コーナンTips ペット ボールパイソンの寿命は10年?飼育に必要なものとポイントを解説 ボールパイソンの寿命は10年?飼育に必要なものとポイントを解説 ペット クリップボードにコピーしました ボールパイソンの寿命は10年?飼育に必要なものとポイントを解説 この記事をシェアする! クリップボードにコピーしました 美しい模様や色彩、数え切れないほどの品種で、多くのマニアから愛されている「ボールパイソン」。おとなしい性格で、ペットスネークとしても高い人気を誇ります。 しかし、ボールパイソンの寿命は10年以上といわれており、長い期間を一緒に過ごすことになるため、安易な気持ちでは飼育できません。 そこで本記事では、ボールパイソンの寿命や特徴、飼育に必要なもの、注意点などを解説します。 スムーズにお迎えするためにも、ボールパイソンの飼育ポイントをしっかりと確認しておきましょう。 目次 ボールパイソンの寿命は10年以上ボールパイソンの特徴大きさ性格ボールパイソンを迎える前に知っておきたいこと飼育スペース個体の選び方ボールパイソンの飼育に必要なものケージシェルター水入れ床材温度・湿度計保温電球やヒーターボールパイソンの飼育ポイントポイントその1:温度・湿度管理ポイントその2:エサと水やりの仕方ボールパイソンのかかりやすい病気と対処法感染症消化器系疾患皮膚疾患ボールパイソンを寿命まで適切な環境で育てよう ボールパイソンの寿命は10年以上 ボールパイソンの寿命は10年以上といわれており、平均的にはオス・メスともに15〜20年ほど生きます。 とはいえ、寿命は個体にもよるため、それ以上に長生きする可能性も考えられます。 実際、2020年には「アメリカの動物園で飼育されている60歳超のボールニシキヘビが産卵した」というニュースがあり、全世界の愛好家たちを驚かせました。 また、さまざまな危険やストレスにさらされている野生のヘビに比べて、人の飼育下にあるヘビのほうが長生きする傾向があります。 20年といえば、子どもが生まれてから成人するまでと変わらない年月。ボールパイソンをペットとしてお迎えした場合、それだけ人生を長くともにする家族やパートナーになるということです。 軽い気持ちで飼育するのではなく、責任を持って最後まで飼う覚悟があるのか、数十年先の人生も見据えてじっくりと検討する必要があるでしょう。 参照:CNN「60歳超のヘビが産卵、オスといたのは15年以上前」 ボールパイソンの特徴 学名:Python regius 和名:ボールニシキヘビ 科:ニシキヘビ科 属:ニシキヘビ属 ボールパイソンは、ニシキヘビ科ニシキヘビ属に分類されるヘビの一種です。正式名称は「ボールニシキヘビ」で、ボールパイソンのほか「ロイヤルパイソン」とも呼ばれています。 身を守るときに丸くなる防御行動が由来となり、和名に「ボール」が付けられました。 ボールパイソンの大きさや性格など、さらに詳しい特徴をみていきましょう。 大きさ ボールパイソンの平均的な大きさは、全長100〜150cm、体重1.5〜3kgほど。ニシキヘビのなかでは小型〜中型に分類されます。 太くてがっしりとした胴体と、やや短めの全長が特徴的です。持ってみると大きさの割に軽いため、ビックリするかもしれません。 また、オスよりもメスのほうが大きくなる傾向があり、最大で全長200cm、体重6kgほどになることも稀にあります。 ただし、飼育下ではそこまで大きく育たず、120cm程度で成長が止まる場合が多いようです。 性格 ボールパイソンは、基本的におとなしく臆病な性格をしています。 噛み付いたり、動き回ったりすることもほとんどないため、ハンドリングがしやすいヘビだといえるでしょう。 また、神経質な面もあり、環境の変化にはとくに敏感です。ストレスが多い場所では、拒食症を引き起こすおそれがあるため、できるだけ慣れた環境でお世話をしてあげましょう。 ボールパイソンを迎える前に知っておきたいこと ボールパイソンを迎える前に知っておきたい、飼育スペースの準備方法や個体の選び方について解説します。 飼育スペース 飼育の際には、下記サイズのケージを置けるスペースを用意しましょう。 【成体時のケージの目安サイズ】 横幅:60cm(大きい個体は90cm以上) 奥行:45cm以上 高さ:30cm以上 とくに重要なのが横幅のサイズです。100〜150cmの平均的な大きさの個体であれば横幅60cmほどで十分ですが、平均以上に大きい個体は横幅90cm以上が必要となります。 まだ幼い時期から飼う場合、その個体がどの程度大きくなるかは、成長するまでわかりません。 そのため「横幅90cm以上×奥行45cm以上×高さ30cm以上」のケージを置けるスペースを確保できないのであれば、残念ですが飼育は考えなおす必要があるでしょう。 なお、ボールパイソンは地表棲のヘビであるため横方向の移動が多く、ケージに高さはあまり必要ありません。 個体の選び方 飼育する個体を選ぶうえで外せないのが、ボールパイソン最大の魅力である「モルフ」です。 モルフとは、人の手によって爬虫類の品種改良を繰り返すことで「体の模様や色彩が確立された品種」を指します。 世界中には豊富なモルフが存在し、今もなお増え続けています。ボールパイソンが多くの愛好家たちを魅了し続ける理由の一つといえるでしょう。 【ボールパイソンの代表的なモルフ】 ノーマル:もっとも基本的なモルフ。濃い褐色に茶褐色の模様。 パステル:ノーマルよりも全体的に黄色みが強く、明るめの色彩。 スパイダー:体の黒いラインが細く、クモの巣のような模様にみえる。 アルビノ:白の基調色に黄色い模様の体、赤い目が特徴的。 リューシスティック:全身が白一色で、青目や黒目のモルフがある。 パイボールド:体が部分的に色が抜けたように白くなるモルフ。 ショップを覗いてみると、初めて聞くようなモルフを取り扱っていることも珍しくありません。ぜひ一度、近所の爬虫類ショップをチェックして、お気に入りの個体を探してみましょう。 ボールパイソンの飼育に必要なもの ボールパイソンの飼育に必要なものは以下の6つです。 ケージ シェルター 水入れ 床材 温度・湿度計 保温電球やヒーター それぞれの使い方や選ぶときのポイントについて詳しく解説しますので、ぜひ参考にして、ボールパイソンを迎える準備を進めましょう。 ケージ ボールパイソンのケージは、サイズ選びが重要です。広すぎても落ち着かない場合があるため、できるだけ成長段階に合わせた大きさのケージを準備しましょう。 理想的なサイズは「とぐろを巻いた状態の3〜5倍の床面積」とされています。ベビー期、ヤング期、アダルト期それぞれに適したケージのサイズは以下のとおりです。 成長段階 ケージの目安サイズ ベビー期 (生後〜6カ月) 横幅30cm以上×奥行20cm以上×高さ10cm以上 ヤング期 (6〜18カ月) 横幅40cm以上×奥行30cm以上×高さ20cm以上 アダルト期 (18カ月〜) 横幅60〜90cm以上×奥行45cm以上×高さ30cm以上 ※上記サイズはあくまで目安です。飼っている個体に合わせて選びましょう。 また、カギ付きのものや簡単にフタが開かないものを選ぶなど、脱走対策も忘れないようにしてください。 シューズボックスや衣装ケースなどでも代用できますが、初心者の場合は、ペットショップなどで購入できる爬虫類専用のケージがおすすめです。 シェルター ボールパイソンは夜行性のため、ケージの中に暗くて狭いシェルターを置いてあげると落ち着きます。 シェルターは必須ではではありませんが、臆病な性格をしている個体や、小さな個体を広いケージで飼育する場合は用意することをおすすめします。 サイズ感としては、とぐろを巻いた状態でピタッと密着する程度の大きさがベストです。 シェルターの大きさが気に入らないと、ほとんど使ってくれない場合もあるため、購入前にしっかりとサイズを測りましょう。 水入れ 水入れは水を飲むだけではなく、水浴びで体温調節をするためにも必要です。ボールパイソンの全身が浸かるくらいのサイズを選びましょう。 100円ショップで手に入る大きめのプラスチックケースなどでも十分ですが、ケージ内のレイアウトを崩したくない場合は、爬虫類用のおしゃれな水入れがおすすめです。 床材 ケージ内に敷く床材には、ヤシガラやペットシーツがおすすめです。それぞれにメリットとデメリットがあるため、自分に合うほうを選択しましょう。 ヤシガラ ペットシーツ メリット ・温度・湿度を維持しやすい ・レイアウトを邪魔しない ・部分的な掃除がしやすい ・ケージ内の衛生状況がわかりやすい ・掃除・交換に手間がかからない ・吸水性が高く、保湿が容易 デメリット ・床材の入れ替えが大変 ・ダニやカビが発生しやすい ・見た目が良くない ・シーツの下に潜ることがある ケージ内の保温・保湿性やレイアウトを優先するのであればヤシガラ、衛生管理の手間を減らしたい場合はペットシーツがおすすめです。 温度・湿度計 ヘビは、温度と湿度にとても敏感です。温度が低い状態は体調不良・拒食などに直結し、湿度が低いと脱皮不全が起こりやすくなります。 そのため、温度計と湿度計をかならず設置し、ケージ内を適切な温度・湿度で管理しましょう。なお、温度・湿度を同時に計測できる、温湿度計があると便利です。 保温電球やヒーター 保温電球はケージ全体を保温するために、ヒーターは「ホットスポット」をつくるために設置します。 ボールパイソンは変温動物であるため、ケージ内に温度勾配(温度差)をつくり、自ら体温調節してもらう必要があります。 ケージ全体を温める保温器具には「保温電球」を選びましょう。ホットスポットには「パネルヒーター」や「ヒートケーブル」を使うのがおすすめです。 ボールパイソンの飼育ポイント ボールパイソンとより長く一緒に過ごすためには、温度・湿度管理を徹底し、丁寧にお世話をすることが大切です。 ボールパイソンを飼育するうえで押さえておきたいポイントをご紹介します。 ポイントその1:温度・湿度管理 ボールパイソンは、もともとアフリカ熱帯地帯に生息しているため、高温多湿の環境を好みます。温度と湿度の目安は以下のとおりです。 【適切な温度・湿度管理】 温度:28〜32℃ 湿度:50〜60% 温度はヒーターパネルなどを用いて、涼しい場所で28℃、暖かい場所で32℃程度の温度勾配をつくりましょう。サーモスタットを使用すると、温度管理を簡単におこなえます。 また、ボールパイソンは乾燥に弱いため、湿度は50〜60%ほどを維持してください。水入れの水を切らさないこと、ときどき霧吹きを使うことで効果的に湿度管理が可能です。 ポイントその2:エサと水やりの仕方 ボールパイソンのエサは、主に冷凍マウス・ラットを使用します。しっかりと解凍してから、以下の頻度で給餌してください。 【エサやりの頻度】 ベビー(生後〜6カ月):4日に1回 ヤング(6〜18カ月):1週間に1回 アダルト(18カ月〜):1~2週間に1回 エサの大きさは、ボールパイソンの胴体のもっとも太いところと同じ程度、またはやや細いマウスを与えます。 エサが大きすぎると拒食症状や消化不良を引き起こし、小さすぎても栄養不足になるおそれがあります。成長に合わせて、適切なサイズのエサを与えましょう。 また、水入れには、常に水がある状態を維持してください。最低でも1〜2日に1回は交換し、水を清潔に保ちましょう。 ボールパイソンのかかりやすい病気と対処法 「ボールパイソンの様子がおかしい・体調が悪そう」という場合は、病気にかかっている可能性が考えられます。 ヘビのような爬虫類は、病気をさせない対策が大切ですが、どんなに気をつけていても体調が悪くなってしまうことはあります。 万が一のときに慌てず冷静に対処できるよう、ボールパイソンがかかりやすい病気と対処法を把握しておきましょう。 感染症 ボールパイソンがかかりやすい感染症は「リンパ腺炎」です。初期症状として食欲不振や体重減少があります。口内のリンパ組織で炎症が起き、重症化すると鼻水やせきなどの症状が現れ、呼吸困難になるおそれもあります。異変を感じたら、すみやかに獣医師に相談し、適切な治療を受けましょう。 消化器系疾患 食欲不振や下痢の症状が見られる場合「消化不良」や「消化管閉塞」といった消化器系疾患が疑われます。 エサをあげすぎたり、エサが大きすぎたりすることで、飲み込む力や消化能力が低下して発症します。 予防するためには、適切なエサの大きさと給餌頻度を守ることが大切です。 皮膚疾患 皮膚の白濁や剥離が現れた場合は「爬虫類皮膚病」と呼ばれる皮膚疾患にかかっている可能性があります。 爬虫類皮膚病は、温度・湿度、衛生面が原因で発症する病気で、重症化すると膿や腫れの症状が現れます。 ケージ内を適温・適湿に維持し、こまめに掃除して清潔に保つことで防止できますが、症状が出た場合はすぐに受診しましょう。 ボールパイソンを寿命まで適切な環境で育てよう 今回は、ボールパイソンの寿命や特徴、飼育に必要なものや注意点などを解説しました。 ボールパイソンの平均寿命は約15〜20年といわれており、なかには60年以上生きた個体もいます。長く人生をともにすることとなるため、飼育するには相応の覚悟と準備が必要です。 家族として迎えることを決めたら、ぜひこの記事を参考に適切な飼育方法を学び、愛情をたっぷりと注ぎながらお世話を楽しみましょう。 爬虫類用品を見てみる この記事を監修した人 小松 智彦 獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。 20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。
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