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アオジタトカゲの飼育方法|初心者向けに必要なものと注意点を解説

アオジタトカゲの飼育方法|初心者向けに必要なものと注意点を解説

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青い舌が特徴のアオジタトカゲ。エキゾチックな見た目ですが、穏やかな性格で体も丈夫なため、初心者でも安心して飼える爬虫類です。これからお迎えしたいと思っている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、初めて爬虫類をお迎えする方に向け、アオジタトカゲの飼い方や注意点を詳しく解説します。記事を最後まで読み、快適な飼育環境を用意してあげましょう。

アオジタトカゲの基礎知識

自然と木の上にいるアオジタトカゲ
アオジタトカゲの基礎知識は以下のとおりです。

  • 原産国:オーストラリア
  • 目属化:有鱗目トカゲ科アオジタトカゲ属
  • 分布:オーストラリア大陸(タスマニア・トレス諸島)
  • 体長:オス・メスともに45~60cm
  • 体重:450〜600g
  • 寿命:10~20年

ここでは、生態や種類、寿命などを詳しく解説します。

アオジタトカゲの生息環境・生態

アオジタトカゲは、オーストラリア大陸全域に生息している昼行性の爬虫類です。寸胴体型で手足は短く、ツチノコに似ているともいわれます。全体的に褐色または灰色で、濃い色の縞模様をしていますが、種類によって体色や大きさは異なります。

また、森林や砂漠、さらには都市部でも見かけられるほど多様な環境に適応する特性があり、昆虫から小動物、果実までさまざまなものを食べます。

アオジタトカゲの種類

アオジタトカゲは以下の7種類に大別されます。

  • オオアオジタトカゲ
  • ハスオビアオジタトカゲ
  • ホソオビアオジタトカゲ(別名:チュウオウアオジタトカゲ)
  • ニシアオジタトカゲ
  • マダラアオジタトカゲ
  • アデレードアオジタトカゲ
  • マツカサトカゲ

大型のオーストラリア産と小型のインドネシア産に分けられ、亜種も複数います。ここでは、とくに人気の高い4種類をご紹介します。

キタアオジタトカゲ

キタアオジタトカゲ

  • 原産地:オーストラリア北部
  • 大きさ:50~60cm
  • 体色・模様:褐色または灰色の地に黒い横縞

キタアオジタトカゲはハスオビアオジタトカゲの亜種で、温和な性格で扱いやすく、寒暖差に強い特徴があります。人工飼料へのエサ付けもしやすいため、初心者におすすめです。

オオアオジタトカゲ

オオアオジタトカゲ

  • 原産地:オーストラリア
  • 大きさ:60cm以上
  • 体色・模様:褐色または灰色の地に黒い横縞、体が太くて頭が大きい

アオジタトカゲのなかでもとくに大きい種類です。大人しい性格ですが、大型のため広いスペースを必要とします

ヒガシアオジタトカゲ

ヒガシアオジタトカゲ

  • 原産地:オーストラリア東部
  • 大きさ:40~55cm
  • 体色・模様:褐色の地に黒い横縞

ヒガシアオジタトカゲはハスオビアオジタトカゲの亜種で、体色のバリエーションが豊富で、胎生であることが特徴です。ほかの種類よりも流通量が少なく、希少性が高いです。

タンバニールアオジタトカゲ(別名:キメラアオジタトカゲ)

タンバニールアオジタトカゲ

  • 原産地:インドネシア・タニンバール諸島
  • 大きさ:30~40cm
  • 体色・模様:オレンジまたは赤みがかった体色で、模様とコントラストが独特

タンバニールアオジタトカゲはハスオビアオジタトカゲの亜種で、通称「キメラ」と呼ばれています。希少性が高く、独特の外見から爬虫類愛好家に人気があります。性格はやや神経質で温度管理も必要なため、飼育難易度は少々高めです。

アオジタトカゲの寿命

アオジタトカゲの平均寿命は約10~15年です。しかし、適切な飼育環境下で丁寧にお世話をすれば、20年近く生きる個体もいます。

アオジタトカゲの舌が青い理由

アオジタトカゲの舌が青い理由は、主に捕食者から自分の身を守るためだといわれています。

アオジタトカゲは危険を感じると、青い舌を露出して威嚇します。自然界において青色は毒性のある生き物に多く見られることから、捕食者がアオジタトカゲの青い舌を見て攻撃をためらうのです。また近年の研究ではアオジタトカゲの舌は紫外線を強く反射することも分かっており、鳥類など紫外線を認識する捕食者の目をくらます効果があるといわれています。

上記の他に、アオジタトカゲの青い舌は同種間でのコミュニケーションや繁殖期のパートナー選びに役立っているという説もあります。

 

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アオジタトカゲの飼育に必要なもの

ケージの中で、口を閉じているアオジタトカゲ
アオジタトカゲの飼育には、以下6つのアイテムが必要です。

  • ケージ…アオジタトカゲを入れる扉が付いたガラス製の飼育ケース
  • エサ…肉類・野菜・果物などさまざまな食べ物を用意
  • 床材…足の健康を守り排泄物をとりやすくするための砂状のもの
  • シェルター…落ち着いて過ごすための隠れ家
  • ヒーター…寒い季節でもケージ内を一定の温度に保つ暖房器具
  • 照明…ケージを温め、かつ成長を促すために必要なライト

それぞれの選び方や設置方法を詳しく解説します。

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ケージ

アオジタトカゲのケージは、最低でも90cm×45cm以上の爬虫類用のものを用意しましょう。幼体時であれば60cmのゲージでも飼えますが、成体時では狭すぎます。そのため、幼体時から大きめのケージを用意することをおすすめします。

熱帯魚用の水槽は爬虫類用のケージに形や素材が似ているため、アオジタトカゲにも使えると思うかもしれませんが、熱帯魚用の水槽に蓋をして飼育するのはおすすめしません。アオジタトカゲは成体になると水槽から這い上がって脱走するおそれがあるからです。

脱走を防ぐためにも、横開きでロックができるケージがおすすめです。

Tips
ケージは横幅が体長の2倍、高さと奥行きは体長と同じくらいのものが理想です。アオジタトカゲは小型の個体でも30~40cm、大型の個体では60cm以上あります。幼体から育てる際は成体時の大きさを見込んだ上で選びましょう。

エサ

アオジタトカゲのエサには、肉類・野菜・果物などさまざまなものを用意しましょう。与えられるエサは以下のとおりです。

  • 肉類…ミルワーム、ジャイアントミルワーム、コオロギなど
  • 野菜…小松菜、ケール、白菜、水菜など
  • 果物…リンゴ、バナナ、イチゴ、マンゴー、キウイなど

人工飼料であれば、リザードフード、イグアナフード、リクガメフードを与えられます。肉類・野菜・果物などはそのまま与えるのではなく、食べやすいように細かく刻んでから与えてください

野生の昆虫は寄生虫がいる可能性があるため、与えないほうがいいでしょう。

床材

床材は爬虫類を飼育するうえで欠かせないアイテムです。ツルツルしたガラスだと足が滑り、しっかりと足を踏ん張ることができません。床材があればケージ内でも歩きやすくなり、排泄物もとりやすくなります

アオジタトカゲには砂状の床材がおすすめです。排出物を出した際に砂がまわりについて固まり、処理しやすくなるからです。熱帯魚用のシャベルを使えば、排泄物や食べかすを簡単に取り除けます。

爬虫類用の床材にはヤシ柄マットやチップ形状のものもありますが、メンテナンスがしにくいため、アオジタトカゲの飼育にはあまり向いていないでしょう。

シェルター

シェルターには落ち着いて過ごせる「隠れ家」の役割があり、ストレスを軽減させる効果が期待できます

とくに、お迎えして間もないころはまだ新しい環境に慣れていないため、警戒心が強くストレスもたまりやすい状態です。落ち着かせるシェルターを入れてあげると、安心して過ごせるでしょう。

ただし、環境に慣れ、かつシェルターに収まりきらないほど成長したら、逆にケージ内が狭くなってしまうため取り除いてください。

ヒーター

爬虫類は変温動物であるため体温調節ができません。アオジタトカゲにとって冬は苦手な季節であるため、ヒーターを用意してケージ内を温めてあげましょう。

ただし、ただ温めればいいわけではありません。人間用のものだと暑くなりすぎたり、爬虫類がヒーターに触れてやけどを負ったりする危険性があります。そのため、爬虫類専用として販売されているものを使用してください

アオジタトカゲの飼育には、パネルヒーターがおすすめです。パネルヒーターは、床に敷くだけで使えるヒーターで、床暖房のように温める効果があります。電気代は電球型ヒーターの半分以下と、コストパフォーマンスにも優れています。

照明

冬場は、パネルヒーターに加えて照明を設置しましょう。爬虫類の飼育に使う照明には、バスキングライトと紫外線ライトがあります。

  • バスキングライト:局所的に高温スポットを作り日光浴ができるようにする
  • 紫外線ライト:骨の形成に必要なビタミンDの生成を促す

なお、紫外線ライトには「蛍光灯」と「電球」の2つのタイプがあります。ケージのサイズや飼育環境に合わせて最適なものを選びましょう。

また、紫外線ライトから出る紫外線は半年ほどで切れます。アオジタトカゲは紫外線を浴びないと体調が弱ってしまうため、半年たったら蛍光灯・電球を交換してください

アオジタトカゲの飼い方

男性の手と、下を出して抱えられているアオジタトカゲ
アオジタトカゲは温暖な地域に生息しているため、飼う際は温度・湿度の管理に注意が必要です。また、雑食性であることから、多様な食べ物をバランス良く与えましょう。ケージをこまめに掃除し清潔に保つことも大切です。

ここでは、アオジタトカゲの基本的な飼い方をご紹介します。

エサと水をあげる

先述したとおり、エサはさまざまな種類を用意することが大切です。野菜・肉・果物が5:4:1の比率がベスト。なお、アボカド、玉ねぎ、ナス、ほうれん草はアオジタトカゲにとって毒となりますのであげないように注意してください。

また、エサを与える際はカルシウム剤をふりかけましょう。トカゲはカルシウム不足に陥ると、骨が柔らかくなったり手足がマヒしたりする「クル病」を発症するおそれがあります。とくに、成長期はいつもより多めにカルシウム剤を与えてください。

肉類や野菜、果物の用意が難しい場合は、人工飼料を与えましょう。人工飼料は爬虫類の生育に必要な栄養成分がバランス良く配合されています。ただし、人工飼料を与える際もカルシウム剤は必須です。また、人工飼料のみを与えるのではなく、間で野菜も少し与えてください。

エサを与える頻度は、幼体時(8か月未満)は2~5日おきに、成体時は週に1~2回の間隔で与えれば問題ありません。

エサやりで注意すべき点は、与えすぎです。アオジタトカゲは脂肪がついても目立たない体の構造をしているため、気づかないうちに肥満になっていることがあります。食欲が旺盛でも、エサを与えすぎないようにしてください。

水は、爬虫類用の水入れに入れましょう。乾燥地帯に生息するアオジタトカゲは、1日1回ほどしか水を飲まないため、たくさん与える必要はありません。毎日交換し、常に新鮮な水が飲めるようにしてください。

温度・湿度を管理する

アオジタトカゲを飼育する際は、適切な温度と湿度の管理が欠かせません。照明を使い、以下の温度を保ちましょう。

  • 昼間:25~30℃程度
  • 夜間:20~25℃程度

とくに、バスキングスポットでは35〜40℃程度の温度を確保し、十分に日光浴をさせることが大切です。

また、アオジタトカゲにとって最適な湿度は50~60%程度です。ケージ内に温度計と湿度計を設置し、必要に応じて調整して快適な温度と湿度を保つようにしてください。

ケージを掃除する

ケージ内は、定期的に掃除をして清潔に保つ必要があります。手順は以下のとおりです。

アオジタトカゲを別のケージに移す

掃除用のケージは、全身が収まるものを用意しましょう。移すときに皮膚や目などをチェックすれば、病気やケガの早期発見につながります。

レイアウトアイテムや床材を取り出す

ケージ内にあるシェルターやエサ・水の容器、床材を取り出します。ケージを空にすることで、床材の汚れ具合や排泄物の様子をしっかりと確認できます。

ケージ・レイアウトアイテムを洗う

汚れや臭いがひどい場合は、市販のメラニンスポンジやペット用のウェットティッシュを使うといいでしょう。ケージ掃除用のスプレーも効果的ですが、除菌成分やアルコール分が入っているものは、爬虫類の健康を害するおそれがあります。しっかりと洗ったり拭き取ったりして、ケージ内に残さないようにしてください。

新しい床材とレイアウトアイテムを入れ、アオジタトカゲを戻す

ケージとレイアウトアイテムを乾燥させたら、新しい床材を入れ、レイアウトアイテムを配置します。ケージ内の環境を整えたら、アオジタトカゲを戻しましょう。アオジタトカゲに触れたあとは、殺菌成分のある石鹸でしっかりと手を洗ってください。

アオジタトカゲを飼育する際の注意点

真っ白な背景とアオジタトカゲ
アオジタトカゲを飼育する際は、ハンドリングと脱皮不全に注意が必要です。この2つは、アオジタトカゲの健康を保つうえでとても重要な要素であるため、お迎えする前に理解しておきましょう。

ハンドリングしすぎない

ハンドリングとは、生き物をなでたり手の上に乗せたりして触れ合うことです。

アオジタトカゲはハンドリングができるトカゲですが、やりすぎるとストレスを与えてしまうため、過度なハンドリングは避けましょう。

爬虫類はある程度人間に慣れるものの、犬や猫ほどは懐きません。さらにアオジタトカゲは気分屋な面があり、落ち着いていないときに触れようとすると、個体によっては噛みつくこともあります。以下の行動は、ハンドリングを嫌がっているサインです。

  • 威嚇する
  • 糞尿をかける
  • 逃げる

日頃から様子を観察し、落ち着いているときにハンドリングをしましょう

脱皮不全に注意する

爬虫類の脱皮は新陳代謝の一種で、古くなった皮膚の組織が剥がれ落ちる現象です。脱皮不全とは、脱皮がスムーズに進まず、脱皮殻が体の一部に残ってしまう状態をいいます。

アオジタトカゲは脱皮不全を起こしやすいトカゲです。放っておくと、脱皮殻が皮膚を圧迫して血行障害を引き起こしたり、その部分が壊死したりするおそれがあります。

脱皮不全の主な原因はケージ内の過度な乾燥です。そのため、先述したとおり、湿度は50%前後に保つようにしてください。脱皮をサポートする石や流木を入れておくのもおすすめです。

また、湿度に問題がなくても、低体温や紫外線不足、クル病などが原因で脱皮不全を起こすことがあります。飼育環境を整えても脱皮の失敗が続く場合は、病院に連れて行きましょう。

アオジタトカゲを飼育してみよう!

落ち葉の上で、下を出しているアオジタトカゲ

青い舌に寸胴な体型、短い手足が特徴のアオジタトカゲ。穏やかな性格をしており、爬虫類初心者におすすめのトカゲです。

比較的丈夫で気温の変化に強いものの、厳しい寒さには耐えられないため、冬場はヒーターで温めてあげてください。ビタミンDの生成を助ける紫外線ライトも設置しましょう。

また、肉類や野菜、果物など、さまざまな食べ物をバランスよく与えることも大切です。加えて、ハンドリングのし過ぎや脱皮不全にも注意してください。

以上のことを意識し愛情を持って接すれば、徐々に懐いてくれるでしょう。この機会に、爬虫類ライフを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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