人気のタグ

コーナンTips

ペット

【獣医師監修】犬の留守番は何時間まで?安心して任せるための準備としつけのコツを解説

【獣医師監修】犬の留守番は何時間まで?安心して任せるための準備としつけのコツを解説

Featured Image
クリップボードにコピーしました
         

仕事や急な用事で、愛犬を家に残して外出しなければならない時、「うちの子は寂しがっていないかな」「安全に過ごせているだろうか」と心配になる飼い主さんは少なくないでしょう。犬は本来、群れで生活する動物なので、一匹で過ごす留守番は苦手な場合があります。しかし、適切な準備としつけを行うことで、犬は安心して留守番ができるようになります。この記事では、犬の留守番が可能な時間の目安から、安全な環境作りのポイント、留守番に慣れさせるためのトレーニング方法まで、具体的なコツを詳しく解説します。

犬の留守番は何時間までが限界?

留守番中の犬

犬が留守番できる時間は、年齢や健康状態、そして留守番への慣れ具合によって大きく異なります。全ての犬に共通する明確な限界時間はありませんが、それぞれのライフステージに合わせた目安を知っておくことが大切です。ここでは、子犬、成犬、シニア犬の3つのステージに分けて、留守番時間の目安と注意点を解説します

子犬の場合の留守番時間

心身ともに成長過程にある子犬は、長時間の留守番には向いていません。特に生後半年未満の子犬は、トイレの間隔が短く、こまめな食事が必要です。生後3ヶ月頃までの子犬であれば3時間程度、生後半年でも5〜6時間程度が排泄間隔の目安となります。 いたずらによる誤飲やケガのリスクも高いため、子犬のうちはできるだけ短い時間の留守番から始め、様子を見ながら少しずつ慣らしていくことが重要です。

成犬の場合の留守番時間

心身ともに安定し、トイレのコントロールもできる成犬は、比較的長時間の留守番が可能になります。適切なトレーニングを受け、留守番に慣れている成犬の場合、8時間から10時間程度の留守番ができると言われています。 しかし、これはあくまで目安であり、犬種や性格、日頃の運動量によっても変わってきます。留守番前には十分な散歩でエネルギーを発散させ、リラックスできる環境を整えてあげることが大切です。

シニア犬の場合の留守番時間

7歳を過ぎたシニア犬は、体力の低下や持病など、若い頃とは異なる配慮が必要です。トイレの回数が増えたり、不安を感じやすくなったりすることもあります。そのため、シニア犬の留守番は4時間程度を目安にし、できるだけ短い時間で済ませるのが理想的です。 病気やケガをしている場合は容体が急変する可能性もあるため、かかりつけの動物病院に預けるなどの対策を検討しましょう。

犬の成長段階 留守番時間の目安 特に注意すべき点
子犬(生後半年まで) 2〜6時間 トイレの間隔が短い、誤飲やケガのリスクが高い
成犬(1歳〜7歳頃) 8〜10時間 十分な運動、ストレスのない環境作り
シニア犬(7歳以降) 4時間程度 体調の変化、トイレの回数、不安感の増

愛犬が安心する留守番の環境作り

ソファの上で寝ている犬
愛犬に安心して留守番してもらうためには、過ごす部屋の環境を安全で快適に整えることが不可欠です。飼い主さんがいない間も、愛犬がリラックスして過ごせるような環境作りのポイントを4つ紹介します。これらの準備を徹底することで、留守番中のトラブルを未然に防ぐことができます。

ケガや誤飲を防ぐ部屋の片付け

留守番中の事故で最も多いのが、誤飲やケガです。犬の好奇心は、時に思わぬ事故につながります。電気コードを噛んで感電したり、人間の食べ物や薬を誤飲してしまったりする危険性があります。犬が過ごす部屋からは危険なものを徹底的に排除しましょう。ゴミ箱は蓋付きのものにするか、別の部屋に移動させ、観葉植物の中には犬にとって有毒な種類もあるため注意が必要です。

 

関連記事

ペットがいても置ける観葉植物10選|危険な種類や安全に飾る方法を紹介|コーナンTips

快適な室温と湿度を保つ方法

犬は人間よりも体温調節が苦手なため、室温と湿度の管理は重要です。特に夏場の熱中症や冬場の寒さは、命に関わることもあります。エアコンを活用し、犬にとって快適な室温(24〜26度程度)と湿度(40~60%程度)を保つようにしましょう。 季節によっては、直射日光が当たらないようにカーテンを閉める、ペット用のクールマットやヒーターを用意するなどの工夫も有効です。

Tips
エアコンのリモコンは犬が触れないところにしまいましょう。咥えたり、踏んづけたりすることでエアコンの設定が変わったり、止まってしまうリスクがあります。

 

関連記事

犬が寝るときの寒さ対策!6つのグッズと守ってほしい注意点を解説 | コーナンTips

 

関連記事

犬のための暑さ対策6選!エアコンなしはNGな理由とおすすめ対策グッズ | コーナンTips

トイレや水の準備で注意すべき点

留守番中は、いつでも新鮮な水を飲めて、清潔なトイレで排泄できる環境が不可欠です。水は、万が一こぼしてしまっても大丈夫なように、複数の場所に用意しておくと安心です。トイレも同様に、普段より広いスペースにトイレシートを敷くなど、粗相をしにくい工夫をしましょう。 留守番時間が長くなる場合は、汚れたシートで排泄するのを我慢してしまう犬もいるため、特に清潔さを保つことが大切です。

 

関連記事

ペットシーツの最適なサイズは?愛犬に合った選び方を紹介 | コーナンTips

飼い主の匂いで安心させる工夫

犬は優れた嗅覚を持っており、大好きな飼い主さんの匂いは、何よりの安心材料になります。留守番中の不安を和らげるために、飼い主さんの匂いがついたタオルやTシャツなどを、犬のベッドやクレートに置いてあげるのが効果的です。使い古したもので構いませんので、洗濯したての綺麗なものではなく、匂いが残っているものを選んであげましょう。

犬を留守番に慣れさせるトレーニング手順

ケージの中で座っている犬

犬にとって、留守番はトレーニングによって習得するスキルの一つです。いきなり長時間の留守番をさせると、犬は大きな不安とストレスを感じてしまいます。「飼い主は必ず帰ってくる」という安心感を犬に教え、少しずつ一人でいることに慣れさせていくことが重要です。ここでは、焦らず段階的に進めるトレーニングの手順を紹介します。

手順1:ケージやサークルに慣れさせる

まずは、犬が自分だけの安全な場所として認識できる空間を作ってあげることが大切です。ケージやサークルを使い、「ハウス」のコマンドで中に入るとおやつがもらえるなど、ポジティブな経験を関連付けて教えます。犬がその場所を「罰を受ける場所」ではなく、「リラックスできる快適なテリトリー」と感じるようになれば、留守番中の安心感につながります。

手順2:短い時間から一人にしてみる

ケージやサークルに慣れたら、次は短い時間だけ一人にしてみる練習を始めます。最初は、飼い主さんがトイレに行く、別の部屋に移動するなど、ほんの数十秒から数分間、犬の視界から消えることからスタートします。犬が落ち着いて待てたら、必ず褒めてあげましょう。この時、大げさに褒めるのではなく、あくまで冷静に接することがポイントです。

手順3:少しずつ留守番の時間を延ばす

短い時間、一人でいることに慣れてきたら、いよいよ外出する練習です。最初は5分程度の外出から始め、問題なく過ごせたら、次は15分、30分、1時間と、犬の様子を見ながら徐々に時間を延ばしていきます。帰宅した際は、犬が興奮していてもすぐには構わず、飼い主さん自身が落ち着いてから、静かに声をかけてあげましょう。この繰り返しによって、犬は留守番を当たり前のこととして受け入れるようになります。

留守番中のストレスサインと分離不安とは?

お座りをする犬
適切な準備やトレーニングを行っても、留守番中に強いストレスを感じてしまう犬もいます。特に飼い主への依存度が高い犬の場合、「分離不安」という心の病気につながることもあります。ここでは、犬が見せるストレスサインと分離不安の症状、そしてその対処法について解説します。

無駄吠えや物を壊す問題行動

留守番中に、普段はしないような無駄吠えを続けたり、家具や飼い主の持ち物を破壊したりするのは、分離不安の代表的なサインです。 これらは単なるいたずらではなく、飼い主と離れることへの極度な不安や寂しさから来る行動です。外出の準備を始めると落ち着かなくなる、帰宅時に過剰に興奮するといった行動も、分離不安の兆候である可能性があります。

 

関連記事

【獣医師監修】犬の無駄吠えに悩む飼い主さんへ!叱らずにできる原因別の正しい対策を解説 | コーナンTips

下痢や嘔吐などの体調不良

精神的なストレスは、犬の身体にも影響を及ぼします。留守番中に下痢や嘔吐を繰り返したり、自分の足先などを執拗に舐め続けて皮膚炎を起こしたりすることもあります。食欲不振や、逆に過食になるといった変化が見られる場合も注意が必要です。これらの症状は他の病気の可能性も考えられるため、続くようであれば動物病院を受診しましょう。

分離不安を和らげるための接し方

分離不安を和らげるためには、飼い主さんの普段の接し方が重要になります。出かける際に「ごめんね」「いい子にしててね」と過剰に声をかけたり、帰宅時に大喜びで迎えるのは、外出を特別なことだと犬に意識させてしまい逆効果です。外出時も帰宅時も、あくまでさりげなく、冷静に行動することを心がけましょう。普段から適度な距離感を保ち、犬が精神的に自立できるようサポートすることも大切です。

犬の留守番に役立つおすすめ便利グッズ

お座りをする犬

近年、犬の留守番をサポートしてくれる便利なグッズがたくさん登場しています。これらを活用することで、飼い主さんの不安を軽減し、愛犬の留守番の質を向上させることができます。ここでは、特に役立つおすすめのグッズを3つのカテゴリーに分けて紹介します。愛犬の性格やライフスタイルに合わせて、最適なものを選んでみましょう。

外出先から様子を確認できる見守りカメラ

留守番中の愛犬の様子が気になって仕事に集中できない、という飼い主さんにおすすめなのが、見守りカメラ(ペットカメラ)です。スマートフォンを通じて、いつでもどこでも愛犬の様子をリアルタイムで確認することができます。マイクやスピーカー機能付きのモデルなら、声をかけて安心させたり、逆におやつが出てくる機能で楽しませたりすることも可能です。

一人遊びを促す知育おもちゃ

犬の退屈やストレスを軽減するためには、一人でも夢中になって遊べるおもちゃが役立ちます。特に、中におやつを隠せるタイプの知育おもちゃは、犬が考えながら時間をかけて遊べるため、留守番中の良い暇つぶしになります。様々な難易度のものがあるので、愛犬のレベルに合わせて選び、飽きさせない工夫をすることが大切です。

犬用おもちゃ|ホームセンターコーナンの通販サイト

決まった時間に食事を与えられる自動給餌器

残業などで帰宅が遅くなることが多い場合、自動給餌器(オートフィーダー)があると便利です。設定した時間に自動でフードが出てくるため、留守番中でも愛犬の食事リズムを崩す心配がありません。 タイマー機能だけでなく、飼い主の声を録音して再生できる機能が付いたモデルもあり、愛犬に安心感を与えながら食事を提供することができます

自動給餌器|ホームセンターコーナンの通販サイト

長時間の留守番が難しい場合の対策

お座りをする犬
仕事の都合や冠婚葬祭など、どうしても長時間の留守番をさせなければならない場面もあるでしょう。愛犬の性格や健康状態によっては、長時間の留守番が大きな負担となることもあります。そのような場合は、無理に留守番をさせるのではなく、専門のサービスや第三者の協力を得ることも大切な選択肢です。

ペットホテルを利用する

旅行や出張などで数日間家を空ける場合には、ペットホテルに預けるという選択肢もあります。施設によってサービス内容や環境は様々なので、可能な限り事前に見学に行き、スタッフの対応や飼育環境(衛生面や個室の有無)を確認しておきましょう。日中の預かりサービスを提供している施設もあるため、状況に応じて活用してみてください。
 

関連サイト

トリミング・ホテルサービス|コーナン ペット総合サイトPet Plaza

家族やペットシッターに頼る

もし近くに頼れる家族や親戚、友人がいる場合は、留守中の世話をお願いするのも一つの方法です。愛犬が普段から接し慣れている人であれば、ストレスも少なく過ごせるでしょう。また、最近ではプロのペットシッターに依頼する飼い主さんも増えています。ペットシッターは自宅に来て世話をしてくれるため、犬は住み慣れた環境で過ごせるという大きなメリットがあります。

まとめ

おすわりしている犬

犬の留守番は、適切な準備とトレーニングをすれば決して怖いものではありません。愛犬の年齢や性格を理解し、安全で快適な環境を整えることが、飼い主と愛犬双方の安心につながります。この記事で紹介したポイントを参考に、愛犬との信頼関係を深めながら、上手な留守番の方法を見つけてください。

この記事を監修した人

小松 智彦

小松 智彦

獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。
20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。

関連記事 今話題の人気記事!

同じカテゴリから記事を探す

しつけペットペット留守番留守番