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フクロウの寿命は40年!?エサや飼育環境のポイントを詳しく解説

フクロウの寿命は40年!?エサや飼育環境のポイントを詳しく解説

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独特の表情やもふもふとした羽毛が愛らしく、ペットとしての人気が高まっている「フクロウ」。長生きするといわれる動物ですが、実際にはどれほど生きることができるのでしょうか。

本記事では、フクロウの寿命や長生きさせるためのポイント、適切な飼育方法について解説します。

適切な飼育環境を用意し、触れ合いを続けることで、きっと長い時間を一緒に過ごせるはずです。フクロウを飼育したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

フクロウの寿命は10年から40年程度

フクロウの寿命は10年から40年程度
フクロウの寿命は、種類や大きさによって異なりますが、おおよそ10~40年です。

「コキンメフクロウ」のような小型のフクロウは10~15年、「シロフクロウ」をはじめとした中型は30年、大型に分類される「カラフトフクロウ」などは40年ほど生きるといわれています。

野生のフクロウは、厳しい環境で生きる必要があるため、中型以上でも20年前後が平均的な寿命です。

ペットの場合は、適切な飼育環境下にて上手に育てれば、より長く生きられるでしょう。ただし、快適に過ごせない環境では2〜3年で命を落としてしまう場合もあるため注意が必要です。

フクロウの寿命を延ばす飼育ポイント

フクロウの寿命を延ばす飼育ポイント
フクロウが一日でも長く元気に過ごしていくためには、適切な飼育環境を整え、日々のケアを怠らないことが重要です。

エサの与え方や環境づくりなど、フクロウの寿命を延ばすためのポイントをご紹介します。飼育時には意識して取り組み、お別れのときに後悔しないよう愛情を持ってお世話しましょう。

エサ

健康な生活には、栄養バランスの整った食事が欠かせません。

フクロウが毎日食べるエサは、ラットやヒヨコ、ウズラなどの肉類が中心です。冷凍エサとして販売されているため、お家のフクロウが好むものを見つけてみてください。

肉は小さめにさばいて、ケージの中に適量を置いておくと、好きなタイミングで食べるようになります。なお、市販の精肉は血抜きがしてある影響で栄養が不足しているため、エサには向いていません。

フクロウのなかには、肉類より昆虫を好む個体もいます。その場合は、肉類と昆虫を交互に与えたり、不足しがちな栄養素をサプリで補ったりしながら、バランスを整えてあげてください。フクロウの死因として多い病気は食中毒です。食中毒を防ぐために、できるだけ新鮮なエサをあげましょう。

飼育環境

フクロウを飼育する際は、まずストレスなく快適に過ごせる環境を用意してあげましょう。十分な大きさのケージやスペース、飼育に必要な小物などをそろえたら、日々適切な量のエサを与え、お手入れをします。

お世話の一つである「水浴び」は、フクロウにとってのお風呂にあたる大切なケアなので、定期的に時間をつくって実施してください。特に夏の暑い季節には、給水や体温を下げる効果があります。水を使うためお風呂場を使用し、常温の水を体全体にかけてあげます。シャワーで強めの水圧を当てたり、お湯やシャンプーを使ったりするのは羽根に負担がかかるため厳禁です。

フクロウの気が済むまで霧吹きを使って優しく水をかけるか、浅めに水を溜めた容器を用意して自由に水浴びをさせてあげるといいでしょう。濡れた羽根はすぐに乾くため、水浴び後のドライヤーでの乾燥は不要です。

動物病院

生き物を飼育する際には、信頼できる動物病院を事前に見つけておくのがおすすめです。

フクロウの場合は、月に一度ほど爪とくちばしを切ったり、アンクレット(足革)を交換したりする際に、事故が起こってしまう危険性があります。そのため、もしものときに頼れるかかりつけの動物病院があると安心です。

フクロウの適切な飼育方法

フクロウの適切な飼育方法
フクロウをペットとして飼育する際は、基本的に「係留飼育(けいりゅうしいく)」が適しています。

フクロウの性格や環境次第でさまざまな飼育方法から選択できますが、なるべく係留飼育を選んでストレスのない暮らしを提供してあげましょう。

係留飼育がおすすめ

係留飼育とは、フクロウを室内の止まり木につないで、ある程度自由にさせてあげながら飼育する方法です。足首にリング状のアンクレットを装着し、係留リーシュと呼ばれる紐を使ってフクロウと止まり木をつなぎます。

ケージの中に入れて飼育する場合よりも自由度が高いため、フクロウにとってストレスが溜まりにくく、快適な生活を送れるでしょう。行動範囲は紐の長さで調整できますが、長過ぎると事故につながります。止まり木から一歩降りれる程の長さが良いでしょう。

トイレは必ず足元に糞を落とすため、止まり木の下に新聞紙を敷いておくと毎日簡単に掃除できます。また、食事の際には周りを汚す可能性があります。ペットフェンスやシートなどを利用して、工夫しながら環境を整えてあげましょう。

その他の飼育方法

係留飼育以外の飼育方法としては、ケージ内での飼育や専用部屋を用意する方法があります。

ケージ内での飼育は、係留飼育に比べて危険が少なく、掃除がしやすい点がメリットです。しかし、移動できるスペースが限られてしまうため、フクロウがストレスを感じやすいデメリットがあります。

部屋の数や居住スペースに余裕があれば、フクロウが生活するための専用部屋を用意する方法がおすすめです。お世話に必要なものだけを置いておける、室温の調整がしやすいなど多くのメリットがあります。

フクロウの飼育に必要なもの

フクロウの飼育に必要なもの
フクロウの飼育に必要となるものをご紹介します。

ここでは基本的なアイテムをピックアップしましたが、一緒に暮らしていくうちに必要だと感じたものや気になるグッズは、ぜひ積極的に取り入れ、フクロウと飼い主さんの両方が過ごしやすい環境づくりを目指してください。

アンクレット・ジェス

「アンクレット」と「ジェス」は、係留飼育をする場合には必須のアイテムです。足首にアンクレット(革製のバンド)を巻いて、ジェスと呼ばれるロープまたはレザーでできたストラップを装着します。

アンクレットとジェスを使うと、フクロウが部屋のあちこちを行き来してケガをしてしまうリスクを軽減できます。また、家の外への脱走防止にも役立つため、必ず導入しましょう。

ピンセット

肉類はもちろん、コオロギのような昆虫を与える際にも大活躍する「ピンセット」も、事前に購入しておくと便利です。よく見かけるストレートタイプよりも、先が曲がっているタイプのほうが、エサを掴んだり与えたりしやすいでしょう。

温度計・湿度計

フクロウの健康を左右する飼育環境を調整するために「温度計」や「湿度計」も用意しておくと安心です。フクロウの種類によって適切な室温は異なり、夏場は23〜26℃、冬場は18〜25℃が目安です。お迎えするフクロウの適温をしっかりと確認しておきましょう。

暑いときは風通しの良い場所、寒いときは暖房設備が充実している部屋などを選び、フクロウが快適に過ごせる温度と湿度を保ってください。

ヒーター

真冬の寒い季節には、エアコンやヒーターなどの暖房機器を使用して適切な室温を維持しましょう。フクロウは寒さにある程度強いものの、普段よりも動きが鈍くなったり、食欲が落ちたりといった変化が見られた場合には注意が必要です。

ペット用の小型のヒーターも多く展開されているため、設置場所や好みに合わせて使いやすい商品を見つけてみてください。

移動用ケージ

飼育のために使用するケージとは別に「移動用」のケージも必ず用意しておきましょう。
止まり木がついているものがおすすめです。災害時に避難する際や、動物病院に連れて行くタイミングで使用します。できるだけフクロウが安心できるよう、スペースにある程度余裕があるものを選んでください。

また、外が見えると気になってストレスが溜まるおそれがあるため、極力ケージの中から外が見えない工夫をしてあげましょう。

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フクロウの育て方Q&A

フクロウの育て方Q&A
フクロウを初めて飼うときは、多くの疑問や不安が出てくるでしょう。

ここからは、フクロウの飼育に関してよくある質問をご紹介します。気になることは事前に解消して、安心した気持ちでフクロウをお迎えしましょう。

Q1:なついてくれる?

フクロウは基本的に神経質で、人にはなつきにくい生き物です。犬や猫のように飼い主さんを慕ってずっと一緒にいる個体はほとんどいません。
積極的に甘えたりすることはほぼありませんが、人がいる環境に適応することは可能です。
なつくというよりも、人という存在に「慣れる」ことができると覚えておきましょう。

なかには、警戒心が高くて攻撃的なフクロウもいるため、それぞれの性格を見極めて適切な接し方をすることが大切です。できる限りなついてほしい場合は、ヒナの頃から飼育してめいっぱいの愛情を注いであげてください。

Q2:ニオイはする?

健康体であれば、体臭や通常の排泄物のニオイが気になることは少ないでしょう。基本的には、定期的な水浴びで清潔さを維持できます。
ただし、フクロウは盲腸便という非常にニオイの強いフンを、1日1回ほど排泄します。
盲腸便は通常の便よりも粘りが強く、濃い茶色をしているので、見分けるのは簡単です。見つけたら早めに処分するようにしましょう。

また、エサの消化不良によって出した吐しゃ物などは強いニオイを発することがあります。気になったときは動物病院で診察してもらいましょう。

Q3:必要なメンテナンスはある?

月に一度ほどの頻度で伸びた爪やくちばしのカット、半年から1年に一度を目安に足に取り付けるジェスやアンクレットの交換が必要です。

すべてフクロウの健康や安全に関わる大切なメンテナンスなので、気がついたタイミングで積極的に実施しましょう。自分でおこなうのが難しい場合や心配なときは、専門家や獣医師に相談してみてください。

フクロウを寿命まで大切に育ててあげよう

フクロウを寿命まで大切に育ててあげよう
快適な生活環境を整え、適切なお世話を継続すれば、フクロウは長く元気に生きられる動物です。一日でも多くの時間を一緒に過ごせるように、できることはなんでも挑戦して工夫しながらお世話を楽しみましょう。

心配や不安があれば、積極的に便利なグッズを取り入れたり、ショップや病院を頼ったりして、フクロウも飼い主さんも安心して暮らせる生活を送ってください。

 

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この記事を監修した人

小松 智彦

小松 智彦

獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。
20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。

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