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アネモネの育て方|初心者でも簡単な栽培方法を詳しく紹介

アネモネの育て方|初心者でも簡単な栽培方法を詳しく紹介

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大きい花びらと鮮やかな花色で存在感のあるアネモネ。ヨーロッパや地中海周辺を原産とするアネモネは、古くから親しまれてきた歴史のある植物です。耐寒性があり、日本では春の花として知られています。

花壇でもプランターでも楽しめるため、ご自宅の環境に合わせて生育環境を選べることも魅力のひとつです。今回は、アネモネの育て方を、ガーデニング初心者にもわかりやすく解説します。

アネモネの基本情報

地面に咲いている、ピンク、赤、白、紫色のアネモネ

科名 キンポウゲ科
属名 アネモネ属(イチリンソウ属)
和名 牡丹一華(ボタンイチゲ)
英名 wind flower
学名 Anemone coronaria
別名 ボタンイチゲ、ハナイチゲ
原産地 ヨーロッパ南部~地中海東部沿岸地域
分類 多年草
販売時期 【種】9〜10月
【球根】10〜12月
【苗】10~12月
開花時期 2〜5月
耐暑性 弱い
耐寒性 強い

ヨーロッパ南部や地中海東部沿岸地域を原産とするアネモネ。古い歴史のある植物で、神話や伝説にも登場しています。原産地からは十字軍や巡礼者によって広められたといわれています。

原生地では雨の多い冬に生育していたこともあり、耐寒性は強いですが、夏が近づき25℃を超える日が続くと地表部が枯れて休眠します。地中で夏を越したら、秋に再び芽を出して花を咲かせます。休眠する多年草の植物のため、上手に育てれば植えっぱなしでも繰り返し楽しめます。

アネモネ属のなかには100種類ほどの品種があります。現在、園芸品種として親しまれているのはアネモネ・コロナリアです。

一重咲きや八重咲きの花があり、白・赤・ピンク・青・紫・複色などの花色があります。

アネモネを育てるために必要なもの

テーブルの上にあるピンク色のアネモネ

アネモネは花壇に植える地植えだけではなく鉢植えでも楽しめます。必要なものは基本的な園芸道具と、アネモネの特性に合わせた用土や肥料のみ。ここでは、アネモネの苗の選び方と、必要な道具をご紹介します。

苗の選び方

アネモネは種・球根・苗から育てられます。初心者の方やアネモネを手軽に楽しみたい方は、苗から育てるのがおすすめです。

種や球根の時期はデリケートで、環境の変化に耐えられず枯れてしまう場合があります。とくに種は球根よりも発芽率が低く、難易度が高い育て方です。

球根は秋から冬にかけて植え付け、腐らないように発芽するまで育てます。植え付ける前に球根を湿らせたり、球根の上下に気をつけて植えたりする必要があり、知識がないと難しいでしょう。

アネモネの苗は12月ごろから購入できます。苗を選ぶときにチェックしたいポイントは次のとおりです。

  • 花芽がたくさんついている
  • 葉がしおれていない
  • 下葉が枯れていない
  • 葉の裏に虫が付いていない

苗には品種の違いがあり、花の見た目や病害虫への強さが異なります。苗を購入したらすぐに植え付ける必要があるため、必要な道具も一緒に揃えましょう。

用意する道具

アネモネを育てるのに必要なものは次のとおりです。

  • アネモネの苗・球根・種(育て方に合わせる)
  • プランターや鉢(12〜15cmで深めのもの)
  • 培養土
  • 腐葉土(鉢植えの場合)
  • 赤玉土(鉢植えの場合)
  • ピートモス(鉢植えの場合)
  • 有機石灰(土壌pHを調整する必要がある場合)
  • 鉢底石と鉢底ネット
  • 肥料
  • スコップ
  • ジョウロ
  • 園芸ハサミ
  • バーミキュライト(球根の給水や冬越しの対策として)

アネモネは水はけの良い土を好みます。地植えにする場合は、腐葉土を混ぜて土を作りましょう。鉢植えの場合は、赤玉土5:腐葉土3:ピートモス2の割合で用土を作ります。赤玉土は中粒タイプを使ってください。

また、土の酸性度合いを表す土壌pHもチェックが必要です。アネモネは中性〜弱酸性の用土を好みます。酸性寄りの場合は有機石灰を混ぜましょう。土壌pHは専用の土壌酸度計を使って測るのがおすすめ。安価で購入できるうえに、土に差し込むだけで簡単に土壌pHを測定できます。

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アネモネの育て方

地面に咲く紫と赤色のアネモネ

アネモネを育てるときに大切なことは「球根の管理」と「置き場所」です。とくに、球根を植えて育てる場合は、高温多湿な環境で球根が腐らないように注意しましょう。

また、アネモネの生育には日当たりと風通しが重要です。適切な置き場所を確保して管理すれば、簡単にアネモネの花を楽しめます。アネモネを上手に育てるためのポイントをご紹介します。

日当たり・置き場所・温度

アネモネは日当たりと風通しが良く、水はけの良い場所を好む植物です。地植えはもちろん、十分なサイズのプランターがあれば鉢植えでも育てられます。

もともとは地中海気候型の植物のため、冬越しの時期と開花時期によって好ましい環境が異なります。冬は暖かく湿り気のある土が適していますが、開花期は病害虫の発生を防ぐために日当たりの良い場所に置くことが大切です。

古くから春の花として親しまれているアネモネは、比較的耐寒性に優れているため、簡単な冬越しの準備と霜対策だけで育てられます。

植え付け方

アネモネを種から育てるには数年かかります。一方で苗や球根は、植えたシーズンのうちに楽しめることが魅力です。ここでは、苗と球根の植えつけ方をご紹介します。

地植えの場合は、隣の株と15cmほどの間隔をあけてください。12〜15cmのプランターを使用する場合は、1株だけで育てます。複数の株を植えるには、株間を確保できるプランターを購入しましょう。

地面に咲く紫色のアネモネ

できるだけ元気な苗を購入したら、すぐに鉢や花壇に植え付けます。根が切れたり、折れたりしないように注意しながらポットを外し、絡まった根をやさしくほどいてから植えましょう。

このとき、痛んだ葉や花がらがあれば取り除いておくことで、よりきれいに育てられます。

球根

紙袋から出てきているアネモネの球根

球根の植え付けには工夫が必要です。植え付けに最適なのは10〜12月ごろ。気温が高い9月中に植えると球根が腐りやすく、発芽する確率が下がるため、気温が15℃以下になったら植え付けましょう。

時期によっては植える前に球根を湿らせる必要があります。湿らせたバーミキュライトの中に球根を埋めて、1週間ほど吸水させます。気温が高いと腐りやすくなるため、気温が低い場所か冷蔵庫を活用しましょう。11月以降に球根を植える場合は、給水処理せずに植え付けられます。

球根には上下があります。多くの品種は尖ったほうが下で、芽があり白い毛に覆われているほうが上です。上下がわかりにくい場合は、横向きに植え付けるのがおすすめです。

鉢植えの場合は、用土を軽く湿らせてから植え付けます。球根を植える深さは鉢植えの場合で約1cm、地植えの場合で約3cmです。寒い地域では7〜8cmの深さに植えて、霜や凍結を防ぎましょう。

水やりの仕方

水やりも鉢植えと地植えで方法が異なります。湿らせた土に植え付ける鉢植えの場合は、植え付けから4〜5日の間は水やりが不要です。その後、地上の草花が枯れる初夏までは、表面の土が乾いたらたっぷりと水を与えます。

アネモネが枯れると休眠期に入ります。枯れたアネモネは雨がかからない日陰に置き、乾燥させましょう。10月に入ったら、水やりを再開します。

地植えの場合は雨水が当たるため、水やりは不要です。植え付け後はたっぷりと水を与え、それ以降は水やりをせずに育てます。

肥料のやり方

アネモネがたくさんの花を咲かせるには、適度な栄養が必要です。とくに鉢植えの場合は多くの肥料を必要とするため、定期的に液体肥料を与えましょう。10〜3月の間は、2週間に1回を目安に薄めの液体肥料を与えます。

3月を過ぎてからは、肥料を与え続けると球根が育ちません。地植えの場合は植え付け時に与える元肥のみで育てられます。

肥料を選ぶときはチッ窒素・リン酸・カリウムの配合比率をチェックすることが大切です。肥料のパッケージにはチッ窒素(N)ーリン酸(P)ーカリウム(K)の順に配合比率が記載されています。鉢植えのアネモネに与える液体肥料はN−P−K=6−10−15がおすすめ。地植えの元肥にはN−P−K=10−10−10の三要素等量の緩効性固形肥料を使いましょう。

Tips
N−P−K=6−10−15とはチッ素6%、リン酸10%、カリウム15%を配合している肥料という意味です。

管理の仕方

石畳と砂利を背景に咲いている紫と赤色のアネモネ

アネモネの栽培では、花がら摘みや球根の掘り上げなどの管理が必要です。黄色に変色した花や葉を切り取り、風通しを良くして病気の発生を防ぎます。

また、咲き終わった花が出てきたら、茎の根元からハサミで切り取りましょう。咲き終わった花を摘んでおくと、新しい花芽が育ちやすくなります。

アネモネが枯れたあとは、植えっぱなしでも翌年花が咲きますが、多雨な天候や高温多湿な環境下では球根が腐ってしまう場合があります。

発芽の確率を増やすためには、一度球根を掘り上げて涼しい日陰で乾燥させるのがおすすめです。植え付けの時期を迎えたら、再び植え付けて発芽を待ちます。

ふやし方

綿毛がついたままのアネモネの種

アネモネが成長すると土の中で球根が増えていきます。これを分球といいます。元の親球から分かれた子球をそのままにしておくと生育が悪くなるため、掘り上げて分球の作業をおこないましょう。分球したアネモネは、同じように植えて花を楽しむことができます。

まずはシャベルを使って、土の中から球根を掘り出します。親球から子球を手で切り分けますが、割れない場合は園芸ハサミでカットしましょう。アネモネの分球は休眠期の6〜8月がベスト。分球後は、網袋などに入れ、風通しの良い涼しい日陰で乾燥させましょう。球根に雨がかかると湿気を帯びて腐りやすくなるため、注意してください。

切り分けた球根は再び植えて開花を待つ方法と、秋になってから植える方法の2種類があります。秋になるまで保管する場合は、通気性の良いネットに入れ、吊るして管理します。

また、アネモネは種を取って増やすことも可能です。球根があまり増えない品種の場合は、花から生成される種を使って育てましょう。種は咲き終わった花をそのまま摘まないでおくと、採種できるようになります。種が黒くなったら採種のタイミングです。

アネモネの種には綿毛があり、晩秋には種が飛んでいってしまいます。採種したらカビの原因となる綿毛をカットし、乾燥させて種まきの時期を待ちます。種まきから開花するまでは2~3年ほどかかりますが、根気強く育てましょう。

アネモネの病害虫対策

複数の紫色のアネモネ

寒さに強く育てやすいアネモネですが、基本的な病害虫の対策は欠かせません。病害虫が発生する主な原因は「日当たりが足りない」「風通しが悪い」といった環境要因です。湿気が多いと発生しやすくなるため、できるだけ風通しの良い場所で育てることが大切です。また、落ちた花弁や葉をそのままにしておくとカビの原因となるため、花がら摘みも定期的におこないましょう。

ここからは、アネモネの栽培で注意すべき病害虫の特徴と対策をご紹介します。

うどんこ病

うどんこ病が発症した葉

うどんこ病は、葉がうどん粉をまぶしたように白くなる病気です。発症した箇所から次々と広がるため、見つけたらすぐに切り取りましょう。うどんこ病の発生を防ぐには、薬剤を使用することも効果的です。

アブラムシ

葉や茎に集まったアブラムシ

アブラムシは10〜5月の新芽が出る時期に発生しやすい害虫です。発見したらすぐに指やテープで取り除いてください。

また、殺虫剤を使用して駆除する方法もあります。殺虫剤は、薬剤を細かく広げられるエアゾール式のタイプがおすすめです。

アネモネの育て方は初心者でも簡単!魅力的な花色を楽しもう

大きく咲いた紫色のアネモネ、背景にはコスモス

種だけではなく、苗や球根からでも育てられるアネモネは、園芸初心者の方でも育てやすい花のひとつです。種から育てると開花までに時間がかかりますが、苗や球根なら植えたシーズンのうちに楽しめます。発芽するまでの管理や、球根を増やす楽しみもあります。

耐寒性があり、鮮やかな花色のアネモネは春を知らせる花として親しまれてきました。花色が豊富で、ほかの植物との組み合わせも自由自在です。また、アネモネは植えっぱなしでも繰り返し開花する多年草です。球根が腐らないよう適切に管理し、きれいなアネモネを堪能してみてください。

 

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