コーナンTips 園芸 初心者でもできる落花生栽培|種から育てる方法と失敗しないためのポイント 初心者でもできる落花生栽培|種から育てる方法と失敗しないためのポイント 園芸 クリップボードにコピーしました 初心者でもできる落花生栽培|種から育てる方法と失敗しないためのポイント この記事をシェアする! クリップボードにコピーしました 食べておいしく、自宅でも栽培できる人気の落花生。これから家庭菜園で落花生を栽培したいけれど、種から上手に育てていけるか不安な方も多いのではないでしょうか。 本記事では、落花生を種から育てる方法や、失敗しないためのポイントについて詳しく解説します。 目次 落花生の基本情報歴史・由来主な品種落花生を育てるために必要なもの落花生の育て方日当たり・置き場所・温度種まきの仕方水やりの仕方肥料のやり方中耕・土寄せの仕方【初心者向け】落花生を種から育てる手順1.土を作る2.種まきをする3.鳥よけをする4.発芽したら間引きをする5.追肥・中耕・土寄せをおこなう6.収穫する落花生栽培で失敗しないためのポイント種まき後はすぐに鳥よけをする水やりのしすぎに注意する摘芯(摘心)はしなくてもOK落花生の病気・害虫対策自宅で落花生を育ててみよう! 落花生の基本情報 科名 マメ科 属名 ラッカセイ属 和名 落花生(ラッカセイ) 英名 peanut 学名 Arachis hypogaea 別名 南京豆(ナンキンマメ)・ピーナッツ 原産地 南アメリカ大陸 分類 一年生草本 販売時期 種:1月~5月/苗:4~6月 開花時期 7月ごろ 収穫時期 9~11月 耐暑性・耐寒性 15~25℃ 歴史・由来 落花生の原産地は南アメリカ大陸で、紀元前6世紀までにメキシコに伝わったといわれています。その後16世紀中ごろに、アフリカ・ヨーロッパ・インドネシア・フィリピンなどに広がっていきます。 日本には17世紀以降に中国から伝わり、「南京豆」として親しまれるようになりました。花が咲いたあと、先がとがった子房柄が土中に侵入して結実することから「落ちた花から実が生える」という意味で「落花生」の名前が付けられたそうです。 主な品種 落花生には多くの品種があり、日本で栽培されている主な品種は以下の5つです。 千葉半立(ちばはんだち) ナカテユタカ 郷の香(さとのか) おおまさり Qなっつ(きゅーなっつ) 「千葉半立」は国産の落花生のなかで最高品種として知られており、味が良く高価ですが栽培の難易度は高めです。「ナカテユタカ」は見栄えの良い大粒の実をつける品種で、味も良く育てやすいのが特徴。 「郷の香」は収穫量が多く見た目もきれいに育ちます。茹で落花生のなかでもっとも有名な品種です。「おおまさり」は非常に大きな実をつける品種で、その大きさはナカテユタカの2倍ほどになります。 「Qなっつ」は2018年に誕生した新しい品種で、病気や害虫に強く発芽率が高いため非常に育てやすいのが魅力です。ほかの品種と比べても甘味が強く、とても人気があります。 落花生を育てるために必要なもの 落花生を種から上手に育てていくために、まずは必要なものをそろえましょう。以下を参考に、事前に用意するものをチェックしてみてください。 プランター 75cm前後のワイドプランター 1つのプランターで1株ずつ栽培 育苗用ビニールポット 9cm程度 培養土 一般的な野菜培養土でOK 鉢底石と鉢底ネット ー 肥料 追肥用として油粕を用意 スコップ ー ジョウロ ー 園芸ハサミ ー マルチング材 ポリマルチ 寒冷紗・ネット 鳥対策用 落花生の育て方 大きな実をつけた立派な落花生を家庭菜園で栽培するために、以下5つのポイントを押さえておきましょう。 日当たりと置き場所と温度 種まきの仕方 水やりの仕方 肥料のやり方 中耕と土寄せの仕方 日当たり・置き場所・温度 落花生は日当たりの良い場所を好みます。栽培の適温は15~25℃で、発芽温度は20℃前後。温度が15℃を下回ると育たなくなるため、寒冷地での栽培は初心者では難しいでしょう。 種まきの仕方 落花生の種まきをする時期は4〜6月。種をさやから取り出し、皮を向かずに育苗用のビニールポットに植えます。2〜3cm程度の深さの穴を掘り、横向きに2〜3粒種を植えて土をかぶせてください。 水やりの仕方 種まきのあとは水やりをおこないます。ただし、落花生の種は湿度に弱く水をあげすぎると種が腐るおそれがあるため注意が必要です。 基本的には、土が乾いたら水を与えるというペースで水やりをしていきましょう。夏は暑さで土が乾燥しやすいため、朝と夕の2回水やりが必要となる場合があります。 肥料のやり方 一番花の開花後に、追肥をしてください。ただし、落花生は窒素を自分で空気中から取り込んでいるため、生育に影響が及ばないよう、窒素が多く含まれている肥料は避けてください。リン酸やカリなどがバランス良く含まれているものを選びましょう。 中耕・土寄せの仕方 落花生は子房柄(しぼうへい)と呼ばれるツルが土の中に侵入し、その先端が膨らむことでさやができます。たくさん収穫できるようにするためには、中耕(ちゅうこう。土の表面を浅く耕すこと)をおこない土を柔らかくすることが大切です。 また、子房柄が地面に潜りやすくなるよう、株元に土寄せ(土を寄せて盛ること)することも忘れないようにしましょう。上手く地中に潜りこめないとさやがつかず、収穫量が減ってしまうので気を付けてください。 【初心者向け】落花生を種から育てる手順 落花生を種から上手に育てていくための手順について、初心者の方にもわかりやすく解説します。 土を作る 種まきをする 鳥よけをする 発芽したら間引きをする 追肥・中耕・土寄せをする 収穫する 1.土を作る プランターで落花生を栽培する場合は、市販されている野菜培養土を使用すると元肥を与える必要がなくなるためおすすめです。 地植えであれば、苦土石灰を植え付けの2週間前にまきます。1平方メートルあたり200gが目安です。1週間前に堆肥を1平方メートルあたり2kg程度まき、化成肥料を1平方メートルあたり100g程度まいてください。肥料をまいたあとはしっかりと耕しておきましょう。 2.種まきをする 種まきをする際は、先述したとおり深さ2、3cm、直径5cm程度の穴を掘り種を植えます。地植えの場合は株間30cm、条間45cm程度にしてください。種は一つの穴に2〜3粒まきますが、それぞれがくっつかないように置きましょう。 3.鳥よけをする 種まきをしたら、鳥よけのために寒冷紗で覆いましょう。鳥対策だけではなく、害虫対策や地温の確保にもつながります。落花生が発芽して、寒冷紗が成長を妨げてしまう前のタイミングで外すようにしてください。 4.発芽したら間引きをする 落花生が順調に発芽したら、成長に応じて間引きをおこなっていきます。本葉が2枚付いているタイミングで2株に間引きをして、本葉が3~4枚になったら1株にしましょう。 5.追肥・中耕・土寄せをおこなう 追肥は開花初めにおこないます。畝全面に追肥をしたあと、軽く耕して中耕をおこない、株元に土を寄せます。最初の土寄せから2〜3週間経ったら、子房柄を切らないよう注意して2回目の土寄せをしてください。 6.収穫する 落花生の収穫時期は10月前後ですが、葉や茎が黄ばみ始め、下葉が枯れてきたら試し掘りをしてみましょう。さやに網目模様が出ていて膨らんでいれば収穫可能のサインです。スコップなどを使って丁寧に土を掘り、実を傷つけないよう注意しながら株ごと収穫してください。 落花生栽培で失敗しないためのポイント 落花生の栽培で失敗して残念な思いをしないためにも、以下の3つのポイントを理解しておきましょう。 種まき後はすぐに鳥よけをする 水やりのし過ぎに注意する 摘芯はしなくてもOK 種まき後はすぐに鳥よけをする 落花生の種は、ハトやカラスなどの格好の標的となってしまうため、万全の鳥対策が必要。とくに狙われやすい種まき後は、すぐに鳥よけをして種を守りましょう。種まきをしたあと、なかなか発芽しないと感じたら、一度掘り返して種が食べられていないかを確認してみてください。 水やりのしすぎに注意する 先述したとおり、落花生の種は湿気に弱いため、水やりのしすぎには注意が必要です。種まき時に水をしっかりと与えたあとは、地植えであれば基本的に雨に任せて問題ありません。 雨が降らない期間が長く続いたときや、真夏の暑い時期などに、少し注意しておくくらいでいいでしょう。プランターの場合は、毎朝水やりをするのがベストです。 摘芯(摘心)はしなくてもOK 摘芯とは、実つきを良くするために、伸びようとしている茎の先を切る作業です。落花生も摘芯をすれば立派な実がつくと思われがちですが、基本的に摘芯はしなくてもしっかりと成長します。 落花生の病気・害虫対策 落花生の栽培で厄介なのが、病気や害虫の存在。落花生の成長過程で出現しやすい病気・害虫は以下のとおりです。 病名 症状 褐斑病(かっぱんびょう) 黄褐色の病斑が葉に現れ、葉を枯らす 白絹病(しらきぬびょう) 茎葉が黄色くなりよじれ、株全体が枯れる そうか病 カビによる病気で、さやに褐色の病斑が現れかさぶた状になる その他 根腐病・灰色カビ病など 害虫 症状 コガネムシ類 地中の幼虫が根とさやを食害し、全体が枯れてしまう ハスモンヨトウ 葉を食害する その他 アブラムシ・オンブバッタ・マメヒメサヤムシガなど 落花生が病気にかかっていることがわかったら、発病している部分を早めに取り除き、周りに広がらないように対策を講じましょう。また、畑を耕す際に幼虫がいないかどうかを丁寧にチェックすることも大切。必要に応じて、市販の薬剤を使用し害虫対策をおこなってください。 自宅で落花生を育ててみよう! 落花生は栽培難易度が比較的低い植物で、家庭菜園初心者の方でも、種から立派な落花生を育てられます。落花生を育てる方法や失敗しないためのポイントをしっかりと押さえて、種まきから収穫までのプロセスを楽しみましょう。
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