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アカヒレの寿命は平均で3年!飼育のポイントや繁殖の仕方を解説

アカヒレの寿命は平均で3年!飼育のポイントや繁殖の仕方を解説

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「コッピー」の愛称で親しまれているアカヒレは、酸欠や水質悪化、低温・高温に強い小型魚。さまざまな種類の熱帯魚と同じ水槽で飼育できるため、アクアリウム初心者の方にもおすすめです。

しかし、実際に育てるとなると、どれくらい生きられるのか気になる方も多いでしょう。小型魚であるアカヒレの寿命はそれほど長くありませんが、正しい方法で飼育すれば長生きさせることが可能です。

本記事では、アカヒレの平均寿命や、長生きさせるためのポイント、繁殖の仕方についてご紹介します。

アカヒレの寿命は平均で3年ほど

アカヒレの寿命は平均で3年ほど
アカヒレは小型魚であり、平均寿命は約3年、最長でも約4年といわれています。

しかし、飼育環境や水質、エサの種類などによって寿命は変動するため、1年で死んでしまうケースもあれば、4年以上生き続けるケースもあります。

アカヒレは水質や水温の変化に強く、熱帯魚のなかでも丈夫な魚種のため、適切に管理をおこなえば長生きしてくれるでしょう。金魚と比べると寿命は短いものの、小型魚のなかでは長寿といわれています。

アカヒレの種類

アカヒレの種類
アカヒレは、メダカや熱帯魚と混泳できるため「熱帯魚」と勘違いされることがありますが、実際は中国やベトナムなどの温帯に生息する「温帯魚」です。

現在販売されているアカヒレのほとんどは中国が原産で、繁殖は日本でおこなわれています。色や体型が異なる数種類の改良品種が作られていますが、繁殖方法や飼育方法に大きな違いはありません。好みの見た目や価格帯で選んでみてもいいでしょう。

観賞魚として流通しており、初心者でも飼いやすい品種は以下の3つです。

  • ゴールデンアカヒレ
  • ロングフィンアカヒレ
  • ベトナムアカヒレ

それぞれの品種の特徴について詳しく解説していきます。

なお、別名の「コッピー」として販売されているアカヒレは、中国産アカヒレであるケースがほとんどです。ベトナム産のアカヒレの場合は、ベトナムアカヒレの名称で販売されています。

ゴールデンアカヒレ

ゴールデンアカヒレ
ゴールデンアカヒレは、色素欠乏した突然変異の個体から生み出された改良品種です。野生では、数千匹に一匹ほどしか産まれないといわれており、とても貴重な変異種です。野生で生き残ることは難しく、子孫を残すこともほとんどできません。

見た目はほかのアカヒレと似ていますが、体の横のラインや色が若干異なります。反射の角度や光の加減によって体が黄金色に見えるほか、目の周りが薄く輝くことも特徴。美しい見た目をしているため、水槽が華やかになるでしょう。

ロングフィンアカヒレ

ロングフィンアカヒレ
ロングフィンアカヒレは、名前のとおりヒレの部分が長くなるように品種改良されたアカヒレです。

長いヒレが水中でゆらゆらと揺れるため、ほかの種類と比べて優雅な見た目をしているのが特徴です。

ベトナムアカヒレ

ベトナムアカヒレ
ベトナム産のベトナムアカヒレは、中国産アカヒレに比べてサイズが一回り小さく、体の横のラインや赤色ののり具合がはっきりとしている点が特徴です。ゴージャスで美しい見た目をしています。

現在販売されているアカヒレは、ほとんどが中国産であり、ベトナムアカヒレの流通量は多くありません。

アカヒレの寿命を延ばす飼育ポイント

アカヒレの寿命を延ばす飼育ポイント
アカヒレの寿命を延ばすためには、快適に過ごせる環境を整え、ていねいにお世話をすることが大切です。飼育のポイントについて、以下3つの項目に分けて解説します。

  • ポイントその1:飼育環境
  • ポイントその2:水温
  • ポイントその3:エサやり

ポイントその1:飼育環境

アカヒレは、カルキ抜きをした日本の水道水で飼育が可能です。水質も弱酸性〜弱アルカリ性と幅広く対応しています。さらに、アカヒレは生命力が強いため、日本の暖かい地域であれば屋外でも冬越しできます。

ただし、急激な過密・水質悪化・水温変化や酸欠は、丈夫なアカヒレであってもストレスがかかり、弱ってしまうおそれがあるため注意してください。適切な設備や器具をそろえておくと、メンテナンスの手間が減るでしょう。

ポイントその2:水温

一般的なアカヒレにとっての適切な水温は、15~25℃程度といわれています。

低水温に強いため、15度以下の水温でも生きることはできますが、低水温の環境は白点病を発症する原因となり得るため、できる限り適温を保つ方がアカヒレを長生きさせることができます。

ポイントその3:エサやり

アカヒレのエサには、小型熱帯魚用のエサや小粒の専用エサ、メダカのエサがおすすめです。小粒のものであれば、割となんでも食べてくれます。

アカヒレは小型魚のため、エサを食べる量もそれほど多くありません。逆に、エサを与えすぎると水槽が汚れて水質悪化の原因となるため、あげすぎには注意しましょう。無加温で飼育する際は、水温が低下する時期にエサの量を少し減らして与えてください。

アカヒレの飼育で気をつけたい病気


アカヒレの飼育で気をつけたい病気は、「白点病(はくてんびょう)」と「水カビ病(みずかびびょう)」です。

白点病

アカヒレがもっともかかりやすい病気が白点病です。ハクテンチュウと呼ばれる繊毛虫(せんもうちゅう)(※1)の一種がアカヒレに寄生することで発症します。

白点病の特徴は以下のとおりです。

  • 目立つ白い斑点が体にできる
  • 寒い時期に発生しやすい

白点病を発症した場合は、塩浴(えんよく)(※2)や薬浴(やくよく)(※3)を行いましょう。

※1 繊毛虫    :動物的単細胞生物の一つ
※2 塩浴(塩水浴):魚の体と同じくらいの塩分濃度(0.5%ほど)の水で泳がせること
※3 薬浴     :薬剤を入れて泳がせること

水カビ病

アカヒレが、白点病と同じくらい発症しやすいのが水カビ病です。

水カビ病の特徴は以下のとおりです。

  • 半透明の異物がヒレに付着する
  • 擦りキズなどをした際に感染しやすい
  • 冬場に多発しやすい

ほかの寄生虫が寄生してできたキズに菌が入り込み、ヒレなどにライン状のカビが発生して炎症を起こします。症状が進行して悪化すると、体全体がカビに覆われてしまいます。

発症した場合は魚病薬を使用した薬浴が効果的です。ピンセットを使用してカビを取り除いたあと薬浴をおこない、経過を観察しましょう。

このとき、水温は28〜30℃を維持すると、効果をより発揮しやすいといわれています。

アカヒレは繁殖できる

アカヒレは繁殖できる
アカヒレは、自宅でも繁殖が可能な小型魚です。オスとメスの特徴を知っていれば簡単に繁殖させることができるため、ぜひ挑戦してみましょう。

オスとメスの見分け方

アカヒレのオスとメスの見分け方は以下のとおりです。

オス ・色鮮やかで体色が濃い
・ヒレが大きい
・体のラインがスマート(特に腹部)
・尾びれの付け根が太く力強い
メス ・やや地味めで体色が薄い
・ヒレが小さい
・体のラインに丸みがある

オスのアカヒレは色鮮やかで体色が濃く、メスよりも美しい見た目が特徴です。繁殖期の縄張り争いなどで、ヒレを広げてフィンスプレッディング(※1)をします。この習性も、オスとメスを見分けるときに役立つでしょう。

ただし、生後1年未満は、まだ若く個体差があまり出ないため、見分けることがやや困難です。

※1 フィンスプレッディング :雄同士の魚がおこなう威嚇行動

繁殖のやり方

丈夫で育てやすいアカヒレは、繁殖も比較的簡単におこなえます。

アカヒレの産卵に必要な条件は、水温を20〜25℃に保ち、水槽を最低限ライトで照らしておくことです。これらの条件さえクリアできていれば、季節を問わず産卵してくれます。

オスとメスのペアができると、メスが卵を底砂利にバラ撒き始めます。ただし、アカヒレは産卵後に卵を放置する習性があるため、孵化(ふか)したあとの稚魚は飼育者で管理しなければなりません。

メスは、卵を底砂利にバラ撒いたあと、目に付くと食べてしまう習性があり、孵化した稚魚であっても捕食するおそれがあるため注意しましょう。

アカヒレのペアを隔離せずに自然繁殖をおこなう場合は、メスのアカヒレが産卵後に卵を食べないよう、水草を繁茂(はんも)させたり、底床を敷いたりして目に付かないように工夫してください。

アカヒレの繁殖を確実におこないたい場合は、親のアカヒレを隔離し、産卵後に卵だけを育て、孵化した稚魚に稚魚用のエサ(ゾウリムシなど)を与えて育てます。ある程度の大きさに成長するまでは、親とは別に飼育しましょう。

一方、水草を繁茂させるなどの環境が整っていれば、卵から産まれたあと、稚魚が水槽内の微生物を食べて勝手に成長していくケースもあります。隔離して人工的にエサを与えて育てたケースとは、成魚まで育つ数が多少変動しますが、自然繁殖であっても十分に繁殖は可能です。

アカヒレを寿命まで大切に育てよう

アカヒレを寿命まで大切に育てよう
アカヒレの寿命や飼育のポイント、繁殖の仕方についてご紹介しました。

アカヒレは小型魚のなかでも丈夫で飼育しやすく、繁殖もそこまで難しくありません。

平均寿命が3年ほどと短いため、元気にすくすくと育つように、寿命まで大切に育てましょう。本記事を参考に、ぜひアカヒレの飼育に挑戦してみてください。

この記事を監修した人

小松 智彦

小松 智彦

獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。
20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。

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