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【獣医師監修】犬のマーキング行動の理由とは?主な原因や効果的な対策を徹底解説

【獣医師監修】犬のマーキング行動の理由とは?主な原因や効果的な対策を徹底解説

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犬を飼育していると、トイレ以外の場所でおしっこをしてしまう行動に悩むことがあります。それが単なるトイレの失敗なのか、マーキングと呼ばれる行動なのか判断に迷うこともあるでしょう。マーキングには犬にとって重要な意味があり、原因を正しく理解することで適切な対策が見えてきます。この記事では、犬がマーキングを行う理由やトイレの失敗との違い、室内や散歩中における具体的な対策について詳しく解説します。

犬がマーキングをする理由とは?

“室内で椅子の脚に足を上げてマーキング(排尿)をする犬"
犬がマーキングをするのには、本能や習性に基づいた深い理由があります。マーキングは単なる排泄行動ではなく、犬にとっての大切なコミュニケーションであり、心理状態の表れでもあります。その背景には、動物としての本能的なものから周囲の環境によるものまで、さまざまな要因が絡んでいます。ここでは、犬がマーキングを行う主な理由について詳しく解説します。

自分の縄張りを主張するため

犬にとってマーキングは、自分のテリトリーを守るための本能的な行動です。自分の匂いを残すことで、「ここは自分の場所である」と周囲に強く主張しています。特に野生時代の名残から、外敵や他の犬に対して自分の存在の大きさをアピールする目的があります。高い位置に尿をかけるほど体が大きいとアピールできるため、足を高く上げて垂直な場所に匂いをつける傾向があります。

ほかの犬と情報を交換するため

マーキングには、他の犬と情報をやり取りする名刺のような役割もあります。犬の尿に含まれる、「フェロモン」という物質には性別や年齢、健康状態、発情期かどうかなど多くの情報が詰まっています。散歩中に他の犬が残した尿の匂いを嗅ぐことで、相手がどのような犬なのかを読み取っています。そして、その匂いの上に自分の尿を上書きすることで、自分自身の情報を相手に伝達しています。特に成犬になり性的に成熟すると、マーキング行動が活発になります。未去勢のオス犬がメス犬に対して自分の魅力を示したり、発情期のメス犬が自分の状態を知らせたりと、異性への本能的なアピールとしても重要な意味を持っています。

不安やストレス解消するため

犬は不安やストレスを感じたとき、自分自身を落ち着かせる目的でマーキングを行うことがあります。特に引越しによる新しい家での生活や、部屋の模様替え、新しい家具の搬入など、周囲の環境の変化がストレスの要因になると言われています。また、新しいペットや家族が増え、自分への注目が減ったと感じた時にも不安を覚えます。このような状況に置かれると、自分の匂いをつけて縄張りを再確認し、安心感を得ようとしてマーキングを行います

飼い主への要求や自己主張のため

飼い主に対して自分の存在をアピールしたり、要求を伝えたりする手段としてマーキングを行うことがあります。留守番の時間が長くて寂しい時や、もっと遊んでほしいという気持ちがある時に、わざと飼い主の目につく場所でおしっこをします。飼い主が慌てて反応すると、犬は「かまってもらえた」と学習してしまい、行動がエスカレートすることがあるため注意が必要です。

トイレの失敗とマーキングの違い

“室内の床で排尿してしまい、おしっこの横に座っている子犬"
室内でおしっこをしてしまった際、それが通常の排泄(トイレの失敗)なのかマーキングなのかを見極めることが重要です。両者は目的が異なるため、取るべき対策も変わってきます。ここでは、二つの行動を見分けるポイントについて解説します。

比較項目 トイレの失敗 マーキング
尿の量 膀胱に溜まった尿を一度にたくさん出す 少量の尿を何回にも分けて少しずつ出す
姿勢 腰を低く落としたりしゃがんだりする 片足を高く上げることが多い
場所 床やカーペットなど平面な場所 壁や家具の角など垂直な場所

おしっこをする時の姿勢と量

通常の排泄では、犬は膀胱を空にするために一度にまとまった量の尿を出します。姿勢としては、腰を落としてしゃがみ込むのが一般的です。一方でマーキングの場合は、少量の尿を複数の場所に分けて出す特徴があります。できるだけ高い位置に匂いを残して自分を大きく見せるため、片足を高く上げておしっこをする姿勢をとることが多くなります。

おしっこをする場所の傾向

通常の排泄は、主に床やカーペットなどの平面で行われることが多いです。しかしマーキングの場合は、自分の匂いをより効果的に周囲に広げるため、鼻の高さに近い垂直な場所を選びます。具体的には、壁や家具の角、柱、屋外であれば電柱やブロック塀などに尿をかける傾向があります。特定の垂直な対象物に執着して尿をかける場合は、マーキングである可能性が高いと言えるでしょう。
 

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室内でのマーキング対策としつけ

“室内のラグの上で落ち着いて座っているヨークシャー・テリアと、ソファのあるリビング"
室内でのマーキングを放置すると、家の中に臭いが染み付いて衛生環境が悪化してしまいます。愛犬と快適に暮らすためには、適切な対策としつけが欠かせません。家の中でマーキングをさせないための具体的な対処法を紹介します。

対策のアプローチ 具体的な実践方法
臭いの除去 酵素入りの専用洗剤などを使用して、残った尿の臭いを完全に消し去ります。
環境の整備 犬が標的にしやすい家具や物を片付け、物理的に近づけないように工夫します。
マナーウェアの使用 マナーウェアを着用することで、尿の飛散を防ぎます。蒸れて皮膚が荒れていないか注意します。
信頼関係の構築 日々のコミュニケーションを通じて、飼い主との安定した関係性を築きます。

消臭剤でマーキングの臭いを消す

犬は一度自分の匂いをつけた場所に、繰り返しマーキングをする習性があります。そのため、尿をされた場所は徹底的に掃除をして、臭いを完全に取り除くことが重要です。一般的な家庭用洗剤や水拭きだけでは犬の嗅覚をごまかすことができません。ペット用の酵素入り消臭剤などを活用し、尿の成分を根本から分解して臭いを消し去るように対処します。

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家具の配置を変えて環境を整える

犬がマーキングをしやすい場所を物理的になくすことも有効な対策です。ゴミ箱や観葉植物など、犬が標的にしやすい物は手の届かない場所に移動させます。どうしても動かせない家具の角や柱には、防水シートやペットシーツを貼って保護したり、サークルを使って近づけないようにガードしたりします。マーキングができない環境を整えることで、習慣化を防ぐことができます。

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マナーパンツを上手に活用する

しつけの最中や、留守番時などでどうしても目が届かない場合には、マナーパンツを活用するのも一つの方法です。犬用のおむつやマナーベルトを装着することで、物理的に尿が部屋に飛散するのを防ぎます。ただし、マナーパンツを長時間つけっぱなしにすると皮膚が蒸れて荒れてしまう原因になります。こまめに取り替えて清潔を保ち、皮膚の状態をしっかりと確認するように心がけます。

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基礎的な信頼関係を再構築する

マーキング対策においては、飼い主と愛犬との間で揺るぎない信頼関係を築くことが非常に重要です。かつては主従関係を厳しく教え込むことが主流でしたが、現在は安心感に基づいた信頼関係が重視されています。日々のスキンシップや遊びを通してコミュニケーションを深め、犬が精神的に満たされる環境を作ります。飼い主を信頼し、安心できる存在として認識させることで、ストレスや不安からくるマーキングを減らすことにつながります。

 

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散歩中のマーキングに関するマナー

“飼い主の横でリードに繋がれ、散歩中にたたずむウェルシュ・コーギー"
屋外での散歩中は、犬のマーキングが周囲の迷惑にならないよう配慮する必要があります。公共の場や他人の私有地を汚さないことは、飼い主としての最低限の責任です。散歩の際に守るべきマナーについて解説します。

人家の壁や車にはさせない配慮

散歩中、他人の家の壁や塀、駐車してある車などにマーキングをさせることは絶対に避けなければなりません。金属が錆びたり、悪臭の苦情につながったりする恐れがあります。飼い主は常に愛犬の動きに注意を払い、マーキングをしそうな対象物に近づいた時はリードを短く持って制御しましょう。匂いを嗅ぎ始めた段階で声をかけ、別の方向へ誘導するなどして未然に防ぐことが大切です。

ペットシーツと水で清潔を保つエチケット

万が一、屋外でマーキングをしてしまった場合は、適切な処理を行って清潔を保つことが必要です。単に水をかけるだけでは尿の成分や臭いが周囲に広がるだけで、根本的な解決になりません。まずはペットシーツで尿をしっかりと吸い取ります。その後、水をかけて薄め、最後にもう一度シーツで拭き取ることが推奨されます。尿の臭いの主成分であるアンモニアはアルカリ性のため、酸性のクエン酸が有効です。市販のクエン酸粉末を水で薄めてマナー水として持参するのもおすすめです。

 

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去勢・避妊手術を検討する

“動物病院で獣医師に聴診器で心音を確認されているダックスフンド"
マーキング行動を抑えるための一つの選択肢として、去勢手術や避妊手術があります。個体差があるため必ずしも推奨されるわけではありませんが、原因によっては効果が期待できる場合があります。手術を検討する際のポイントについて解説します。

去勢・避妊手術のメリット

去勢や避妊手術を行うことで、性的な欲求からくるマーキング行動を減少させる効果が期待できます。発情期のストレスがなくなるため、精神的に穏やかになり、無駄吠えや攻撃的な行動が落ち着く犬もいます。また、精巣腫瘍や子宮蓄膿症、乳腺腫瘍といった将来的な生殖器系の重篤な病気を予防できることも、健康面における大きなメリットと言えるでしょう。さらに多頭飼いの環境などにおいて望まない妊娠を防げることも挙げられます。

手術によるデメリットと注意点

手術には全身麻酔を伴うため、犬の体に一定の負担がかかるというデメリットがあります。また、ホルモンバランスの変化によって代謝が落ち、術後は肥満になりやすいため適切な食事管理が欠かせません。さらに注意すべき点として、マーキングがすでに長年の習慣として定着している場合は、手術をしても行動が完全に直らないケースが多くあります。手術はあくまで手段の一つとして捉え、獣医師とよく相談して慎重に決定しましょう。

病気が原因の可能性と受診目安

“動物病院の診察台で、獣医師に優しく診察を受けているゴールデン・レトリバー"
これまで解説してきたように、犬のマーキングには心理的・本能的な要因が多く見られますが、中には身体的な疾患が原因となっているケースもあります。単なるしつけの問題と決めつけず、体調の変化を見逃さないことが大切です。病気が疑われる場合のサインについて解説します。

膀胱炎や尿路結石などの疾患

おしっこの回数が急激に増えたり、あちこちで少量の尿をもらしたりする場合、膀胱炎や尿路結石などの泌尿器系の病気が原因である可能性があります。このような病気にかかると、残尿感から常に排尿姿勢をとるようになります。尿の色が赤っぽく血尿が混じっている場合や、排尿時に痛そうに鳴いたりする場合は、速やかに動物病院を受診して適切な治療を受けさせましょう。

高齢犬における認知機能の低下

シニア犬になってから突然トイレを失敗するようになった場合、加齢による認知機能の低下が原因として考えられます。老化によって脳の働きが衰えると、長年覚えていたトイレの場所を忘れてしまったり、排泄のコントロールができなくなったりします。また、足腰が弱ってトイレまで間に合わないなど身体的な要因も重なりがちです。これらは犬の意思でコントロールできるものではないため、叱ることは避け、トイレの数を増やしたりおむつを活用したりして、犬が快適に過ごせるようにサポートしてあげましょう。

 

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まとめ

“室内で、床に敷かれたペットシーツの上に座っているジャック・ラッセル・テリア"
犬のマーキング行動には、縄張りの主張や不安の解消などさまざまな意味が含まれています。原因を正しく理解し、生活環境を整えて信頼関係を深めることが解決への近道となります。愛犬の気持ちに寄り添いながら、お互いが快適に過ごせるように工夫を重ねてみてください。

この記事を監修した人

小松 智彦

小松 智彦

獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。
20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。

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