ネオンテトラの飼い方と4つのポイント!水槽立ち上げに必要なものは?
ネオンテトラの飼い方と4つのポイント!水槽立ち上げに必要なものは?

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きらきらと光沢のある美しい体が魅力的な「ネオンテトラ」は、手頃な価格や飼いやすさから、熱帯魚の飼育が初めての方にも人気です。
ペットショップやアクアリウムショップ、ホームセンターなどで見かける機会が多いため、存在感のある見た目に惹かれたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際に具体的な飼育方法や必要なものなどを把握し、すべてを完璧に揃えるのは初心者さんには難しいでしょう。
本記事では、ネオンテトラの基本情報や飼育に必要なもの、水槽の立ち上げ方、うまく育てるためのコツを詳しく解説します。事前に飼育環境をしっかりと整え、安心してネオンテトラをお迎えしましょう。
目次
ネオンテトラの飼い方がわかる基礎知識
まずは、ネオンテトラとはどのような魚であるのか、「特徴」「性格」「種類」の項目に分けて解説します。
飼育を始める前に、生態について理解を深めておくことで、より安心してお世話ができるでしょう。
その1:特徴
ネオンテトラは、主にアマゾン川に分布する熱帯魚の一種です。カラシン目のなかでも「テトラ」に分類されます。
古くから観賞魚として人気があり、現在もほとんどのペットショップやアクアリウムショップで購入できます。体が丈夫なほうなので、熱帯魚の飼育に慣れていない人でも飼いやすい種類です。
ネオンテトラの主な特徴を以下の表にまとめました。
名称 | ネオンテトラ |
学名 | Paracheirodon innesi |
分類 | カラシン目カラシン科 |
分布 | ペルー、アマゾン川 |
大きさ | 約3~4cm |
寿命 | 2~3年 |
適応水温 | 22~27℃ |
平均寿命は1~2年ですが、飼育環境や健康状態によっては5年以上生きる個体もいます。より長く一緒に過ごすためには、ネオンテトラにとって快適な環境を整え、丁寧にお世話をしてあげることが大切です。
その2:性格
ネオンテトラは、やや臆病なところがありますが、非常に温和な性格であるため、ほかの魚との混泳が可能です。
ただし、混泳させる際には必ずネオンテトラと同じ、もしくは小さいサイズの魚を選んでください。臆病ゆえに、大きな魚がいるとストレスを感じたり、いじめられたりしてしまうおそれがあります。
混泳に向いている魚は、ラスボラ・エスペイやメダカ、グッピーなどです。
また、ネオンテトラは群れで生活する魚なので、単独ではなく複数で同じ水槽に入れて飼育しましょう。
その3:種類
「テトラ」には、ネオンテトラ以外にもさまざまな種類がいます。
初心者向けで飼いやすいテトラをご紹介します。
種類 | 特徴 |
カージナルテトラ | ネオンテトラにそっくりな見た目で、腹部の赤いラインがやや長い |
ダイヤモンドネオンテトラ | 頭部に光沢があり、華やかな見た目が特徴 |
グリーンネオンテトラ | 通常のネオンテトラよりも小ぶりで青みが強い |
どの品種もネオンテトラと同様に美しい体をもっているため、ぜひお気に入りの品種を見つけてみてください。混泳させれば、水槽がより華やかな印象になるでしょう。
ネオンテトラの飼育水槽に必要なもの
ネオンテトラの飼育に必要なものをご紹介します。どれもアクアリウムショップやホームセンターで手軽に購入できるため、思い立ったらすぐに飼育を始めることが可能です。
また、初心者の方には、飼育に必要なものがすべてそろった「飼育セット」もおすすめ。道具の選び方がわからずに不安な方は、ぜひセットアイテムを活用してみてください。
ここでは、水槽や水温計といったお世話に欠かせないアイテムのほか、あると便利なグッズもご紹介します。飼育を始める前にチェックして、自分に必要なものを見極めましょう。
水槽
ネオンテトラの水槽は、幅や奥行きがすべて30cmほどあるキューブ型のものがおすすめです。設置する場所やインテリアによって合うタイプは異なりますが、キューブ型であれば狭い場所にも置きやすく、管理の手間もそれほどかかりません。ほとんどのショップで取り扱っているほか、設置台も豊富に展開されています。
ただし、飼育する魚の数によって適切なサイズが異なるため注意してください。ネオンテトラの場合、10匹飼育する際には30cm、20匹飼育する際には45cm以上の水槽を用意すると安心でしょう。
水槽の大きさと水量に対して魚の数が多すぎる「過密飼育」にならないよう、水槽はできるだけ余裕のある大きさのものを選んでください。
底砂
水槽の底に敷き詰める底砂は「大磯砂」や「ソイル」といった種類であれば、どのようなものを使用しても問題ありません。ただし、サンゴ砂だけは水質がネオンテトラの苦手な弱アルカリ性になってしまうため、使用は控えてください。
植える水草の種類や水槽内のレイアウトを考慮して、好みの底砂を敷くといいでしょう。新しい底砂を試すときは、念のためしばらくネオンテトラの様子を観察すると安心です。
フィルターとエアレーション
熱帯魚を初めて飼育する方は、フィルターやエアレーションを導入すると、お世話の難易度がグンと下がるためおすすめです。
水中用のフィルターは、水槽内の水を循環させて水質を美しく保つ役割を果たします。初心者の方であれば、設置が簡単な「外掛け式フィルター」がおすすめです。
また、水中に酸素を送り込むエアレーションを使用することで、水槽内の魚がより元気に過ごせる環境をつくれます。必須ではないため、予算やお世話の仕方に合わせて必要かどうかを判断してください。
ただし、フィルターのタイプが「投げ込み式」「底面式」または「スポンジ」である場合は、エアレーションをセットで使用する必要があります。
照明
水槽内を明るく照らす照明は、水槽のサイズに合わせたサイズのものを選びます。
必須アイテムではないものの、水槽内の魚を美しく見せる効果があります。ネオンテトラのお世話や水槽のお手入れをする際にも活躍するため、ぜひ導入してみてください。
暗い色の底砂を敷いたり水草を植えたりする場合は、明るさが強いタイプの照明が適切です。明るさの基準は「lm(ルーメン値)」にて判断できるため、照明選びの際にはあわせてチェックしましょう。
ヒーターとクーラー
季節に応じて水槽用のヒーターとクーラーを使い分けて、水槽内を適切な温度に保ちましょう。
ネオンテトラが快適に過ごせる「26℃」を目安に、どんな気温や室温の日でも水温が一定となるように調整してください。とくに冬場は、ヒーターを必ず導入して水温が下がりすぎないように気をつけましょう。
30cmの水槽を使用する場合、50Wのヒーターが適切です。自動で水温を保つ「オート機能」を搭載したタイプも多く展開されているため、使用する水槽に応じて適切なものを導入してください。
水温計
ヒーターやクーラーと一緒に水温計も購入すると、正確な水温管理をおこなうことが可能です。
水温計にはスリムなアナログ式や、見やすいデジタル式などさまざまな種類があります。使いやすさを考慮して、好みに合うものを見つけてみてください。長く使うアイテムなので、正確で見やすいタイプがおすすめです。
水換えホース
水換えホースは、その名のとおり水槽内の水を交換する際に活躍します。
水の交換は1週間に一度ほどおこない、水中の汚れや食べ残しなどを取り除いて水槽内を清潔に保つことが大切です。
ゴミだけを吸い出せるタイプのホースを選べば、手軽に水槽内のお手入れができるため、ぜひ一度試してみてください。
熱帯魚の水槽掃除のやり方は?手順と注意点を初心者向けに解説
ネオンテトラの飼育水槽の立ち上げ方
必要なアイテムをそろえたら、実際にネオンテトラを飼育する水槽の「立ち上げ」をおこないましょう。
具体的な手順と注意点を解説しますので、不安な方は一つずつ確認しながら実践してみてください。
その1:事前準備
水槽の立ち上げ時には、まず適切な「設置場所」を確保する必要があります。設置場所には、必ず直射日光が当たらない場所を選んでください。強い日差しが当たると、コケの発生や水温の上昇につながるおそれがあります。
また、水の交換や掃除などをおこなう機会が多いため、キッチンや洗面所といった水場の近くに設置するのもおすすめです。観賞のしやすさや部屋のインテリアを意識して設置してもいいでしょう。自分なりのこだわりポイントを見つけて、最適な場所を決めてみてください。
設置場所を確保したら、水槽の中に入れる水を用意します。水道水で問題ありませんが、使用前に「カルキ抜き」を必ずおこなってください。
ネオンテトラなどの熱帯魚にとって、水道水に含まれるカルキ(塩素)は毒となります。水を沸騰させるか、市販の薬剤を使用してカルキを除去しましょう。
その2:立ち上げ方
ネオンテトラが住める環境をつくることを「水槽の立ち上げ」といいます。以下の手順を一つずつクリアして、快適な飼育環境を整えましょう。
- 水槽を水平な場所に設置する
- 砂底を敷く(不要な場合は省略)
- ろ過フィルターや水槽用ヒーターなどの器具を取り付ける
- 流木や岩、水草といった水槽用のアイテムを設置する
- カルキ抜きをした水を水槽の中に注ぐ
- 水質に問題がないことを確認後、水合わせをしてネオンテトラを入れる
ネオンテトラの飼育を始める際は、実際に家族としてお迎えする前に水槽の立ち上げを済ませておくことを忘れないようにしましょう。
また、水槽での飼育を開始したあとも、最初のうちはネオンテトラがストレスを感じていないか、問題なく生活できているかを毎日よく観察してください。
【初心者向け】熱帯魚を買う前の事前準備|必要な道具や水槽立ち上げの方法
ネオンテトラの飼い方と4つのポイント
ネオンテトラのお世話をする際に押さえておきたいポイントを「エサやり」「水換え」「水温管理」「病気」の4項目に分けて解説します。
注意点さえ守れば、ネオンテトラは誰でも簡単に飼育を楽しめる熱帯魚なので、しっかりとチェックしておきましょう。
ポイントその1:エサのあげ方
ネオンテトラに与えるエサは、基本的には小型熱帯魚用であればどんなものでも問題ありません。ネオンテトラも含まれる「テトラ専用」のエサも幅広く展開されているため、いくつかの種類を試して食いつきが良いものを見つけてください。
エサは、一日に2~3回ほどに分けて食べきれる量を与えます。1回分は、2分間で食べ終えることができる量がベストです。多く与えすぎると消化不良になったり、食べ残しで水質が悪化したりするため、様子をよく観察しながら適切な量に調整してあげましょう。
ポイントその2:水換えの方法
水換えは1週間に一度、水槽内の1/3程度の水を新しくします。交換用の水は必ずカルキ抜きをおこない、できるだけ水槽内の水と水質が同じになるようにしておきましょう。
水槽内に溜まったゴミは、水を入れ換えるタイミングでホースや網などを利用して取り除きます。また、定期的にフィルターやヒーターなどの器具もしっかりと洗浄して、水質を悪化させないように意識しましょう。
ポイントその3:水温管理の方法
ネオンテトラが快適に暮らせる水温は約22~27℃です。飼育する数や水槽の環境によって差はありますが、基本的には25℃前後の水温を維持しましょう。
毎日水温計をチェックしながら、室内のエアコンや水槽用のクーラー、ヒーターなどの器具を使って水温を管理します。ネオンテトラの状態をよく観察し、水温が20℃を下回ったり28℃を超えてしまったりしないように気をつけてあげてください。
ポイントその4:病気と対処法
ネオンテトラがかかりやすい病気をご紹介します。適切な環境を整えていても、ある日突然病気になってしまうことがあります。
もしものときに備えて、症状や対処法を把握しておきましょう。万が一病気になってしまっても、適切な対処をおこなえば回復する可能性は十分にあります。
白点病
水温が変化しやすい春先や秋口に発生しやすい病気の一つに白点病があります。その名のとおり体に白い点が現れることが特徴です。
かかってしまった場合は魚病薬を使用しましょう。薬品を購入するときは、ペットショップなどで適切な種類を確認してください。
水カビ病
水カビ病は、体にもやもやとしたカビのような物体が付く病気です。体の表面やひれなどに傷があると発生しやすくなります。
病気を発見したら専用の薬剤を試してみてください。
尾腐れ病
尾腐れ病にかかると尾びれが細菌に浸食され、徐々に裂けたり溶けたりしてしまいます。体の傷から細菌が侵入して発生することが多く、主な原因は水槽内の水質の悪化です。
水の交換やフィルター掃除を怠っていると発生しやすくなるため、必ず定期的なお手入れをおこないましょう。
ネオン病
ネオン病は、その名のとおりネオンテトラにもっとも多く見られる病気です。発症すると、体の表面の色が褪せたように白くなり、出血斑やひれが溶けてしまいます。
感染力が非常に強いため、見つけ次第感染したネオンテトラは隔離してください。健康なネオンテトラと一緒の水槽に入れていると、最悪の場合全滅してしまいます。
魚病薬では「黄色系」が有効とされていますが、完治は難しい病気であるため、日頃から病気が発生しないような環境づくりを心がけることが重要です。水質が悪化しないよう、管理をしっかりとおこないましょう。
ネオンテトラを飼うときはポイントを押さえることが大事
ネオンテトラを飼育する際は、適切な飼育環境を維持することが大切です。愛情を込めてお世話を続ければ、毎日美しいネオンテトラの群れの姿を眺めながら充実した時間を過ごせるでしょう。
熱帯魚を初めて飼う方でも、手順をしっかりと守れば水槽の立ち上げからお世話まで簡単に実践できるので、ぜひ挑戦してみてください。