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ハリネズミの飼い方|初心者に必要な基本情報と飼育方法を解説

ハリネズミの飼い方|初心者に必要な基本情報と飼育方法を解説

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小動物のなかでもとくに人気が高い「ハリネズミ」は、老若男女問わず多くの人から愛されており、ペットとしてお迎えする家庭も年々増えています。

しかし、犬や猫などと比較するとお世話のイメージがつきにくいことから、お迎えを諦めてしまう方も少なくはありません。

本記事では、そんな「ハリネズミ初心者さん」に役立つ情報をご紹介するので、ぜひ一度目を通してみてください。きっとハリネズミの飼育に対するハードルがぐっと下がって、お世話を楽しむことができますよ。

ハリネズミの特徴

ハリネズミの特徴
小さくて丸っこい身体や背中を覆うトゲが特徴的なハリネズミは、実は「モグラ」の仲間です。ただし、モグラとは異なり、ウサギやフェレットといったほかの小動物と同じように地上で生活します。

まずは、ハリネズミの見た目や種類・性格などの基本的な特徴をご紹介します。お世話を始める前に、しっかりと理解を深めてください。

見た目

背中を中心に全身の半分を覆うトゲは、ハリネズミが自分を守るために活用する「針」です。危険を感じた際には、くるりと身体を丸めて全身の針を立たせます。
また、威嚇時にはトゲトゲとした痛い針ですが、普段は横に寝かせた状態で過ごしているため、触れても痛くありません。手のひらに収まるほどのサイズの個体が多く、小さな身体でちょこちょこと動き回る愛らしい姿も魅力のひとつです。

種類

ハリネズミには、犬や猫のようにいくつかの種類が存在します。ヨーロッパを中心に生息し、身体のサイズがほかよりもやや大きい「ナミハリネズミ」や、存在感のある耳が特徴的な「オオミミハリネズミ」など、見た目もさまざまです。しかし、ほとんどのハリネズミは現在特定外来生物に指定されており、日本では飼育不可となっています。

日本で飼育が可能なのは「ヨツユビハリネズミ」と呼ばれる種類で、名前のとおり指が4本しかありません。前足は5本あるものの、後ろ足のみ4本ずつとなっています。ハリネズミを取り扱っているペットショップやホームセンターでは「ピグミーヘッジホッグ」という別名で販売されているケースが多いです。

性格

ハリネズミは非常に憶病であるため、人になつくまでには少し時間がかかります。最初は警戒して針を立てたり、威嚇して鳴いたりすることもありますが、毎日少しずつスキンシップをとっていけばきっと心を開いてくれる日が訪れるでしょう。

人に慣れたハリネズミは、抱っこをすることも可能です。針を寝かせた状態はリラックスいる証拠ですので、安心して触れ合えます。

鳴き声や習性

モグラの仲間であるハリネズミは夜行性のため、昼間よりも夜間に活発に活動します。とくに、夜中から早朝にかけてよく動き回る傾向があります。音が気になる場合には、寝室から離れた場所にケージを設置しましょう。

また、ご機嫌なときは「ピーピー」「ゴロゴロ」と甘えるような鳴き声を出し、不安なときは「グエー」「ギエー」と叫んで感情を伝えます。「フシュッ」「シュー」といった鼻息の荒い鳴き声を出していれば警戒している証拠のため、不安を取り除いてそっと様子を見てあげましょう。

Tips
アンティングとは?
ハリネズミは時折、口の中から泡を出して、身体中に塗るマーキングのようなことをします。これを「アンティング」と言い、家族としてお迎えした直後や、何か新しい食べ物やおもちゃを与えた際によく見られます。アンティングをする理由は諸説ありますが、外敵から身を守ったり、毒に対する耐性を付けたりするためとされています。

寿命

ハリネズミの平均寿命は3~5年前後といわれています。適切な環境で健康に過ごすことができれば、10年ほど生きられる場合もあるようです。

なお、野生のハリネズミの寿命は2〜3年とされています。やはり長生きさせるための最大の秘訣は、病気やケガに注意して快適に過ごせる環境を整えてあげることでしょう。

 

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ハリネズミ飼育初心者が用意するもの

ハリネズミ飼育初心者が用意するもの
これからハリネズミの飼育を始める方は、まず下記のアイテムを揃えましょう。

  • ケージ
  • ハウス
  • 床材
  • トイレ
  • 回し車
  • エサ入れ
  • 給水機
  • エサ

ひとつずつ使い方や選び方についてご紹介するので、参考にしながら自分にぴったりなものを見つけてみてください。

ケージ

ハリネズミが生活をするためのメインの場所となる「ケージ」は、一番最初に揃えるべきアイテムです。広さが60×90cm、高さが30cm以上あるものを選んでください。ハリネズミは夜間によく動き回るため、ある程度の広さを確保してあげないとストレスをためてしまいます。

ケージの素材は金網製やアクリル製など豊富に展開されていますが、お手入れのしやすさや耐久性を考慮して最適なものを選びましょう。

ハウス

ケージのなかには「ハウス」と呼ばれる、屋根付きの寝床を用意してください。ケージだけでは自分の姿が常に外から見えてしまうため、警戒心の強いハリネズミにとってはストレスにつながりかねません。「隠れることができる場所」を作ってあげることが大切です。

屋根を取り外せるタイプを選べば、ハウスの中で過ごすハリネズミの様子を覗くことができます。

床材

ケージの下には必ず「床材」を敷きます。床材には牧草やウッドチップ、猫用のトイレ砂や新聞紙などさまざまな種類がありますが、もっとも手軽でメジャーなのはペットシーツでしょう。消臭能力にも優れているため、ケージ内の衛生環境を整える効果も期待できます。

トイレ

トイレは最初から場所を固定せず、ハリネズミがよく排泄をする場所を見極めて設置してあげるのがおすすめです。容器に床材を敷いたものを用意し、わざと糞を入れてここがトイレであると教えてみてください。

ハリネズミが必ずトイレを覚えてくれるとは限らないため、ケージ内のどこで排泄をされても問題がないよう、ケージ全体に床材を敷いて対策しておくと安心です。

回し車

「回し車」と聞くと、ハムスターの姿を思い浮かべるかもしれませんが、実はハリネズミにも必要なアイテムです。ケージ内に設置してあげれば、運動が大好きなハリネズミは夢中になって遊ぶでしょう。

夜行性のため、回し車の音が気になる場合はサイレントタイプのものを選んでみてください。また、初めて回し車を設置した際には、しばらく使う様子を観察して、危険がないかを確認しながら都度予防や対策をしてあげましょう。

エサ入れ

エサを食べるときに使用する「エサ入れ」は、ハリネズミが食べやすい低めのものを用意します。専用の商品も販売されていますが、豆皿のように小さくて深さのないものであればどのような容器や皿でも代用できるため、ハリネズミが気に入るものを見つけてみてください。

給水機

水を飲むための「給水機」は、ペットボトルを使用した給水ボトルが最適です。水入れを使用して水を与えることもできますが、汚れたり濡れたりしやすいため管理が大変になってしまいます。

給水ボトルを設置する際は、飲み口をハリネズミの口が届く高さに合わせ、負担がかからないように配慮してあげましょう。

エサ

ペットとして飼育するハリネズミの「エサ」は、主にペットショップやホームセンターなどで販売されているハリネズミ専用のフードを与えてください。栄養素がバランス良くブレンドされたフードを選ぶと良いでしょう。

初心者も簡単!ハリネズミの飼い方

初心者も簡単!ハリネズミの飼い方
ハリネズミを飼育する際に気をつけることや、お世話の方法などをご紹介します。ポイントを押さえれば決して難しくないため、飼育前にしっかりと目を通してみてください。

飼育環境の管理の仕方

ハリネズミが好む飼育環境を整えるためには、必ず押さえておきたい注意点が2つあります。

ひとつめは、静かな場所を用意してあげることです。憶病で警戒心が強いハリネズミにとって、物音がしたり人が行き来したりするリビングや廊下などはストレスの原因となります。ケージを設置する際は、なるべく静かな部屋を選びましょう。

ふたつめは、温度と湿度の管理です。ハリネズミが過ごす部屋の温度は24~29℃、湿度は40%を下回るように管理してください。ハリネズミは暑すぎたり寒すぎたりすると夏眠や冬眠をする動物で、室温に差があると負担がかかってしまいます。ケージを設置する場所の日当たりやエアコンの風向きに注意して、適切な環境を整えてあげましょう。

エサのあげ方

エサの量はパッケージの記載に従いますが、基本的には大さじ1~3杯程度と非常に少量です。また、フードはひとつに絞らずさまざまな種類を混ぜて与えると、食べ飽きを予防できるほか、災害時にも困りません。

時折ささみやゆで卵などの副食や、ペット用のおやつを「ご褒美」として与えると、ハリネズミが喜んでくれるでしょう。ただし、主食を拒否するようにならないよう、副食おやつを与える頻度や量には必ず注意してください。

トイレのしつけ方

トイレの場所を固定して覚えさせたい場合は、ハリネズミがよく排泄をする場所を選んでトイレトレーを設置したり、排泄物を置いたりする方法が有効です。しかし、基本的にハリネズミはしつけが難しい動物といわれているため、無理に覚えさせようとするのは避けましょう。

床材やトイレの設置場所などを工夫しながら、じっくりとしつけに挑戦してみてください。

お手入れの仕方

ハリネズミは毎日ケージのなかで過ごしていくうちに、だんだんと身体の汚れが目立ってきます。水浴びをする習性がなく、自分で清潔さを保つことが難しいため、なるべく定期的にケアしてあげましょう。

全身にぬるま湯をかけて汚れを流したり、濡らしたタオルやペット用のシャンプータオルを使ってふき取ったりと、お手入れの方法はさまざまです。身体を清潔にすれば皮膚トラブルの予防にもつながるため、常に気にかけてあげてください。

また、爪の長さが気になったら、都度爪切りをしてあげることも大切です。爪が伸びているのを放置すると、回し車を使うときや歩行時に爪が引っかかってケガをしてしまうおそれがあります。先端から少しずつ、血管に注意しながら上手にカットしましょう。

ハリネズミの飼い方で大切な体調管理

ハリネズミの飼い方で大切な体調管理
ハリネズミが長く健康で過ごすためには、飼い主さんがしっかりと体調管理をしてあげる必要があります。ケガや病気を早期に発見するためにも「不調のサイン」を知っておきましょう。

とくによく見られるサインには、針や毛が抜けたり、腫瘍ができたりといった目に見える変化があります。また、口臭やふらつきなどが気になる場合も要注意です。

気になる変化が見られたら、早めに動物病院に相談してください。ハリネズミを診てもらえる病院は、犬や猫に比べると少ないため、事前に行く病院を探しておくと安心ですよ。

ハリネズミの飼い方は初心者でも簡単!安心できる環境を整えよう

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必要なアイテムや飼い方のポイントさえ押さえれば、ハリネズミは誰でも簡単にお世話を楽しめる小動物です。憶病な性格のため、なつくまでに時間がかかるかもしれませんが、小さくてころんとした見た目や愛くるしい表情に日々癒されること間違いありません。

この記事を通してハリネズミについてしっかりと理解を深めて、万全な状態でお迎えをしてくださいね。

この記事を監修した人

小松 智彦

小松 智彦

獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。
20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。

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