ナイフの研ぎ方|適切な角度や注意点を初心者向けにわかりやすく解説
ナイフの研ぎ方|適切な角度や注意点を初心者向けにわかりやすく解説

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キャンプの必需品であるアウトドアナイフやサバイバルナイフは、使うたびに切れ味が悪くなってしまいます。いざというときに役に立たなくなることを防ぐため、定期的に研いでメンテナンスすることが大切です。
この記事では、ナイフの刃の形状や研ぎ方について詳しくご紹介します。また、ナイフを研ぐのに必要な道具や研石の選び方、初心者でも上手に研ぐポイントもまとめました。正しいナイフの研ぎ方を学んで、愛用ナイフを長持ちさせましょう。
目次
ナイフの研ぎ方は断面形状で決まる!
ナイフの刃の断面形状はグラインドとも呼ばれ、主な種類としてフラット、スカンジ、ホロウ、コンベックスといった形状があります。形状ごとの特徴や主な用途、研ぐ難易度などをわかりやすく解説します。
フラット
フラットは刃先が長く平らなため、もっとも研ぎやすい形状です。ホロウの次に強度が高く汎用性に優れており、食材をカットするのに向いています。
また、スカンジと比べて重量があるため、刃の角度を絞って薄くしたモデルが多く見られます。
フラットを研ぐときは、刃先が平らになっている二辺を砥石に当てるのがポイントです。
スカンジ
スカンジは刃先がV字型になっているため非常に研ぎやすく、フラットの次に強度が高いタイプです。
木に打ち込んだ際の抵抗は大きいものの、刃が厚く耐久性もあるため、ナイフの背をハンマーで叩いて薪を割ることもできます。薪割り、木を削る、枝を払うなどのキャンプシーンで活躍するでしょう。
スカンジは、V字となっている刃先の部分を砥石に当てて研ぎます。
ホロウ
ホロウは、刃付けがくびれているのが特徴です。切れ味がシャープな反面、強度は4つの形状のなかでもっとも低くなっています。
しかし、使い勝手が良いため、ミリタリーナイフやサバイバルナイフの多くがホロウを採用しており、ブッシュクラフトでもよく目にします。
刃先が細いため、薪割りなどには適していませんが、研ぎやすさでは初心者向きです。
ホロウのナイフは、くびれた先の刃先部分を砥石に当てて研ぎます。
コンベックス
コンベックスはハマグリ刃とも呼ばれ、刃付けが膨らんでいるナイフです。4つの形状のなかでも丈夫で耐久性が高い反面、研ぐのがもっとも難しいタイプでもあります。
切れ味はあまり良くありませんが、厚みがあるため薪を割るような負担のかかる作業に適しています。
コンベックスは刃先にカーブがついているため、カーブの全体が均等に砥石に当たるよう、ずらしながら研ぐことがポイントです。
ナイフを研ぐのに必要なもの
ナイフを研ぐために必要となる道具をご紹介します。
1.研石
砥石(といし)はナイフを研ぐ際に必須の道具です。表面の荒さを利用して刃先を擦ることで、切れ味を取り戻せます。
多くのメーカーから、機能が異なるさまざまなタイプの砥石が販売されているため、好みや予算に合わせて選びましょう。
種類 | 機能 |
プレーンタイプ | もっとも一般的なタイプで価格も安価。布を敷いて使用する。 |
台付タイプ | 砥石に台座がついており、高さがあるため研ぎやすく、砥石が薄くなっても割れにくい。 |
補助器具付きタイプ | 刃物に取り付ける補助器具がセットになっており、初心者でも安定して研ぐことができる。 |
ケース入りタイプ | カバーがついたタイプで、砥石がほかのものに触れずに済むため収納に便利。 |
オールインワンタイプ | 台座とカバーがついており、これ一つで刃物を研げる優れもの。ケースの中に研ぎ汁が入るものもあり、周りを汚さずに作業できる。 |
なお、包丁などに使われている「シャープナー」は、刃先を荒くすることで食材への食いつきを良くすることが目的です。砥石の代わりにはならないため注意してください。
2.布
ナイフを研ぐ際、砥石が滑ってしまうことがあります。濡らした布を砥石の下に敷き、滑りを防ぎましょう。布は汚れる可能性があるため、雑巾程度のもので大丈夫です。
3.水を入れる容器
砥石を使う前に、水を入れた容器に30分ほど漬けて水を十分に吸収させることで、刃を研ぐ際の滑りが良くなります。
研石の選び方
砥石の選び方は、ナイフの使い方や使用頻度によって異なります。以下でご紹介する選び方のポイントを確認して、自分に合った道具を見つけてください。
天然砥石と人工砥石の違い
砥石には、大きく人工と天然の2種類があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。
砥石の種類 | 特徴 |
人工砥石 | 研磨剤を固めて作った砥石。研磨力が高く、幅広い材質の刃物を研ぐことができる。天然砥石より価格が安い点も魅力。 |
天然砥石 | 硬い砂を含む岩石からできている砥石。希少で高価だが、適度な研磨力により滑らかな仕上がりを実現できる。 |
人工砥石と天然砥石のどちらにもメリット・デメリットがあるため、ナイフの種類や使用するシーンに合わせて最適なタイプを選びましょう。
番手の違い
番手とは、砥石の荒さ(粒度)のことで、数字が大きいほどきめが細かくなります。以下のように、番手により「荒砥石」「中砥石」「仕上げ砥石」の3つに分類されます。
砥石の名称 | 番手 | 選び方 |
荒砥石 | 80〜600番 | 3種の中で最も目が粗く表面がザラザラしている。ナイフが刃こぼれしている場合や、グラインドの形状をカスタマイズして変更する場合に使用する。 |
中砥石 | 700〜2000番 | 鈍くなった切れ味を戻すためや、通常のメンテナンスで使用することが多い。 |
仕上げ砥石 | 3000番以上 | 金属表面の傷を取り、鏡面のように仕上げられる。アウトドアナイフの仕上げには最高でも3000番がおすすめ。 |
番手によって刃の仕上がりが異なりますが、ナイフを研ぐ場合は中砥石1本でも問題ありません。
【初心者向け】ナイフの研ぎ方
では、実際にナイフを研ぐ手順を確認していきましょう。以下4つのステップを踏むことで、初心者でも簡単にナイフを研ぐことができます。
1.ナイフの切れ味を確認する
ナイフを研ぐ前に、刃の切れ味を確認しておきましょう。
食材のカットや薪割りなど、実際の用途で試してみるのが最も確実な方法です。
また、有名な方法として爪に刃を当てて滑らないか確認するという方法もあります。
ナイフの刃を親指の爪に当てて、滑るか引っかかるかをチェックして切れ味を確認しましょう。何度も試して滑る部分は、切れ味が落ちています。
このとき、ナイフで指を切らないように注意してください。
2.道具をセットアップする
容器に水を張り、砥石を水につけて水分を十分に吸収させ、研ぐ際の滑りを良くします。
水につける時間は30分程度が目安ですが、砥石の種類によって給水時間は異なるため、砥石の表記を確認しましょう。
3.ナイフを研ぐ
刃を研ぐ際は、刃と砥石の角度が重要です。
刃を砥石に寝かせ、刃先を起点にして少しずつ起こしながら、刃先が当たった場所で固定して研ぐことを意識しましょう。
刃を研ぎたい部分に指を添えて、45度の向きで砥石全体を使って研ぎます。全体を使うことで凹みを押さえられるため、砥石が長持ちします。
研ぐ際は押すときも引くときも一定の力で研ぎましょう。力を入れすぎると刃の当たる角度が変わってしまい、うまく研げません。
また、ナイフには裏と表がないため、両刃の切れ味がバランス良くなるように研ぐことが大切。慣れるまでは片面それぞれ30回など、同じ回数で研ぐようにしてください。
4.切れ味を確認し、オイルを薄く塗る
研ぎ終わったら、新聞紙などを試し切りして刃の切れ味を確認しましょう。切っている途中で刃が止まってしまったら、研ぎが足りない証拠です。
ナイフを乾燥させたあと、仕上げにオイルを塗ると美しい仕上がりになるほか、酸化も防げます。料理用のオリーブオイルを薄く塗り、キッチンペーパーなどで軽く拭き取ってください。
キャンプ初心者がナイフを上手に研ぐコツ
ナイフの研ぎ方で初心者が気をつけるべきポイントを3つご紹介します。これらを意識することで、仕上がりが大きく変わるため、ぜひ参考にしてみてください。
刃を当てる角度を意識する
正確に角度を測ることは困難ですが、ナイフを砥石に当てて横から見て、ブレードが砥石にぴったりとついていると思われる角度でおこなうのがポイントです。
切れ味を上げるためには均一な角度で研ぐことが重要なので、研いでいる途中で手の角度を変えないように注意しましょう。
研ぎたい刃の部分に印をつける
研ぎたい刃の部分にマジックなどで色を付けておくと、必要な部分が研げているかを確認できます。
マジックの色が消えたら、正しく研げている証拠です。色が残っている部分を意識することで、全体が均一となりきれいな仕上がりになるでしょう。
素手で十分に注意して作業する
研ぐ作業は手が汚れますが、手袋などは着けないでおこなうことが推奨されます。なぜなら、ナイフを砥石に当てる角度や、研ぐ最中の振動など、精密な作業や感覚が求められるためです。
また、ビニール手袋などを着けていると、かえって怪我の原因となります。切るための道具を扱っているという意識を持つことが大切です。
正しく研いで愛用ナイフを長持ちさせよう!
ナイフの形状ごとの研ぎ方や必要な道具、上手に研ぐコツについて解説しました。
必要な道具をそろえて正しい研ぎ方を学ぶことで、愛用のナイフを長持ちさせ、キャンプ体験をより楽しめるようになります。
キャンプ道具は定期的にメンテナンスをおこない、安全で快適なキャンプライフを送りましょう。