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クリスマスローズの育て方|初心者でも簡単な栽培方法を紹介

クリスマスローズの育て方|初心者でも簡単な栽培方法を紹介

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寒さに強く、冬に咲く美しい花として人気があるクリスマスローズ。丈夫で育てやすく、鉢植えでも地植えでも育つため、ガーデニング初心者の方におすすめの花です。

本記事では、自宅で手軽に育てられるクリスマスローズの基本情報や栽培のコツを詳しくご紹介します。初心者でも簡単なクリスマスローズの栽培方法を知って、美しい花を楽しみましょう。

クリスマスローズの基本情報

花が咲いている紫色のクリスマスローズ

まず、クリスマスローズの基本情報について確認していきましょう。

科名 キンポウゲ科
属名 ヘレボルス属
和名 クリスマスローズ
英名 hellebore
学名 Helleborus
別名 ヘレボルス・ニゲル、カンシャクヤク(寒芍薬)、雪起こし
原産地 なし(園芸種)
分類 多年草(宿根草)
販売時期 10~3月
開花時期 1~3月
耐暑性 普通
耐寒性 強い

クリスマスローズはキンポウゲ科の多年草(宿根草)で、冬から春にかけて花を咲かせることが特徴です。日本では、クリスマスの時期に咲く「ニゲル」という品種の英名「クリスマスローズ(christmas rose)」から、ヘレボルス属の総称としてクリスマスローズと呼ばれています。

もともとは地味な印象のクリスマスローズですが、交配によりさまざまな花色や形が誕生しています。希少性のある花には高値が付くこともあり、自分だけのお気に入りの花色を探す楽しみがあります。

クリスマスローズを育てるために必要なもの

鉢に植えられている白色のクリスマスローズ

クリスマスローズは、地植えとして花壇に植えても、鉢植えとしてプランターに植えても元気に育てられます。

健康な株に育てるための苗の選び方や必要な道具をご紹介します。

苗の選び方

クリスマスローズの苗は、主に3つの種類があります。

  1. 2.5~3号ポット(2年生苗)
  2. 開花見込株(3年生苗)
  3. 花付きの開花株

2〜3年生苗は10月ごろから流通がはじまり、2〜3月は開花株を入手できます。2年生苗は花が咲くまでに1年以上育てる必要があるため、すぐに花を楽しみたい方は注意してください。

また、良い株を選ぶポイントは以下を参考にしてください。

  • 花や葉に黒いしみなど変色がない
  • 新葉の色が良くツヤがある
  • 茎や芽が太く充実している

無茎種の原種は、時期によっては傷んでいる場合もありますが問題ありません。また、株によって花色が異なるため、苗の状態だけではなく花色にも注目してお気に入りを選んでください。

Tips
クリスマスローズには「有茎種」と「無茎種」に大別されますが、一般的に流通しているのは「無茎種」です。

  • 有茎種:株元から伸びた太い茎に葉と花を付ける。常緑性の品種がほとんど。
  • 無茎種:根茎(こんけい)と呼ばれる太くて短い地下茎を持ち、葉と花を別々の茎に付ける。常緑性と落葉性の品種がある。

用意する道具

クリスマスローズを育てるために必要なものは以下のとおりです。

  • クリスマスローズの苗
  • プランターや鉢
  • 培養土
  • 鉢底石と鉢底ネット
  • 肥料
  • スコップ
  • ジョウロ
  • 園芸ハサミ
  • マルチング材(バークチップなど)

多年草のクリスマスローズは徐々に大きくなるため、鉢植えにする場合、苗より二回りほど大きい鉢を用意しましょう。また、水はけの良い土を好むため、鉢底石を入れたうえで、排水性の良い土で育ててください。

クリスマスローズの育て方

花壇に植え替えられているクリスマスローズ

丈夫で育てやすいクリスマスローズですが、ガーデニング初心者の方にとっては、わからないことが多いでしょう。ここでは、置き場所や水やりの仕方、剪定やふやし方など、クリスマスローズをうまく育てるためのポイントをご紹介します。

クリスマスローズの花を毎年きれいに咲かせるためのコツを知って、冬のガーデニングを楽しみましょう。

日当たり・置き場所・温度

クリスマスローズの栽培では、日当たりと風通しの良い場所を選んでください。ただし、半休眠期となる夏は直射日光に弱いため、5〜9月ごろは半日陰に移して管理します。

地植えの場合は、冬に日当たりが良く、夏は明るい半日陰となる落葉樹の足元が向いています。耐寒温度は-15℃程度と強健なため、寒冷地でも地植えで育てられます。

植え付け方

クリスマスローズの植え付けのコツは、株元にしっかりと日光が当たるように浅植えにすること。鉢植えの場合、苗より二回りほど大きい鉢の中心に植え付けてください。

地植えの場合は、株間を40cm以上空けて株同士の根が絡まないようにすると管理しやすくなります。株元には腐葉土やバークチップでマルチングをしたり、リシマキアなどの根の浅いグランドカバーを植えたりする方法もおすすめです。

水やりの仕方

クリスマスローズの植え付け後は、株元にやさしく水を与えてください。地植えの場合は、根が付いたら水やりは必要ありません。

鉢植えの場合は、季節に応じた水やりが必要。クリスマスローズは多湿に弱いため、乾燥気味に育てることが健康な株に育てるコツです。

生育期となる10~3月は、表面の土が乾いたら晴れた日の午前中にたっぷりと水を与えます。半休眠期となる6〜9月は、蒸れて根腐れが発生するおそれがあるため、真夏の水やりは早朝もしくは夕方の涼しい時間帯におこない、乾燥気味に管理しましょう。

肥料のやり方

クリスマスローズの肥料は、生育期となる秋ごろから早春にかけて与え、半休眠期となる夏には控えることがコツです。以下を目安に、適切なタイミングで肥料を与えましょう。

  • 元肥

植え付け時には土に元肥として緩効性肥料を混ぜ込みます。初心者の方には、元肥の入った花用培養土がおすすめです。

  • 追肥

10月、12月、2月の3回を目安に緩効性の固形肥料を土の上に置きます。10〜3月の生長期には速効性の液体肥料を月に2~3回与えるといいでしょう。

ただし、地植えの場合、生育が良い場合は追肥を控えても問題ありません。鉢植えは水やりなどで肥料分が流れ出てしまうため、忘れずに追肥をおこない、株の勢いを維持してください。

剪定の仕方

クリスマスローズは植えっぱなしでも育ちますが、適切な剪定をおこなうことで、株の生育が良くなります。有茎種の場合は花茎切り、無茎種は古葉取りをおこないましょう。

それぞれの剪定の方法とコツは、以下を参考にしてください。

  • 花茎切り

花が終わったら、花茎を株元から切り取ります。萼片(がくへん)を長く観賞できる点が魅力のクリスマスローズですが、観賞を終えたら梅雨前までを目安に切り取りましょう。

Tips
クリスマスローズの花びらに見えるものは、実は花弁ではなく萼片(がくへん)です。萼片は、つぼみの状態のときには花の中心部を保護し、花が開くと花を支える役割があります。クリスマスローズの花弁は、蜜腺と呼ばれる小さな筒状の部分に退化し、雄しべの周りを囲んでいます。クリスマスローズの他に、クレマチスやアネモネ、アジサイも萼片が花びらに見える花として知られています。
  • 古葉取り

新しい葉を残し、古くなった葉や傷んだ葉を、葉茎の元から切り取ります。古葉取りは株元の日当たりや風通しを良くし、病気や害虫の予防につながります。

Tips
古葉と新葉の違いは下記の通りです。

  • 古葉:色が濃くて硬い
  • 新葉:色が淡くて柔らかい

ふやし方

クリスマスローズは、種または株分けでふやせます。種から育てる場合は花が咲くまで数年かかるため、初心者の方は株分けからはじめてみてください。

クリスマスローズの株分け時期は10〜3月の生育期で、10〜12月ごろが適期です。株がしっかりと大きくなる開花後4年以上を目安に、3芽以上つけて株分けをおこないましょう。

種で増やす場合、種がこぼれ落ちないように不織布などで花を包み、熟成させてから花茎を切り取ります。初心者の方は5~6月に種を採取してすぐの「とりまき」がおすすめです。秋まきの場合は種が乾燥しないよう保存し、9月下旬~10月中旬までにおこなってください。生育の良い苗を残しながら1株ずつポットに植え替え、根を傷つけないように育てていきましょう。

クリスマスローズは、異なる株を交配して種を採取することで、新しい花色を作り出せます。栽培に慣れてきたら、ぜひクリスマスローズの交配にも挑戦してみてください。

クリスマスローズを育てるときの注意点

紫色と薄黄緑色のクリスマスローズ

クリスマスローズは、開花中の株に新葉が付いていたら注意が必要です。葉に栄養を取られて花が咲きにくくなります。購入した開花株に花芽が少ない場合、新葉を茎の根元から5cmほどのところで切り取ってください。

また、植えっぱなしでも育てられますが、大きく育つと株分けが困難となるため、定期的に剪定や株分けをおこないましょう。花付きや生育が衰えてきた場合も、株分けをすることで元気を取り戻してくれます。

クリスマスローズの病害虫対策

クリスマスローズの花弁に付着したアブラムシ

強健なクリスマスローズは、病気に強い性質をもっています。しかし、しっかり管理をしないと株が弱り、枯れてしまうこともあるため注意してください。

主に、以下の病害虫への対策と駆除をおこないましょう。

ブラックデス(黒死病)

4〜5月と9〜10月に多発するおそれがある病気です。新芽や葉、花などに黒い斑点が見られ、進行すると最終的に株全体が黒く縮れ上がり枯れてしまいます。

ウイルス病のため殺菌剤が効かず、治療方法もないため、ブラックデスの症状が見られたら、感染が拡大しないよう株ごとすみやかに取り除きましょう。

また、アブラムシなどの吸汁性害虫が、ブラックデスに感染した株の汁を吸うことで健全な株に伝染させる原因となりますので、併せて駆除しましょう。

ブラックデスのようなウイルス性の病気は、剪定バサミなどからも伝染することもあります。剪定や株分けをする際は、清潔な道具を使用し、病気の伝染を防ぎましょう。

灰色かび病

3〜12月の雨が多くて多湿状態となる時期に発生するおそれがある病気。葉の先端や花に褐色〜灰褐色の病斑ができ、地上部や根茎まで進行すると、腐敗して枯れてしまいます。

灰色かび病は気温20〜25℃くらいで発生しやすくなるため、とくに梅雨時期と秋に風通し良く管理することが大切です。殺菌剤を定期的に散布して予防し、病気が発生したら早めに取り除いて殺菌剤を散布してください。

べと病

4〜8月と10〜11月に発生し、葉が黄色くなる症状がみられる病気です。気温15〜20℃と比較的低温で多湿状態になると発生しやすくなるため、とくに長雨が続く梅雨時期には注意してください。

殺菌剤を定期的に散布して予防し、病気にかかったら早めに取り除いて殺菌剤を散布します。灰色かび病やべと病などの糸状菌(カビ)による病気は多湿状態で発生するため、剪定をおこない、株間を空けて風通し良く管理しましょう。

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アブラムシ

新芽や葉裏などに付いて植物の汁液を吸うアブラムシは、主に4〜6月と9〜10月に発生します。アブラムシが付くと、新芽が縮んだり葉が巻いて変形したりするため、症状を見つけたらすみやかに取り除きましょう。

葉が密集して日当たりが悪くなると、アブラムシが発生するおそれがあります。とくに、気温が20~25℃で晴天の日が続くと繁殖が旺盛になるため、まわりの株に広がらないように注意してください。

ハダニ

葉の裏に寄生して植物の汁液を吸うハダニは、3〜10月に発生する害虫です。ハダニが付くと、葉の葉緑素が抜けて白い斑点が見られ、進行すると葉が白く脱色し、落葉して枯れるおそれがあります。

高温乾燥を好むため、とくに梅雨明け〜9月にかけて繁殖が旺盛になります。ハダニは水に弱いため、乾燥している時期は葉裏に散布をおこない、見つけたらすみやかに取り除きましょう。

アブラムシやハダニなどの害虫による被害は、弱っている株に発生しやすくなります。適切なタイミングで剪定や株分け、追肥をおこない、病害虫に強い株に育てていきましょう。

 

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クリスマスローズはガーデニング初心者でも育てやすい

二輪の白いクリスマスローズ

クリスマスローズは寒さに強く、比較的手がかからないため、ガーデニング初心者の方も育てやすい花です。手入れをおこない健康な株に育てることで、美しい花を毎年楽しめます。

鉢植えでも地植えでも栽培でき、半日陰でも育つため、さまざまな条件の庭やベランダに向いています。花の少ない冬に彩りを添えるクリスマスローズを植え、一年を通してガーデニングを楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

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