コーナンTips 園芸 みかんの育て方・栽培方法|実がなるまでの手順と注意点を初心者向けに解説 みかんの育て方・栽培方法|実がなるまでの手順と注意点を初心者向けに解説 園芸 クリップボードにコピーしました みかんの育て方・栽培方法|実がなるまでの手順と注意点を初心者向けに解説 この記事をシェアする! クリップボードにコピーしました みかんは甘くておいしい柑橘類として、人気の高い果樹です。この記事では、失敗しないみかんの育て方を、初心者向けにわかりやすくご紹介します。 自宅で育てたみかんを収穫する喜びは格別です。基本情報や主な品種、日当たり、水やり、肥料のやり方などを知って、おいしいみかんに育てていきましょう。 目次 みかんの基本情報主な品種中生温州(ナカテウンシュウ)(普通温州)早生温州(ワセウンシュウ)極早生温州(ゴクワセウンシュウ)みかんを育てるために必要なものみかんの育て方日当たり・置き場所・温度植え付け方水やりの仕方肥料のやり方元肥追肥(1回目)追肥(2回目)剪定・摘果の仕方剪定摘果みかんを育てるときの注意点日当たりの良いスペースで育てる冬はしっかり寒冷対策をビニールをかぶせる室内・軒下に移動する鉢を土に埋めるみかんの病気・害虫対策そうか病アブラムシカイガラムシガーデニングの害虫対策!初心者でも簡単にできる方法を紹介みかんの栽培にチャレンジしよう! みかんの基本情報 まず、みかんの基本情報について確認していきましょう。 科名 ミカン科 属名 ミカン属 和名 ウンシュウミカン 英名 Mandarin、Mandarin orange、Mikan、Satsuma 学名 Citrus unshiu 原産地 インド 分類 常緑樹 販売時期 【苗】通年 収穫時期 10~1月(品種により異なる) 耐暑性 強い 耐寒性 やや強い インドが原産地であるみかんは、中国を経て日本に伝わったとされています。日本でみかんといえば「温州みかん(ウンシュウミカン)」を指しますが、江戸時代には「紀州みかん(別名:小みかん)」がもっとも多く栽培されていました。 ミカン類にはほかに「コウジ」「ポンカン」などがありますが、温州みかんは暑さに強く、寒さには比較的強いのが特徴です。ただし、耐寒温度は-5℃程度のため、関東以西〜温暖地に向いています。 主な品種 温州みかんは、日本でもっとも多く栽培されているみかんです。例えば、人気ブランドである「三ケ日みかん」は、静岡県の特定の地域で栽培されている温州みかんを指します。 温州みかんには多くの品種があるため、自宅の環境に向く苗木を入手しましょう。温州みかんの主な系統と初心者におすすめの品種をご紹介します。 中生温州(ナカテウンシュウ)(普通温州) 10月下旬〜12月に収穫期をむかえる系統で、糖度が高い実に育つ点が特徴。「南柑20号」「大津4号」は、実をたくさんつけるおすすめ品種です。ただし、普通温州は、1年おきに実つきが悪くなる隔年結果(かくねんけっか)を起こしやすい欠点があります。 早生温州(ワセウンシュウ) 10月下旬〜11月に収穫期をむかえる系統で、寒さが厳しくなる前に収穫できるため、家庭栽培に向きます。「宮川早生」「興津早生」は、毎年バランス良くおいしい実をつけるおすすめ品種です。 極早生温州(ゴクワセウンシュウ) 9月中旬ごろから収穫できる品種もある系統で、内側の皮が柔らかくて食べやすい点が特徴。「ゆら早生」「日南の姫」など、ほかの品種の枝変わりが多く誕生しています。極早生品種は、早生品種と比べて背丈が低い矮性(わいせい)に育つため、コンパクトに育てたい場所や鉢植えにおすすめです。 みかんを育てるために必要なもの みかんを育てるために必要なものは以下のとおりです。 みかんの苗木 植木鉢(深さ30cm以上) 果樹用培養土 鉢底石と鉢底ネット 肥料 スコップ ジョウロ 園芸ハサミ マルチング材(バークチップなど) 支柱 みかん栽培では、深さ30cm以上の大きい鉢を用意しましょう。1〜2年生の苗から育てる場合は、根鉢よりも一回り大きい鉢(直径18〜30cm)を目安にして、徐々に大きな鉢へ植え替えをおこないます。 みかんの実がついたあとは、根詰まりを防ぐために1年おきの植え替えが必要です。鉢は重過ぎず、使いやすいものを選ぶといいでしょう。 みかんの育て方 果樹のみかんは、管理の仕方次第で実の数や味が変わります。みかんが好む環境で育てることで、健康な株に育ち、甘くておいしい果実を収穫できますよ。 ここでは、置き場所や水やりの仕方、肥料の与え方など、みかんをおいしく育てるためのポイントをご紹介します。 日当たり・置き場所・温度 みかんの栽培では、日当たりと風通しの良い場所を選んでください。直射日光を好むため、1日の日照時間は6時間以上を目安に、日光がたっぷりと当たる場所で育ててあげましょう。 生育適温は15〜18℃、冬は-5℃を下回らないように注意します。暖かい地域を原産地とするみかんは、夏の暑さには耐えられますが、冬の北風が当たらないように管理することが大切です。 植え付け方 みかんの植え付けは、厳しい寒さがゆるんだ3月中旬〜4月中旬が適期。温暖地では秋植えも可能ですが、初心者の方は春植えがおすすめです。 鉢底石と培養土を入れた鉢に、苗木を植え付けていきましょう。植え付け後は、水をたっぷりと与えて根と土を密着させてください。 水やりの仕方 みかんの根がつくまでは、鉢底から流れ出るまで毎日水やりをしてください。根がつき、株が成長してきたら、土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと与えます。 春植えは、梅雨時期に入る前までにしっかりとした株に育てておくことが成功のポイントです。また、秋から冬の休眠期には、水を控えめにして乾燥気味に育てると実が甘くなりますよ。 地植えの場合、根がついたあとは基本的に水やりは必要ありません。ただし、雨が降らない日が続き、土が乾燥していたら水を与えてください。 肥料のやり方 みかんの育て方で大切なポイントは、適切なタイミングで肥料を与えることです。肥料の与え方は、以下を目安にしてください。 元肥 植え付けのタイミングで、ゆっくりと効くタイプの緩効性肥料を土に混ぜ込みます。元肥の入った果樹用培養土を使用してもいいでしょう。 追肥(1回目) 6月ごろ、果実の生育を促すために1回目の追肥をおこないます。柑橘類専用の有機肥料がおすすめです。 追肥(2回目) 秋枝が発生しなくなった9~10月ごろに、即効性タイプの化成肥料を与えてください。実をつけたあとの株は弱っており、秋の追肥は翌年の実を育てるための大切な栄養となります。 剪定・摘果の仕方 適切なタイミングで剪定・摘果をおこなうことも、みかんの栽培を成功させるためのポイントです。ほったらかしで育てると樹形バランスが崩れてしまい、実がつかない年が発生する「隔年結果(かくねんけっか)」が起こりやすくなります。 柑橘類は春、夏、秋と年に3回、新しい枝を伸ばしますが、収穫するための花芽がつくのは前年の春に伸びた枝先です。また、株の内側までしっかりと日光が当たるように剪定しましょう。 剪定 みかんの剪定は、新芽の出る2月下旬〜3月ごろが適期です。実がつきはじめるまでの1〜3年目は細い枝を切り、背丈が大きくなり過ぎないように仕立てていきましょう。 実がつきはじめたら、不要な枝を取り除きながら株を整えます。ただし、鉢植えでは夏枝や秋枝があまり伸びないため、間引き剪定を基本に、しっかりとした枝を育てることがポイントです。 摘果 みかんの実がつくようになったら、大きく育てる実を選ぶ「摘果(てきか)」をおこないます。温州みかんは、25〜30枚に1果が目安です。残した実に栄養を集中させて、おいしいみかんに育てていきましょう。 みかんを育てるときの注意点 比較的丈夫で育てやすいみかんですが、植え付け場所を間違えてしまうと、うまく育ちません。また、冬は寒冷対策をして寒さから守る準備が必要です。 甘くておいしいみかんを育てるために押さえておきたい注意点をご紹介します。 日当たりの良いスペースで育てる みかんは直射日光を好むため、なるべく日当たりの良い場所で育てる必要があります。栽培をはじめる際は、日当たりの良いスペースを確保できるのかを確認しておきましょう。 鉢植え栽培は、簡単に移動できる点がメリットです。日光をたっぷりと浴びられる場所に置き、丈夫な株に育てることで病害虫予防につながりますよ。 冬はしっかり寒冷対策を みかんは寒さに弱い性質があるため、冬の寒冷対策を忘れないようにしてください。葉や芽が凍害を受けると、翌年の生育に悪影響を及ぼすおそれがあります。 みかんの寒冷対策は、以下を参考にしてください。 ビニールをかぶせる 地植えの場合や、鉢を動かすことが困難な場合は、ビニールをかぶせる方法が簡単です。日光を通す透明ビニールを、枝が折れないように注意してかぶせます。 室内・軒下に移動する 氷点下を下回る地域では、室内や霜の当たらない軒下などに移動させて凍害を防ぎます。ただし、冬でも日当たりを好むため、日光が当たる窓辺などに置いてください。 鉢を土に埋める 鉢植えの土が凍ると、根が凍害を受けるおそれがあります。日当たりの良い場所に、鉢ごと土に埋めることで凍害を防げます。 また、みかんは冬の1〜2月ごろに花芽が形成されるため、実をつけたままにしないように注意してください。寒さが心配な地域では、早めに収穫できる極早生〜早生品種を選んで寒さに備えるといいでしょう。 みかんの病気・害虫対策 みかんの栽培で注意すべき害虫や病気は以下のとおりです。 そうか病 葉に白い斑点ができ、ブツブツ状の突起があらわれる病気です。症状が出た葉は、すみやかに取り除きましょう。長雨やチッソ肥料の与え過ぎで発生しやすくなります。鉢植えの場合は、長雨の時期に軒下などへ移動させるといいでしょう。 アブラムシ みかんの新芽が伸びるころに発生します。見つけたらすみやかに取り除き、心配であれば害虫スプレーを散布して発生を防ぎましょう。 カイガラムシ カイガラムシは、みかんの枝や葉の栄養を吸汁する害虫です。成虫は害虫スプレーが効かないため、ブラシなどでこすりとります。カイガラムシの天敵であるテントウムシを利用して駆除する方法もあります。 病害虫は、日当たりや風通しが悪く、弱った株に多く発生します。剪定で株の内側まで日当たりを良くし、追肥や寒冷対策をして元気な株に育てていきましょう。 関連記事 ガーデニングの害虫対策!初心者でも簡単にできる方法を紹介 みかんの栽培にチャレンジしよう! みかん栽培を成功させるポイントは、日当たりの良い場所で育てること。適切なタイミングで植え付けや剪定をおこない、しっかりとした株に育てることが大切です。 みかんは正しい方法を守って育てれば、果樹栽培が初めての方でも簡単に育てられます。秋の収穫が楽しみになるみかん栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。 ガーデニング用品の特集を見てみる
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