コーナンTips 園芸 【初心者向け】キキョウ(桔梗)の育て方|種まきから株分け、冬越しまで解説 【初心者向け】キキョウ(桔梗)の育て方|種まきから株分け、冬越しまで解説 園芸 クリップボードにコピーしました 【初心者向け】キキョウ(桔梗)の育て方|種まきから株分け、冬越しまで解説 この記事をシェアする! クリップボードにコピーしました 大きな花びらが特徴で、日本を含む東アジアが原産のキキョウ。花・葉・茎など全体に毒性のある成分を持ちますが、漢方薬としても使われている花です。 キキョウは多年草で暑さと寒さに強く、初心者でも育てやすいのが特徴。種まきから始めて、株を増やすこともできます。本記事では、キキョウの基本情報から育て方のポイント、注意点まで詳しく解説します。ぜひ日本で古くから親しまれているキキョウの栽培に挑戦してみてください。 目次 キキョウの基本情報歴史・由来主な品種キキョウを育てるために必要なものキキョウの育て方日当たり・置き場所・温度種まきの仕方植え付け方水やりの仕方肥料のやり方剪定・切り戻しの仕方株分けの方法キキョウの冬越しについてキキョウを育てるときの注意点花が終わったら花がらを摘み取る毒性をもつので取り扱いに注意する日当たりの悪い場所では芽が出ないこともキキョウの害虫対策キキョウで花壇を爽やかに彩ろう! キキョウの基本情報 科名 キキョウ科 属名 キキョウ属 和名 桔梗 英名 ・Balloon flower ・Chinese bellflower ・Japanese bellflower 学名 Platycodon grandifloraus 別名 ・アリノヒフキ ・オカトトキ ・ヨメトリバナ 原産地 日本を含む東アジア 分類 多年草 販売時期 種:1月~10月/苗:3月~6月 開花時期 6〜10月 耐暑性 強い 耐寒性 強い 歴史・由来 キキョウは日本で古くから観賞用として親しまれてきた花で、園芸品種も早い時期から確立していたといわれています。 300年前に植えられていた花や野菜を記録する「花譜」や、日本で出版された最初の園芸辞典として知られる「花壇地錦抄」にも記録があるキキョウ。なかには、現在では存在しない園芸品種も収録されています。 多くの園芸品種が流通していたのは明治時代の中ごろまで。現在は数種類の園芸品種のみが販売されています。 主な品種 品種名 特徴 アポイギキョウ ・小ぶりなサイズの代表品種 ・高さは10〜20cm ・高山植物として扱う ウズキキョウ ・葉の表面に細かい模様がある ・草丈が低く桃色の花を咲かせるタイプと、草丈がやや長く白色の花を咲かせるタイプがある 五月雨 ・5〜6月に開花しはじめる品種 ・花の色は紫、白、桃色、絞り 小町 ・花が完全に開かない袋咲きの品種 ・早咲き ・花色は紫で風船のような見た目が特徴 キキョウを育てるために必要なもの キキョウの種 プランターや鉢 培養土 鉢底石と鉢底ネット 肥料(リン酸とカリウムが多めの緩効性肥料) スコップ ジョウロ 園芸ハサミ 遮光ネット(夏場の葉焼け対策) マルチング材(バークチップなど) キキョウの育て方 キキョウを育てる際は、日当たりや温度などの環境、種まきや植え付けの方法、水と肥料の適切なやり方を知っておくことが重要です。また、切り戻しや株分けをおこなって、健康状態を保つことも大切。 きれいな花を長く楽しむために、育て方のポイントを押さえておきましょう。 日当たり・置き場所・温度 キキョウは、日が当たらない場所では生育しません。日当たりと風通しの良い場所を確保しましょう。 ただし、強い日差しは葉焼けの原因となるため注意してください。耐暑性と耐寒性に優れるキキョウですが、極端な高温や冬場の凍結は苦手です。夏場の高温は遮光ネットで日除けを作り、冬場はバークチップなどのマルチング材で根元を覆って凍結を防止しましょう。 鉢植えと庭植え、両方で育てられますが、庭植えの場合は15〜30cmほど盛り土をして、水はけの良い場所で育てましょう。 種まきの仕方 キキョウは2〜4月上旬までの春に種をまきます。発芽してから子葉の次に出る本葉が3~4枚になったら、ポットに移すタイミングです。移植の手間を省きたい場合はポットに直接種をまき、元気な芽だけを残して育てます。 種から育てるには根気が必要で、花の数が増えて見ごろを迎えるのは種まきから2〜3年後。1年目は花数が少なく、翌年から株がしげります。 ホームセンターでは苗も販売しているので、初心者の方はそちらから挑戦してみてもよいでしょう。 植え付け方 キキョウの植え付けタイミングは、苗が十分に生長した春〜秋が適切です。地植えにする場合は、根と土の塊である根鉢よりもひと回り大きな穴を掘って植えます。隣に苗を植えるときは、株と株の間を20cm程度空けましょう。 鉢植えは6〜7号の鉢に1株が目安。鉢には水はけを良くするために、鉢底石を敷くのがおすすめです。植え付けたら、株の周辺にまんべんなく行き渡るよう、多めに水をあげます。 水やりの仕方 キキョウは乾燥に強く、湿気の多い環境を嫌います。鉢植えのキキョウは、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるくらい多めに水を与えましょう。ただし、暑い季節には水のあげすぎに注意が必要です。また、乾燥する冬場は、極度の乾燥に気をつけて水やりをおこなってください。 庭植えは、晴天が続いて乾燥している場合にのみ水やりが必要です。基本的には降雨に任せて問題ありません。 肥料のやり方 キキョウは土質を選ばずに育てられるのが特徴。植え付け時の用土と肥料は、鉢植えであれば緩効性肥料を含む、園芸用培養土がおすすめです。 自分でブレンドする場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜて用土を作ります。肥料はリン酸とカリウムを多く含む緩効性肥料を、直接根に触れないように撒きましょう。地植えの場合は、腐葉土や堆肥を混ぜて耕しておきます。 植え付け時のほか、3〜5月は1カ月に1回、6〜9月は1カ月に2〜3回肥料を与えます。3〜5月は油かすと骨粉を同量ずつ配合した大粒の肥料を数個、6〜9月は液体肥料を希釈したものがおすすめです。 剪定・切り戻しの仕方 植物の形やバランスを整えるために、枝や葉を取り除いて調整する切り戻し。キキョウの場合は、開花がひと段落したタイミングで切り戻しをおこなうと、再度開花を楽しめます。 切り戻しの位置は茎を3分の2から半分の長さが目安です。切り戻しをすると株の風通しが良くなるほか、植物の栄養を効率的に使ったり、病害虫を防いだりする効果も見込めます。上手に育てられれば、秋に再び開花して、秋の終わりごろまで長く花を楽しめるでしょう。 株分けの方法 株分けとは、植物を増やしたり健全な成長を促したりするためにおこなう、成長した株を分ける作業です。キキョウは大きく成長した根を分けて株分けをします。2〜3月の芽が出る直前に、植え替えの作業と同時におこなうのがおすすめです。 株分けの際は、清潔な刃物で2〜3つに根を切り分けます。切り分けた根すべてに芽が出るように配慮しながら切り分けましょう。株分けをした根は、初めての植え付けと同じ手順で育てます。 キキョウの冬越しについて キキョウは耐寒性がある植物のため、基本的には手を加えずに植えっぱなしでも冬越しできます。ただし、凍結して根にダメージを受けると冬越しできなくなるおそれがあるため注意が必要です。 地面が凍結しそうな気温の場合は、庭植えであれば腐葉土を厚めに敷いて防寒対策をおこないます。位置を変えられる鉢植えは、軒下やベランダに移しましょう。 基本的には日当たりの良い環境を好むキキョウですが、冬は茎や葉が枯れているため、日当たりのない場所でも育てられます。 キキョウを育てるときの注意点 キキョウは耐暑性と耐寒性に優れ、乾燥した環境を好む強い植物ですが、日当たりや栄養の行き渡りには注意が必要です。キキョウの花がうまく咲かない場合は、咲き終わった花がそのままになっていないか、日当たりや水分が足りているかを確認しましょう。 また、キキョウは全体に毒性のある成分を含むため、動物や小さな子どもがいる家庭では取り扱いに注意が必要です。キキョウを育てる際の注意点を3つご紹介します。 花が終わったら花がらを摘み取る 咲き終わってしおれた花を花がらといいます。栄養を効率的に使わせるために、キキョウの花が終わったら、花がらをこまめに摘んで取り除きましょう。 花がらをそのままにしておくと、新しく種を作り始めて栄養が奪われ、新しい花が咲きにくくなります。また、落ちた花がらが腐って病気を引き起こしたり、株が弱ったりして、美しい花を鑑賞できなくなるおそれがあるため注意が必要です。 毒性をもつので取り扱いに注意する キキョウはキキョウサポニンと呼ばれる毒性を保つため、取り扱いには注意しなければなりません。加工して漢方薬として使われることもありますが、そのまま食べてしまうと下痢や嘔吐などの症状を引き起こし、最悪の場合死に至る危険性があります。 また、ペットや小さな子どもが誤って食べないよう、植える位置や置く位置も配慮しましょう。花だけではなく葉・茎・根など、すべての部分にキキョウサポニンを含むため、摘み取った状態のキキョウにも気をつけてください。 日当たりの悪い場所では芽が出ないことも キキョウがうまく発芽しない場合は、日当たりを疑ってみましょう。直射日光はできるだけ避け、ほどよく日が当たる場所に移して発芽を待ちます。 また、乾燥を好むキキョウでも、水切れを起こすと株が弱ってしまうため、水やりが適切にできているかどうかも確認してみてください。 キキョウの害虫対策 きれいな花を何年も繰り返し楽しむために、病気や害虫対策はしっかりとおこないましょう。 キキョウを育てるときに注意すべき病気は次のとおりです。 病名 特徴 対策 立枯病 ・茎と根のつけ根が腐る病気 ・夏に発生する ・水はけと風通しの悪い環境が原因 ・盛り土した上に植え替えて水はけを確保する ・水はけの良い土を作る ・切り戻しや株分けで風通しを良くする 茎腐病 ・根元付近の茎が腐る病気 ・夏に発生する キキョウに付きやすい害虫は次のとおりです。 害虫名 特徴 対策 クロウリハムシ ・オレンジ色の頭が目印 ・ツヤのある身体に黒い羽がある ・体長は1cmほど ・新芽・新葉・花を食べる ・株が枯れる場合もある ・4〜9月に発生する ・発見したらすぐに取り除く ・専用の薬剤を散布する ・周辺に生えているウリ科の雑草を取り除く アブラムシ ・黄緑色の種類が多い ・稀に黒褐色 ・体長は1〜3mm ・新芽に寄生して汁液を吸う ・排泄物がすす病を誘発する ・ウイルスを媒介する場合もある ・4〜11月に発生する ・専用の薬剤を散布する ・粘着テープで取り除く ・風通しを良くする ・アブラムシを惹きつけるチッ素の肥料を与えすぎない ヨトウムシ ・ガの幼虫 ・体長2〜4cm ・夜に活動する ・幼虫は羽裏に群生して葉を食い荒らす ・成長すると一晩でキャベツが食い荒らされるほど食欲が旺盛になる ・3〜10月に発生する ・夜間にヨトウムシがいないか観察する ・防虫ネットを張ってガの侵入を防ぐ ・草木灰を撒く ・専用の薬剤を散布する ・深めの容器に米ぬかを入れ、株元に植えてトラップを仕掛ける キキョウで花壇を爽やかに彩ろう! 日本で古来から楽しまれてきたキキョウは、遠くからでもわかる大きな花を咲かせます。耐暑性・耐寒性に優れ、乾燥した環境を好む強い植物です。 ただし、きれいな花を咲かせるためには適切な日当たりが必要。健やかな環境を上手に保って、キキョウの花を繰り返し楽しみましょう。 ガーデニング用品の特集を見てみる
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