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【獣医師監修】パピヨンの性格は?飼い方・しつけが大事な理由を詳しく解説

【獣医師監修】パピヨンの性格は?飼い方・しつけが大事な理由を詳しく解説

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「パピヨン」は、身体の大きさとしては小型犬に分類されるものの、大きくて豪華な耳やボリュームのある全身の毛のおかげで抜群の存在感を放っています。優美な見た目や、愛くるしいしぐさに魅了され、家族としてお迎えしたいと考えている方は多いでしょう。

本記事では、パピヨンの基本的な性格や飼い方のポイントなどを詳しく解説していきます。これからパピヨンを飼う方はもちろん、すでに生活を共にしている方にとっても役立つ内容をまとめているので、ぜひ参考にしてください。

パピヨンの性格・特徴

パピヨンの性格・特徴

大きな耳や、耳から垂れる長い毛が特徴的な「パピヨン」の名前は、フランス語で「蝶」という意味を持ちます。まるで美しい蝶の羽のような、ボリュームのある耳の見た目が由来となっており、気品のある姿が今も昔も多くの人に愛されている犬種です。

かつて中世ヨーロッパの上流階級でも愛され、明るくて友好的な性格の子が多いため、初心者でもお世話がしやすいといわれています。

性格

パピヨンは身体を動かすことが大好きです。散歩や運動に行けば、喜んで走り回る姿を見せてくれるでしょう。さまざまなものに興味を持って大胆に近寄ったり、初めて会う人や犬ともすぐに仲良くなったりと、非常に好奇心が旺盛です。

また、比較的しつけがしやすく、教えたことをすぐに理解して実践する賢い一面や、飼い主さんに構ってほしくてくっ付く甘えん坊な一面もあります。個体差はありますが、どちらかというと人懐っこい性格の持ち主であるため、犬を飼うのが初めての方にもぴったりの犬種です。

大きさ

パピヨンは体高が約20〜28cm、体重は約2〜5kgと、小型犬に分類されるコンパクトな体格が特徴です。しかし、少し高めの体高や、大きな耳や尻尾から垂れる毛の影響で、実際の体格より大きく見える個体もいます。

そのため、小型犬のなかでも大きな犬を飼いたいと考える方や、被毛のボリュームや美しさを重視する方に人気があります。

被毛

パピヨンの最大の特徴である長くて美しい被毛には、さまざまな毛色やパターンがあります。基本的にはホワイトの被毛がベースとなっており、顔や背中を中心に茶褐色の毛が混ざった「ホワイト&セーブル」や、黒色の毛が混ざった「ホワイト&ブラック」などが代表的です。

ほかにも、赤みの強い「ホワイト&レッド」や、色が三種類混ざった「トライカラー」などの毛色パターンもあります。

また、パピヨンの被毛は「シングルコート」と呼ばれる、比較的抜け毛が少ないタイプのため、お手入れがしやすい点も魅力です。

平均寿命

パピヨンの平均寿命は14~15歳です。犬全体の平均寿命は14.2歳のため、ほとんど平均と変わらない寿命といえるでしょう。

しかし、もちろん病気やケガの有無、飼育環境によって寿命は大きく変わります。一日でも長く一緒に過ごせるよう、適切なお世話の方法や万が一の事態に備えた知識を頭に入れておきましょう。

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パピヨンの性格と飼ううえでの注意点

パピヨンの性格と飼ううえでの注意点

生き物を飼ううえで、ペットの性格をきちんと把握しておくことは非常に重要です。性格に合わせた飼い方やアイテムを選択し、飼い主さんと愛犬の両方にとって負担の少ない生活を送りましょう。

お留守番は苦手

パピヨンはとても甘えん坊な性格の持ち主で、飼い主さんと一緒に過ごす時間が大好きです。そのため、一匹で過ごすことがあまり得意ではなく、長時間のお留守番は寂しさからストレスを感じてしまう子も少なくありません。

お留守番はなるべく短時間にして、家の中には常に誰かが居るような生活スタイルを心がけましょう。

十分な運動が必要

身体を動かすことが大好きなパピヨンには、毎日の十分な運動が不可欠です。運動欲求が満たされないことで、要求吠えや噛むといった問題行動を起こし、どんどん性格が悪い方向へと変化してしまうおそれがあります。

散歩に連れて行ったり、公園や部屋の中で一緒に遊んだりしながら、愛犬がストレスを感じないような工夫をしてください。性格や体力によって必要な運動量には差があるため、適切なラインを見極めることも大切です。

パピヨンの性格をふまえた上手な飼い方

パピヨンの性格をふまえた上手な飼い方

好奇心旺盛で活発、さらに甘えん坊で寂しがりやといったパピヨンの性格をふまえて、家族としてお迎えすることが決まったら、まずは適切な飼育環境を整えてあげましょう。

パピヨンにとって負担の少ない飼い方を選択したうえで、必要なお世話のグッズは飼い主さんにとって使いやすいものを選ぶのがおすすめです。

飼育環境

活発で身体を動かすことが好きなパピヨンにとって、滑りやすいフローリングの床はケガの原因となります。滑って骨折や脱臼をしたり、日常的に足に負担がかかったりとリスクが大きいため、パピヨンが生活するスペースにはなるべく滑りにくい床材を選んでください。

Tips
フローリングの床にタイルカーペットやタイルマットを敷いたり、ペット専用のワックスを塗ったりすると、滑りにくくなります。

また、危険が多い場所や入ってほしくない場所には仕切りをする、サークルを使用してきちんと行動範囲を制限するなど、家庭に合った工夫をすることも大切です。

パピヨンを家族としてお迎えする際、すでに先住犬がいるパターンや、将来的に頭数を増やしたいと考えている場合もあるでしょう。それぞれの性格や相性によって多頭飼いの難しさは異なりますが、パピヨンは基本的に友好的な性格のため多頭飼いに向いています。相性にもよりますが、猫やうさぎといったほかの動物とも仲良くできる犬種です。

しつけ

賢くて学習能力が高いパピヨンはしつけがしやすく、犬を飼うのが初めての方にもおすすめです。しかし、賢いからこそしつけの方法を間違えてしまうと、飼いやすい犬種から飼いにくい犬種へと変わってしまうため注意しましょう。

パピヨンは警戒心が強いため、幼いころの「社会化期(生後3〜12週齢)」を利用してしっかりと社会性を身につけさせます。ほかの人や動物と触れ合う機会を設けたり、無駄吠えや噛むことはダメだと教えたりするのはこのタイミングです。

しつけや簡単な訓練を実施する際、上手にできたときは高く明るい声でたくさん褒めてあげましょう。一方で、悪いことをしたときは低い声ではっきりと叱るのがメリハリをつけるコツです。ただし、過度に叱りすぎて愛犬に強いストレスを与えないように気をつけて、上手に信頼関係を築いてください。

散歩

パピヨンの散歩は毎日2回、1回につき30分〜1時間程度の実施が理想です。愛犬の性格や体格にもよりますが、基本的には十分な運動を必要とするため、なるべく積極的に身体を動かす時間をつくってあげましょう

公園やドッグランなどを利用して、一緒に走ったりボール遊びをしたりすることもストレス発散や体力づくりに役立ちます。運動能力の高さを活かしてドッグスポーツに挑戦するのも、愛犬と飼い主さんの両方が楽しめる良い機会です。

お手入れ

パピヨンの健康や、魅力的な美しい被毛を維持するためには、適切なお手入れが欠かせません。基本的なブラッシングをはじめ、爪切りや歯磨きといったケアのやり方について見ていきましょう。

ブラッシング

パピヨンはシングルコートで換毛期がなく、抜け毛が少ない点が魅力の一つです。しかし、長い毛がもつれたり汚れたりすることもあるでしょう。見た目の美しさはもちろん、パピヨンの健康を守るためにも「ブラッシング」は積極的に実施することをおすすめします。

お手入れがしやすい犬種ですが、ブラッシングは少なくとも週に2〜3回はおこないましょう。もつれや汚れが気になったタイミングで、ピンブラシやコームを使い分けながらやさしく丁寧に毛を整えてあげます。汚れが気になる部分はウェットティッシュやタオルなどで拭き取り、定期的にシャンプーをして清潔な状態を保ってください。

爪切り

爪を持つ動物と一緒に暮らす場合は、定期的に「爪切り」をしてあげる必要があります。人間と同じように、犬や猫の爪も時間の経過とともに伸び続けるため、放っておくとどんどん長くなってしまうでしょう。

爪が長いまま生活をすると、肉球に刺さってケガをしたり、爪が折れたりするおそれがあり非常に危険です。長い爪が気になって歩き方が変になってしまうこともあるため、2週間〜1か月に1回ほどの頻度で爪切りを実施してください。

パピヨンの爪を切る際には、犬用の爪切りを用意して1本ずつ丁寧に切っていきます。血管を切らないように注意しながら、少しずつ先端を削っていくイメージで短くしていきましょう。

また、愛犬が爪切りを嫌がって暴れる場合、無理に続行するとトラウマになりかねません。休憩を挟みながらおこなうか、病院やサロンなどのプロに頼むのがおすすめです。

歯磨き

爪切りと同じように、動物を飼ううえで欠かせないケアの一つに「歯磨き」があります。歯周病や口臭といった口腔内のトラブルを避けるためにも、毎日行うのが理想です。難しい場合は最低でも2〜3日に1回の頻度でしてあげてください。

パピヨンの場合は、犬用の歯ブラシや歯磨き粉を使用します。人間用と同じようなブラシタイプをはじめ、指サックやシートなどさまざまな形状の歯ブラシが展開されているため、愛犬が嫌がらず飼い主さんが使いやすいものを選んでください。

最初はきっと怖がったり嫌がったりしてしまうため、少しずつゆっくりと慣れさせていきましょう。まずは「マズル」と呼ばれる口周りの部分を触られることに慣れさせて、徐々に歯や歯茎に触れていきます。触られることに抵抗がなくなったタイミングで歯磨きを実施し、うまくできたら都度褒めてあげてください。爪切りと同様に、決して無理をさせないことが大切です。

▼関連記事
犬の歯磨きの頻度は毎日が正解!磨く方法と嫌がるときの対処法

パピヨンがかかりやすい病気

パピヨンがかかりやすい病気

愛犬と一日でも長く一緒に過ごすためには、適切な健康管理が重要です。万が一病気になってしまっても、正しい知識を持っていれば慌てずに対処できます。

ここでは、パピヨンがかかりやすい代表的な病気を3種類ご紹介します。しっかりと目を通して、特徴や治療方法について理解しましょう。

膀胱結石などの泌尿器疾患

排尿の際に愛犬が痛そうにしていたり、おしっこの量や色に違和感を感じたりした際には「膀胱結石」をはじめとした泌尿器疾患を疑ってみてください。膀胱結石は、悪化すると外科手術が必要となり、膀胱の機能に影響が出るおそれがあります。

また、血尿や頻尿などの症状がある場合には悪性腫瘍ができている可能性があり、進行すると完治は非常に困難です。

愛犬のトイレの様子や排泄物に違和感を覚えたら、早めにかかりつけ医に診てもらいましょう。尿検査やレントゲン検査などで異常を見つけて、食餌療法や手術にて治療をおこないます。

膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)

パピヨンのように骨が細い犬種や活発な性格の犬がよくかかりやすく、小型犬に多い病気の一つに「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」があります。別名を「パテラ」といい、膝蓋骨が正しい場所からズレることで痛みが生じ、歩行に影響が出る病気です。

症状が軽いうちは、生活環境の改善や減量などの保存療法を実施します。しかし、症状が重い場合には手術が必要となり、愛犬にかかる負担も大きくなってしまうため、気になる症状を見つけたら早めに検査をしてください。

歯周病・歯肉炎

「歯周病」や「歯肉炎」といった口腔内のトラブルもパピヨンがかかりやすい病気です。症状は人間と同じく、歯肉や歯周組織が炎症することによって痛みが生じたり、出血や腫れといった異常が見られたりします。

歯磨きをしっかりとしてあげることで予防できるため、小さいころから口まわりを触られることに慣れさせて、定期的に口腔内をチェックしましょう。歯周病や歯肉炎の状態が悪化した場合、歯石の除去や抜歯が必要です。さらに状態が悪化して手術が必要になった場合、安全に麻酔がかけられるかどうかを判断するため、血液検査やレントゲン検査を行います。愛犬への負担が非常に大きいため、飼い主さんの健康管理が重要です。

パピヨンの性格を良く知ったうえでお迎えしよう

パピヨンの性格を良く知ったうえでお迎えしよう

パピヨンは、明るく活動的で好奇心旺盛な性格の持ち主が多い傾向があります。社会化期の過ごし方次第では、警戒心が強かったり甘えん坊だったりと、個性も出やすい犬種のため、家族として迎えた際にはまず愛犬の性格をじっくりと理解してみましょう。

本記事を参考にして、性格に合わせたお世話をしながら、魅力たっぷりなパピヨンと過ごす時間を楽しんでみてくださいね。

この記事を監修した人

小松 智彦

小松 智彦

獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。
20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。

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