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植物の病気対策のやり方|観葉植物や家庭菜園に使える予防法・対処法を解説

植物の病気対策のやり方|観葉植物や家庭菜園に使える予防法・対処法を解説

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植物に病気が発生すると、腐食したり枯れさせたりなどの被害をもたらします。今回はインテリアグリーンや家庭菜園でも使える、植物の病気対策を解説します。植物の病気を防ぐには、具体的な症状を知るのも重要。対策やポイントと併せて代表的な病気と症状も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

植物の病気の種類と原因

植物の病気の種類と原因

家庭菜園で植物を育てる際に注意すべき、病気の種類と原因をご紹介します。植物の病気には主にカビ・細菌・ウイルスの3種類があり、病気以外の症状として害虫による被害もあります。

植物に異常が見られるときは原因を特定し、効果のある薬剤を塗布する必要があります。場合によっては次々に広がっていくモノもあるので、早期の発見と対処が大切。見分け方や病気の特徴も含めてご紹介するので、適切な対処を取る際の判断材料にしてみてください。

カビ

カビ
カビが原因で発生する主な病気としては、うどんこ病・炭疽(たんそ)病・さび病・立枯(たちがれ)病・灰色かび病・べと病などが挙げられます。

カビの種類は10万種以上存在します。カビの素である糸状菌は常時、土壌中に潜んでいます。植物に胞子が付着した状態で、カビが広がりやすい環境が整うと一気に拡散します。植物には細菌やウイルスが原因の病気もありますが、病気の原因としてカビが占める割合は約8割といわれており、注意が必要です。

植物にカビが発生すると付着した胞子が栄養を奪い、拡散を続けます。カビの発生で見られる主な異変は、葉・茎・花などの変色・変形・腐敗です。場合によっては菌糸が毛のように付いていることもあります。

細菌

細菌

細胞が原因で発生する病気には、青枯(あおがれ)病・軟腐(なんぷ)病などがあります。バクテリアとも呼ばれる細菌は、細胞分裂を繰り返しながら増殖するのが特徴。進行が早いうえに、細菌の本体が肉眼で見つけにくいのが難点です。

細菌は水を媒介するため、雨や水やりで周囲に広がっていきます。植物に付着したあとは表面の傷口から中に入り込み、増殖していきます。また、高温多湿の環境を好むのもポイント。細菌が発生しやすい梅雨の時期は特に注意してみてください。

細菌が繁殖して病気にかかると、葉の色が異なる部分が増えたり、枯れたりなどの異常が発生します。

ウイルス

ウイルス

ウイルスが原因で発生する主な病気にはモザイク病が挙げられます。ウイルスはサイズが非常に小さく、核酸とタンパク質によって構成されているのが特徴。伝染することはありませんが、ほかの生物や園芸用の道具を介して広がっていきます。

植物の傷からウイルスが入り込むと葉が変色を起こしたり、発育しにくくなったり、壊死したりなどの症状が現れます。ほかの病害虫とは異なり、薬剤で除去しにくいという特徴があります。ウイルスに感染した植物を見つけたら、早急に周囲の土ごと取り去ります。

害虫被害

害虫被害

害虫は、植物を食べたり汁を吸うことで、植物に悪影響を与えます。植物が生育しにくくなったり、枯れたりなどの被害があるほか、菌を媒介して病気の原因を作る場合もあります。ハダニ、アブラムシ、コナジラミ、アザミウマは薬剤での除去が可能ですが、カイガラムシは硬い殻で覆われており、薬剤が効きにくいため物理的に除去しましょう。

植物につく害虫について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
 

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環境によるもの

害虫被害

カビや細菌、ウイルスなどは一定の条件下で拡散しやすくなるのが特徴。気温や湿度としては、春から秋にかけて発生しやすい高温多湿の環境や、植物の元気がない冷涼な環境などです。また、晴れの日が少ない日照不足も、病気が発生しやすくなる原因として挙げられます。

また、植物が密になっていたり、肥料が多すぎたり、土壌の酸性度が不適切だったりなどの環境にも注意が必要。一度病気にかかった部位が取り残されていても、病気の原因になります。

さらに、毎年同じ植物を育てる連作(れんさく)も病気のもと。同じ植物を同じ土壌で育て続けると土壌成分と土壌中の微生物が偏り、病気にかかりやすくなります。

植物病気の名称と症状

続いて植物がかかりやすい主な病気の名称と、病気によって見られる症状をご紹介します。病気を早いタイミングで見つけるには、植物をよく観察するのが大切。また、観察したときに異常が判別できるよう、症状の特徴を知っておくのも重要です。

うどんこ病

うどんこ病

うどんこ病にかかった植物には5mmほどの小さい斑点が見られ、遠目に見ると全体に粉をふいたような状態になります。うどんこ病の原因はカビです。24~32℃で日光が当たりにくく、風通しが悪い環境や、断続的に雨が降ったとき、気温が高く雨が少ないときなどに発生します。

うどんこ病によって白い斑点が増えると光合成ができなくなり、生育不良に陥るのが特徴。草花では花が咲かなくなったり、野菜では実の味が落ちたり、大きく成長しなかったりなどの被害が現れます。

白サビ病

白サビ病

主にアブラナ科の野菜に発生するのが白サビ病の特徴です。大根・カブ・小松菜・白菜などが代表的な野菜。白サビ病にかかると、葉の裏側に白色の膨らんだ斑点が見られます。症状が進むと、白色の斑点が破れて中から白い粉が出ます。

病気の原因はカビ。10℃ほどの気温で発生しやすく、梅雨時期が重なる春と秋で多発します。気温が低く、多雨な時期には注意が必要です。白サビ病にかかった野菜は、食味を損ねます。

褐斑(かっぱん)病

白サビ病

褐斑病は褐色の小さな斑点が現れ、徐々に黒ずんで円や多角形に変化していくのが特徴です。年輪のような模様がみられる場合もあります。褐斑病は草花・野菜・樹木など、種類問わず多くの植物に発生する病気です。

カビが原因で、気温が高く日光が当たらない天候で活発になります。雨によってほかの葉にも感染するので注意が必要。症状が悪化すると葉が落ちてしまう場合もあり、生育の初期に発生すると後の生長にも影響を与えます。

黒星(くろぼし)病

黒星(くろぼし)病

バラ・サクラ・梨・リンゴなどバラ科の植物に発生するのが黒星病です。原因はカビ。バラに発生する黒点(こくてん)病も同じ病気を指します。黒星病にかかると、黒く小さな斑点が発生し、次第に大きな黒いカビに生長していきます。生長した葉にのみ発生し、若葉には発生しないのがポイントです。

カビが活発になる20~25℃の梅雨時季や、雨が続くときには注意が必要です。バラが黒星病にかかると、株が弱ってきれいな花を咲かせられなくなります。また、梨やリンゴに発生した場合は果実に黒い斑点ができ、すすのようなカビが生えます。

黒斑(こくはん)病

黒斑病は種類が多く、ネギ・キャベツ・白菜・トマト・オクラ・菊などに発生する病気です。葉や実の表面に褐色の斑点が生じ、濃い色に変化しながらカビが発生する症状が見られます。発生する環境はさまざまですが、梅雨の時期や雨が長く続いたときには特に注意が必要です。

症状が進むと、果実に発生した斑点が徐々に広がり、亀裂が生じて実が落ちることもあります。また、葉は通常と異なる形で生長が進み、ゆがんで波打った状態になります。

炭疽(たんそ)病

炭疽病は灰色や黒色の丸い斑点が生じる病気です。カビが原因で、葉や実だけでなく茎や枝にも同じような斑点が生じます。症状が進むと、中心が薄く変色したり、黒い粒が形成されたりなどの変化がみられるのが特徴です。高湿度の環境では、ピンク色の物体が見られる場合もあります。

気温が28℃前後で、多湿な環境のときは注意が必要です。症状としては葉に穴が空いたり、先から枯れたりなどが見られます。実に斑点がある場合は、腐食したような様子で実が落ちます。

さび病

さび病

多種類のカビが原因で発生するのがさび病です。草花・野菜・樹木問わず、さまざまな植物に発生します。肌色の膨らんだ斑点が見られ、濃色に変化していくのが症状の特徴です。原因の菌が多数あるため発生する環境は異なりますが、雨が長く続く時季には特に注意が必要です。

症状が進むと葉や茎に広がり、枯れる場合があります。初期症状の段階ではまだ食用として扱えますが、進行すると生育不足によって人体に有害な物質を生成して食べられなくなります。

モザイク病


モザイク病はウイルスによって発生する病気です。アブラムシをはじめとする害虫がウイルスを媒介し、拡散します。草花・野菜・樹木など多くの植物に発生するのがポイント。モザイク病にかかると葉脈をたどるように色が薄くなり、症状が進むとまだら模様が出現します。

気温が25~30℃で雨が少ない時期に発生しやすくなるのが特徴。生育初期にかかると症状が重くなりやすく、葉が縮んで枯れたり、実がなる植物の場合は実の肉質が悪くなったりなどの被害が見られます。

べと病

べと病

ウリ科・アブラナ科の野菜やネギなどに発生するのがべと病です。さまざまな種類のカビが原因。症状は植物によって異なります。キュウリがべと病を発症すると、葉脈に囲まれるように黄色の模様が出現し、ネギの場合は葉に黄色の斑点が見られます。

頻発する気温は原因のカビによって異なりますが、多湿な環境には注意が必要です。症状が進行すると黄色の変色部位が広がって葉が枯れます。泥はねによって周囲に広がることが多いのがポイントです。

すす病

すす病

カビが原因で樹木に発生するすす病。アブラムシやカイガラムシなどの排泄物が葉や枝に溜まり、カビが生えることで発症します。すす病にかかると、葉・茎・果実に黒いススのような粉が付き始め、次第に黒い部位が広がっていきます。

害虫が発生しやすくなる春から秋にかけて頻発するのが特徴。また、日当たりが悪く多湿な環境にも注意が必要です。すす病を発症しても実が傷んでいなければ、ススを取り払って食用として扱えます。

灰色かび病

灰色のカビを生じさせるのが灰色かび病です。草花・野菜・果樹など多くの植物がかかる病気で、発症すると灰色の粉が付き始めます。症状が見られる部位として花びら・つぼみ・葉などが挙げられるのがポイントです。花びらやつぼみはシミができたように変色し、葉は黒く枯れたような様子に変わります。

気温が20℃前後で多湿な環境で発生しやすいのが特徴。カビが原因なので、室内で生育する植物に発生する場合もあります。室内で育てる際は冬から春にかけて、灰色かび病に注意が必要です。

軟腐(なんぷ)病

軟腐(なんぷ)病

茎が腐って、葉が溶けるような症状を見せるのが、軟腐病の特徴です。細菌が原因で、ネギ・ジャガイモ・白菜などの野菜だけでなく、洋ラン・シクラメン・ユリなどの草花も軟腐病にかかります。

植物の傷口や害虫にかじられた部分から腐り始め、溶けた葉からは異臭が漂います。25~30℃の気温で、日光が当たらず湿度が高くなりやすい時期には注意が必要です。生育中だけでなく収穫後も発生します。

菌核(きんかく)病

菌核病はカビが原因で発生する病気です。野菜のなかではキュウリ・トマト・キャベツが、草花のなかではヒマワリ・キンギョソウ・菊などが発症します。腐敗して、菌核と呼ばれる灰色や黒色の塊を発生させるのが症状の特徴。植物の傷口や咲き始めの花びらから、徐々にカビが広がっていきます。

20℃前後の気温、雨が続くときに多発しやすいのがポイント。また、例年と比べて気温が低い夏にも注意が必要です。茎に発生しやすい病気ですが、キュウリ・ナスの場合は実にも発生し、果実の場合はがくの辺りに発生します。

立枯(たちがれ)病

立枯(たちがれ)病

豆類・アスパラガス・オクラなどの野菜、コスモス・カーネーション・菊などの草花に発生するのが立枯病です。全体がしおれるのが立枯病の特徴。カビが原因で、根から菌が侵入して腐敗させていきます。土に近い葉が黄色に変色したら、全体がしおれるサインです。

気温が25~30℃で、湿度が高い時期に頻発します。初期段階では株が生育しにくくなるため、生育が遅いと感じたら注意が必要です。

青枯(あおがれ)病

青枯病は細菌が原因で発生し、環境によって症状が異なる病気です。主に日光が出ている昼間は葉・茎がしおれ、朝夕や曇りの日に回復します。症状が進むと変色せずにしおれるのが特徴。青枯病にかかるのはトマト・ナス・ピーマンなどの野菜をはじめ、イチゴ・ダリア・トルコギキョウなどの草花です。

気温が25~30℃の梅雨明け後に発生しやすくなります。土壌の奥深くまで性質できる青枯病菌は、根絶しにくいのが難点。最終的には枯れてしまうため、適切な対策が必要です。

半身萎凋(はんしんいちょう)病

半身萎凋病は、始めに植物の半分が枯れ、後に全体が枯れる病気です。カビが原因で、野菜ではトマト・ナス・ブロッコリー、草花では菊などが発症します。初期症状では地面に近い葉が黄色く変色する様子が見られます。

気温が20~25℃で、曇りや雨の天候が続く時期には注意が必要です。原因となる菌が土壌に蓄積して被害が広がっていきます。連作も半身萎凋病が発生しやすくなる原因のひとつです。

家庭菜園などでできる植物の病気対処法

家庭菜園などでできる植物の病気対処法

植物がかかる病気に対して家庭菜園でできるのは、病気を予防することと、発生した病気の被害範囲をできる限り抑えることの2点です。予防対策を適切に施しても、病気が発生してしまう場合もあります。
病気の発生後では、残念ながら治癒することは基本的に難しいので、できる限り予防をしっかりと行い、病気が発生した植物は速やかに取り除いて感染を広げないことが重要です。

病気に対しての対策

病気の予防策としては、薬剤を散布すること、病気が発生しにくい環境を整えることが挙げられます。環境を整えたうえで薬剤を使用するのがポイント。環境を整えることで、発生源の植物から周囲に拡散する被害も防ぎやすくなります。

病気対策の薬剤散布

植物の病気対策には薬剤の散布が有効です。ただし、薬の種類によって対応している病気は異なるので、植物の種類や生育環境に合わせて選ぶ必要があります。手軽に対処したい方には、野菜・草花・樹木など種類を問わず、多くの病気に対応しているモノがおすすめです。

また、一部の病気を媒介する害虫も同時に防げるモノなら一石二鳥です。植物にとって栄養となる成分を含むモノも多く、初心者にもおすすめです。さらに、薬剤のなかには唐辛子やお酢などの食品成分を使ったモノや、天然成分からできたモノなどもあります。
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環境を整える

環境を整える際は以下の3点に着目してみてください。

  1. 風通しがよいこと
  2. 泥はね対策を施していること
  3. 予防用の薬剤を使っていること

病気は多湿な環境で特に発生しやすくなります。季節や天候を気にするのはもちろん、植物同士の間隔を空けたり、葉や枝が増えたら剪定したりなどの定期的なお手入れも大切です。

原因となる菌を多く含む土が植物に触れないよう、泥はねもできる限り防ぎます。泥はねを防ぐには敷きわらやマルチなど、土を覆えるモノがおすすめです。

そのほか、土壌内のカビを防ぐカニ殻を撒く、ネギ科の植物と一緒に植えるなどの対策方法もあります。

患部の切除

患部の切除

植物が病気にかかったら、患部を切除して取り除きます。病気が周囲の植物に拡散しないよう、発見したら迅速に対応するのが重要。切除した部分はビニール袋に入れて処分します。

花・葉・茎だけでなく、根を侵食する病気の場合は、周囲の土も一緒に取り除く必要があります。

まとめ

植物の病気対策として有効なことは下記の通りです。
①病害虫に侵されていない健康な苗を購入すること
②適切な温度・湿度、日照管理をして生育環境を整えること
③適度な水やりと肥料で丈夫な株に育てること
④予防として適切な薬剤をあらかじめ散布しておくこと
⑤植物の状態をこまめに植物をチェックすること

植物の病気は早期発見と迅速な対応が求められます。水やりやお手入れの際に植物をよく観察して、異常がないか確認してみてください。葉の裏や花のがくなどは見落としがちなので、注意が必要です。

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