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熱帯魚の水槽掃除のやり方は?手順と注意点を初心者向けに解説

熱帯魚の水槽掃除のやり方は?手順と注意点を初心者向けに解説

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熱帯魚を飼育する際は、水槽掃除のやり方を事前に把握しておきましょう。水槽掃除では、水草やオブジェのチェック、コケの除去、機材の動作確認などが必要です。一見簡単そうに見える水槽掃除ですが、水質の変化やタイミングなど、注意しなければならない点がいくつかあります。

本記事では、初心者向けに水槽掃除の手順と注意点を解説します。初めて熱帯魚を購入する方は、ぜひ参考にしてみてください。

【初心者向け】水槽掃除の基本

水槽掃除の基本
まずは、水槽掃除の基本について確認しておきましょう。水槽掃除の重要性や汚れの種類、適切な掃除頻度、必要な道具などを紹介します。

水槽掃除は労力が必要となる作業です。しかし、熱帯魚を飼ううえで必ずおこなわなければならない工程なので、基礎知識をしっかりと身につけておきましょう。

水槽掃除が必要な理由

水槽掃除が必要な理由は、熱帯魚が快適に過ごせる環境をつくるためです。

水槽内にいる熱帯魚や水草は生命活動を営んでおり、フンや食べ残しなどの有機物によって日々水は汚れていきます。汚れを放置すれば、コケやカビが生えて水質が悪化し、熱帯魚の健康に悪影響を及ぼすでしょう。

そのため、水に浮いたフンや汚れなどを取り除いたり、水草を手入れしたりして、水質の状態を保つ必要があります。

エサはたんぱく質や油分を含んでおり、徐々に水質が悪くなる原因となります。フンやエサの食べ残しは目に見えるものですが、目には見えない物質が水質を悪化させてしまうこともあるため、適度な頻度で水槽掃除をおこないましょう。

そのほか、生体の死骸も有害物質に変化するものです。見つけ次第すぐに回収するようにしてください。

水槽の汚れの種類

水槽の汚れにはいくつか種類があります。なかでも代表的な汚れが以下の3つです。

  • 藍藻(ランソウ)
  • 珪藻(ケイソウ)※茶ゴケともいいます。
  • 糸状藻(シジョウソウソウ)

水が緑色になる汚れは、藍藻(ランソウ)と呼ばれる細菌の一種です。別名シアノバクテリアと呼ばれており、発生すると水槽のガラスや底床、水草などにぬめりが付着します。藍藻ができる原因は、水の流れや水槽内の生態系のバランスの悪さです。

珪藻(ケイソウ)は、水質が不安定なときに発生する茶ゴケです。水槽を立ち上げるとすぐに発生しやすいコケで、ガラス面や機材、水草などに茶色い汚れが付着します。水道水に含まれるケイ酸塩や、糞などから発生するアンモニアが分解されてできる硝酸塩が主な原因です。

そして、糸状藻(シジョウソウ)は緑色の細長いコケで、あらゆる場所に付着します。取り除きづらいため掃除がかなり大変です。水槽内に発生した栄養分によって繁殖します。生態系が整っていても発生してしまうため、根気よく取り除く必要があります。

水槽掃除の頻度

水槽掃除の頻度は、1〜2週間に一度が目安です。長期的に汚れている状態を放置することは危険ですが、反対に掃除をしすぎるのもNGです。必要以上に掃除をすると、熱帯魚にストレスを与えてしまうおそれがあります。

基本的には1〜2週間ごとに水槽掃除をおこないますが、死骸や食べ残し、フンなどが目立つ場合はすぐに取り除きましょう。

水槽掃除に必要な道具

水槽掃除に必要な道具は以下のとおりです。ホームセンターで手に入るものばかりなので、熱帯魚を飼育する前に揃えておきましょう。

メラミンスポンジ 水槽内の汚れを落とすために使用します。水槽を傷つけづらい素材ですが、細かな傷をつけることもあるため、水中でこすり洗いしましょう。
コケ掃除用のヘラ・スクレーパー 水槽のガラス面についたコケを落とすために使用します。
砂利掃除用ホース 掃除機のように砂利の中のゴミを掃除できるアイテムです。持っておくと掃除がラクになるでしょう。
パイプブラシ パイプを綺麗にしたい場合に使用します。細かい部分は手で洗えないため、パイプブラシで掃除しましょう。
バケツ バケツは新しい水のカルキ抜きをおこなう用と、濡れたホースを置いておく用の2つを用意しておくと安心です。
タオル 水が飛び散ってしまう可能性があるため、5枚程度用意しておきましょう。

水槽のお掃除・メンテナンス用品を見てみる

 

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熱帯魚の水槽掃除の手順

水槽掃除の手順
次に、熱帯魚の水槽掃除の手順を紹介します。初めて水槽掃除をおこなう際は、「どこから始めればよいかわからない」という方が多いでしょう。そのため、1つずつ工程を確認しながらおこなってみてください。

1.掃除の下準備をする

熱帯魚の水槽掃除をおこなう前に、まずは必要な道具をすべて準備しておきましょう。そして、水で手から腕までをしっかりと洗って汚れを落とします。石鹸のすすぎ残しがないように注意してください。

2.水槽を確認して機材の電源を抜いておく

次に、機材類の電源を抜いておきます。機材類とは、おもにヒーターや照明器具、ろ過器などです。コンセントを挿したまま作業をおこなうと、感電してしまう危険性があります。

とくに、コケを掃除する前には、ろ過器の電源が切れているかを必ず確認しましょう。なぜなら、ろ過器が浮遊したコケや汚れを吸い込み、フィルターの汚れにつながってしまうからです。

外部式フィルターを使用している場合は、電源をオンにしたままの作業がおすすめです。コンセントを抜く前に機材類の動作確認をしておくと、のちのトラブルを防げます。また、この段階で水槽のひび割れや傷、魚の様子なども確認してください。

3.コケと汚れを掃除する

事前準備がすべて完了したら、水槽内のコケと汚れをきれいにしていきます。水槽についたコケは、ヘラやスクレーパーを使って優しく取り除きましょう。隙間についたコケや汚れは取りづらいですが、水槽を傷つけないように動きを最小限に抑えながらおこないます。

とくに、ガラス水槽の角にはシリコンがあり、このシリコン部分が傷つくと水漏れの原因となるため注意してください。傷をつけないためにも、角部分はメラミンスポンジを使用すると安心です。

アクリル水槽も同じように、ヘラの面を使ってゆっくりとそぎ落としていく感覚でおこないましょう。メラミンスポンジは通常のスポンジよりも汚れを落としやすいですが、必ず水中で使用してください。乾いた状態で使用すると、水槽が傷つく原因となるためです。

コケや汚れを掃除したら、手を使ってぬめりなどがないかを確認しましょう。ぬめりがあれば、コケが残っている証拠です。

4.水槽の水を抜く

コケや汚れをしっかりと落としたら、次は水槽内の水を抜く作業に移ります。プロホースとバケツを用意し、全体の1/3程度の水を抜いていきましょう。たとえば、60cmの規格水槽であれば、約60Lほど水が入るので、そこから20Lほどの水を抜きます。

汚れが多い場合は通常よりも多くの水を抜きますが、抜く量は元々入っていた量の半分までにとどめておいてください。

Tips
砂利のごみを取り除く場合は、水抜きの前に砂利掃除用ホースを使って、魚のフンや食べ残し、水槽と砂利の境目に生えているコケなどを掃除してください。砂利掃除用のクリーナーとホースを砂利に差し込み、掃除機をかけるような感覚で砂利の中にあるゴミを吸いだしましょう。

ただし、それほど汚れがひどくなければ、砂利のゴミを取り除く工程は飛ばしても構いません。逆に、砂利を綺麗にしすぎると、水が汚れやすくなるデメリットがあります。

5.水草の手入れをする

レイアウトで水草を植えこんでいる場合は、砂利のゴミを取り除いたあとに手入れをおこないます。水草が伸びていればハサミを使ってトリミングをし、水草専用のピンセットを使って配置をし直しましょう。

トリミングは、水草の破片が水中に飛び散らないように、必ず水を入れる前におこなってください。

トリミングや配置換えをおこなうことで、水槽の全体的な印象を変化させることもできます。

6.水を注いで機材の電源を入れる

掃除や水草の手入れが完了したら、水を注いで機材類の電源を入れます。新しく注ぐ水は、必ずカルキ抜きをしておきましょう。

また、水槽内と同じ水温の水を用意する必要があるため、水温計で測りながら適正な温度に近づけてください。水を入れる際は、水流が発生しないように静かに注ぐことが重要です。手の上に水を少しずつ当てるように注ぐと、水流の発生を防げます。

どうしても手作業では時間がかかってしまうのであれば、ポンプを使用するとラクに注ぐことが可能です。水をすべて注ぎ終わったら、機材類の電源をすべて入れましょう。

7.最終確認をして完了

水槽を元の状態に戻したら、最終確認を行います。最終確認では、以下の7つのポイントをチェックしてください。また、水草が浮いてきそうな場合は、もう一度ピンセットを使って植えつけましょう。

  1. 魚に異常がないか
  2. 水温が適切か
  3. ろ過フィルターから正常に水が流れているか
  4. 水漏れはないか
  5. 漏電していないか
  6. 機材類の電源が入っており、正常に動いているか
  7. 水槽周りに漏れや汚れがないか

熱帯魚の水槽を掃除する際の注意点

熱帯魚の水槽を掃除する際の注意点
熱帯魚の水槽を掃除する際の注意点を2つ紹介します。どちらも魚の命に関わることなので、水槽を掃除する前に必ず確認しておきましょう。

魚を入れたまま掃除する

水槽の簡単な汚れを落とすだけであれば、魚を入れたままおこなって問題ありません。網で捕まえてバケツに移すという動作によって、魚にストレスを与えたり、魚の体を傷つけたりするおそれがあるためです。

魚を入れたまま掃除する際は、できるだけ波をたてないようにすると、魚に負担がかかりにくくなります。また、魚は変温動物のため、人の体温で火傷してしまう場合があります。掃除中に手で触れてしまわないように注意しましょう。

一度に大量の水換えをしない

水換えをおこなう際は、一度にすべての水を換えてはいけません。前述したとおり、基本的には水槽の1/3程度、多くても1/2までにしましょう。

一度に大量の水を換えると、水質が急激に変化し、魚に大きなストレスを与えてしまいます。また、水槽内のバクテリアが減少する原因にもなり、せっかく水換えをしたのに水質が不安定になるデメリットもあります。

最悪の場合、魚が突然死してしまうこともあるため、水換えの量にはくれぐれも気をつけましょう。

定期的な掃除で水槽を美しく保とう!

まとめ
熱帯魚を飼育する際は、定期的な掃除で水槽を美しく保つことが不可欠です。ただし、水槽掃除をおこなうと、水質を整えるために重要なバクテリアが減少してしまいます。バクテリアの減少をできるだけ防ぐために、水換えの日は掃除を控えめにするか、別日におこなうことがおすすめです。

初めは戸惑ってしまうかもしれませんが、コツをつかめば水槽掃除にかかる時間を短縮できます。慣れるまでは、手順を1つずつ確認しながら根気よくおこなってください。

この記事を監修した人

小松 智彦

小松 智彦

獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。
20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。

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