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カブトムシの幼虫の上手な育て方!失敗しない飼育方法を徹底解説

カブトムシの幼虫の上手な育て方!失敗しない飼育方法を徹底解説

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カブトムシは、昆虫の王様と呼ばれる人気の高い甲虫です。成虫の姿が魅力的なカブトムシですが、幼虫からの成長を見守ることで格別の感動を得られるでしょう。

カブトムシの幼虫が手に入ったら、元気な成虫に育ててあげたいですよね。しかし、カブトムシの幼虫の飼育では、水分や温度の管理が難しく、正しい知識がないと失敗してしまうこともあります。

この記事では、カブトムシの幼虫の上手な育て方を解説します。また、幼虫の入手方法や必要な道具、適切な環境の整え方などもまとめました。

カブトムシの幼虫を正しく育てて成長させたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

カブトムシの幼虫を育てるための基礎知識

カブトムシの幼虫を育てるための基礎知識

まず、カブトムシの幼虫を育てるための基礎知識を確認していきましょう。

幼虫は<初令・2令・3令>の3段階に分かれ、オスとメスの判別は3令幼虫になるとできるようになります。幼虫は気門と呼ばれる器官から呼吸し、目はあまり発達しておらず、毛で周りの振動を感じ取ります。

カブトムシの幼虫の特徴や注意点を把握して、元気な成虫に育ててあげましょう。

基礎知識その1:幼虫で過ごす期間

カブトムシの寿命は約1年間しかありません。成虫の姿が印象的なカブトムシですが、羽化して成虫になってからは1〜3カ月が寿命といわれています。

カブトムシの一生を見ていきましょう。

  • 7~8月:オスとメスが交尾をし産卵
  • 卵からふ化:10日~2週間程度
  • 初令:7~10日間
  • 2令:20日前後
  • 3令:約7ヶ月
  • サナギ:約1ヶ月
  • 6月上旬頃~:羽化、成虫になる

幼虫は脱皮をすることで大きくなり、<初令・2令・3令>の3段階に分けられます。1回目の脱皮で2令幼虫、2回目の脱皮で3令幼虫へと育ちます。なかでも「2令幼虫」である秋の時期の栄養が寿命に大きく影響するといわれています。そして寒い冬を経て、春の5〜6月頃にはサナギになり、6月上旬頃〜7月には羽化をした成虫の姿を見られるでしょう。

基礎知識その2:オスとメスの見分け方

3令幼虫まで成長すると、オスとメスを見分けることが可能です。オスの幼虫はメスの幼虫と比べ明らかに大きなものが多いのですが、幼虫のおしりから少し上の2番目と3番目の線の間におへそのような「くぼみ」と「V」の模様が入っているものはオス、模様がないものはメスの可能性が高いでしょう。

幼虫は大きくなるほど性別を判別しやすくなります。成長したメスの幼虫には、おしりに白っぽい点が浮き出る個体もあります。

ちなみに、カブトムシの幼虫は、ほかの幼虫との判別に迷うことがあります。野外で採集したい場合には、幼虫の特徴を把握しておきましょう。成虫の姿もよく似ている「クワガタ」との見分け方は、幼虫のおしり(肛門)が横に割れていればカブトムシ、縦に割れていればクワガタです。

「ハナムグリ」や「カナブン」も幼虫の姿がよく似ていますが、平らな地面に置くと一目瞭然です。カブトムシの幼虫はおなかを下にして歩き出しますが、ハナムグリやカナブンの幼虫は背中を下にしたまま背面歩行をします。

基礎知識その3:幼虫の特徴

カブトムシの幼虫の体をよく観察してみると、体の両側に茶色の点々があります。これは「気門」と呼ばれる器官で、幼虫にとって非常に大切な呼吸器官。カブトムシの幼虫は、この気門から呼吸をしています。

また、土の中で過ごす期間が長いカブトムシの幼虫は、目があまり発達しておらず、明るさを感じられる程度です。目の代わりに体を覆っている毛で周りの振動などを感じ取っているといわれています。

そのため、カブトムシの幼虫を扱うときは、びっくりさせないように優しく触ってあげましょう。素手で触ると人間の体温で温められてしまい、幼虫を弱らせてしまうことがあるので、軍手をはめたり、小さい幼虫はスプーンを使ったりするなど工夫してみてください。

カブトムシの幼虫を手に入れる方法

カブトムシの幼虫を手に入れる方法

カブトムシの幼虫を手に入れる方法はいくつかあります。

もっとも手軽なのは、ホームセンターなどで購入する方法。健康なカブトムシを入手するためにも、なるべく目視で確認できる店頭がいいでしょう。オスとメスのペアを飼うと、翌年のカブトムシを卵から育てられますよ。

また、自分で採集したカブトムシに卵を産ませることも可能です。夏の昆虫採集ではオスのカブトムシが人気ですが、メスのカブトムシを見つけたら卵を産んでもらうことで、飼育の楽しさが広がるでしょう。

方法その1:ホームセンターで購入する

カブトムシを育てる道具もそろえられるホームセンターでは、時期になるとカブトムシの幼虫を購入できます。カブトムシの幼虫が手に入るのは秋〜春先までの期間ですが、店頭では夏に近づく5〜6月頃が入荷時期です。

ネットショップなどで購入する方法もありますが、健康な幼虫を見極めることが難しいため、信頼できるお店で幼虫を直接見てから購入するのがおすすめ。ただし、お店によっては在庫が少なくなることもあるため、確実に入手したい場合は近くの店舗まで問い合わせてみましょう。

方法その2:卵を産ませる

成虫のオスとメスをペアで飼い、卵を産ませる方法もあります。野外でメスのカブトムシを採集して卵を産ませる場合には、8月頃であれば交尾を終えている確率が高いでしょう。

7〜8月はカブトムシの産卵時期。自宅で育てる場合には、メスが卵を生むために適切な環境を整えてあげることが大切です。個体にもよりますが、直径2〜5mmほどの卵を数十個発酵マットに産み付けます。

カブトムシは土に入って卵を産むため、発酵マットはケースの7割から8割程度に入れておくと産卵がしやすくなります。この時期に発酵マットを取り替える場合は、卵や幼虫がいるかどうかを確認しておきましょう。
卵や幼虫を見つけたら、親とは別のケースに入れて幼虫用の発酵マットで育てていきます。親と同じケースに入れておくと、卵をつぶしてしまったり、孵化した幼虫を傷つけてしまうことがあります。

カブトムシの幼虫飼育に必要なもの

カブトムシの幼虫飼育に必要なもの

カブトムシの幼虫を育てるために必要な材料は、主に以下のとおりです。

  • 飼育ケース
  • 発酵マット
  • 朽ち木

これらの材料は、ホームセンターですべて手に入ります。7月頃になるとカブトムシ専用の販売コーナーも設けられるため、お子さんと一緒に買い物を楽しみながらそろえられますよ。

飼育ケース

カブトムシの幼虫を育てるためには、まず飼育ケースが必要です。さまざまな大きさがあるため、育てる幼虫の数に合わせて選びましょう。

幼虫のあいだは土の中でゆっくりと大きくなっていきます。2〜3匹程度であれば、小サイズの飼育ケースでも飼育可能。5匹〜8匹程度で中サイズが目安です。

同時に複数飼うことは可能ですが、幼虫がサナギになり大きくなると、ケースの中が窮屈になっていきます。ケースの数や大きさが不十分な場合は、1.5〜2Lのペットボトルで代用できます。

ただし、成虫になったら適切な大きさのケースに移しましょう。

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発酵マット

飼育ケースには、カブトムシの幼虫のエサとなる発酵マットを入れて成長させます。発酵マットとは腐葉土や朽木を粉砕し発酵させたもので、幼虫の成長には欠かせません。

カブトムシの幼虫はおがくずの中に入れて販売されていることもありますが、幼虫を育てるためには栄養のある発酵マットが必要。幼虫は外気温が15度以上になると発酵マットをよく食べるようになります。

発酵マットの表面に幼虫のフンが目立つようになってきたら一度に発酵マットを交換するのではなく8割程度新しいものと交換しましょう。一度に交換すると環境の急な変化で幼虫が弱ってしまう恐れがあります。

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朽ち木

朽ち木は、カブトムシの幼虫のエサとして役立ちます。たっぷりと水を吸わせたものを発酵マットの下中に入れておけば、湿気を保持する効果もあるので、便利なアイテムといえるでしょう。
さらには、朽ち木は人工的に加工されたものではないことからカブトムシがそれをかじることで栄養のかたよりを幼虫自身が調節し体調を管理できるとも言われています。

朽ち木は空気中の雑菌がつくことで青かびが発生することがあるため、発酵マットを全体にすりつけてから埋めてください。
青かびは昆虫には害がありますので十分に注意しましょう。

幼虫の間はたべものとして、成虫になってからは登り木などで活躍します。カブトムシを育てるときは、朽ち木を複数本そろえておくのもおすすめですよ。

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カブトムシの幼虫の育て方

カブトムシの幼虫の育て方

カブトムシの幼虫は本来、雑木林の土の中というとても静かな環境で成虫になるまでの期間を過ごします。そのため、飼育ケースは直射日光が当たらない静かな場所に設置してください。

発酵マットは必要に応じてガス抜きをし、適切な湿度を保つことが大切。また、幼虫は発酵マットを食べてどんどん成長します。幼虫のエサとなる発酵マットを適切なタイミングで取り換えて元気な成虫に育てていきましょう。

育て方その1:セット方法

カブトムシの幼虫は、成虫になるまでの間土の中で過ごします。幼虫の数に合わせた飼育ケースを用意し、居心地の良い環境を整えてあげましょう。

発酵マットは事前に水分調整をする必要があります。
発酵マットを軽くにぎって団子ができる程度がよいと言われています。

カブトムシは本来、少し湿った土のある雑木林で育つため、日光や乾燥には強くありません。飼育ケースの中の乾燥を防いで幼虫が過ごしやすい環境を維持するためにも水分調整をしっかり行ってから幼虫を育ててあげましょう。

ここで発酵マットに水分を加えるにあたり重要なことがあります。
発酵マットは水分を加えたり、栄養を加えると発酵がはじまる場合があります。
その場合、発酵により発酵マットの温度が上昇するケースがあることから、すぐに幼虫をいれるのではなく2、3日~1週間発酵マットの温度を確認してから幼虫をいれてあげてください。

世間でよく言われている霧吹きなどを安易にすることが、かえって発酵を発生させたり、飼育ケースのなかが蒸れたりするケースがありますので注意が必要です。

幼虫は飼育環境がよければ必ず発酵マットの中にいます。もし発酵マットの上に出ていたりした場合、飼育環境を改善する必要がありますので発酵マットの温度があがっていないか、飼育ケースの中が蒸れていないかを確認してください。

ホームセンターでも「カブトムシの専用マット」が販売されています。幼虫の育成に適している商品は、パッケージでもわかりやすく表記されているので、参考にしながら選んでみてください。

育て方その2:管理方法

幼虫が入った飼育ケースは、直射日光の当たらない静かな場所に置きましょう。暖かくなるまでの間、カブトムシの幼虫はほとんど活動しませんが、冬の寒さで土が凍ってしまわないよう、置き場所の温度に注意することも大切です。日本のカブトムシは寒さには強いと言われていますが氷点下にならないようにしてあげてください。

育て方その3:エサの交換

カブトムシの幼虫は、土の中で発酵マットを食べて育ちます。発酵マットの減り具合やフンの量も目安となりますが、3カ月程度で新しいマットに交換してあげるといいでしょう。

カブトムシは、成虫になってからは大きくなりません。大きなカブトムシを育てたいのであれば、幼虫の頃のエサ交換はこまめにチェックし、しっかりと栄養を補給させてあげましょう。

育て方その4:サナギになる時期の注意点

カブトムシの幼虫は、個体差にもよりますが、春の4月頃にはサナギになるための準備期間に入ります。この頃になるとエサをあまり食べなくなるため、マットの交換を控えて成虫になるまで見守ることが大切です。

幼虫はサナギになるための「土まゆ」をつくり、6月頃にはサナギになります。このときにマットを交換したり、不用意に触ったりすると、羽や体が変形してしまう可能性があるため十分に注意しましょう。

カブトムシの幼虫飼育Q&A

カブトムシの幼虫飼育Q&A

子供の飼育体験としても気軽に挑戦しやすいカブトムシですが、元気に育っているのか不安になる声もあります。
カブトムシの幼虫の飼育に関してよくある質問を見ていきましょう。

Q1:幼虫が地表に出てしまう

カブトムシの幼虫が地上に出てくる原因としては、以下の2つが考えられます。

発酵マットが不衛生になっている可能性があります。発酵マットを新しく交換し、加湿しすぎていないかも改めて確認しておきましょう。

発酵マットが炭酸ガスを発生し、呼吸がしづらくなっている可能性があります。容器の通気性を良くするか、マットを広げて加湿しながら数日おくことで、ガス抜きをしていきましょう。

Q2:幼虫が動かない

カブトムシの幼虫が動かない主な理由は、以下の2つです。

  • 気温が低いため(冬の時期や3~4月の寒い日)
  • サナギになる準備をしているため

サナギになる準備ができた幼虫は「蛹室(ようしつ)」と呼ばれる、蛹の期間を過ごすためのスペースをつくりはじめます。また幼虫の色があきらかに黄色くなってきます。5月頃からはじまりますが、成長が進んでいる証拠なので、触らずにそっとしてあげましょう。

幼虫が動かなくなると心配になりますが、この時期にさわりすぎると幼虫にとってむしろ危険です。もし死んでしまった場合は体がしぼんで黒く変色します。見た目の変化が見られなければ、また元気に動き出すのを待ってあげてください。

Q3:幼虫は共食いをする?

「同じ虫をひとつの容器で育てると共食いをしてしまうのでは?」と心配される方もいますが、肉食ではないカブトムシの幼虫では、共食いは起こらないといわれています。

しかし、エサが不十分であるなど、飼育環境が悪いとお互いを傷つけ合い、死んでしまう幼虫が出るおそれがあります。初めての飼育で心配な場合は、なるべく1匹ずつ育てるとよいでしょう。

カブトムシは幼虫からでも育てられる!適切な育て方で成虫を目指そう

カブトムシは幼虫からでも育てられる!適切な育て方で成虫を目指そう

カブトムシはコツをつかめば、幼虫からでも簡単に育てられます。一生のうちの半分以上を幼虫で過ごすため、適切な飼育環境とエサを整えて立派なカブトムシを育てていきましょう。

カブトムシの幼虫は、ホームセンターなどで手軽に手に入ります。また、成虫に卵を産ませてカブトムシの一生を観察することも可能。お子さんと一緒に命の大切さを学んでみてはいかがでしょうか。

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