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接着剤の選び方|用途・素材に適した種類と使い方のポイントを解説

接着剤の選び方|用途・素材に適した種類と使い方のポイントを解説

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接着剤は木や布などに多く使われるイメージがありますが、実はほかにもさまざまな素材に対応した接着剤があります。木工用、金属用、ガラス用、プラスチック用、ゴム・皮革用、コンクリート用など、用途に合った接着剤を選ぶことで、素材同士の接着をより強力な仕上がりへと実現することが可能です。

この記事では、接着剤の選び方と使い方のポイントをご紹介します。それぞれの接着剤の特徴や用途、メリット・デメリットなどを知って、DIYや家具の補修、工作などで活用しましょう。

【用途別】接着剤の主な種類

接着剤を塗っている

接着剤を選ぶ際には、接着したい素材の種類や接着剤の特性を考慮する必要があります。ここでは、代表的な接着剤の特徴や用途、メリット・デメリットをご紹介します。

木工用接着剤

木に塗っている接着剤

木工用接着剤とは、木材同士や、木材とほかの素材を接着するための接着剤です。
主な特徴とメリット・デメリットは下記表のとおりです。

木工用接着剤
主な特徴 木材の繊維に浸透して結合する
メリット
  • 硬化すると透明になり、木材の色や質感を損なわない
  • 溶剤を含んでいないため、安心して使える
デメリット
  • 初期接着力が弱く仮止めが必要
  • 乾燥に時間がかかる
  • 使用前に接着面をキレイにしておく必要がある

木工用接着剤|ホームセンターコーナンの通販サイト

 

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金属用接着剤

金属に塗っている接着剤

金属用接着剤とは、金属同士や、金属とほかの素材を接着するための接着剤です。主に、二液混合型のエポキシ樹脂系接着剤と、シアノアクリレート系接着剤(瞬間接着剤)があり、どちらも金属の表面を傷つけることなく接着できます。主な特徴とメリット・デメリットは下記表のとおりです。

エポキシ樹脂系接着剤 シアノアクリレート系接着剤
主な特徴 主剤と硬化剤を混ぜて使用 空気中の水分に反応して硬化
メリット
  • 強度が高く、耐久性に優れる
  • 耐水性がある
  • 凸凹面でも密着
  • 速乾性が高い
デメリット
  • 適切な混合比でないと硬化しない
  • 混合してから硬化するまで時間を要する
  • 体質により皮膚に触れるとかぶれることがある
  • 硬化皮膜が硬く、衝撃に弱い傾向がある
  • 皮膚や目に付着すると危険

金属用接着剤|ホームセンターコーナンの通販サイト

ガラス用接着剤

ガラス用接着剤

ガラス用接着剤とは、ガラス同士や、ガラスとほかの素材を接着するための接着剤です。主な種類には、二液混合型のエポキシ樹脂系接着剤と空気中の水分に反応して硬化する変成シリコーン樹脂系接着剤があります。主な特徴、メリット・デメリットは下記表のとおりです。

エポキシ樹脂系接着剤 変成シリコーン樹脂系接着剤
主な特徴 主剤と硬化剤を混ぜて使用 空気中の水分に反応して硬化
メリット
  • 強度が高く、耐久性に優れる
  • 耐水性がある
  • 凸凹面でも密着
  • 弾力性と耐水性に優れる(窓ガラスや水槽に適している)
デメリット
  • 適切な混合比でないと硬化しない
  • 混合してから硬化するまで時間を要する
  • 体質により皮膚に触れるとかぶれることがある
  • 硬化皮膜が硬く、衝撃に弱い傾向がある
  • 乾燥に時間がかかる

ガラス用接着剤|ホームセンターコーナンの通販サイト

プラスチック用接着剤

プラスチック用接着剤

プラスチック用接着剤とは、プラスチック同士や、プラスチックとほかの素材を接着するための接着剤です。プラスチックの軽さや色彩を活かした接着や、プラスチックの割れ・欠けの補修に適しています。

大きく、プラスチックの表面を溶かして接着する溶着型接着剤(ドープセメントタイプ)と、プラスチックの表面に膜を作って接着する非溶着系接着剤に分けられます。主な特徴とメリット・デメリットは下記表のとおりです。

溶着型接着剤
(ドープセメントタイプ)
非溶着系接着剤
主な特徴 プラスチックの表面を溶かして接着 プラスチックの表面に膜を形成して接着
メリット
  • 強固な接着力
  • 表面を溶かさない
  • ゴム系と変成シリコーン系は柔軟性がある
デメリット
  • プラスチックの表面に接着痕が残る
  • シアノアクリレート系はプラスチックの表面に白い痕が残る(白化現象)

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ゴム・皮革用接着剤

ゴム・皮革用接着剤

ゴム・皮革用接着剤とは、ゴムや皮革同士、ゴムや皮革とほかの素材を接着するための接着剤です。主な特徴とメリット・デメリットは下記表のとおりです。

ゴム・皮革用接着剤
主な特徴 貼り合わせる前にオープンタイム(3~5分放置)を取ってから両面塗布して接着
メリット
  • 初期接着力が高い
  • ゴムや皮革の伸縮性や柔らかさを損なわない
デメリット
  • 乾燥に時間がかかる
  • 溶剤を使用しているため刺激臭がある
  • 可燃性のため、火気厳禁で換気を行う必要がある

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コンクリート用接着剤

コンクリート接着剤

コンクリート用接着剤とは、コンクリート同士や、コンクリートとほかの素材を接着するための接着剤です。主な種類には、酢酸ビニル樹脂溶剤系接着剤や変成シリコーン系接着剤があります。主な特徴とメリット・デメリットは下記表のとおりです。

酢酸ビニル樹脂系接着剤 変成シリコーン系接着剤
主な特徴 溶剤の揮発によって硬化 空気中の水分に反応して硬化
メリット
  • 価格が安く気軽に使える
  • 発泡スチロールも接着できる
  • スタイロフォーム(断熱材)も接着できる
  • 金属や木材・硬質プラスチックにも使える
  • 耐水性がある
  • 衝撃に強く、柔軟性に優れる
  • 溶剤が含まれておらず、1液で使いやすい
デメリット
  • 乾燥に時間がかかる
  • 水に弱い
  • 刺激臭がある
  • 価格が高め
Tips
プロ用途としてのコンクリート用接着剤には、強度が高く、耐久性・耐水性に優れているエポキシ樹脂系接着剤がおすすめです。

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多用途接着剤

多用途接着剤

多用途接着剤とは、さまざまな素材に使える万能接着剤です。主な種類には空気中の水分に反応して硬化する変成シリコーン系接着剤があります。

変成シリコーン系接着剤
主な特徴 空気中の水分に反応して硬化
メリット
  • 金属や木材・硬質プラスチックにも使える
  • 耐水性がある
  • 衝撃に強く、柔軟性に優れる
  • 溶剤が含まれておらず、1液で使いやすい
  • 接着が難しいポリエチレン、ポリプロピレンに対応したタイプもある
デメリット
  • 専用接着剤よりも接着力や耐久性が劣る場合がある
  • 一部素材(フッ素樹脂、ポリアセタール)には適さない

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接着剤の選び方

接着剤

接着剤を選ぶ際には、用途(接着したい素材)、固まる仕組み、接着スピード、使用場所などを考慮する必要があります。接着剤の選び方のポイントについて詳しく解説します。

用途(接着したい素材)で選ぶ

まずは、接着したい素材を特定しましょう。同じ素材同士を接着する場合は、その素材に特化した接着剤を選ぶことが推奨されます。
異なる素材同士を接着する場合は、多用途接着剤を選びましょう。

【難接着材料】プラスチック

難接着材料とは、接着が難しい材料のことです。プラスチックでは、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリアセタール、フッ素樹脂などが難接着材料とされています。

これらの素材を接着したい場合は、難接着材料専用の接着剤を使用しましょう。

難接着プラスチックの種類 身近なものの例
ポリエチレン/ポリプロピレン ブルーシート、ポリバケツ、食品用タッパー、ポリタンク、プラスチック製おもちゃなど
ポリアセタール 歯ブラシの柄、衣類やバッグのファスナー、リュックやシートベルトのバックルなど
フッ素樹脂 テフロン加工のフライパン、炊飯器の内釜など
Tips
接着しにくいプラスチックかどうかを事前に確認したい場合は、油性マジックを使ってみてください。接着したい面(万が一消えなくても問題ない面)に油性マジックで印を書きます。乾いた後にティッシュや指でこすると簡単に消えてしまう素材は、接着しにくい可能性が高いです。

【難接着材料】ゴム

シリコーンゴム、フッ素ゴム、EPDM、ウレタンゴム、ブチルゴム、天然ゴムなどは難接着材料です。

ゴムの表面には離型剤や加硫促進剤、老化防止剤などが残っていることが多いため、これらを除去する必要があります。

表面をサンドペーパーなどで荒らし、弾性接着剤や瞬間接着剤などを使用することで、接着が難しいゴム材料でも接着できるようになります。

難接着ゴムの種類 身近なものの例
シリコーンゴム パッキン類、お弁当用のシリコンカップ、鍋つかみ、時計のバンドなど
フッ素ゴム パッキン類、自動車部品など
EPDM
(エチレンプロピレンジエンゴム)
水道配管のシール材、エアコンの室外機の防振ゴム、自動車部品など
ウレタンゴム 靴底、キャスターなど
ブチルゴム タイヤのチューブ、シーリング材など
天然ゴム 輪ゴム、消しゴム、ゴム手袋など
Tips
これまで紹介してきた一般的な接着剤は、飲食物が直接触れるもの(食器、食品用タッパー、お弁当用のシリコンカップなど)の接着・補修には使用できません。

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固まる仕組みで選ぶ

接着剤に含まれる成分がどのようにして固まるのかによっても、使い方が異なります。

  • 成分が乾いて固まる: シンナーや水などの液体成分が含まれており、これらが空気中に揮発することで残った原料が固体として残り、固まります。木工用ボンドが代表的です。
  • 混ざって固まる: 主剤と硬化剤を混ぜ合わせることで固めるタイプです。エポキシ樹脂系接着剤が代表的です。
  • 冷やされて固まる: グルーガンのように、温めると溶けて柔らかくなり、冷えると固まる材料を使用した接着剤です。
  • 空気中の湿気や紫外線に触れて固まる: 容器内では空気や光から遮断されていますが、容器から出した際に空気中の湿気に反応して固まる特性を持っています。

接着剤のタイプにより、硬化してくっつくまでの時間や過程が異なるため、固まる仕組みをよく確認したうえで用途に適したものを購入しましょう。

接着スピードで選ぶ

接着剤によって固まるスピードはさまざまです。使用シーンに合わせて、使いやすい接着スピードのものを選びましょう。

  • 接着スピード: すぐに硬化する瞬間接着剤は、急いで接着が必要なときに便利です。透明タイプが多いため、さまざまな素材に使用できます。引っ張り強度が高いのが特徴です。
  • 接着範囲: 広範囲を接着する必要がある場合は、スプレー式接着剤が適しています。瞬間接着剤では塗布に時間がかかり、どんどん固まってしまうためです。スプレー式であれば、広い面積に素早く接着剤を塗布でき、全体の接着力を均一に保てます。

使用場所で選ぶ

接着したものをどこで使用するかも、接着剤選びで重要なポイントです。使用場所によっては、接着後にはがれてしまうおそれがあります。

たとえば、溶液系(アルコールや水などが溶剤のタイプ)や瞬間接着剤は水に弱い性質を持ちます。そのため、お風呂場や雨にさらされる屋外で使用するものには、反応系(硬化剤混合型や湿気硬化型)の接着剤が向いています。

また、多くの接着剤は60~80℃ほどの耐熱温度が設定されていますが、それ以上に高温となる場所で使用する場合は、より耐熱性の高い接着剤を選びましょう。

Tips
接着剤は接着面積に比例して接着力が強くなります。そのため、接着面積が極端に小さい場所や物(点状、線状)は十分な接着ができない可能性があります。

接着剤の使い方のポイント

木に塗っている接着剤

接着剤の効果を最大限に発揮するためには、正しい使い方を理解し、実践することが重要です。以下では、接着剤の効果的な使用方法を解説します。

接着前に下地の処理をする

接着剤が嫌うものは水や油、サビ、ホコリです。そのため、接着剤を使用する前には、接着面の古い塗装や汚れをきれいに取り除き、表面をキレイに整えておきましょう。

薄くまんべんなく塗る

接着剤は接着する面、全体に対して均一に伸ばし、薄く塗布することで、接着効果を最大限に引き出せます。塗り広げるためのヘラが付属している場合はそちらを使用してください。付属していない場合は、ダンボールなどで代用しましょう。コンクリート用の接着剤など凹凸面に対しては、ダンゴ状に厚く塗布するタイプもあります。基本的には接着する面積に比例して、接着強度が高くなります。

ただし、接着剤を塗布した際に素材が接着剤をはじいてしまう場合は、強度が期待できないため注意が必要です。

接着剤が硬化するまで動かさない

接着剤を塗布したら、完全に硬化するまで接着面を動かさないようにしましょう。硬化するまでに時間がかかるタイプは、接着面を固定しておくといいでしょう。

また、接着剤が硬化しているように見えても、完全には固まっていないこともあります。完全に硬化する前に接着面を動かすと、接着力が低下してはがれてしまう原因となります。

接着剤の種類によって固まる時間や過程が異なるため、製品の説明をよく確認してから使用しましょう。

用途や使用シーンに合わせて接着剤を選ぼう!

接着剤でアクセサリーの補修をしている

接着剤は、接着したい素材によって適した種類が異なります。固まる仕組みや接着スピード、使用場所なども考慮して選ぶことが大切です。

また、接着剤を使うときは、下地の処理や塗り方、硬化時間などに注意して作業することで効果が長持ちしやすくなります。

この記事で紹介した選び方や使い方のポイントを押さえて、用途や使用シーンに合わせた接着剤を選びましょう。

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