コーナンTips 園芸 バラの育て方は難しい?初心者におすすめの鉢植え栽培を解説 バラの育て方は難しい?初心者におすすめの鉢植え栽培を解説 園芸 クリップボードにコピーしました バラの育て方は難しい?初心者におすすめの鉢植え栽培を解説 この記事をシェアする! クリップボードにコピーしました 美しい花と豊かな香りが魅力的なバラ。初心者にとっては育て方が難しいと感じるかもしれませんが、丈夫な性質をもつバラは比較的簡単に栽培できます。 この記事では、初心者にも管理がしやすく、バラを育てるための基本を学ぶのに最適な鉢植え栽培について詳しく解説していきます。苗の選び方や水やり、剪定方法、病害虫対策などを知って、美しいバラの花を咲かせていきましょう。 目次 バラの基本情報3つの種類木立ち性つる性半つる性3タイプの開花時期バラを育てるために必要なもの苗の選び方鉢の選び方プラスチック鉢素焼き鉢駄温鉢テラコッタ鉢バラの育て方日当たり・置き場所・温度植え付け方水やりの仕方肥料のやり方剪定の仕方咲がら切り(花がら切り)夏剪定冬剪定バラの病害虫対策1.殺菌剤2.殺虫剤黒星(くろほし)病(黒点病)うどん粉病根頭ガン腫病植物の病気対策のやり方|観葉植物や家庭菜園に使える予防法・対処法を解説ハダニアブラムシコガネムシガーデニングの害虫対策!初心者でも簡単にできる方法を紹介バラの育て方は難しくない!きれいな花と栽培を楽しもう バラの基本情報 まず、バラの基本情報について見ていきましょう。 科名 バラ科 属名 バラ属 和名 薔薇 英名 Rose 学名 Rosa 原産地 アジア、ヨーロッパ、中近東、北アメリカ、アフリカの一部 分類 低木、つる性植物 販売時期 新苗:4月~6月 大苗:9月下旬~3月 開花時期 5~11月(品種により異なる) 耐暑性 強い~やや弱い(品種により異なる) 耐寒性 強い~やや弱い(品種により異なる) バラは北半球の国々に150〜200種ほどの野生種があるといわれる、低木またはつる性植物です。香料用や薬用として利用されたことがバラ栽培のはじまりですが、その美しさから観賞用としても愛されています。 寒さや暑さには比較的強いバラですが、数多くの品種がつぎつぎと誕生しており、なかには日本の気候に合わない種類もあります。また、バラは開花時期や仕立て方に特徴があるため、育てたい場所に合った品種を選んでいきましょう。 3つの種類 バラの樹形には、主に以下の3つの種類があります。 木立ち性 つる性 半つる性 初心者の方におすすめの鉢栽培では、コンパクトな木立ち性または半つる性が育てやすいでしょう。それぞれの特徴と代表的な品種をご紹介します。 木立ち性 木立ち性のバラは直立するタイプで「ブッシュ・ローズ」ともいわれる種類です。比較的コンパクトに仕立てられるため、スペースが限られた花壇や鉢植えに向いています。 木立ち性の主な系統は「ハイブリッド・ティー・ローズ」、「フロリバンダ・ローズ」、「ミニチュア・ローズ(ミニバラ)」などがあります。鉢植え栽培では、小さく育つ矮性(わいせい)のフロリバンダ・ローズや、ミニチュア・ローズがおすすめです。 つる性 つる性のバラは、新しく伸びる枝(シュート)を長く伸ばし、支柱やトレリス(ラティス)、フェンスに絡ませて育つタイプで、「クライミング・ローズ」とも呼ばれます。 つる性の主な系統は「ランブラー・ローズ」、「ラージ・フラワード・クライマー」などがあります。バラの大人気品種である「ピエール・ドゥ・ロンサール」はクライミング・ローズに分類されます。 つる性のバラは生育旺盛に枝を伸ばすため、ガーデンや壁面を華やかに飾るのに最適です。ただし、適切な支柱や誘引が必要で、剪定にも慣れが必要なため、初めてのバラ栽培には不向きといえるでしょう。 半つる性 半つる性のバラは、木立ち性とつる性の中間の特性をもつタイプで「シュラブ・ローズ」ともいわれる種類。木立性のようにコンパクトに育てられるため、鉢植えでも楽しめます。 ただし、咲き方や枝の伸び方が品種によって異なるため、鉢植えに適した品種を確認しながら選びましょう。 3タイプの開花時期 バラの主な開花時期は5月下旬〜11月。系統や品種によって咲き方が異なり「一季咲き性」「四季咲き性」「返り咲き性」の3つのタイプに分けられます。 春に1回だけ花を咲かせる開花習性をもつ「一季咲き性」は、昨年までに伸びた枝に花を咲かせます。春から秋まで咲き続ける「四季咲き性」、春の1番花のあと秋まで不定期に開花する「返り咲き性」は、開花時期が長いことが特徴です。 お気に入りの品種をみつけたら、開花時期を確認して適切に管理することが、バラ栽培を成功させるためのポイント。置き場所を気軽に変えられる鉢植え栽培のメリットを活かして、バラの見頃に合わせた鉢のレイアウトを楽しんでみてくださいね。 バラを育てるために必要なもの バラを育てるために必要なものは以下のとおりです。 バラの苗 鉢 鉢底石と鉢底ネット バラ用培養土 バラ用肥料 スコップ ジョウロ 園芸ハサミ 革手袋 マルチング材(バークチップなど) 初心者の方は、バラ用に配合された培養土や肥料がおすすめです。手入れをする際は、トゲを通さない革手袋と太い枝を切れるハサミを用意しておきましょう。 つる性のバラは、上記に加えて誘引先のオベリスクや結束用のひもが必要です。また、お好みでバークチップなどのマルチング材を敷いて、おしゃれな鉢植えに仕上げていきましょう。 苗の選び方 バラの苗は大きく「新苗」と「大苗」の2種類に分けられます。 新苗は夏〜冬に接ぎ木された苗が春に出荷され、大苗は接ぎ木のあとに1年間養成されてから秋〜冬に流通します。鉢植え栽培では、新苗と大苗どちらでも育てられますが、初心者の方は大苗がおすすめです。 大苗の選び方は以下を参考にしてください。 1本以上かたく太い枝がある(1.5~2cm) 枝が細くてもかたい枝がある 茎や葉が枯れていない 根が太くて長い(根がみえる苗) 接ぎ木の部分がはがれたり枯れたりしていない バラは品種によって枝の太り方が異なるため、同じ品種を比べてより元気の良い苗を選んでください。苗は根詰まりを起こしやすいため、秋の流通がはじまったら、目当ての品種を入手して早めに植えられる準備をしておきましょう。 鉢の選び方 バラを育てる鉢には、プラスチック鉢や素焼き鉢、駄温鉢(だおんばち)などさまざまな種類があります。水はけが良く通気性に優れた鉢を選んで、育てやすい環境を整えておきましょう。 鉢の選び方は以下を参考にしてください。 プラスチック鉢 軽くて扱いやすく、大きめのバラ栽培に最適。水抜き穴が小さいものは避けて、鉢底の側面に切れ込みが入っているタイプを選びましょう。熱をもつと温度が上昇するため、夏の直射日光には注意が必要です。 素焼き鉢 粘土を低温で焼いた鉢で、水分や空気が鉢から抜けやすい点が特徴。土が乾きやすいため、初心者の方は注意しましょう。 駄温鉢 素焼き鉢に釉薬(うわぐすり)をかけて焼かれた鉢で、素焼き鉢よりも保湿性に優れています。プラスチックよりも重量感があり、バラ栽培に向いています。 テラコッタ鉢 素焼き鉢よりも赤みの強い鉢で、高温で焼かれるため強度があります。デザイン性の面で優秀ですが、重さがあり扱いにくいため、ミニバラなどにおすすめです。 また、バラ栽培で選ぶ鉢のサイズ目安は以下のとおりです。 木立性:8号鉢(直径24cm)以上 半つる性:10号鉢(直径30cm)以上 ミニチュア系(ミニバラ):7号鉢(直径21cm)以上 ホームセンターではさまざまなデザインの鉢が販売されています。育てる品種や置き場所に合わせて、お好みの鉢を選んでみてくださいね。 ▶プラスチック鉢の商品を見てみる ▶素焼き鉢の商品を見てみる バラの育て方 気品が高い印象をもつバラは、初めての栽培では難しいと感じる方も多いでしょう。しかし、基本的な育て方を押さえれば、バラは簡単に育てられる丈夫な植物です。 ここでは、置き場所や水やりの仕方、肥料の与え方など、バラを美しく健康に育てるためのポイントをご紹介します。 日当たり・置き場所・温度 バラの栽培では、日当たりと風通しの良い場所を選んでください。1日の日照時間は5~6時間以上を目安に、たっぷりと日光が当たる場所で育ててあげましょう。 日当たりや風通しが悪くなると株が弱まり、病害虫が発生しやすくなります。日当たりが良くなるように高さを出したり、周りの鉢との間隔は30cm以上あけて置いたりして調整しましょう。 バラの耐暑性や耐寒性は品種によって異なります。初心者の方は、病気に強く育てやすい品種を選ぶのがおすすめです。 植え付け方 バラの植え付けは、苗が流通する4〜6月と9月下旬〜3月におこないます。春の新苗は、霜が降りなくなったらなるべく早く植え付けて、夏までに根をしっかりと活着させておくことが成功させるためのコツです。 初心者の方は、育てやすい大苗が流通してから年内に根を活着させられる9月下旬〜10月に植え付けるのがおすすめ。大苗を秋に植え付ける手順とポイントは以下を参考にしてください。 鉢底石とバラ専用土を鉢底に入れる 接ぎ口の部分を土から出るように植え付ける 鉢底から流れ出るまでしっかりと水を与える 大苗に新芽が出ていない場合は、根をほぐしながら根鉢についた土を軽く落とします。新芽がすでに伸びている場合は、根をくずさずに植えてください。四季咲き種などで蕾(つぼみ)が付いている場合は蕾のみを取り除き、新芽や葉はそのまま残します。 水やりの仕方 バラは乾燥に強いものの、鉢植えでは水切れで葉が黄色くなり枯れてしまうおそれがあります。ただし、水のやりすぎは株が弱る原因となるため、表土が乾いたタイミングで水をたっぷりと与えてください。 水やりの際は、株元にやさしく与えることがポイントです。土の跳ね返りを防ぎ、葉に水がかからないようにすると病害虫予防につながります。夏は朝と夕方の涼しい時間帯、冬は晴れた日の午前中におこないましょう。 乾燥しやすい夏場は、ハダニ防止のためにときどき葉水を与えることも有効です。 肥料のやり方 美しい花を咲かせるバラには肥料が欠かせません。しかし、肥料の与えすぎは病害虫にかかる原因となるため注意が必要です。 また、化成肥料を与えすぎると、花弁数が増えて開花しにくくなるおそれがあります。初心者の方は、バラ専用肥料を使用し、規定量を守って与えるようにしましょう。 剪定の仕方 低木に分類されるバラは、剪定をして株を整えながら育てることが大切です。木立性やつる性、品種によって剪定の仕方は異なりますが、基本の剪定についてご紹介します。 咲がら切り(花がら切り) 咲がら切り(花がら切り)とは、次の花を咲かせるためにおこなう剪定のことです。 一番花の咲き終わりごろ、枝の中間くらいにある大きな5枚葉の上を目安に切り取ってください。咲がら切りをすることで、次の花芽が早く出るようになり、およそ40日で次の開花を楽しめるでしょう。 二番花と三番花の咲がら切りも基本的に同じ方法でおこないます。二番花は一番花が終わってから伸びた枝、三番花は二番花が終わってから伸びた枝の中間くらいにある大きめの5枚葉の上で切り取りましょう。 夏剪定 秋に美しい花を咲かせるためにおこなう夏剪定は、春と秋に花を楽しめる四季咲き性のバラに必要な手入れです。暑さが和らぐ8月下旬~9月上旬頃が適期です。一季咲き性のバラは基本的に夏の剪定は必要ありませんが、枝が混み合って通気性が悪くなっている場合は軽く剪定しておくとよいでしょう。 夏剪定のポイントは、伸びているすべての枝を切ること。二番花の枝の中間を目安に枝を切りそろえると、秋に花が一斉に咲く姿を楽しめますよ。 冬剪定 バラの休眠期におこなう冬剪定は、株を更新して春の開花に備えるための大切な手入れで、四季性のバラ、一季性のバラいずれもおこないます。バラの根が動きはじめ、芽が動き出す直前の1~2月を目安におこなってください。 冬剪定のポイントは、一番花の開花枝を切ること。株の中心からみて外側にある芽の5mmほど上で切り取りましょう。 また、古くなった枯れ枝や病気の枝は、つけ根から切り取ります。仕立てたい形によって切る場所を調整しますが「太い枝・かたい枝」は浅めに切り「細い枝・やわらかい枝」は深めに切ることを基本に整えていきましょう。 バラの病害虫対策 バラ栽培を成功させるためのポイントは、病害虫対策をしっかりとおこなうこと。ほかの花木に比べて病気や害虫の被害を受けやすいため、対策を徹底して健康なバラに育てていきましょう。 バラの薬剤には主に以下の2つがあります。 1.殺菌剤 病気の防除に使われる薬剤。病気が発生する前に散布するタイプと、病気が発生したあとに散布するタイプがあります。 2.殺虫剤 害虫の防除に使われる薬剤。発生する害虫に合わせて薬剤を選びます。 バラの病害虫防除では、基本的に殺菌剤と殺虫剤を組み合わせて散布します。それぞれの薬剤の希釈率(水にうすめる割合)と組み合わせを間違えないよう、薬剤の注意事項をよく読んで使用してください。 ▶殺虫殺菌剤の商品を見てみる バラ栽培で注意する病害虫と対策についてもみていきましょう。 黒星(くろほし)病(黒点病) 黒星病は、葉に3mmほどの黒点があらわれる病気で黒点病とも呼ばれます。4〜11月の20〜25℃のときに発生しやすく、雨に当たるとあっという間に感染が広がるため、梅雨時期の防除で感染を防ぐことが大切です。 バラの2大病気といわれる黒星病ですが、雨に当たらない場所では発生しません。鉢植えの場合は、梅雨に入る前に軒下へ移動させるとよいでしょう。 うどん粉病 うどんこ病は、春と秋の涼しい季節になると発症するおそれがあります。若い葉に白いうどん粉(小麦粉)をまぶしたような状態になるのが特徴です。 風通しが悪く、枝が混みすぎている場合に発症しやすいため注意しましょう。うどん粉病にかかったら、葉の表裏についた粉を洗い流すように薬剤を散布してください。 根頭ガン腫病 根頭ガン腫病は、季節を問わず発生するおそれがある病気。土の細菌から感染し、根の頭である地際にこぶ状の突起がみられます。 根頭ガン腫病にかかっても、すぐに枯れることはないため、ナイフなどでこぶをえぐり取って様子をみてください。新しいバラに植え替える際には、土の農薬処理をおこないます。 苗を購入したら、根にこぶがついていないかを確認しておくと安心です。また、湿度の高い土は菌が多いため、水はけの良い環境で育てて対策していきましょう。 関連記事 植物の病気対策のやり方|観葉植物や家庭菜園に使える予防法・対処法を解説 ハダニ ハダニは、5〜11月に葉の裏や蕾に発生する害虫。高温かつ乾燥した環境を好み、真夏に大発生するため、梅雨の間に防除することがポイントです。 発生したら水で洗い流し、殺ダニ剤で駆除してください。ハダニはとくにミニバラに付きやすいため、定期的に葉裏を確認して早めに対処していきましょう。 アブラムシ アブラムシは、4〜11月の新芽や蕾に付きやすい害虫です。1〜2mmほどの大きさで密集してバラの養分を吸い、排泄物は病気につながるおそれがあります。 アブラムシは大量に発生すると捕殺が難しくなるため、早期に発見して対処することが大切です。剪定で風通しを良くするほか、新芽が出る春と秋には薬剤を散布しておきましょう。 コガネムシ コガネムシは光沢のある甲虫で、バラの根や花、葉を食害する害虫です。花や葉を食害する成虫は5〜9月、根を食害する幼虫は8〜10月に発生します。 幼虫が根を食い荒らすと鉢植えでは枯れてしまう可能性が高いため、みつけたらすみやかに取り除いてください。植え替える際は、土の中に幼虫がいないかをよく確認しておくとよいでしょう。 関連記事 ガーデニングの害虫対策!初心者でも簡単にできる方法を紹介 ▶園芸農薬の関連商品を見てみる バラの育て方は難しくない!きれいな花と栽培を楽しもう バラの栽培は、ポイントを押さえれば決して難しくありません。バラが好む環境で正しい手入れをおこなえば、初心者でも美しい花を楽しめます。 バラを育てることで、庭やベランダが華やかになり、季節ごとの変化を感じられるでしょう。花が美しく咲いたときの喜びと達成感を味わえるバラの栽培に、ぜひ挑戦してみてください。 ガーデニング用品の特集を見てみる
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