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【獣医師監修】冬の暖房は猫にも必要!寒さ対策ができる器具や設定温度を解説

【獣医師監修】冬の暖房は猫にも必要!寒さ対策ができる器具や設定温度を解説

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寒がりな動物として知られている猫ですが、室内でお世話をしている場合、寒さ対策をどの程度してあげるべきなのかをご存じでしょうか。

本記事では、猫にとって必要な暖房器具やアイテム、適切な設定温度などを解説していきます。愛猫家さんにとって有益な情報ばかりなので、ぜひ参考にしながら寒い冬を越す準備に取り組んでみてください。

猫に暖房を使うのは冬になる前から

白い棚の上で横になる猫

暖房器具を使い始めるのは、日中にも肌寒さを感じる本格的な冬が訪れてからという家庭も多いでしょう。しかし、猫を飼っている場合には、私たち人間が考えるよりも少し早い段階で室温を見直してあげる必要があります。

温度や時期の目安

寒さ対策をはじめる時期としては、朝晩の気温がぐっと下がる秋頃がおすすめです。

地域によって適切な時期は異なりますが、北海道や東北地方であれば10月下旬頃から、九州や沖縄などの比較的暖かい地域でも12月に入るまでには環境を整えておきましょう。

猫は、温度が20度を下回ると寒さを感じるといわれています。そのため、室温は20~28度ほどを維持し、さらに湿度は50~60%ほどに保つといいでしょう。

また、自分で温度調節をうまくできず、体調を崩しやすい子猫やシニア期の猫は、成猫以上に注意して温度管理をおこなわなければいけません。愛猫の年齢や体格、毎日の体調などを考慮して、適切な室温を維持してあげてください。

暖房を使う期間

春先までは肌寒い日が続くため、冬が終わったからと油断はせずに、なるべく暖房を使用して暖かい環境を保つようにしましょう。

人も猫も体調不良を防いで快適に過ごすためには、季節と気温に応じた適切な温度管理が大切です。

留守番のときの暖房

愛猫を留守番させるときは、ストーブやホットカーペットなどを付けっぱなしにすると火事や事故につながる危険性があります。代わりに、暖かい毛布や猫用のベッドなどを用意してあげると、快適に過ごすことができるでしょう。

猫は、日中のほとんどの時間を寝て過ごすため、基本的には暖かい寝床さえあれば心配はいりません。それでも室内の寒さが気になる場合は、とくに寒い時間帯のみエアコンをタイマー設定して使用したり、毛布を多めに用意したりと工夫してみてください。

猫が冬に寒いと感じているときの仕草

ストーブの前で丸まって温まる猫

猫が寒さを感じているとき、人のように言葉で「寒い」と伝えられない代わりに、仕草や行動で見せる「サイン」があります。

体を丸めたり、毛布やこたつにもぐってじっとしていたり、ぶるぶる震えていたりと、わかりやすいサインが多いため、大半の飼い主さんは気づくことができるでしょう。また、飼い主さんや暖房のそばから離れないときや、窓や扉の近くに近づかないときも寒がっているサインです。

毛を逆立てたり寝る時間が長くなったりと、見た目や生活に現れるサインもあります。食欲があるのに水を飲む量が減ったときも、寒さを感じている証です。愛猫の様子を毎日よく観察して、変化に気づいてあげるようにしましょう。

猫の冬の寒さ対策と暖房器具

ラグの上で伸びている猫

愛猫のためにできる「寒さ対策」として、どのような暖房器具やアイテムを取り入れるべきか悩んでしまう方も多いでしょう。部屋のつくりや愛猫の生活スタイルによって、適切な寒さ対策は異なります。さまざまな方法やアイテムを試して、愛猫にぴったりな対策を見つけてあげてくださいね。

エアコン

部屋を均一に暖められる「エアコン」は、寒さ対策に欠かせない暖房器具のひとつです。手軽に使えて、人も猫も快適に過ごせる温度を保てるため、家にエアコンがある方はぜひ最初に試してみてください。

設定温度は20~28度ほどがおすすめですが、地域や毎日の気温にあわせて調整しながら使いましょう。また、エアコンを使用すると空気が乾燥するため、加湿器や飲み水を準備しておくと、より過ごしやすい環境になりますよ。

エアコンの商品を見てみる

床暖房やホットカーペット

ほかの動物と比較すると、部屋中を自由に動き回り、高いところで過ごすことも多い猫ですが、歩く機会が多い床はしっかりと暖めてあげることをおすすめします。

床暖房やホットカーペットを使用して、床全体の温度を上げれば、きっと喜んで座ったり寝転んだりするでしょう。

エアコンのように空気の乾燥を心配する必要はありませんが、長時間の接触により低温やけどをする危険性があるため、設定温度には注意してください。

ホットカーペットの商品を見てみる

ヒーター

一部のみを効率よく暖めるには「ヒーター」が便利です。電力で動くため安全に使える「電気ファンヒーター」と、スピーディーに部屋の温度を上げる「石油ファンヒーター」の2種類から、家庭にあうタイプを選んでください。

電気の場合はコンセントやケーブルを愛猫に噛まれて破損してしまわないように、石油の場合はやけどと換気に注意して、適切に使用しましょう。

電気ファンヒーターの商品を見てみる

石油ファンヒーターの商品を見てみる

猫用の暖房器具

暖房器具は、ペットのサイズ感にあわせた専用の商品も多く開発されています。

たとえば、ケージやペットベッドなどに入れられる小さなカーペットや板状のヒーターなどがあります。愛猫が暖をとるのにぴったりなものを選んであげてください。

ペット用として設計されているため感電や水漏れといった事故の対策はされていますが、必ず防止できるものではないため、低温やけどのリスクとあわせて注意しながら使用しましょう。

カイロや湯たんぽ

電気や火を使わずに暖かさを感じられる「カイロ」や「湯たんぽ」も、寒さ対策にぴったりなアイテムです。安全に使用できるうえに、ホームセンターなどでも手軽に購入できるため、思い立ったらすぐに準備できます。
ただし、人間用のカイロや湯たんぽを直接使うと低温やけどを起こす危険性があります。専用のカバーやケースに入れ、長時間触れ続けないようにするなど、気を付けて使いましょう。

猫の寒さ対策をするときの注意点と対策法

ストーブの前で温まる猫

猫の寒さ対策として暖房器具を使う際には、人が使用するときと同じようにいくつか注意点があります。思いもよらぬ事故やけがを防ぐためにも、気をつけるべき点と対策方法をきちんと把握しておきましょう。

やけど

暖房器具には、使用する場所や空気を温めるために一部が高温になるものや、温風が出るタイプが多く存在します。そのため、同じ場所に触れ続けたり、近づきすぎたりすると、やけどを起こすおそれがあることを忘れてはいけません。

ヒーターやストーブなどを愛猫の近くで使用する場合は、周りをサークルで囲って近寄りすぎないようにしましょう。また、カーペットや板状ヒーターの使用時には、愛猫がずっと同じ姿勢でいることがないように気にかけてあげてください。とくに、子猫やシニア猫の場合、設定温度は低めを意識することが大切です。

乾燥

主にエアコンの使用時に注意するべきなのが、室内の「乾燥」です。空気が乾燥すると、愛猫が脱水症状を起こす危険性があるため、加湿器と併用することをおすすめします。

また、いつでも飲むことができる位置に新鮮な飲み水をたっぷり用意しておくと、乾燥を感じた猫が自らすすんで水分補給をするようになるので安心です。

火事

ヒーターやストーブを使用すると、非常に高温になるため火事への注意が必要です。愛猫のみをお留守番させるときは使用を控え、在宅時にも周囲に物を置いたり、愛猫が近づきすぎたりしないように配慮しましょう。

また、留守中には電源コードを抜いておくと、愛猫が触れて暖房器具が起動してしまう事態や、感電などの事故を防げます。

冬の暖房と猫の健康

温風機の前でマフラーに包まる猫

猫は寒さに弱い動物であるからこそ、冬場の健康管理にはとくに注意を払ってあげましょう。寒さはもちろん、暖房器具の影響で体調を崩すこともあるため、適切な使い方や対策が欠かせません。

愛猫の健康状態に問題がないか、毎日の触れ合いやケアを通してしっかりと観察することが大切です。

水分補給

人も猫も、冬場は夏と比較すると水分を摂取する機会が減る傾向があります。しかし、冬場は空気が乾燥しやすいほか、エアコンをはじめとした暖房器具の使用によって乾燥が加速するため、水分補給は非常に重要です。体内に水分が足りていないと、尿石症になるおそれがあります

愛猫がしっかりと水分を補給できるように、飲み水は常に新鮮なものを多めに用意してあげてください。置き場所や容器を変えるなどの工夫をすると、寒さが苦手で動きの鈍くなった愛猫でもすすんで飲み水を口にするようになるでしょう。

冬場は冷たい水を嫌がる猫が多いです。

水を少し温めてあげたり、水を含ませたフードを与えたりするのもおすすめです。

適切な排泄

寒いとなかなか動きたがらない猫にとっては、トイレもつらい時間です。長時間排泄を我慢して尿石症になることもあるため、愛猫をよく観察してトイレに行かせてあげましょう。

また、トイレの周りの汚れや冷えも猫を遠ざける原因となります。常に清潔で、適度に暖かい環境を整えてあげてください。

 

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温度や湿度の設定

冬場のとくに寒い時期には、室温を24~28度ほどに保つようにしてください。20度を下回ると猫が寒さを感じ、水分補給や排泄をするために動くことを嫌がってしまいます。

一方で、必要以上に暖房器具を使用して室温が高くなりすぎると、脱水症状や熱中症を起こす危険性があるため注意しましょう。

さらに、暖房器具の使用による乾燥を防ぐため、温度とあわせて湿度にも気にかけて、加湿器の使用や濡れたタオルを室内に干すといった対策をおこなってください。

暖房で猫が寒い冬でもリラックスできる環境をつくろう

家電の上で寝ている猫

猫が苦手な寒い季節を快適に過ごすためには、適切な室温や湿度を維持した環境づくりが重要です。愛猫の性格や生活スタイルによって、適した暖房器具やアイテムは異なるため、いろいろと試しながら愛猫にぴったりな寒さ対策を見つけましょう。

ただし、猫に寄り添いすぎて人が過ごしにくい環境になってしまわないように注意が必要です。飼い主さんと愛猫のどちらもが快適に日々を送れるような工夫をしてみてください。

この記事を監修した人

小松 智彦

小松 智彦

獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。
20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。

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