コーナンTips ペット 【獣医師監修】犬の涙やけの原因と対策は?自宅ケアとフード選びを解説 【獣医師監修】犬の涙やけの原因と対策は?自宅ケアとフード選びを解説 ペット クリップボードにコピーしました 【獣医師監修】犬の涙やけの原因と対策は?自宅ケアとフード選びを解説 この記事をシェアする! クリップボードにコピーしました 愛犬のつぶらな瞳を見つめているとき、目の下の被毛が赤茶色に変色していることに気づき、胸を痛めた経験はないでしょうか。この記事では、涙やけが発生する理由から、ご自宅ですぐに実践できるケア方法、そして食事の見直しまでを分かりやすく解説します。愛犬の健やかな目元を取り戻すために、ぜひ参考にしてください。 目次 犬の涙やけの原因とメカニズムは?原因1:涙の排出が滞る疾患原因2:涙の過剰分泌涙やけになりやすい犬種短頭犬小型犬アレルギーになりやすい犬種自宅でできる毎日の涙やけケアは?こまめな拭き取りで酸化を防ぐ専用ローションやクリーナーの活用目の周りの被毛をカットする重要性涙やけ対策の正しい拭き取り手順手順1 ガーゼやコットンを準備手順2 優しくふやかして汚れを取る手順3 乾いた布で水分を拭き取るドッグフード選びで涙やけは治る?消化に良い良質なタンパク質を選ぶアレルゲンとなる食材を避ける不要な添加物が少ないフードを選ぶ病院で治療が必要な涙やけとは?目が充血している・目ヤニが多い目を痛がって頻繁にこすっている異臭が強く皮膚がただれている涙やけを予防するためのポイントは?目の周りを常に清潔に保つ習慣適度な運動と水分補給を心がける定期的な検診で目の異常を防ぐまとめ 犬の涙やけの原因とメカニズムは? 涙やけは、目から涙があふれ出てしまう「流涙症(りゅうるいしょう)」に伴う症状の一つです。涙は通常、目頭にある「涙点(るいてん)」という小さな穴から吸い込まれ、鼻へと抜ける管を通って排泄されます。しかし、何らかの理由でこのサイクルが崩れると、行き場を失った涙が目の外へとあふれ出し、常に目の周りの被毛が濡れた状態になります。涙には「ポルフィリン」という鉄分を含んだ色素成分が含まれており、これが被毛に付着したまま長時間空気に触れたり紫外線に当たったりすることで酸化し、独特の赤茶色へと変色します。これが涙やけの正体であり、単に汚れがついているわけではないため、水で洗うだけでは簡単に落ちないのです。 流涙症の原因は大きく分けて2つあります。原因とメカニズムを正しく理解することが、効果的な対策への第一歩となります。 原因の分類 具体的な状態 発生のメカニズム 涙の排出障害 鼻涙管閉塞など 排出管が詰まり、涙が溢れ出る 涙の過剰分泌 逆さまつげ、異物 刺激により防御反応で涙が増える 原因1:涙の排出が滞る疾患 涙があふれる主要な原因の一つが、涙の排水溝ともいえる「鼻涙管(びるいかん)」のトラブルです。この管が生まれつき狭かったり、結膜炎などの炎症によって詰まってしまったりする「鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)」という状態になると、涙は鼻へとうまく流れていきません。排水管が詰まった洗面台から水があふれるのと同じように、行き場を失った涙は目からあふれ出し、涙やけを引き起こします。後天的な要因であれば、獣医師による洗浄処置などで通りを良くすることで症状が改善することもありますが、骨格の問題が関わっている場合は根気強いケアが必要になります。 原因2:涙の過剰分泌 もう一つの大きな原因は、涙の排出機能は正常であるものの、それ以上の量の涙が分泌されてしまうケースです。目は外部からの刺激を受けると、防御反応として涙を多く出して洗い流そうとします。例えば、逆さまつげが眼球に当たっていたり、ゴミやホコリが入ったりすることで角膜が刺激されると、涙の量は急激に増えます。また、アレルギー反応や目の感染症なども涙の分泌を促進させる要因です。このように涙が過剰に作られ続けると、通常の排出能力では処理しきれなくなり、結果として目からあふれて涙やけの原因となります。この場合は、刺激の元となっている原因を取り除く治療が最優先となります。 涙やけになりやすい犬種 涙やけはどの犬種にも起こりうる症状ですが、身体の構造や遺伝的な体質により、特になりやすい犬種が存在します。愛犬が該当する犬種である場合、飼い主様は特に日頃からの観察とケアを意識する必要があります。ここでは、骨格の特徴や遺伝的な背景から、涙やけのリスクが高いとされる犬種グループについて解説します。ご自身の愛犬がなぜ涙やけになりやすいのか、その理由を知ることで、より適切な予防策を講じることができるでしょう。 分類 代表的な犬種 涙やけになりやすい理由 短頭種 パグ、シーズー、フレンチブルドッグ 目が大きく突出し、鼻涙管が屈曲しやすい 小型犬 トイ・プードル、マルチーズ、チワワ、ポメラニアン 鼻涙管が生まれつき細く詰まりやすい アレルギー体質 柴犬、ミニチュアダックスフンド、アメリカンコッカースパニエル、レトリバー種、テリア種 アレルギー反応による涙の過剰分泌 短頭犬 パグやシー・ズー、フレンチ・ブルドッグなどのいわゆる「鼻ぺちゃ」と呼ばれる短頭種は、構造的に涙やけを起こしやすい傾向にあります。これらの犬種は顔の骨格が平坦であるため、眼窩(目の入るくぼみ)が浅く、目が前方に突出しています。そのため、まばたきで目を完全に閉じることが難しかったり、乾燥や異物の刺激を受けやすかったりして、涙の量が増える傾向にあります。さらに、顔の構造上、目から鼻へと抜ける鼻涙管が屈曲していたり変形していたりすることが多く、涙がスムーズに排出されにくいという特徴も持っています。また、顔のしわに湿気がたまりやすく、そこで細菌が繁殖することも涙やけや皮膚炎を悪化させる要因となります。 小型犬 トイ・プードル、マルチーズ、チワワ、ポメラニアンなどの小型犬も、涙やけの相談が非常に多い犬種です。これには身体の大きさが関係しており、小型犬はもともと鼻涙管の直径が非常に細いため、わずかな老廃物や粘液が溜まるだけですぐに詰まってしまいます。特にトイ・プードルやマルチーズは、涙やけが目立ちやすい淡い色の被毛を持つ個体が多いことに加え、遺伝的に鼻涙管の形成不全を持っているケースも少なくありません。また、これらの犬種は目が大きく愛らしい顔立ちをしていますが、その分、目の周りの被毛が眼球に触れやすく、その刺激で涙が増えやすいという事情もあります。 関連記事 【獣医師監修】チワワの特徴は?性格や飼い方、病気対策、注意点などを徹底解説 | コーナンTips 関連記事 【獣医師監修】トイプードルの特徴と性格|しつけやお手入れなど飼い方のコツを紹介 | コーナンTips 関連記事 【獣医師監修】マルチーズの性格・特徴|飼い主が注意するポイントと上手な飼い方 | コーナンTips 関連記事 【獣医師監修】ポメラニアンの特徴と性格|飼い方・しつけのポイントを紹介 | コーナンTips アレルギーになりやすい犬種 アレルギー体質を持っている犬も涙やけに悩まされることが多くあります。食物アレルギーや環境アレルギー(花粉やハウスダストなど)があると、身体の免疫反応として目や目の周りに炎症が起こり、涙の分泌量が増加します。また、アレルギー反応によって目の周りが痒くなると、犬自身が前足で目をこすってしまい、さらなる炎症や傷を引き起こして涙が止まらなくなるという悪循環に陥ることもあります。柴犬やテリア種、レトリバー種などは皮膚トラブルやアレルギーを起こしやすい傾向があるため、涙やけが見られた場合は、単なる目の問題だけでなく、全身のアレルギー症状の一つではないかと疑ってみることも大切です。 関連記事 【獣医師監修】柴犬の特徴|性格やしつけ方など飼うために必要な知識を詳しく解説 | コーナンTips 関連記事 【獣医師監修】ヨークシャーテリアの性格は?特徴や飼いやすさ、飼い方のコツも紹介 | コーナンTips 自宅でできる毎日の涙やけケアは? 涙やけ対策において最も重要なのは、動物病院での治療と併せて行う自宅での毎日のケアです。涙があふれてしまう体質自体をすぐに変えることは難しくても、こまめなケアによって被毛の変色を最小限に抑え、皮膚の健康を保つことは十分に可能です。ここでは、飼い主様が無理なく続けられる基本的なケアの方法をご紹介します。愛犬とのスキンシップの一環として、毎日のルーティンに取り入れてみましょう。 ケアの方法 期待できる効果 注意点 こまめな拭き取り ポルフィリンの酸化防止、雑菌繁殖の抑制 ゴシゴシ擦らず優しく行う 専用ローション使用 汚れの分解、保湿、抗菌作用 目に入っても安全な成分を選ぶ 被毛のカット 涙の付着防止、眼球への刺激低減 ハサミの扱いに十分注意する こまめな拭き取りで酸化を防ぐ 涙やけの赤茶色は、涙に含まれる「ポルフィリン」という色素成分が時間の経過とともに酸化して定着したものです。つまり、酸化する前に涙を拭き取ってしまえば、着色を大幅に防ぐことができます。理想は、涙が出ていることに気づいたらその都度拭き取ることですが、現実的には難しい場合も多いでしょう。少なくとも朝起きた時、食後、散歩の後、寝る前など、1日に数回は目の周りをチェックし、濡れていたら優しく拭いてあげる習慣をつけることが大切です。特に食事の後は代謝が上がり涙が出やすくなることもあるため、口周りのケアと合わせて目の周りも確認してあげてください。こまめに水分を取り除くことは、変色を防ぐだけでなく、湿気を好む雑菌の繁殖を抑え、皮膚炎を予防することにもつながります。 専用ローションやクリーナーの活用 水やぬるま湯での拭き取りも有効ですが、すでに変色が始まっている場合や、目ヤニが固まっている場合は、ペット用の涙やけ対応ローションやクリーナーを活用するのがおすすめです。これらの製品には、汚れを浮き上がらせる成分や、雑菌の繁殖を抑える成分が含まれており、水だけでは落ちにくい汚れを効率よく除去できます。また、保湿成分が含まれているものであれば、頻繁な拭き取りによる皮膚の乾燥も防げます。選ぶ際は、目の周りというデリケートな部分に使うため、低刺激で目に入っても安全な成分で作られているかを確認しましょう。シートタイプのものや、コットンに含ませて使う液体タイプなど様々な種類があるため、使いやすいものを選んでください。 目の周りの被毛をカットする重要性 物理的な対策として非常に効果的なのが、目の周りの被毛を短くカットすることです。涙で濡れた毛が長く伸びていると、そこが雑菌の温床となりやすく、不衛生な状態が続きます。また、目の周りの毛が伸びて眼球に当たると、それが刺激となってさらに涙が出るという悪循環を生んでしまいます。目頭や目の下の毛を短く整えておくことで、涙が毛に留まる時間を減らし、清潔な状態を保ちやすくなります。ただし、目の周りのカットは急に動く犬の場合、怪我のリスクが伴います。ご自身でカットするのが怖い場合や、愛犬が嫌がる場合は無理をせず、定期的にトリミングサロンでプロにお願いするようにしましょう。 関連サイト ペットトリミングのご予約はコチラ|ホームセンターコーナンのペットショップサイト 涙やけ対策の正しい拭き取り手順 毎日のケアが大切とはいえ、間違った方法で拭き取りを行うと、かえって目の周りの皮膚を傷つけたり、愛犬に不快感を与えてケアを嫌がるようになったりする可能性があります。デリケートな目元だからこそ、正しい手順と力加減で行うことが不可欠です。ここでは、愛犬に負担をかけず、かつ効果的に汚れを落とすための具体的な手順を解説します。リラックスした雰囲気で行うことを心がけましょう。 手順 動作のポイント 目的 1. 準備 柔らかいコットンやガーゼを用意 皮膚への物理的刺激を減らす 2. ふやかす ぬるま湯やローションで湿らせて当てる 固まった汚れを無理なく浮かす 3. 拭き取る 乾いた布で水分を吸い取る 再度湿った状態になるのを防ぐ 手順1 ガーゼやコットンを準備 まず、ケアに必要な道具を準備します。ティッシュペーパーは手軽ですが、繊維が荒く、濡れるとボロボロになりやすいため、デリケートな目の周りのケアには不向きです。肌触りの良いコットンやガーゼ、または犬用の涙やけ拭き取りシートを用意しましょう。これらに、ぬるま湯または専用のクリーナーをたっぷりと含ませます。水分量が少ないと摩擦が大きくなり皮膚を傷つけてしまうため、十分に湿らせることがポイントです。また、愛犬が落ち着けるよう、お気に入りの場所でリラックスさせ、声をかけながら準備を始めるとスムーズにケアに入れます。 ▶犬用のケア用品|ホームセンターコーナンの通販 手順2 優しくふやかして汚れを取る いきなりゴシゴシと擦ることは厳禁です。特に目ヤニや涙が固まってカピカピになっている場合、無理に取ろうとすると毛が抜けたり皮膚が剥がれたりして痛みを伴います。まずは、水分を含ませたコットンを汚れの部分に優しく押し当て、数秒から数十秒ほど待って汚れを十分にふやかします。汚れが柔らかくなったら、毛並みに沿って優しく拭き取ります。この時、眼球を圧迫しないよう注意し、目の縁から外側に向かってなでるように動かしましょう。一度で取れない場合は、新しい面を使って何度か繰り返します。愛犬が嫌がる素振りを見せたら無理強いせず、一度中断して褒めてあげるなど、ケア=嫌なことにならないよう配慮が必要です。 手順3 乾いた布で水分を拭き取る 汚れが取れてきれいになったら、最後に必ず乾いたコットンや柔らかい布で、残った水分をしっかりと拭き取ります。せっかく汚れを落としても、水分が残っていると再び雑菌が繁殖しやすくなり、涙やけの原因となる酸化も進んでしまいます。特に涙の通り道となる目頭から鼻にかけての部分は、湿気が残りやすいので念入りに水分を吸い取りましょう。この仕上げの工程を行うかどうかで、ケアの効果に大きな差が出ます。「洗ったら乾かす」までをワンセットとして習慣づけてください。 ドッグフード選びで涙やけは治る? 「ドッグフードを変えたら涙やけが良くなった」という話を耳にしたことがある飼い主様も多いでしょう。実際に、食事の内容は涙の質や量に影響を与える重要な要素です。食べたものは体内で消化吸収され、その代謝産物が涙や汗として排出されるため、質の悪い食事や愛犬の体質に合わない食事は、老廃物を増やし涙やけを悪化させる原因となり得ます。ここでは、涙やけ対策という観点から、どのようなドッグフードを選ぶべきか、そのポイントを解説します。 選定ポイント 推奨される内容 期待されるメリット タンパク質 新鮮な肉や魚が主原料の良質なタンパク質 消化吸収が良い アレルゲン対策 グレインフリー、単一タンパク源 アレルギーによる炎症・涙を抑制 添加物 合成着色料・保存料不使用 体内の不要な蓄積物を減らす 消化に良い良質なタンパク質を選ぶ 涙やけの原因の一つとして、体内の老廃物が涙の管を詰まらせたり、涙の質を悪くしたりすることが考えられています。消化吸収の悪いタンパク質や質の低い原材料が多く含まれるフードを食べていると、消化しきれなかったタンパク質が老廃物となり、鼻涙管の詰まりを引き起こす可能性があります。そのため、主原料には新鮮なチキン、ラム、魚などの良質な動物性タンパク質が使われているフードを選ぶことが推奨されます。「〇〇ミール」や「〇〇副産物」といった曖昧な表記のものではなく、何のお肉が使われているかが明記されているヒューマングレード(人間が食べられる品質)の食材を使用したフードも良いでしょう。 アレルゲンとなる食材を避ける 食物アレルギーが原因で涙の量が増えている場合、アレルゲンとなる食材を避けることで劇的に症状が改善することがあります。犬にとって一般的なアレルゲンとしては、牛肉、鶏肉、乳製品、小麦、トウモロコシなどが挙げられます。もし特定のフードを食べていて目元が赤くなったり痒がったりしている場合は、そのフードに含まれる何らかの成分に反応している可能性があります。最近では、穀物アレルギーに配慮した「グレインフリー(穀物不使用)」のフードや、アレルギーが出にくいとされる鹿肉や魚、加水分解タンパク質を使用したフードも数多く販売されています。獣医師と相談しながら、愛犬のアレルゲンを特定し、それに除去したフードを選ぶことが大切です。 不要な添加物が少ないフードを選ぶ ドッグフードに含まれる人工的な添加物も、涙やけに悪影響を及ぼす可能性があります。合成着色料、香料、強力な合成保存料(BHA、BHTなど)は、犬の身体にとって不要な化学物質であり、これらを分解・排出するために肝臓や腎臓に負担がかかります。また、これらの添加物がアレルゲンとなり、涙の分泌を促しているケースも否定できません。涙やけ対策のフードを選ぶ際は、パッケージの原材料表示を確認し、できるだけシンプルな素材で作られているもの、あるいは天然由来の酸化防止剤(ミックストコフェロールやローズマリー抽出物など)を使用している「無添加」を謳ったフードを選ぶと安心です。体内に取り込む不純物を減らすことは、目元だけでなく全身の健康維持にも役立ちます。 ▶ドッグフード|ホームセンターコーナンの通販サイト 病院で治療が必要な涙やけとは? 涙やけは基本的には美容上の問題と捉えられがちですが、中には病気が原因で緊急の治療が必要なケースも存在します。単なる汚れだと思って放置していると、角膜を傷つけたり、深刻な眼病を見逃したりすることになりかねません。自宅でのケアで改善が見られない場合や、以下のような症状が見られる場合は、迷わず動物病院を受診してください。早期発見と適切な治療が、愛犬の苦痛を取り除く鍵となります。 観察すべき症状 疑われる疾患・状態 対応の緊急度 充血・大量の目ヤニ 結膜炎、角膜炎、ブドウ膜炎 中~高(早めの受診を推奨) 頻繁に目をこする 角膜潰瘍、異物混入 高(傷が悪化する前に受診) 異臭・皮膚のただれ 重度の皮膚炎、細菌感染 中(抗生物質などの治療が必要) 目が充血している・目ヤニが多い 白目の部分が赤く充血していたり、黄色や緑色をした粘り気のある目ヤニが大量に出ていたりする場合は、結膜炎や角膜炎、あるいはドライアイなどの病気を発症している可能性が高いです。単なる涙やけであれば涙はサラサラしていますが、ドロドロとした目ヤニは細菌感染や強い炎症のサインです。これを放置すると炎症が広がり、視力に影響を及ぼす恐れもあります。また、緑内障やブドウ膜炎といった重篤な病気の初期症状として充血が見られることもあるため、「ただ目が赤いだけ」と軽視せず、獣医師の診断を仰ぐ必要があります。 目を痛がって頻繁にこすっている 愛犬が前足で目をこすったり、床や家具に顔をこすりつけたりする仕草が見られる場合は、目に強い痒みや痛みを感じている証拠です。逆さまつげが刺さっている、目にゴミや植物の種などの異物が入っている、あるいは角膜に傷がついている可能性があります。犬が自分でこすればこするほど、眼球の表面(角膜)が傷つき、そこから細菌が入って「角膜潰瘍(かくまくかいよう)」という深い傷になってしまうことがあります。目が開けにくそうにしている(しょぼしょぼさせている)場合も痛みのサインですので、物理的な刺激を取り除く処置が必要になることがあります。 異臭が強く皮膚がただれている 涙やけの状態が長く続くと、常に濡れている皮膚で細菌(ブドウ球菌やマラセチア酵母など)が異常繁殖し、独特の酸っぱいような嫌な臭いを発することがあります。さらに悪化すると、皮膚が赤く腫れ上がり、ジュクジュクとただれて「涙やけ皮膚炎」を起こします。ここまで進行すると、拭き取るケアだけでは治らず、抗生物質や抗真菌薬による治療が必要になります。皮膚がただれている状態で自己流のケア(強く拭くなど)を行うと、愛犬に激痛を与えてしまうことになるため、まずは病院で皮膚の状態を治療し、健康な皮膚を取り戻してからケアを再開することが求められます。 関連サイト コーナンどうぶつ病院はコチラ 涙やけを予防するためのポイントは? 一度きれいになっても、生活習慣が変わらなければ涙やけは再発してしまいます。涙やけのないきれいな目元を維持するためには、「治す」だけでなく「予防する」視点が欠かせません。日々のちょっとした心がけが、愛犬の体質改善や健康維持につながり、結果として涙やけの予防になります。ここでは、長期的な視点で涙やけを防ぐための3つのポイントをご紹介します。 予防のポイント 具体的なアクション 目的 清潔維持 顔周りの掃除、寝具の洗濯 アレルゲンや雑菌の排除 代謝促進 散歩、十分な水飲み 老廃物の排出促進(デトックス) 定期検診 健康診断、目のチェック 異常の早期発見・早期治療 目の周りを常に清潔に保つ習慣 予防の基本は、やはり清潔な環境づくりです。これは涙を拭くことだけでなく、愛犬が過ごす環境全体にも言えます。ハウスダストや花粉がアレルギーの原因となり涙を増やすことがあるため、部屋の掃除や空気清浄機の活用、愛犬が使うベッドや毛布の定期的な洗濯を心がけましょう。また、顔周りの毛を常に衛生的に保つことも重要です。食事のカスが口周りや顔についたままだと雑菌が繁殖しやすいため、食後の顔拭きを習慣化するのも良いでしょう。清潔な環境は、目への刺激物質を減らし、涙の過剰分泌を防ぐことにつながります。 適度な運動と水分補給を心がける 身体の内側からの予防として、新陳代謝を良くすることが挙げられます。運動不足や水分不足になると、体内の巡りが悪くなり、老廃物が蓄積されやすくなります。その結果、涙や汗の成分が濃くなり、涙やけや体臭が悪化する原因となります。毎日の散歩で適度な運動を行い、筋肉を動かしてリンパの流れを良くしましょう。また、新鮮な水をいつでも飲めるようにし、水分摂取を促すことも大切です。お水をあまり飲まない子の場合は、ウェットフードを活用したり、ドライフードをふやかしたりして食事から水分を摂れるように工夫すると、老廃物の排出がスムーズになり、涙やけの予防に役立ちます。 関連記事 獣医師監修】犬の適切な散歩時間は?犬種別の目安と注意点 | コーナンTips 定期的な検診で目の異常を防ぐ 涙やけの背後には、飼い主様だけでは気づきにくい目のトラブルや体質の変化が隠れていることがあります。そのため、定期的に動物病院で健康診断を受けることが最も確実な予防策です。特にワクチン接種やフィラリア予防のタイミングで、目や鼻涙管の状態、まつ毛の生え方などを獣医師にチェックしてもらいましょう。また、トリミングサロンを利用している場合は、トリマーさんに目の周りの状態について変化がないか聞いてみるのも有効です。プロの視点で早期に異常を発見できれば、重症化する前に対処することができ、愛犬の負担を減らすことができます。 まとめ 犬の涙やけは、こまめなケアと食事の見直しで改善が期待できます。愛犬の健康サインを見逃さず、愛情を持って毎日のお手入れを続けてあげましょう。不安な症状がある場合は、早めに動物病院へ相談することをおすすめします。 犬のケア用品|ホームセンターコーナンの通販サイト
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