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腐葉土(落ち葉堆肥)の作り方|簡単にできる方法と失敗しないコツ

腐葉土(落ち葉堆肥)の作り方|簡単にできる方法と失敗しないコツ

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畑やプランターでおこなう野菜作りや花壇作りに欠かせない腐葉土。腐葉土を土に混ぜることで、生物のバランスを整えたり、排水性や通気性を改善したりする効果がのぞめます。

腐葉土は落ち葉を原料とした植物性堆肥の一種。手作りのものは落ち葉堆肥と呼ばれ、自宅や農場で簡単に作ることが可能です。本記事では、簡単で失敗しにくい腐葉土(落ち葉堆肥)の作り方をご紹介します。

腐葉土(落ち葉堆肥)は簡単に作れて便利に使える

腐葉土(落ち葉堆肥)は簡単に作れて便利に使える
腐葉土は堆積した落ち葉がミミズなどの虫や微生物によって長い時間をかけて分解され、土状になったものです。自然界では数年以上かかる工程ですが、人工的に落ち葉を発酵させることで5〜9カ月で簡単に作ることができます。

一般的には市販品を腐葉土、手作りのものを落ち葉堆肥と呼ぶことが多いです。

まずは、腐葉土(落ち葉堆肥)の効果や使い方など、基本的な情報を見ていきましょう。

腐葉土(落ち葉堆肥)の効果

腐葉土は土の環境をより良くする改良用土(補助用土)で、土に混ぜ合わせて使います。

腐葉土には、植物を育てるための肥料成分が少ないため、肥料として使うことはできません。しかし、微生物が好む有機物を多く含んでおり、時間が経つにつれて微生物が増えることで、土壌の環境を改善する用土として活用できます。また、土の排気性や通気性を改善し、柔らかくする効果もあります。

さらに、同じ場所で同じ種類の植物を育て続けると発生する連作障害にも腐葉土は有効です。連作障害は土の中に細菌・カビ・害虫が大量発生し、植物を枯らせる現象で、土の栄養素や生物バランスの崩れが原因。連作障害で痩せた土を再生させるためにも腐葉土が使われています。

腐葉土(落ち葉堆肥)の使い方

腐葉土は土壌改良のほかにも、次のような使い方が可能です。

  • マルチングの資材
  • 培養土の材料
  • カブトムシ用の土

腐葉土は通気性・保肥性・保水性を兼ね備えるため、通常は黒色のポリエチレンフィルムで覆うマルチングに使用します。腐葉土でのマルチングは、土の保温・保湿に効果的です。

また、市販の培養土にも腐葉土が使われています。培養土とは、土をベースに、植物が育ちやすいように肥料を混ぜたもの。市販の培養土には肥料として、腐葉土・ピートモス・バーミキュライトなどが混ぜられています。もちろん、手作りした腐葉土(落ち葉堆肥)も土に混ぜることで、培養土として使用可能です。

さらに、カブトムシの幼虫は腐葉土を食べるため、カブトムシの生育にも役立ちます。手作りの場合は問題ありませんが、市販の腐葉土をカブトムシ用に使う場合は、殺虫成分が含まれていないかを確認しましょう。
 

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落ち葉で堆肥を作るときに必要なもの

落ち葉で堆肥を作るときに必要なもの
腐葉土(落ち葉堆肥)を作るために必要なものは次のとおりです。

  • 落ち葉(広葉樹がおすすめ)
  • 黒土
  • 堆肥枠(ビニール袋でも代用可能)
  • 発酵を促進するもの(米ぬかや発酵促進剤)

単純に落ち葉を積み重ねるだけでは発酵しなかったり、完成しても量が少なかったりすることがあります。必要な道具を用意し、適切な場所に設置して発酵させましょう。それぞれの道具の特徴や、選び方のポイントをご紹介します。

落ち葉

落ち葉
腐葉土(落ち葉堆肥)は、基本的に落ち葉を集めて発酵させれば完成しますが、向いている葉とそうでない葉があります。落ち葉堆肥には広葉樹の葉がおすすめ。向いている葉は次のとおりです。

  • ケヤキ
  • クヌギ
  • ナラ

腐葉土(落ち葉堆肥)に向いている葉の共通点は、水分量と樹脂分が少ないことで、発酵のしやすさに違いが出ます。なかでも、集めやすいケヤキがおすすめです。

反対に、次のような葉は広葉樹であっても落ち葉堆肥に向いていません。

  • クスノキ
  • モチノキ
  • カキ

葉が肉厚でツヤがあり、樹脂分が多いタイプは発酵しにくいため、腐葉土(落ち葉堆肥)には不向きです。木の種類がわからない場合は、落ち葉の特徴を観察して判断しましょう。

落ち葉を集める際は、熊手と大きめのビニール袋を使用します。たくさんの落ち葉を集めるために、大容量のゴミ袋を用意しましょう。

Tips
木の枝は落ち葉と比べて微生物が分解するのに時間がかかります。発酵の進み具合にバラつきが生じてしまうため、良質な腐葉土(落ち葉堆肥)を作るうえでは取り除くことをおすすめします。

黒土

黒土
腐葉土(落ち葉堆肥)を作る際は、落ち葉の上にかぶせる表土も必要です。ポイントは発酵を促進させる微生物の量。おすすめは黒土で、なかでも微生物が多い山や畑の土が適しています。

土の色が黒や茶色であれば、庭の土も使えます。白っぽい、砂っぽい土質は落ち葉堆肥に不向きなため、ない場合は市販の黒土を使用しましょう。

堆肥枠

堆肥枠
堆肥枠とは、落ち葉と土をためて発酵させる場所のことです。一般的には木の板材・コンパネ・ベニヤ板などを使った手作りの堆肥枠や、堆肥づくり専用の樹脂製コンポスターが使われています。

排水性と通気性を確保すれば、市販のビニール袋や衣装ケースも堆肥枠として使用可能です。縦横1mくらいのスペースを確保しましょう。場所を確保できないときや、落ち葉の数が少ないときにおすすめの方法です。

ビニール袋で堆肥枠を作る場合は、水分がたまらないよう底に穴を開けます。袋を重ねたり、破れにくい袋を使ったりして、壊れないように工夫しましょう。

より本格的に作りたい場合は、ビニール袋と同じ要領で穴を開けた衣装ケースがおすすめ。酸素が入るように蓋を開けたり、空気穴を開けたりして、劣化しないよう日陰に設置します。

庭の土を使う場合は、掘った穴を堆肥枠としてそのまま使っても問題ありません。かき混ぜやすさと排水性を重視して、深さは20cmほどにしましょう。

堆肥枠に落ち葉を積んだら、最後に水を入れます。量の目安は、力をかけると落ち葉から水がにじみ出る程度。落ち葉堆肥に使用する水は、雨水や水道水の塩素を抜いたものがおすすめです。

タイミングよく雨水を用意できないときは、水道水を日光にさらして塩素を抜きましょう。半日〜1日ほど日光に当てると塩素を取り除けます。

発酵を促進するもの

発酵を促進するもの
落ち葉の発酵を促すために、米ぬかも一緒に入れましょう。微生物を増やすために、加熱していないものを使うのがポイントです。

米ぬか以外に、油かす・生ごみ、畑や山の土を使っても発酵を促進できます。上記の材料をそろえることが難しい場合や、初めての方で失敗したくない場合は、市販の発酵促進剤を使ってみてください。市販品のほうが、落ち葉を分解するスピードが早くなる可能性があります。また、ニオイを抑えながら腐葉土(落ち葉堆肥)を作れる点も、発酵促進剤のメリットです。

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スコップやクワ

腐葉土(落ち葉堆肥)を作る際には、定期的にスコップやクワで全体を混ぜる必要があります。大量の落ち葉を掘り起こすため、大きくて丈夫なスコップやクワを用意しましょう。腐葉土(落ち葉堆肥)は湿り気があるため、サビに強いステンレス鋼がおすすめです。

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腐葉土(落ち葉堆肥)の作り方

腐葉土(落ち葉堆肥)の作り方
専門的な知識が必要なイメージがある腐葉土(落ち葉堆肥)作りですが、ポイントを押さえれば誰でも簡単に作れます。

基本的な作り方の手順は次のとおりです。

  1. 堆肥場を作る
  2. 堆肥場に落ち葉を積み重ねる
  3. 上から土をかける
  4. 定期的にかき混ぜる(月1回)

腐葉土(落ち葉堆肥)が完成するまでには、5〜9カ月程度の期間が必要です。各手順のポイントを詳しく解説していきます。

ステップ1:堆肥場を作る

まずは、腐葉土(落ち葉堆肥)作りに必要なスペースを確保しましょう。風通しや水はけが悪いと腐葉土(落ち葉堆肥)に含まれる水分が多くなりすぎて腐ってしまう恐れがあります。できるだけ風通しが良く、排水性に優れた場所を選びましょう。堆肥場として、縦横1mほどの広さを用意します。

堆肥場が決まったら堆肥枠を設置しましょう。板でコの字に囲うほか、深さ20cmほどの穴を掘って堆肥枠とすることもできます。黒色や茶色の土が掘れる場合は、落ち葉を土に埋める作業でそのまま活用できる点がメリット。おすすめは畑の土です。

ステップ2:落ち葉を積み重ねる

堆肥枠や穴に落ち葉を積み重ねていきます。落ち葉を20cmほど積み重ねたら、発酵を促進する米ぬかや油かすを少量ずつ、全体へ行き渡るようにまぶします。水をたっぷりとまいて踏み固めたら、1段目は完成です。

その後も落ち葉、発酵を促進する材料の順で、サンドイッチ状に積み重ねて手順を3〜4回繰り返します。落ち葉の高さが40〜100cmになったら完成です。

水の量は、踏み固めるときににじみ出る程度が目安。落ち葉の量が多いと、温度を一定に保てるため失敗が少なくなります。

ステップ3:土をかける

積み重ねた落ち葉が隠れるように、まんべんなく土をかけます。最後に、雨よけを作って温度を上げやすくするために、ブルーシートをかけましょう。

ブルーシートをかけておくと、乾燥を抑えるほか、雑草の発芽を抑制して栄養素をとどめる効果も得られます。

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ステップ4:月に1回かき混ぜる

腐葉土(落ち葉堆肥)を作るうえでとくに重要なのが、定期的にかき混ぜる「切り返し」の作業です。目安は月に1回。積み重ねた落ち葉の中に空気が入るよう、全体的にかき混ぜます。穴を掘って堆肥場を作った場合は、水がたまりやすくなっているため、かき混ぜる頻度を増やしてください。

落ち葉の発酵は微生物がおこなうため、酸素を適切に供給すると発酵がスピーディに進みます。かき混ぜるときに水分量を調整することも大切。乾燥しすぎず、水分量が多くなりすぎないように調整しましょう。
3カ月が過ぎるまでは、落ち葉や米ぬかを少量ずつ追加して量を増やすこともできます。

落ち葉堆肥作りで失敗しないコツ

落ち葉堆肥作りで失敗しないコツ
少ない材料で作れる腐葉土(落ち葉堆肥)ですが、水分量を間違えたり、空気の通りが悪かったりすると腐敗するおそれがあります。大切なのは、完成の見極めと適切な管理です。ここでは、腐葉土(落ち葉堆肥)作りで失敗しないためのコツをご紹介します。

腐葉土(落ち葉堆肥)の完成

目安として5〜9カ月で腐葉土(落ち葉堆肥)が完成します。山や森の土に似た香りが、腐葉土(落ち葉堆肥)の完成を知らせる合図。落ち葉の形がほとんどなくなり、土のような見た目に変わっているはずです。

落ち葉は次の段階を経て腐葉土(落ち葉堆肥)へと変化していきます。

  1. 糸状菌(カビの仲間)が増えて、落ち葉の分解が始まる
  2. 放線菌(細菌)が増えて、糸状菌が減る

早過ぎる段階で、堆肥として土に混ぜないように注意してください。糸状菌は野菜の病原菌でもあるため、この段階では堆肥として使用できません。

ニオイが正常であれば、目的に応じて発酵度合いを調整してみてください。通気性や水はけが良い堆肥にする場合は葉のかけらが残った状態、水はけが良い土地で野菜を生育するために使う場合は完全に分解した状態の腐葉土(落ち葉堆肥)が適しています。

空気と水分が大事

腐葉土(落ち葉堆肥)作りでは空気の入れ替えと水分量の調整が重要です。微生物が過ごしやすい環境を意識することがポイント。微生物の呼吸用に新しい酸素を供給し、活動しやすい50〜60%の水分量を保持しましょう。落ち葉を握ってみて、隙間から水がにじみ出るくらいが目安です。

発酵過程でドブのようなニオイがしたら、腐敗が進んでいる証拠。空気の通りが悪く、水分量も多い可能性があるため環境を見直しましょう。

腐葉土(落ち葉堆肥)の作り方は簡単!早速チャレンジしてみよう

腐葉土(落ち葉堆肥)の作り方は簡単!早速チャレンジしてみよう
痩せた土地も微生物の力で再生させる腐葉土。腐葉土は落ち葉と発酵を促進する材料を加え、定期的に管理することで短期間で人工的に作ることができます。

水分量や空気の入れ方に気をつける必要はありますが、月1回を目安に、かき混ぜながら状態を確認すれば、失敗なく簡単に作ることが可能です。腐敗や病気の原因となる菌を増やさないように、本記事でご紹介したコツを押さえて腐葉土(落ち葉堆肥)作りにチャレンジしてみてください。

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