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エケベリアの育て方!初心者でも枯らさない季節ごとの管理方法を解説

エケベリアの育て方!初心者でも枯らさない季節ごとの管理方法を解説

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ぷくぷくとした葉がバラの花のように重なり合う、可愛らしい姿で大人気の多肉植物「エケベリア」。色のバリエーションや種類も豊富で、コレクションする楽しさもあります。しかし、その可愛さゆえに「形が崩れてしまったらどうしよう」「枯らしてしまったら悲しい」と、栽培に一歩踏み出せない初心者の方も多いのではないでしょうか。

エケベリアは、太陽の光が大好きで、乾燥に強い植物です。その性質を理解し、季節に合わせた育て方のポイントさえ押さえれば、誰でも元気に育てることができます。この記事では、エケベリアの育て方の基本から、可愛く育てるためのコツまで詳しく解説します。

エケベリアの基本情報

鉢の中に植えられているエケベリア

栽培を始める前に、まずはエケベリアがどのような植物かを知っておきましょう。エケベリアは、季節によって成長のペースが変わる「春秋型」の多肉植物です。この生育サイクルを理解することが、上手に育てるための最も重要な鍵となります。

項目 内容
科名 ベンケイソウ科
属名 エケベリア属
和名
英名 Echeveria
学名 Echeveria
原産地 メキシコ、中南米
分類 多肉植物(春秋型)
販売時期 主に周年(苗)
開花時期 3月~8月(品種による)
耐暑性 普通(蒸れに弱い)
耐寒性 やや弱い(3℃~5℃以上が目安)

主な品種

エケベリアには数えきれないほどの品種があり、それぞれに個性的な魅力があります。ここでは、園芸店などでも手に入りやすく、初心者にもおすすめの人気品種をいくつかご紹介します。

七福神

鉢植えに植えられている七福神
古くから日本で親しまれている、丈夫で育てやすい定番品種です。子株がたくさん出てきて群生しやすく、初心者でも増やす楽しみを味わえます。縁起の良い名前も人気の理由です。

チワワエンシス

鉢植えに植えられているチワワエンシス
葉の先がツンと赤く染まる爪がチャームポイントの人気品種です。比較的小型で、ぎゅっと詰まったロゼット型が可愛らしく、コレクションの一つに加えたくなる魅力があります。

桃太郎

鉢植えに植えられている桃太郎
ピンク色に染まる爪が可愛らしく、すっきりとしたフォルムで不動の人気を誇る桃太郎は、チワワエンシスとリンゼアナの交配種です。丈夫で育てやすく、紅葉した姿も美しいため、初めてのエケベリアとしてもおすすめです。

Tips
桃太郎とチワワエンシスの葉の見た目は非常によく似ていますが、咲かせる花の形が異なります。
桃太郎:釣鐘型でぷっくりした花を咲かせる。
チワワエンシス:桃太郎と比べて細長い花を咲かせる。

ラウイ

鉢植えに植えられているラウイ
株全体が真っ白な粉(ブルーム)で覆われた、非常に美しい品種です。その繊細な姿から多くの愛好家を魅了しますが、水やりなどで粉が取れやすいため、管理には少し気を使う上級者向けの品種です。

エケベリアを育てるために必要なもの

エケベリアに水をあげている
エケベリアの栽培を始めるにあたり、基本的な道具や資材を揃えておきましょう。特に、水はけの良い土と、株に水をかけずに水やりできる道具があると管理がしやすくなります。

必要なもの 備考
エケベリアの苗 葉が肉厚で、株がぐらつかない元気な苗を選びます。
必ず底に穴が空いている、通気性の良い鉢(素焼き鉢など)がおすすめです。
培養土 市販の「多肉植物用の土」が水はけ良く配合されていて便利です。
鉢底ネット・鉢底石 鉢の底に敷き、土の流出を防ぎ、水はけを良くします。
肥料 基本的に不要ですが、与える場合は液体肥料を用意します。
ジョウロや水差し 先が細いタイプだと、葉に水をかけずに株元に水やりできます。
ピンセット・割りばし 植え付けや、枯れ葉を取り除く際に便利です。

エケベリアの栽培時期

机の上に置かれた、ペンと観葉植物とカレンダー
エケベリアの管理で最も大切なのは、季節のリズムに合わせてお世話をすることです。春と秋の「生育期」と、夏と冬の「休眠期」で、水やりなどの管理方法が大きく変わります。

栽培区分 季節(目安) 水やり 植え付け・植え替え 肥料・増やす作業
生育期 春 (3月~5月)
秋 (9月~10月)
活発
土が乾いたら、鉢底から水が出るくらいたっぷりと与えます。
◎ 最適期
株への負担が少なく、元気に根付きます。
◎ 最適期
成功率が高まります。
休眠期 夏 (6月~8月)
冬 (11月~2月)
控える
回数を大幅に減らし、乾燥気味に管理します。根腐れに注意。
× 避ける
株が弱る原因になるため行いません。
× 避ける
根を傷めるため行いません。

植え付け・植え替え:3月~5月、9月~10月

エケベリアの植え付けや植え替えは、気候が穏やかな生育期に行います。株へのダメージが少なく、すぐに根が張り出して元気に成長を始めることができます。

 

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水やり:春秋は活発、夏冬は控える

成長が活発な春と秋は、水をよく吸い上げます。土が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。一方、成長が鈍る夏と冬は、水のやりすぎが根腐れに直結します。水やりの回数をぐっと減らし、乾燥気味に管理するのが鉄則です。

肥料:4月~6月、9月~10月(与える場合)

基本的に肥料はなくても元気に育ちますが、もし与えるなら生育期が適しています。休眠期に肥料を与えると、吸収できずに根を傷める原因になるため避けましょう。

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増やす作業:4月~6月、9月~10月

お気に入りのエケベリアを増やす作業(葉挿しや株分け)も、生育期に行うのが最も成功率が高いです。気温が高く、湿度も適度にあるため、根や芽が出やすくなります。

エケベリアの育て方

鉢植えに植えられているエケベリア
ここからは、日々の具体的な管理方法について解説します。エケベリアを可愛く、元気に育てるためのポイントを押さえていきましょう。

日当たり・置き場所・温度

エケベリアを徒長させず、ぎゅっと引き締まった可愛い姿に育てるには、十分な日光と風通しが不可欠です。一年を通して、日当たりと風通しの良い屋外で管理するのが基本です。ただし、夏の直射日光は葉焼けの原因になるため、遮光ネットなどで光を和らげてあげましょう。

植え付け方

購入した苗は、根が詰まっていることが多いので、一回り大きな鉢に植え替えてあげましょう。鉢底石を敷き、多肉植物用の土を少し入れたら、苗の根鉢を軽くほぐして植え付けます。割りばしなどで土を突きながら、根の隙間まで土を入れ、植え付け後はすぐには水やりをせず、数日経ってから与えるのがポイントです。

水やりの仕方

季節に合わせた水やりが、エケベリア栽培の最重要ポイントです。春と秋は、土が完全に乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。夏は、夕方の涼しい時間帯に、月に1~2回、葉にかからないように土を湿らせる程度に。冬は、月に1回程度、暖かい日の日中にさっと水を与えるくらいで十分です。

肥料のやり方

エケベリアは、肥料の与えすぎに注意が必要です。多肥は徒長や根腐れの原因になります。水はけの良い新しい土で植え付けていれば、基本的に肥料は不要です。もし株を大きくしたい場合などは、生育期に薄めた液体肥料を水やり代わりに与える程度にしましょう。

仕立て直し方(剪定)

日照不足などで茎が間延び(徒長)してしまったエケベリアは、「胴切り」という方法で仕立て直すことができます。清潔なハサミや糸で、葉を数枚残した部分で茎をカットします。切った上の部分(頭)は、切り口を数日乾かしてから新しい土に挿せば、新たな株として根付きます。残った下の株からも、新しい子株が芽吹いてきます。

増やし方(葉挿し・株分け)

エケベリアは、葉一枚からでも増やすことができます。これを「葉挿し」と呼びます。元気な葉を茎の付け根から丁寧にもぎ取り、乾いた土の上に置いておくと、根と芽が出てきます。また、株元から出てきた子株を切り離して植える「株分け」でも、簡単に増やすことが可能です。

エケベリアを育てるときの注意点

並べられたカップに入っているエケベリア
ここでは、エケベリアを育てる上で初心者が遭遇しがちなトラブルと、その対策について解説します。原因を知れば、慌てずに対処できます。

葉が間延びする「徒長」の原因と対策

エケベリアの葉と葉の間が広がり、茎がひょろひょろと伸びてしまう「徒長」。この最大の原因は「日照不足」です。一度徒長すると元の姿には戻らないため、予防が何より大切です。とにかく日当たりの良い場所に置き、しっかりと日光を当ててあげることが、しまった株を作る唯一の方法です。

葉がシワシワになるのは水不足のサイン

ぷりぷりだった葉にシワが寄ってきたら、それは株が水を欲しがっているサインです。特に外側の葉からシワが寄ってきた場合は、水やりのタイミングと考えて良いでしょう。ただし、根腐れを起こしていても水を吸えずにシワシワになることがあるため、土が湿っているのにシワが改善しない場合は注意が必要です。

下葉が枯れるのは生理現象

一番外側の下葉が黄色や茶色になって枯れていくのは、多くの場合、病気ではなく新陳代謝による自然な生理現象です。新しい葉が中心から成長するにつれて、古い葉はその役目を終えて枯れていきます。枯れた葉は、ピンセットなどで優しく取り除いてあげましょう。

夏越しと冬越しのコツ

エケベリアにとって、日本の夏と冬は厳しい季節です。夏は、高温多湿による蒸れを防ぐため、直射日光を避けた風通しの良い場所に置き、水やりを控えます。冬は、霜や凍結から守るため、軒下や室内に入れるなどの対策が必要です。特に氷点下になる日は、必ず屋内に取り込みましょう。

エケベリアの病害虫対策

エケベリアのアップ図
適切な環境で育てていれば、病害虫の被害はあまりありませんが、注意すべきものもあります。日頃からよく観察して、早期発見に努めましょう。

病害虫 主な症状・被害 対策
根腐れ 株元がぶよぶよになり、葉がポロポロ落ちる。 水やり管理の徹底、水はけの良い土を使う。
カイガラムシ 葉の付け根や中心部に白い綿のようなものが付着する。 歯ブラシなどでこすり落とすか、薬剤を使用する。
アブラムシ 新芽や花芽にびっしりと付き、樹液を吸う。 テープなどで取り除くか、薬剤を使用する。

根腐れ

水のやりすぎや、土が常に湿っている状態が続くと発生します。根が腐ると水を吸えなくなり、株全体がダメになってしまいます。一度根腐れすると回復は難しいので、とにかく「乾かし気味」の管理を徹底することが最大の予防策です。

カイガラムシ

葉の付け根など、見つけにくい場所に潜んでいることが多い害虫です。白い綿のような見た目で、植物の汁を吸って弱らせます。数が少ないうちは、ピンセットや歯ブラシでこすり落として駆除しましょう。

アブラムシ

春から秋にかけて、新芽や花芽に発生しやすい小さな虫です。見つけたら、すぐに取り除くか、多肉植物に使える殺虫剤を散布してください。

 

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ぷくぷく可愛いエケベリアを楽しもう

カラフルなエケベリア

エケベリアは、季節ごとの変化を楽しみながら、長く付き合える奥深い植物です。日当たりと風通し、そしてメリハリのある水やりという基本さえ守れば、きっと元気に育ってくれます。この記事を参考に、あなただけのエケベリアを、愛情を込めて育ててみてはいかがでしょうか。

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