コーナンTips ペット 【獣医師監修】猫の歯磨きのやり方!頻度や習慣化のためのおすすめの方法を解説 【獣医師監修】猫の歯磨きのやり方!頻度や習慣化のためのおすすめの方法を解説 ペット クリップボードにコピーしました 【獣医師監修】猫の歯磨きのやり方!頻度や習慣化のためのおすすめの方法を解説 この記事をシェアする! クリップボードにコピーしました 猫は口腔内のトラブルが起こりやすい動物であるため、こまめな歯磨きが大切です。 とはいえ「嫌がってさせてくれない」「どのくらいの頻度でやればいいの?」と悩んでいる飼い主さんもいるのではないでしょうか。 本記事では、猫の歯磨きの重要性や磨くときのポイント、頻度の目安などを詳しく解説します。嫌がるときの対処法や歯ブラシの選び方もご紹介しますので、猫の歯磨きで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。 正しい方法と頻度で歯磨きをして、愛猫の健康を守りましょう。 目次 猫に歯磨きが必要な理由歯周病予防ほかの病気を引き起こすリスクも猫の歯磨きをはじめる前に歯垢や歯石がつきやすい歯無理強いはNG猫専用のものを選ぶ猫の歯磨きのやり方とポイントステップ1:口周りを触れるステップ2:シートを使って歯磨きステップ3:歯ブラシを使って歯磨き猫の歯磨きの頻度猫が歯磨きを嫌がるときの対処法デンタルケアグッズを使う動物病院を受診する猫に無理強いは禁物!ペースを合わせて歯磨きを習慣化しよう 猫に歯磨きが必要な理由 猫の口腔内環境は人よりも歯周病菌が繁殖しやすいため、お口のトラブルが起こりやすいといわれています。 また、歯垢が歯石に変わるスピードが速いことも、お口のトラブルが生じる原因の一つです。猫に歯磨きが必要な理由を詳しく説明します。 歯周病予防 猫の口腔内環境は歯周病菌が発生しやすいアルカリ性であるため、歯周病や歯肉炎などが生じやすいといわれています。 また、お口のトラブルの原因となる歯垢が歯石に変わるスピードも速く、人の3倍の速さで歯石が形成されます。歯石がつくと歯の表面がザラザラになるため、そこに新たな歯垢がつきやすくなり、また歯石が形成されるという悪循環に陥ってしまいます。 歯周病や歯垢の蓄積を防ぐためにも、歯磨きは猫に欠かせないケアです。 ほかの病気を引き起こすリスクも 歯周病は「万病の元」ともいわれ、放っておくと顎の骨が溶けたり、心臓病や腎臓病を引き起こしたりなど、重大な病気につながる可能性があります。一般的には、以下のように症状が進行します。 歯垢が歯石に変わる 歯肉が炎症を起こして腫れる 歯茎が出血する 歯が抜ける 以下の症状が見られる場合は歯周病の可能性が高いため、注意しましょう。 歯茎が腫れる 歯茎から血が出る よだれが増える 口臭が強くなる くしゃみや鼻水が増える 顔が腫れる 皮膚に穴があく 猫の歯磨きをはじめる前に 猫の歯磨きを始める前に、まずは予備知識として以下の3点を知っておきましょう。 重点的に磨くべき歯 適した歯ブラシや歯磨粉 無理強いしないこと これらをしっかりと理解すれば、的確かつ効率的に歯を磨けるようになります。以下で詳しく説明します。 歯垢や歯石がつきやすい歯 歯周とは歯を取り巻く組織のことをいい、以下で構成されています。 歯肉 歯槽骨(しそうこつ) 歯根膜(しこんまく) セメント質 歯と歯肉の間には数ミリの溝(歯周ポケット)があり、ここに歯垢がたまることで歯周病が起こります。歯垢を放っておくと、どんどん硬くなって歯石に変わり、さらにその上に歯垢がたまってしまいます。 とくに歯垢・歯石がつきやすい歯は以下のとおりです。 上下の犬歯 上の大きな奥歯(第四前臼歯)とその奥の歯 下の大きな奥歯(第一後臼歯)とその奥の歯 これらの歯を念入りに磨きましょう。 無理強いはNG 猫は、口元を触られるのを嫌がる動物です。歯磨きをしようといきなり口を掴んで開こうとすると「歯磨き=嫌なこと」と覚えてしまい、ますます応じてくれなくなります。 子猫のときからはじめれば慣れますが、成猫になってからの歯磨きは慣れるまでに時間がかかります。焦らず、ゆっくりと慣れさせていきましょう。無理強いはせず、少しでも嫌がったらすぐにやめてください。 猫専用のものを選ぶ 歯磨きのアイテムは、猫専用のものがおすすめです。 特に歯磨き粉についてはヒト用に販売されているものは避けましょう。ヒト用の歯磨き粉には人工甘味料のキシリトールを多く含んでいるものがあり、犬や猫が大量に接種すると健康を害するおそれがあります。 猫用の歯磨き粉には、ペースト状やジェル状タイプのほか、スプレータイプや、飲み水に混ぜて使う液状タイプなどもあります。愛猫の好みに合わせて選んでください。 また、歯ブラシは小児用でも代用できますが、ヘッドが小さい猫用のものがおすすめです。歯ブラシにも、通常のブラシタイプに加え、歯の上を転がして使うローラータイプ、柔らかいスポンジタイプなどさまざまなものがあります。 ▶ペットのデンタルケアの関連商品を見てみる Tips ペット用の歯磨き粉の中にもキシリトールが含まれているものがありますが、配合量が調整されており、使用しても問題ないとされています。不安であればキシリトールが含まれていない歯磨き粉を選ぶといいでしょう。 猫の歯磨きのやり方とポイント それでは、実際に愛猫の歯磨きをしてみましょう。準備するものは以下のとおりです。 ご褒美用のおやつ 歯磨きシート 歯ブラシ ここからは、初心者向けに、歯磨きのやり方のポイントを順を追って説明します。大まかなステップは以下のとおりです。 口を触られることに慣れさせる 歯磨きシートで軽く磨く 歯ブラシで優しく磨く 焦らず、丁寧にクリアしていきましょう。 ステップ1:口周りを触れる まずは、歯磨きに対する恐怖心をなくすために、口周りに触れ慣れてもらいます。いきなり歯に触れるのではなく、顔や口元を優しくマッサージするように触れ、慣れてきたら唇をめくり、歯茎や歯に触れましょう。 歯を触るときは、少しずつ指を奥まで入れ、歯並びを確認してみてください。よく見えない奥の歯のイメージがつき、磨きやすくなります。 触らせてくれたら、おやつをあげましょう。そうすることで「怖くなかった」「触れさせてあげたらおやつをもらえた」とポジティブに認識し、次回以降も触らせてくれるようになります。 ステップ2:シートを使って歯磨き 次に、歯磨きシートで軽く磨きます。歯磨きシートとは、指に巻きつけて歯の汚れや歯垢を拭き取るシートです。指に近い感触であるため、猫に違和感を抱かせません。ペットショップなどで入手できます。 歯磨きシートを指に巻いたら、歯や歯茎に触れ、1本ずつクルクルと磨いてみましょう。シートがゆるんできたら、都度しっかりと巻きなおしてください。 ステップ3:歯ブラシを使って歯磨き シートでの歯磨きに慣れてきたら、いよいよ歯ブラシの登場です。大まかな手順は以下のとおりです。 鉛筆を持つように、歯ブラシを軽く握る。 歯に対して45度の角度で当て、毛先を歯周ポケットに入れる。 毛先を左右に小刻みに揺らして磨く。 磨くときのポイントは、まず上の前歯と犬歯の外側から磨くことです。形が複雑で歯石がつきやすい奥歯は、重点的に磨きましょう。猫の頭を手で軽くつかみ、上唇を親指で持ち上げ、歯を露出させると磨きやすくなります。 また、一度にすべての歯を磨こうとせず、嫌がったらすぐにやめましょう。猫の集中力が続かない場合は、何日かに分けてもかまいません。ただし、猫の歯垢は1週間ほどで歯石に変わるため、それまでにはすべて磨き終えてください。 猫の歯磨きの頻度 猫の歯磨きは、毎日おこなうことが理想です。 先述したとおり、猫の場合、1週間で歯垢が歯石に変わります。歯石は歯磨きで取り除けないため、歯垢が歯石に変わる前に、歯磨きで食べカスを取り除くことが重要です。 最初のうちは嫌がって毎日させてくれないかもしれませんが、最低でも週に2〜3回は歯磨きをしましょう。 猫が歯磨きを嫌がるときの対処法 冒頭でも述べたとおり、猫は口に触れるのを嫌がる動物です。それに加え、もともとの性格やその日の気分によって、なかなか歯磨きに応じてくれないこともあります。 しかし、無理にやろうとするのは逆効果です。ますます嫌がって、二度とさせてくれなくなるかもしれません。 ここでは、猫が歯磨きを嫌がるときに試してほしい対処法をご紹介します。 デンタルケアグッズを使う 猫にストレスを与えることなく歯磨きができる、便利なデンタルケアグッズを使ってみましょう。 初めての場合は、嚙むことで歯垢を除去できる歯磨きおやつがおすすめです。猫が好きなフレーバーが使われているものが多く、歯の健康を保つ成分も入っているため、おやつ感覚で歯磨きができます。練習中のご褒美としても最適です。 猫が好むフレーバーがついた歯磨きペーストも効果的です。歯磨きにおいしさを感じられるため、機嫌良く応じてくれるでしょう。舐めるだけで歯磨きができるタイプのものもあり、手早く済ませられます。 忙しく、なかなか歯磨きの時間がとれない場合は、飲み水に混ぜて使う液体タイプのケアグッズがおすすめです。歯磨きの手間がかからないため、朝などの慌ただしい時間帯でも手軽にケアできます。 また、噛むことで歯垢をとってくれるおもちゃなら、楽しんで歯磨きができます。飼い主さんとのコミュニケーションも進むでしょう。 以上のように、さまざまなタイプの歯磨きグッズがあります。愛猫の好みや性格に合わせて、使いやすいものを選んでみてください。 動物病院を受診する 猫の歯のケアは、動物病院でもしてもらえます。自宅でなかなか歯磨きができない場合は、獣医師にお任せするのも一つの方法です。 獣医師なら、しっかりと歯磨きをしてくれることに加え、口腔内の健康状態もみてくれます。気づかなかった口腔トラブルが見つかるかもしれません。 強い口臭やよだれ、歯茎の腫れなど、先で述べたような症状が出ている場合は、すでに口腔トラブルを抱えている可能性があります。すみやかに病院へ連れて行き、必要な処置を受けましょう。 猫に無理強いは禁物!ペースを合わせて歯磨きを習慣化しよう 猫の歯磨きは、歯周病をはじめ、心臓病や腎臓病などを防ぐためにも欠かせないケアです。 なかなかできない場合は、猫が好むフレーバーがついた歯磨きグッズを併用してみてください。歯磨きの時間が楽しくなり、機嫌良く応じてくれるようになるでしょう。 最初は嫌がるかもしれませんが、無理強いは禁物です。焦らず、愛猫のペースに合わせて少しずつ慣らすことが大切です。 愛猫の歯磨きを楽しい時間にし、口腔内の健康を保ちましょう。 関連記事 【獣医師監修】猫の爪の切り方|爪切りの頻度や嫌がるときの対策を徹底解説 ペットのデンタルケアの関連商品を見てみる この記事を監修した人 小松 智彦 獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。 20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。
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