重曹
- セスキ炭酸ソーダ
- スポンジ・ブラシ
- ゴム手袋
- ゴーグル
- マスク
- 新聞紙・ビニールシート(養生用)
- 雑巾(数枚)
- サッシヘラ(サッシノミ)※必要に応じて汚れを擦ります
- バケツ・ゴミ袋(つけ置き用)
- ドライバー(プラス、マイナス)
こびりついた油汚れの掃除には、基本的にアルカリ性の洗剤が有効です。アルカリ性洗剤は界面活性剤による乳化作用(水と油が混ざり合うこと)に加え、油を石鹸とグリセリンに分解する鹸化(けんか)という作用が働くことで油汚れを落とします。中性洗剤や重曹、セスキ炭酸ソーダでも油汚れをある程度落とすことができます有効ですが、短時間でしっかりとしつこい油汚れを落とすにはアルカリ性洗剤を使うとスムーズで効率的にお掃除ができるでしょう。
注意点としては、アルカリ性洗剤は手肌の皮脂も落としやすく、肌荒れの原因になる恐れがあることです。直接手で触れなくても済むように、掃除の際は必ずゴム手袋を使いましょう。レンジフードの素材によっては塗装が剥がれる場合もありますので、メーカーの説明書を確認したうえで使用することをおすすめします。
また、レンジフードの掃除をする場合、上部から洗剤が垂れ落ちて目に入ったり、顔にかかったりする可能性もあるので、ゴーグルやマスクを付けると良いでしょう。
レンジフード(換気扇)の掃除の手順
必要なアイテムが揃ったら、早速掃除に取り掛かりましょう。
ここではレンジフード(換気扇)の掃除を効率良く進める手順をご紹介します。
事前準備
レンジフード(換気扇)の掃除を始める前に下記の事前準備をしましょう。
- 窓を開けて換気する
- レンジフードの電源を切る
- コンロや床を新聞紙やビニールシートで養生する・フィルターとファンを取り外す
ファンは、シロッコファンとプロペラファンの2種類に分けられます。ファンを取り外すときは、換気扇の下に新聞紙などを敷いて、油やホコリで床が汚れるのを防止しましょう。
それぞれのファンの特徴や基本的な取り外し方を解説します。
(※詳しい取り外し方は設置しいるレンジフードメーカーの取り扱い説明書を確認しましょう。)
シロッコファンを取り外す方法
シロッコファンは、ダクトを通して排気するタイプの換気扇で、屋外に面していない場所にも設置できるため、戸建てのシステムキッチンやマンションなどで広く使われています。
ガスコンロの上部に覆いかぶさるように設置できるため、油煙をしっかり捕えられるメリットがあります。
一般的なシステムキッチンの場合は、筒状の形をしたシロッコファンが設置されています。換気扇のカバーに付いているフィルターを取り外した奥に、シロッコファンが付いています。
シロッコファンを取り外す基本的な手順は以下のとおりです。
1.電源プラグを抜く
シロッコファンを取り外すときは、安全のため電源プラグを抜いておきます。電源プラグが見当たらないときは、ブレーカーを落としたり電池を抜いたりしておくと良いでしょう。
2.フィルターを取り外す
フィルターは、サイドのロックを外したり、横にずらしたりしてみると簡単に取り外しができます。外し方がわからない場合は、設置してあるレンジフードの説明書を確認してみましょう。
3.内部のシロッコファンを取り外す
フィルターを取り外すと、ベルマウス(オイルトレー)と呼ばれる円状の部品があるので外します。ネジやビスで固定されている場合もありますので、適宜プラスドライバーで外しましょう。
ベルマウス(オイルトレー)の中心にあるネジを緩めると、シロッコファンと一緒に取り外せるのが一般的です。滑って落とすと危ないので、シロッコファンが落ちないように注意しながら、ネジを緩めて取り外します。
ネジやビスは後で取り付けるときのために、まとめて管理しておくか、無くさないようにわかりやすい場所に養生テープで止めておくと良いでしょう。
プロペラファンを取り外す方法
プロペラファンは、その名のとおりプロペラ式の昔ながらの換気扇です。扇風機のような羽で空気を吸い込み、ダクトなどを介さず直接屋外に排気するタイプのファンです。シロッコファンと比べると単純な構造なので、簡単に取り外すことができます。
プロペラファンの取り外し方は下記の通りです。
1.電源プラグを抜く
安全のため電源プラグを抜いておきます。電源プラグが見当たらないときは、ブレーカーを落としたり電池を抜いたりしておくと良いでしょう。
2.前面カバーを取り外す
※前面カバーは付いていないものもあります。
3.内部のファンを取り外す
プロペラ中央のキャップを外します。キャップを外したら、ファンとパネルを手前に引いて取り外します。ネジで固定されている場合はプラスドライバーで取り外しましょう。キャップやネジが油汚れで固まっている場合は、ドライヤーを使って少し温めると緩んで外れる場合もありますので試してみてください。
フィルターとファンを掃除する
取り外し可能なパーツを全て外したら、フィルターとファンのつけ置き掃除をしていきます。
頑固な油汚れにはアルカリ性洗剤が効果的ですが、アルミ製のフィルターやファンは、変色してしまうため、中性洗剤を使用します。フィルターやファンの素材を確認したうえで洗剤を選びましょう。掃除の手順は以下の通りです。
- フィルターとファンが入る大きさのバケツやゴミ袋を用意して、45~60℃程度のお湯を溜める
※大きなバケツやゴミ袋がない場合はシンクにお湯を溜めて作業しましょう。 - 洗剤を入れる
※各洗剤の目安量は下記の表を参考にしてください。 - フィルターとファンを入れ、30分~1時間程度つけ置きする
- 気になる部分をスポンジやブラシでこすり洗いする
- 水洗いをしてしっかり乾かす
アルカリ性洗剤 | パッケージに記載された希釈濃度(アルミ素材には使用しない) |
中性洗剤 | お湯10Lに対して約100ml |
重曹 | お湯10Lに対して約100g(アルミ素材には使用しない) |
セスキ炭酸ソーダ | お湯10Lに対して約50g(アルミ素材には使用しない) |
つけ置き時間は洗剤の種類や汚れの程度によって調整してください。お湯の温度が下がると十分に汚れが落ちないので、注意しましょう。
つけ置きとこすり洗いを繰り返すことで、頑固な油汚れであっても徐々に落とすことができます。
レンジフード(換気扇)本体を掃除する
フィルターとファンをつけ置きしている間に、本体部分を掃除していきます。
レンジフードの傘の部分が取り外せるタイプであれば、取り外して掃除します。
レンジフードの本体部分は雑巾やスポンジにぬるま湯で薄めた中性洗剤を浸し、拭き掃除をします。中性洗剤で落ちない汚れはアルカリ性洗剤を使いますが、レンジフード本体の素材によっては、使用すると塗装が剥げてしまう可能性があります。アルカリ性洗剤が使える素材かどうか事前に確認しておきましょう。また、重曹やクレンザーなど研磨作用がある洗剤で力を入れて擦った場合も傷になることがあるため、注意してください。
レンジフード(換気扇)の掃除のコツ
レンジフード’(換気扇)についた頑固な油汚れを落とすにはつけ置き洗いが効果的です。そのほか、レンジフード(換気扇)の掃除の掃除のコツを見ていきましょう。
油汚れは温めて落とす
油汚れは「温めて落とす」が基本です。
油は温めると柔らかくなる性質があります。
そのため、つけ置き洗いでは水ではなく、45~60℃くらいのお湯が適しています。またつけ置き洗いできないものは、雑巾を電子レンジで温めることで、油汚れが拭き取りやすくなります。
頑固な油汚れはラップパックをする
頑固な油汚れにはラップパックも効果的です。特につけ置き洗いできないレンジフード本体の汚れに適しています。
ラップパックを使った掃除の手順は下記の通りです。
- キッチンペーパーにお湯で薄めた洗剤を染み込ませ、汚れ部分を覆う
- キッチンペーパーの上をさらにラップで覆い、10~15分ほど放置する
- キッチンペーパーとラップを剥がして水拭きする
アルカリ性洗剤や重曹が使えない素材の場合は、中性洗剤を使用しましょう。
レンジフード用フィルターで汚れを防止
使い捨てタイプのレンジフード用フィルターカバーを設置できる場合は、取り付けておくと良いでしょう。定期的に交換することで、フィルターやファンの汚れを防ぐことができ、掃除の頻度を減らせます。より簡単なシールで貼るタイプもあります。
レンジパネル・フィルターの関連商品を見てみる
掃除の頻度は3ヶ月~半年に1回が目安
レンジフード(換気扇)の掃除は、料理の頻度や油の使用量によって異なりますが、大体3ヶ月~半年に1回が理想です。ただ、レンジフードのように大がかりな掃除になる場所は、年末に1回だけやる方も多いのではないでしょうか。油は温めると柔らかくなる一方で、冷えると固くなる性質があります。そのため気温の低い冬場は油汚れが落ちにくいです。またつけ置き用で用意したお湯も冷めやすくなるため、同じ工程でも時間がかかります。
レンジフード(換気扇)の掃除を年に1回だけ行う場合は5月~9月頃の暖かい季節に行うのがおすすめです。
大掃除のコツ!効率的な順番とやり方で1日でキレイにできる
頑固な油汚れはハウスクリーニング業者にお任せ
レンジフード(換気扇)の汚れを放置すると、汚れの重みで歪んだり、不具合が生じる恐れがあります。修理や交換で大きな費用が発生することのないよう、プロによるハウスクリーニングで定期的に汚れをリセットすることも検討してみてはいかがでしょうか。
レンジフードは定期的な掃除が重要
レンジフード(換気扇)の掃除は他の場所と比べると少し大がかりな作業ですが、掃除のコツを知っていれば、効率良く進められます。また定期的に掃除をすることで、頑固な汚れを防ぐことができ、掃除にかかる手間と時間を減らすことができます。
レンジフード(換気扇)の正しい掃除方法やコツを押さえて、綺麗で快適なキッチンを維持していきましょう。
ガスコンロの掃除方法|油汚れや焦げの落とし方ときれいに保つコツ
自分で掃除できない場合はハウスクリーニング業者への依頼を検討してみるとよいでしょう。