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【初心者向け】ニンジンの栽培方法|土作りから収穫までの手順と育て方のポイント

【初心者向け】ニンジンの栽培方法|土作りから収穫までの手順と育て方のポイント

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栄養価が高く幅広い料理に使われる人気野菜の「ニンジン」。自宅の家庭菜園で栽培できれば家計が助かるほか、より安心して食べられます。

しかし、これから家庭菜園に挑戦される方や、ニンジンの栽培が初めての方は、種まきから収穫までどのように育てていけばいいかわからないことが多いでしょう。

そこで本記事では、上手にニンジンを栽培するための基礎知識や育て方の手順、注意点についてご紹介します。

家庭菜園でニンジンは栽培できる?

【初心者向け】ニンジンの栽培方法|土作りから収穫までの手順と育て方のポイント
家庭菜園でニンジンを栽培することは可能です。ただし、ニンジンは発芽までの難易度が高いといわれている野菜で、栽培のはじめの期間は細心の注意を払う必要があります。

順調に発芽すれば、その後は比較的簡単に育てていけるため、家庭菜園が初心者の方でも立派なニンジンを育てられるでしょう。

ニンジンの栽培は畑でおこなうというイメージが強いかもしれませんが、実はプランターでの栽培も可能で、手軽に収穫の楽しさを味わえる野菜としても人気です。

ニンジン栽培の基礎知識

【初心者向け】ニンジンの栽培方法|土作りから収穫までの手順と育て方のポイント

学名 Daucus carota L.
和名 ニンジン
英名 Carrot
科目 セリ科
生育適温 15~20℃
土壌phの目安 弱酸性(ph5.5〜6.5)

家庭菜園でニンジンを育てるためには、栽培のためのスケジュールと環境についてしっかりと理解しておくことが大切です。それぞれ詳しくみていきましょう。

ニンジンの栽培スケジュール

【春まきの場合】

種まき 3月
収穫 6月下旬~8月上旬

【夏まきの場合】

種まき 7月~8月
収穫 10月下旬~3月上旬

ニンジンの栽培は、夏まきと春まきが可能です。上記のスケジュールはあくまで目安であり、栽培する地域や気候などによって多少前後します。

春まきでニンジンを栽培する場合は、発芽は比較的しやすいものの、「とう立ち」するおそれがあるため注意が必要です。

とう立ちとは、野菜の茎が伸びて花が咲く状態を指し、全体的に硬くなって味が落ちてしまいます。また、ニンジンのような根菜の場合は内部に“す”が入って空洞になることもあります。春まきでは、とう立ちしにくい品種を選ぶようにしましょう。

Tips
根菜類やブロッコリーなどの植物は、根や茎の中に空洞ができることがあり、この現象を「すが入る」といいます。すが入ったニンジンは固くなって味が落ちます。収穫が遅れて育ちすぎた場合によく起こる現象なので、収穫のタイミングを逃さないようにしましょう。

ニンジンの栽培環境

ニンジンの栽培には、基本的に冷涼な気候が適しています。発芽のための適温は15~25℃とされており、8℃以下や35℃以上になると発芽が難しくなります。

生育するのに適した温度は15~20℃です。温度が高すぎても低すぎても根の発育が悪くなります。

土壌酸度は弱酸性(ph5.5〜6.5)が適しています。また、種まきしてすぐは土が水切れしないように保ち、収穫前は水分少なめに育てるのがもっともよいとされています。

ニンジンの栽培に必要なもの

【初心者向け】ニンジンの栽培方法|土作りから収穫までの手順と育て方のポイント
ニンジン栽培 (プランター栽培)で必要となるものは以下のとおりです。

プランターはニンジンの根の長さに合わせたサイズを選びましょう。成長後のサイズが20cm以内の品種であれば、深さ30cm程度のプランターが適しています。広く販売されている「五寸ニンジン」という品種は、生長すると約15cmになります。 マルチング材は、乾燥対策をおこなう際にあると便利です。

【初心者向け】ニンジンの栽培方法

【初心者向け】ニンジンの栽培方法|土作りから収穫までの手順と育て方のポイント
実際にニンジンを栽培していく際のポイントを、以下の6つのステップに分けてご紹介します。

  • 土作り
  • 種まき
  • 発芽
  • 間引きと追肥
  • 土寄せ
  • 収穫

1.土作り

ニンジンを栽培する土は、保水力と排水性を兼ね備えたものが適しています。石灰、堆肥、元肥を混ぜて作っていきますが、土壌酸度のphは先述のとおり5.5~6.5に収まるようにしてください。

土の中に大きめの石が混ざっていると根の成長が阻害され、枝分かれして又根になってしまうおそれがあります。しっかりと耕して石などの障害物を取り除いておきましょう。

また、肥料が未熟な場合にも、ニンジンが又根になるリスクが高まるため、早めに元肥を入れて整えておくことが大切です。種まきをする直前の施肥は避けるようにしてください。

2.種まき

ニンジンの種まきは発芽率を良くするため、条まき(直線状に列を作るようにまく方法)が最適です。より多くの種をまけるため、発芽の確率が高くなります。

種まきの際は、土に水分をしっかりと含ませてからまくことが大切です。発芽するまでは、土が乾燥してしまわないようこまめにチェックし、水やりをおこないましょう。

条間10cm程度で深さ1cmほどの溝を作り、5cm間隔で種をまいていきます。薄め(5mm程度)に土をかけたら、手のひらで押さえて、土が乾燥しないように整えてください。

このとき、土をかぶせすぎると光がさえぎられて発芽しにくくなるため、できるだけ薄めの覆土にし、手で少し押さえましょう。

Tips
覆土を手で押さえる理由は、タネと用土をしっかりと密着させることで、タネが発芽途中で土と離れて乾燥してしまうことを防ぐためです。用土がふんわりしていると雰囲気的には発芽に都合が良さそうですが、空気とのすき間が大きすぎて、細かな種のニンジンは発芽途中で土と空間が開きすぎてしまいます。その結果、乾燥してタネが枯れてしまう場合があります。

3.発芽

10日前後しても発芽しない場合は、もう一度種まきをします。ニンジンは高温や低温、乾燥に弱く、発芽までが難しいといわれる野菜です。発芽までの期間も水を切らさないよう細心の注意を払いつつ、マルチング材などをかぶせて乾燥を防ぐ工夫が必要となります。

かぶせたマルチング材は、発芽したあとに本葉が出てきて間引きをおこなうときまでそのままにしておきましょう。

4.間引き・追肥

間引きとは、ニンジンが育つスペースや栄養を集中させるために、育てたい株だけを残して他の株を取り除く作業のことです。間引きは2回おこないます。1回目は本葉が2〜3枚になった頃が目安。株と株の間に指2本程度の間隔があくように間引いていきます。必要に応じて除草もしていきましょう。

2回目の間引きは、本葉が5〜6枚になったタイミングでおこないます。握りこぶし程度(10~15cm)の間隔があくように間引いてください。間引きが終わったら、浅めに耕して(中耕)追肥をしましょう。

1回目も2回目も、間引いたニンジンの葉や根は、サラダやかき揚げなどの料理に用いて食べられるため、無駄はありません。

5.土寄せ

ニンジンの肩部分が土から出ている場合は、土寄せをおこないます。これは、ニンジンのオレンジ色の部分が光合成して緑化するのを防ぐためです。
ただし、土寄せをやりすぎるとニンジンが病気にかかりやすくなるため、葉の付け根が少し隠れる程度にとどめておきましょう。

6.収穫

収穫時期の目安は、種まきから約3カ月半です。ニンジンの収穫タイミングは、根の直径が4~5cmになったときです。根の部分を少しだけ掘って、ニンジンの太さを確認しながら、しっかりと成長しているものを収穫していきます。

収穫する際は、茎の下の部分を持ってそのまま真上に引っ張りましょう。ニンジンの大きさをチェックしたあと、収穫を少し先延ばしにするのであれば、緑化しないよう再び土を肩までかぶせてください。

Tips
日光に当て続けた部分は光合成によって緑化します。ジャガイモの緑化は毒素を生成するため食べられませんが、ニンジンの場合は緑化しても問題なく食べることができます。

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ニンジンの病気・害虫予防

【初心者向け】ニンジンの栽培方法|土作りから収穫までの手順と育て方のポイント
ニンジンの栽培で注意が必要な病気や害虫は以下のとおりです。

  • キアゲハの幼虫
  • アブラムシ
  • ネコブセンチュウ
  • 根頭ガンシュ病
  • 黒斑病
  • うどん粉病

上記がすべてではありませんが、基本的にはこれらの病害虫に注意し、予防対策を講じる必要があります。

キアゲハの幼虫やアブラムシなどの害虫は、見つけ次第すぐに取り除いてください。

また、肥料を与えすぎたり、必要以上に湿った環境が続いたりすると、病気にかかるリスクが高まります。日当たりや風通しの良い環境を用意し、丈夫に育てていきましょう。

ニンジン栽培を成功させるポイント

【初心者向け】ニンジンの栽培方法|土作りから収穫までの手順と育て方のポイント
家庭菜園初心者の方でも、以下3つのポイントを押さえておくことで、上手にニンジンを育てていけます。

  • ペレット種子を使う
  • 種まき直後の管理の徹底
  • 収穫タイミングを逃さない

それぞれ詳しく解説します。

初心者にはペレット種子がおすすめ

ペレット種子とは、種の表面に粘土をコーティングして扱いやすくしたものです。
ニンジンの種は非常に小さく、そのままでは撒きづらいため、ペレット種子にすることで撒きやすくしています。
通常の種よりもコストはかかりますが、初心者の方でも簡単に種まきをおこなえます。
ニンジンの種はとくに小さいため、慣れていない方はニンジンのペレット種子を使うと種まきしやすくなるでしょう。

通常の種は発芽を促進させるために、種まき前に水につけておくことがあります。一方、ペレット種子は水につけると表面のコーティングが剥がれてしまうため、そのまま使用してください。
ペレット種子を使う際は、発芽するまで土を乾燥させないように注意してください。発芽前に乾燥すると、溶けたペレットが固まってしまい、発芽しなくなる場合があります。

Tips
どこのホームセンターもタネの棚には1~2アイテムは必ずペレット種子が店頭にならんでいるのが、最近は一般的です。

種まき直後の管理を徹底する

発芽するまでの期間、用土は適度な湿り気を保ち続ける事が重要です。ニンジンは発芽するのに時間がかかり、早くて20日前後、気温が低い時期は30日前後と発芽に他の植物よりも時間がかかります。その間は表土が乾燥しないよう潅水を適宜行ってください。

土の表面が乾くのを抑制するのに敷きワラや不織布を利用してマルチングすることも乾燥予防に有効です。マルチング材がなければ、新聞紙やビニールで代用することも可能です。

また、プランターを置く場所は15~25℃となるように、徹底した温度管理をおこないましょう。

収穫タイミングを逃さない

収穫が遅れてしまうと、ニンジンの根が裂けてしまう場合があるため注意が必要です。収穫期になったらニンジンのサイズをこまめにチェックします。「とう立ち」や「す入り」を防ぐために、タイミングを逃さないように収穫しましょう。

家庭菜園でおいしいニンジンを育てよう!

【初心者向け】ニンジンの栽培方法|土作りから収穫までの手順と育て方のポイント
栄養価の高さとおいしさで、野菜のなかでも抜群の人気を誇るニンジン。料理のバリエーションも多く、自宅で栽培する人が増えています。

ニンジンは、発芽さえ乗り越えればあとは比較的簡単に育てられるため、家庭菜園初心者の方でも挑戦しやすい野菜です。育て方のポイントや注意点をしっかりと押さえて、ニンジン栽培の楽しさを味わいましょう。

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