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スパナとレンチの違いとは?用途や形状、正しい選び方を分かりやすく解説!

スパナとレンチの違いとは?用途や形状、正しい選び方を分かりやすく解説!

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DIYや家具の組み立て、自転車のメンテナンスなどで活躍するスパナとレンチ。どちらもボルトやナットを締めたり緩めたりする身近な工具ですが、その違いを正確に説明できる方は少ないかもしれません。

「どちらを選べば良いのだろう?」と悩んだ経験はありませんか。実は、スパナとレンチにはそれぞれ得意な作業があり、適材適所で使い分けることで、作業効率と安全性が格段に向上します。

この記事では、スパナとレンチの根本的な違いから、具体的な用途、そして購入で失敗しないための選び方まで、分かりやすく解説していきます。

スパナとレンチの根本的な違い

スパナとレンチ

スパナとレンチは、どちらもボルトやナットを回すための工具ですが、その最も大きな違いは「形状」と「力の加わり方」にあります。簡単に言うと、先端が開いているのがスパナ、閉じているのがレンチです。

スパナは先端がU字型に開いており、ボルトやナットを2点で挟み込んで力を加えます。一方、レンチの先端はリング状で、ボルトやナットを完全に囲み込むようにして、多点(6点や12点など)で力を均等に加えることができます。

実は、「スパナ(spanner)」はイギリス英語、「レンチ(wrench)」はアメリカ英語が由来で、どちらも「ねじる」という意味を持つ言葉です。工具の総称としては「レンチ」が使われることが多く、スパナはレンチの一種と捉えることもできます。しかし、日本では形状の違いから、この二つを明確に区別して呼ぶのが一般的です。

特徴 スパナ レンチ
先端形状 U字型(開口型) リング状(閉口型)
力の加わり方 2点で挟む 面で囲む(6点、12点など)
主な用途 仮締め、早回し、狭い場所での作業 本締め、固く締まったボルトの作業
長所 横から素早くアクセスできる 安定して大きな力を加えられる
短所 強い力をかけるとボルトを傷めやすい 強い力をかけるとボルトを傷めやすい

 

関連情報

スパナ・レンチ・モンキーの使い方【DIY】コーナン – YouTube

スパナの特徴

使用中のスパナ

スパナは、その独特な形状から、レンチにはない利便性を持っています。どのような場面でスパナが活躍するのか、その特徴を見ていきましょう。

スパナ|ホームセンターコーナンの通販サイト

横から素早くアクセスできる形状

スパナの最大の特徴は、先端が開いたU字型の形状です。この形状のおかげで、ボルトやナットに対して横からスライドさせるようにアクセスできます。

工具を上から被せるスペースがない場合でも、スパナならスムーズに作業を開始できます。また、同じサイズのボルトやナットを連続して回す際には、レンチのように都度抜き差しする必要がなく、スピーディーな作業が可能です。

配管周りや狭い場所での作業

スパナが特に真価を発揮するのは、配管周りの作業や、機械の内部などスペースが限られた場所です。 例えば、自動車のブレーキパイプや、水道管の接続部分のナット(フレアナット)は、パイプが邪魔になって上からレンチを被せることができません。このような場面では、横から差し込めるスパナが必須の工具となります。障害物が多く、レンチを回す角度が確保できない狭い場所でも、スパナなら少しずつ回していくことができます。

レンチの特徴

レンチを使って作業している風景

レンチは、ボルトやナットを確実に、そして力強く回すための工具です。スパナとは異なるその構造が、安定した作業を実現します。

レンチ|ホームセンターコーナンの通販サイト

ボルトを囲み安定して力を加える

レンチの最も優れた点は、先端のリング形状がボルトやナットを完全に囲み込むことです。これにより、接触面が広くなり、力を複数の点に分散させて伝えることができます。

スパナが2点で力を加えるのに対し、メガネレンチなどは6点や12点で支えるため、工具が外れにくく、非常に安定した状態で力を加えられます。結果として、ボルトやナットの角を傷つけてしまう(なめてしまう)リスクを大幅に減らすことができます。

固く締まったボルトの本締め作業

安定して大きな力をかけられるレンチは、固く締まったボルトやナットを緩めたり、逆に最終的に強く締め付けたりする「本締め」作業に最適です。

スパナで本締めを行うと、力がうまく伝わらずに工具が外れてしまったり、ボルトの角を傷つけたりする危険性があります。安全かつ確実に作業を終えるためには、レンチの使用が不可欠です。

特に、安全性が求められる自動車の足回りや、エンジンの部品などを整備する際には、レンチが主役となります。

【用途別】代表的なレンチの種類

様々な種類のレンチ

一口にレンチと言っても、その種類は多岐にわたります。それぞれに得意な作業があり、用途に合わせて使い分けることが重要です。ここでは、DIYやメンテナンスでよく使われる代表的なレンチを紹介します。

本締めに最適なメガネレンチ

メガネレンチ

持ち手の両端にメガネのようなリング状の口部を持つのが特徴で、レンチの代表格と言える存在です。 ボルトやナットを完全に囲むため、非常に大きな力を安定してかけることができ、本締めに最も適しています

ハンドル部分に角度がついた「オフセットタイプ」が一般的で、平らな面にあるボルトでも回しやすいように工夫されています。

メガネレンチ|ホームセンターコーナンの通販サイト

1本で2役のコンビネーションレンチ

コンビネーションレンチ

コンビネーションレンチは「スパナ」と「メガネレンチ」の両方の機能を1本に備えた便利な工具です。片側がスパナ形状、もう片側がメガネレンチになっており、仮締めと本締めを1本で完結できるのが特長です。

まずスパナ側でボルトやナットを手早く仮締めし、その後メガネレンチ側に持ち替えて本締めを行うことで、作業効率が格段に向上します。

特に限られたスペースや持ち運びが必要な場面では、コンビネーションレンチが重宝されます。

コンビネーションレンチ|ホームセンターコーナンの通販サイト

1本で多サイズ対応のモンキーレンチ

モンキーレンチ

先端の開口部の幅をウォームギアで調整できる便利なレンチです。この機能により、1本で様々なサイズのボルトやナットに対応できるため、工具を何本も揃える必要がないのが大きなメリットです。

ただし、構造上スパナと同様に2点で力を加えるため、強い力をかける作業には向きません。また、サイズ調整が不十分だとボルトを傷める原因になるため注意が必要です。

モンキーレンチ|ホームセンターコーナンの通販サイト

作業が早いラチェットレンチ

ラチェットレンチ

内部に「ラチェット機構」という一方向のみに回転する仕組みを内蔵したレンチです。 これにより、ボルトからレンチを外すことなく、ハンドルを往復させるだけで素早く締めたり緩めたりすることができます。

狭い場所でハンドルを大きく回せない場合でも、効率的に作業を進められるため、プロの現場からDIYまで幅広く愛用されています。

ラチェットレンチ|ホームセンターコーナンの通販サイト

拡張性が高いソケットレンチ

ソケットレンチ

ハンドルに、「ソケット」と呼ばれる筒状の部品を付け替えて使用するレンチです。主にラチェット機構を持つハンドルに、ソケットを取り付けた「ラチェットレンチ」が一般的です。

ソケットを交換するだけで様々なサイズや種類のボルト・ナットに対応できるため、非常に拡張性が高いのが特徴です。延長用のエクステンションバーなどを組み合わせれば、奥まった場所のボルトにもアクセスできます。

ソケットレンチ|ホームセンターコーナンの通販サイト

家具の組み立てで使う六角レンチ

六角レンチ

六角形の穴が開いた「六角穴付きボルト」を回すためのレンチです。L字型が一般的で、組み立て式の家具に付属していることも多いため、最も身近なレンチの一つと言えるでしょう。

ボルトの穴にしっかりとはまり込むため、力が伝わりやすく、ネジ頭を傷つけにくいという利点があります

六角レンチ|ホームセンターコーナンの通販サイト

シーン別に見るスパナとレンチの使い分け

様々な種類のレンチ

スパナとレンチ、それぞれの特徴を理解したら、次は実践的な使い分けです。作業の効率と安全性を高めるための基本的なルールを覚えましょう。

仮締めはスパナ、本締めはレンチ

工具の使い分けで最も重要な原則が「仮締めはスパナ、本締めはレンチ」です。まず、スパナを使ってボルトやナットを素早く回せるところまで締め付けます。

これを「仮締め」と呼びます。そして、最後に力を入れてしっかりと固定する「本締め」の段階で、安定して力を加えられるレンチに持ち替えるのです。この手順を守ることで、スピーディーかつ安全に作業を進めることができます

障害物がある場所ではスパナ

レンチはボルトやナットを上から被せる必要がありますが、配管や他の部品が邪魔でそれができない場合があります。

このような状況では、横から滑り込ませることができるスパナの出番です。作業スペースが狭く、レンチのハンドルを十分に回すことができない場合も同様です。

状況に応じて適切な工具を選ぶ判断力が、スムーズな作業の鍵となります。

失敗しないスパナ・レンチの選び方

工具を選んでいる風景

自分に合った工具を手に入れるために、購入時にチェックすべきポイントがいくつかあります。ここで紹介する選び方を参考にして、失敗のない工具選びをしましょう。

ボルトのサイズを確認する

最も基本的なことですが、作業対象のボルトやナットのサイズに合った工具を選ぶことが絶対条件です。サイズが合わない工具を無理に使うと、ボルトの角をなめてしまい、回せなくなるだけでなく、部品そのものを交換しなければならなくなる可能性もあります。

工具には「10mm」のように対応サイズが刻印されているので、必ず確認しましょう。この数字は、ボルト頭部の向かい合う辺の間の距離(二面幅)を示しています。

ミリとインチの規格に注意

ボルトやナットのサイズには、「ミリ(mm)」規格と「インチ(inch)」規格の2種類が存在します。

日本国内の製品や自動車の多くはミリ規格ですが、外国製品や一部のバイク(ハーレーダビッドソンなど)、輸入家具などではインチ規格が使われていることがあります。

これらは互換性がないため、間違った規格の工具を使うとボルトを破損させる原因になります。 作業対象がどちらの規格か事前に確認することが重要です。

セット品で作業範囲を広げる

特定のサイズの工具が1本だけ必要な場合を除き、様々な作業に対応したいと考えているなら、セット品の購入がおすすめです。

特に、メガネレンチやソケットレンチ、六角レンチは、複数のサイズがセットになった製品が多く販売されています。

これから工具を揃えたいという初心者の方や、様々なメンテナンスに挑戦したい方は、まず基本的なサイズが揃ったセット品を選ぶと、作業の幅が大きく広がり、結果的にコストパフォーマンスも高くなります。

まとめ

様m様なサイズのスパナ

スパナとレンチは、形状と用途に明確な違いがあります。この違いを理解し、仮締めはスパナ、本締めはレンチといった基本的な使い分けを実践することで、作業はより安全で効率的になります。

これから工具を選ぶ際は、本記事で紹介したポイントを参考に、ご自身の目的に最適な一本を見つけてください。

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