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梅の育て方|初心者向けに剪定の仕方や品種の選び方、注意点を解説

梅の育て方|初心者向けに剪定の仕方や品種の選び方、注意点を解説

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春になると美しい花を咲かせる梅には「花梅(はなうめ)」と「実梅(みうめ)」の2種類があります。

梅を栽培する際は、梅干しや梅酒に活用したいのか、花の鑑賞を楽しみたいのかなど、目的に合わせて適切な種類を選びましょう。

本記事では、初心者の方にもわかりやすく、梅の栽培難易度や品種の選び方、育て方の手順、注意点を解説します。

梅の基本情報

梅の基本情報
まずは、梅の基本情報を確認しましょう。

科名 バラ科
属名 サクラ属
和名 梅(ウメ)
英名 Japanese apricot
学名 Prunus mume
別名 春告草(はるつげぐさ)、匂草(においぐさ)
原産地 中国
分類 庭木・花木
販売時期 5月下旬〜6月下旬
開花時期 1月~4月下旬
収穫時期 6月~7月
耐暑性 強い
耐寒性 強い

主な品種

昔から春の訪れを告げる花として親しまれる梅の木は、美しい花が咲く観賞用の「花梅」と、果実を食用とする「実梅」の2種類に分けられます。用途に合わせて、お気に入りの品種を選択しましょう。

自宅での栽培に適している品種は以下のとおりです。

【花梅】

品種 特徴 開花時期
八重寒紅(やえかんこう) 八重の紅花 極早咲き
冬至 ・一重の白花
・冬至頃に咲く
早咲き
大盃(たいはい) ・一重の紅花
・盆栽や庭木として人気
早咲き
鹿児島紅梅 紅梅の代表的な品種 遅咲き
藤牡丹 ・八重咲きの大輪、淡紅色
・枝垂れ梅
遅咲き
玉光(ぎょっこう) ・八重咲きの大輪、淡紅色
・枝垂れ
遅咲き

【実梅】

品種 特徴 成熟期 受粉樹
小梅類 ・花数が多い
・1本でなる
・授粉樹向き
5月中旬~6月上旬 ・実家
・結実性
南高(なんこう) 梅干しにおすすめ 6月中~下旬 ・小梅
・南高
豊後(ぶんご) ・北陸・東北地方に多い
・大実で耐寒性がある
・果肉が厚い
・砂糖漬けや梅酒におすすめ
7月中旬~ ・小梅
・南高
白加賀 ・関東地方に多い
・加工用や梅酒におすすめ
6月中~下旬 ・小梅
・南高
藤五郎 ・中粒
・梅干しや梅酒におすすめ
7月上旬~ ・小梅
・南高
高田梅 ・梅漬けにおすすめ 7月上旬~ ・小梅
Tips
実梅の高級品種として有名な「南高梅」は、和歌山県のみなべ市で誕生した品種です。
明治時代に高田貞楠氏が発見した「高田梅」という実の大きい品種がルーツであり、戦後に最優良品種として認定されました。「南高梅」という名前は高田梅の「高」と、認定の際に調査を行った南部高校の「南」の字を取って付けられたといわれています。

梅を育てるために必要なもの

梅を育てるために必要なもの
梅の栽培を始める前に、必要な道具をそろえていきましょう。

梅を育てる際に必要なものは以下のとおりです。

  • 梅の苗木
  • プランターや鉢
  • 培養土
  • 鉢底石と鉢底ネット
  • 肥料
  • スコップ(シャベル)
  • ジョウロ
  • 園芸ハサミ
  • マルチング材(バークチップなど)
  • 支柱
  • ビニールタイ
  • 割り箸

梅の栽培難易度|鉢植えと地植えはどちらがおすすめ?

梅の栽培難易度|鉢植えと地植えはどちらがおすすめ?
梅の木を地植えで栽培すると、芽からやがて大きな木となり実や花を付けるため、においや落下物、枝の広がりへの対策をしておかないと、近隣トラブルの要因になりかねません。

庭に植える方法はやや難易度が高いため、初心者の方はまず鉢植えから始めてみてください。

梅には観賞用の花梅と食用の実梅がありますが、初心者の方は実梅を選ぶのがおすすめです。2本の梅を植えることで、受粉しやすくなり実つきが良くなります。開花時期の近い品種を2つ選ぶといいでしょう。実梅は実と花の両方を楽しめるほか、総じて無農薬での栽培が可能なため、自宅でも育てやすいメリットがあります。

寒い地域で育てる場合は、耐寒性の強い「豊後系」がおすすめです。

梅の育て方

梅の育て方
梅をうまく育てるためのポイントについて、以下4つの項目に分けて解説します。

  • 日当たり・置き場所・温度
  • 植え付け方
  • 水やりの仕方
  • 肥料のやり方

日当たり・置き場所・温度

まずは梅が育ちやすい環境を整えましょう。

栽培に適した環境は以下のとおりです。

  • 置き場所:風通しと日当たりの良い場所​
  • 温度  :年平均気温が7℃以上

日陰で湿気の多い場所は避けてください。
梅は水はけの良い肥沃(ひよく)な土を好みます。鉢植えの場合は果樹用の培養土を使用してください。

植え付け方

植え付けに適した時期と方法は以下のとおりです。
【植え付け時期】

  • 12月〜3月上旬(落葉から発芽までの落葉期)

【鉢への植え付け方法】

  1. 鉢底に鉢底石を入れる
  2. 鉢に土を半分程入れる
  3. 苗の根を広げながら入れる
  4. さらに上から土をかける(接木の部分は土に埋まらないように注意する)
  5. 苗の主幹を3分の1程に切り詰める
  6. 水をたっぷりと与える

水やりの仕方

鉢植えの場合は、土の表面が白く乾いたタイミングでたっぷりと水を与えてください。夏場は水を枯らすと蕾が落ちる原因になります。

開花中は、花に水が当たらないように注意してください。

肥料のやり方

梅の苗木を植え付けてから2~3年は、冬場に有機質の緩効性肥料を与えます。また、実梅にはお礼肥(おれいごえ)として、6月下旬頃に化成肥料を施しましょう。
お礼肥えとは、果実を収穫したあとに施す追肥の一種です。

剪定の仕方

ここでは、初心者の方でも始めやすい鉢植えの剪定方法をご紹介します。

まず、咲き終えた花柄(かへい:茎や花軸から枝分かれして花になるまでの柄)を摘み取ります。その後、樹形を小さい状態で維持する場合には、開花枝の付け根から2~3芽を残して枝を切り戻してください。

このとき、芽吹くための葉芽が付いていることを確認し、芽は残しておきます。株全体を大きく育てる場合には、花後の剪定は不要です。

梅を育てるときの注意点

梅を育てるときの注意点
梅を育てるときの注意点は以下のとおりです。

  • 目的に合わせた品種選びが必要
  • 寒さ対策をする
  • 梅の木を庭に植えると大きく成長する

それぞれ詳しく解説します。

目的に合わせた品種選びが必要

梅を栽培する際は、用途に合わせて適切な品種を選びましょう。たとえば、梅酒造りが目的であるのに、観賞用の花梅を育てていると、実はいつまでたってもなりません。

まずは、実を収穫する実梅と、花を観賞する花梅のどちらを育てるのかを決め、特徴を確認したうえで目的に合わせた品種選びをおこなうことが重要です。

寒さ対策をする

梅の木は寒さに弱いため、冬の時期は霜になりやすい場所や寒風を避け、日当たりの良い場所で栽培してください。

冬の時期に万全のケアをすることで、実や花の付き具合が良くなります。実梅は開花時に-4℃を下回ると低温障害を起こします。実付きが悪くなるため、寒冷地では開花が遅い「豊後」や「白加賀」などの品種を選ぶといいでしょう。

梅の木を庭に植えると大きく成長する

梅の木を庭に植えると大きく成長するため、庭のスペースを圧迫し、隣人への迷惑となるおそれがあります。

たとえば、梅の木には強い香りがあり、においが近隣まで広がることがあります。独特な香りを不快だと感じる人もいるため、近隣トラブルにつながりかねません。

また、梅の木が成長するにつれて、隣人の敷地にまで枝が伸びるケースも考えられます。梅の木は果実や花の落下物が多いため、飛び散ったあとの掃除も大変です。スペースの確保や適切な管理が難しい場合は、梅の木を庭に植えることは避けましょう。

梅の病害虫対策

梅の病害虫対策
梅を丈夫に育てるためには、病害虫対策も欠かせません。

梅の栽培で注意すべき害虫や病気は以下のとおりです。

  • 害虫:コスカシバ、アブラムシ、オビカレハの幼虫
  • 病気:うどんこ病

コスカシバは5月〜10月までが産卵時期です。ふ化した幼虫は、枝や幹の樹皮下に侵入して冬を越し、3月頃に食害をして木を枯らします。コスカシバのヤニやフンを発見した場合は、幼虫が侵入しているおそれがあります。見つけ次第取り除くか、ヤニ部分を削り取る、または枝を切り落としてください。

アブラムシは、開花後の芽吹きの時期に発生します。吸汁害(きゅうじゅうがい)を受けると葉の萎縮の原因となるため注意しましょう。

オビカレハの幼虫は、冬の落葉期頃になるとリング状の卵塊を枝に産みつけます。発見したら、すみやかに取り除いてください。幼虫が発生し、糸で覆った巣を見つけた場合にも早急に取り除きましょう。オビカレハの幼虫は、大きくなる前に取り除いておくと、食害や樹上で分散して捕殺しにくくなるトラブルを防げます。

うどんこ病は、春と秋の涼しい季節になると発症するおそれがあります。発症すると葉っぱが白いうどん粉(小麦粉)をまぶしたような状態になります。風通しが悪く、枝が混みすぎている場合に発生しやすいため注意しましょう。

収穫した梅の楽しみ方

収穫した梅の楽しみ方
収穫した梅の実は梅干しや梅酒など、様々な調理方法で楽しむことができます。
調理器具はホームセンターでそろえることができるので、お好みの方法で梅の実を楽しんでみてください。

梅酒づくり

収穫した梅を使うレシピの定番といえば、梅酒づくりです。
梅酒づくりをするときは、プラスチックやガラス製の果実酒ビンを使用します。
氷砂糖やホワイトリカーなど、必要なものはまとめてそろえておきましょう。

また、大型のビンから直接グラスに注ぐことは難しいため、すくうためのカンロ杓子という器具をあわせて用意することをおすすめします。
梅酒づくりに必要な器具はホームセンターの店頭でそろえることができます。

梅酒作りの関連商品を見てみる

梅干しづくり

収穫した梅を使って、梅干しを作ることもできます。
カビなどのケアが必要になるため梅酒より難易度は上がりますが、梅を収穫出来たらぜひ挑戦してみてください。

梅干しづくりには容器や重石、干しネットなどの器具が必要になるので、お近くのホームセンターでまとめてそろえてみてください。

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自宅で梅を育ててみよう!


梅の育て方のポイントや具体的な手順、注意点をご紹介しました。

梅は正しい方法で管理すれば丈夫に育ちやすく、初心者の方にもおすすめの果樹です。ただし、花梅(観賞用)か実梅(食用)かで品種が分かれるため、用途に合わせて選びましょう。

本記事を参考に、ぜひ家庭できれいな梅の花や、おいしい実梅を育ててみてください。

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