コーナンTips 園芸 菊芋(キクイモ)栽培はプランターでできる?初心者でも失敗しない育て方のコツ 菊芋(キクイモ)栽培はプランターでできる?初心者でも失敗しない育て方のコツ 園芸 クリップボードにコピーしました 菊芋(キクイモ)栽培はプランターでできる?初心者でも失敗しない育て方のコツ この記事をシェアする! クリップボードにコピーしました 家族の健康を思うと、日々の食事には気を配りたいものですよね。そんな健康志向の方には栄養価の高いスーパーフードとして注目されている「菊芋(キクイモ)」がおすすめ。菊芋はプランターでの栽培が可能で、初心者でも育てやすい野菜です。この記事では、プランターでの菊芋栽培の始め方から収穫のコツまで、丁寧に解説していきます。自分で育てた採れたての菊芋で、食卓をより豊かに楽しく彩りましょう。 目次 菊芋の基本情報菊芋とはどんな野菜?白菊芋と赤菊芋の違い菊芋を栽培するために必要なもの種芋プランターや鉢培養土鉢底石と鉢底ネット肥料菊芋の栽培時期植え付け時期開花時期収穫時期菊芋の育て方の手順手順1:土の準備手順2:植え付け手順3:水やり手順4:間引き(芽かき)手順5:支柱立てと土寄せ手順6:剪定(摘芯)手順7:収穫菊芋を育てるときの注意点繁殖力が強い連作障害について菊芋の病気対策収穫した菊芋の保存と活用法菊芋の保存方法菊芋のおすすめレシピまとめ 菊芋の基本情報 菊芋の栽培を始める前に、基本的な特徴を確認しましょう。菊芋は暑さにも寒さにも強いため、日本の多くの地域で栽培可能です。ご覧ください。 項目 内容 科名 キク科 属名 ヒマワリ属 和名 キクイモ(菊芋) 英名 Jerusalem artichoke, Sunchoke 学名 Helianthus tuberosus 別名 ブタイモ、フランス菊芋(赤菊芋の別名) 原産地 北アメリカ 分類 多年草 販売時期 種芋:1~4月 開花時期 9月~10月 収穫時期 11月~12月 耐暑性 強い 耐寒性 強い 菊芋とはどんな野菜? 菊芋は、キク科ヒマワリ属の多年草で、その名の通り、秋になると菊に似た黄色く可愛らしい花を咲かせます。私たちが食用にするのは、土の中になる塊茎(かいけい)と呼ばれる地下茎が肥大した部分です。見た目はショウガに似ていますが、ほのかな甘みがあり、生で食べるとシャキシャキとした食感が楽しめます。 近年、テレビや雑誌で「スーパーフード」として取り上げられる機会が増え、その栄養価の高さに注目が集まっています。特に「イヌリン」という水溶性食物繊維が豊富に含まれているのが特徴です。 イヌリンは体内で消化・吸収されにくいため、カロリーが低いという性質があります。 そのため、血糖値が上がりにくい健康食材として知られています。 また、善玉菌のエサとなって腸内環境を整える働きも期待されています。 生命力が強く、病害虫にも強いため、初心者の方でも安心して栽培を始められるのが嬉しいポイントです。 Tips イヌリンは「天然のインスリン」と呼ばれることがありますが、インスリンと異なり血糖値を下げる働きがあるわけではありません。 白菊芋と赤菊芋の違い 菊芋は「白菊芋」と呼ばれる白色種と、「赤菊芋(紫菊芋)」と呼ばれる紫色種に大別されます。一般的に流通しているのは白菊芋で、表面が白っぽく、加熱調理後はほくほくとしたじゃがいものような食感になります。一方、赤菊芋は皮が赤紫色で白菊芋に比べて大きく、加熱しても硬さが残るのが特徴です。どちらの品種も育てやすさに大きな違いはありませんので、お好みで選びましょう。 特徴 白菊芋 赤菊芋(紫菊芋/フランス菊芋) 見た目 表面が白っぽい 表面が赤紫色 白菊芋より大きめ 食感・味 加熱するとじゃがいものように柔らかくなる あっさりとした味わい 加熱してもやや硬さが残る 濃厚な味わい 菊芋を栽培するために必要なもの 菊芋の栽培を始めるにあたり、いくつか道具を揃える必要があります。いずれもホームセンターなどで手軽に揃えられます。 種芋 菊芋は、種からではなく「種芋」から育てます。1月から4月頃にかけて、園芸店やホームセンター、オンラインショップなどで販売されます。ふっくらとしていて傷がなく、しっかりとした硬さのある種芋を選ぶのがポイントです。小さな種芋でも十分に育ちますが、大きいもののほうがより多くの収穫が期待できると言われています。 プランターや鉢 菊芋は草丈が2m以上にまで成長し、土の中では芋がたくさんできます。 そのため、プランターはなるべく大きくて深いものを選びましょう。具体的には、深さが30cm以上、容量が20リットル以上ある大型のものがおすすめです。これくらいの大きさがあれば、菊芋がのびのびと根を張り、たくさんの芋を育てることができます。 ▶プランター・鉢|ホームセンターコーナンの通販サイト 培養土 市販されている「野菜用培養土」を使えば、初心者の方でも手間なく最適な土を用意できます。元肥(もとごえ)として、あらかじめ肥料が配合されているタイプを選ぶと、その後の肥料管理が楽になるのでおすすめです。 ▶培養土|ホームセンターコーナンの通販サイト 関連記事 培養土とは?家庭菜園・ガーデニング初心者におすすめな選び方や使い方を解説 | コーナンTips 鉢底石と鉢底ネット 菊芋は、土が常にジメジメしている過湿の状態を嫌います。 そのため、プランターの底に鉢底石を敷いて、水はけを良くすることが大切です。プランターの底から土が流れ出るのを防ぐために、鉢底石を敷く前に鉢底ネットをセットするのを忘れないようにしましょう。 ▶鉢底石・鉢底ネット|ホームセンターコーナンの通販サイト 肥料 市販の野菜用培養土には、初期生育に必要な肥料が含まれていることが多いです。もし元肥の入っていない土を使う場合は、植え付けの際に、ゆっくりと効果が続く緩効性化成肥料を混ぜ込みましょう。追肥としては、芋の成長を助けるリン酸やカリウムを多く含む肥料が適しています。 ▶肥料|ホームセンターコーナンの通販サイト 関連記事 肥料の三大要素とは?肥料の種類一覧や使い分けのポイントを解説 | コーナンTips 菊芋の栽培時期 菊芋の栽培は、植物の成長サイクルに合わせて行うことが成功への近道です。植え付けから収穫まで、大まかな時期の流れを把握しておきましょう。 植え付け時期 菊芋の植え付けに適しているのは、4月中旬から5月中旬頃です。 この時期は霜の心配がなくなり、気温が安定してくるため、種芋が健やかに芽を出し、成長を始めるのに最適なタイミングと言えます。もし芽が出た直後に霜にあたると、生育に悪影響が出たり、種芋が傷んでしまう可能性があるため、遅霜の心配がある地域では、少し遅めのゴールデンウィーク頃に植え付けるとより安心です。 開花時期 夏の日差しをたっぷりと浴びてすくすくと成長した菊芋は、9月から10月頃になると、ヒマワリを小さくしたような黄色い花を咲かせます。花が咲き終わると、いよいよ土の中で芋が本格的に大きくなり始めます。 収穫時期 待ちに待った収穫は、地上部の茎や葉が枯れ始める11月頃から12月頃まで楽しむことができます。霜が数回降りて、葉が茶色くカリカリになった頃が、芋が十分に大きくなったサインです。菊芋は収穫後、長くは保存できないため、食べる分だけその都度掘り出すのがおすすめです。 時期 作業内容 ポイント 4月中旬~5月中旬 植え付け 遅霜の心配がなくなってから植え付けます。 9月~10月 開花 黄色い可愛らしい花が咲きます。 11月~12月 収穫 地上部が枯れたら収穫の合図です。 菊芋の育て方の手順 ここからは、実際に菊芋を育てる手順を詳しく解説していきます。一つひとつのステップは難しくないので、コツを押さえて作業を進めましょう。 手順1:土の準備 まず、プランターの準備から始めます。プランターの底穴を覆うように鉢底ネットを敷き、その上に底が見えなくなるくらいの鉢底石を敷き詰めます。これにより、水はけが良くなり、根腐れを防ぐことができます。その後、プランターの8分目くらいまで、用意した野菜用培養土を入れましょう。 手順2:植え付け プランターに土を入れたら、いよいよ種芋の植え付けです。深さ10cmから15cmほどの穴を掘り、そこに種芋を置きます。 種芋の向きは特に気にする必要はありません。60cm幅の一般的なプランターであれば、最大2株まで植え付けられます。22株植え付ける場合の株間は30cmほどが目安です。植え付け後は、上から優しく土をかぶせて、軽く手で押さえておきましょう。最後に、プランターの底から水が流れ出るまで、たっぷりと水を与えます。 Tips 菊芋は生命力が強いため、芽出し作業は特に必要ありません。 手順3:水やり 菊芋は乾燥気味の環境を好むため、水のやりすぎには注意が必要です。 基本的には、土の表面が乾いたのを確認してから、たっぷりと水を与えるようにしましょう。特に、梅雨明け後の夏場は、土が乾きやすくなります。 朝か夕方の涼しい時間帯に、プランターの土の状態をチェックする習慣をつけると良いでしょう。 手順4:間引き(芽かき) 菊芋は生育が旺盛で、一つの種芋から複数の芽が出てくることがあります。芽は2~3本を目安に残して間引き(芽かき)をすると大きく育ちます。 手順5:支柱立てと土寄せ 菊芋は、夏になるとぐんぐん背丈が伸び、2mから3mほどの高さにまで成長します。 そのままにしておくと、風で倒れてしまうことがあるため、草丈が1mくらいに伸びたタイミングで、長めの支柱を立てて茎を支えてあげましょう。また、株元に土を寄せる「土寄せ」をすることで、株が安定し、土の中の芋が育つスペースも確保できます。 手順6:剪定(摘芯) 草丈が高くなりすぎるのが心配な場合や、台風対策として、剪定(摘心)を行うのも一つの方法です。7月頃に、草丈が1.5mから1.7mくらいになったところで、主となる茎の先端を切り詰めます。 こうすることで、背丈を抑えることができ、風の影響を受けにくくなります。 手順7:収穫 11月頃になり、地上部の茎や葉が枯れてきたら、収穫の時期です。株元から少し離れたところにスコップを入れ、芋を傷つけないように注意しながら、ゆっくりと土を掘り起こします。土の中からゴロゴロと菊芋が出てくる瞬間は、栽培の醍醐味とも言えるでしょう。 菊芋を育てるときの注意点 手軽に育てられる菊芋ですが、その旺盛な生命力ゆえに、いくつか知っておきたい注意点があります。事前に理解しておくことで、トラブルなく栽培を楽しめます。 繁殖力が強い 菊芋は繁殖力が強く、生態系に悪影響を及ぼすおそれのある「要注意外来生物」に指定されています。 地植えで育てる場合、収穫の際に掘り残した小さな芋からも翌年芽を出して、増えすぎてしまうことがあるため気を付けましょう。家庭菜園ではプランターで栽培する方が管理しやすく、おすすめです。 連作障害について 同じ場所で同じ科の植物を続けて栽培すると、生育が悪くなる「連作障害」が起きることがあります。菊芋にも連作障害があり、一度栽培したプランターの土をそのまま使うと、翌年はうまく育たない可能性があります。 続けて栽培する場合は、新しい培養土に入れ替えるようにしましょう。目安として、3〜4年は同じ場所での栽培を避けるのが良いとされています。 関連記事 連作障害は防げる|野菜を効率良く育てる方法|コーナンTips 菊芋の病気対策 菊芋はもともと丈夫な植物ですが、まれに「うどんこ病」が発生することがあります。これは、葉の表面に白い粉をふいたようなカビが生える病気です。 風通しを良くすることで予防につながります。 関連記事 植物の病気対策|主な種類と症状、家庭菜園でできる予防策と対処法を解説 | コーナンTips 収穫した菊芋の保存と活用法 自分で育てた菊芋を収穫したら、新鮮なうちに美味しくいただきましょう。ここでは、菊芋の保存方法と、おすすめの食べ方をご紹介します。 菊芋の保存方法 菊芋は水分が多く、じゃがいもなどと比べて日持ちしにくい野菜です。 掘りたての菊芋は、土がついたまま新聞紙に包み、ビニール袋に入れて冷暗所で保存すると1週間ほど持ちます。きれいに洗った場合は、水気をよく拭き取ってからキッチンペーパーなどで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。この方法で2週間程度が保存の目安です。 最も長く保存するには、食べる分だけをその都度掘り出すのが一番良い方法です。 ▶保存袋|ホームセンターコーナンの通販サイト 菊芋のおすすめレシピ 菊芋は、生のままでも加熱しても美味しく食べられる万能野菜です。生のまま薄くスライスしてサラダに加えると、シャキシャキとした食感とほんのりとした甘みを味わえます。また、細切りにして甘辛く炒める「きんぴら」もおすすめです。他にも、味噌漬けや粕漬けなどの漬物にしたり、煮物やスープの具材にしたりと、様々な料理に活用できます。油との相性も良いので、薄く切って揚げてチップスにすると、おやつやおつまみとしても楽しめるでしょう。 まとめ 菊芋は、プランターを使えば初心者の方でも手軽に栽培できる、魅力あふれる野菜です。この記事でご紹介した手順やコツを参考に、ぜひご家庭での菊芋栽培に挑戦してみてください。自分で育てた菊芋の味わいは、きっと格別なものになるでしょう。 プランター栽培で必要なものを見てみる
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