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【獣医師監修】犬の無駄吠えに悩む飼い主さんへ!叱らずにできる原因別の正しい対策を解説

【獣医師監修】犬の無駄吠えに悩む飼い主さんへ!叱らずにできる原因別の正しい対策を解説

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愛犬が吠え続ける姿に、心を痛めていませんか。家族の一員として深い愛情を注いでいるからこそ、「どうして吠えるの?」と悩んだり、近所の目が気になってストレスを感じてしまったりすることもあるでしょう。しかし、犬が吠えるのには必ず理由があります。

この記事では、犬の「無駄吠え」と呼ばれる行動の裏にある本当の気持ちを探り、叱らずにできる原因別の正しいしつけ方を解説します。愛犬のサインを正しく理解し、適切な対策を行うことで、お互いにとってより快適で幸せな毎日を目指しましょう。

まずは知っておきたい犬が吠える本当の理由

ソファとクッションの上に乗って遠吠えをする2匹の犬

愛犬の吠え声に悩むと、つい「無駄吠え」という言葉で片付けてしまいがちです。しかし、犬にとって吠えることは、人間が言葉を話すのと同じくらい自然で重要なコミュニケーション手段なのです。まずは、私たちが「無駄吠え」と呼んでいる行動の本当の意味について考えてみましょう。

「無駄吠え」は人にとっての都合

私たちが「無駄吠え」と感じるのは、多くの場合、人間の生活にとって不都合な吠え方です。 例えば、早朝や深夜に吠え続ける、来客のたびに激しく吠える、散歩中にすれ違う人や犬に吠えかかるといった状況が挙げられます。

しかし、犬自身は決して無駄に吠えているわけではありません。何かを伝えたい、あるいは本能的な行動として吠えています。その行動を「無駄」と捉えるのは、あくまで人間側の視点であることを理解することが、問題解決の第一歩となります。

吠えることは犬の大事な意思表示

犬は吠えることで、さまざまな気持ちを表現しています。喜びや興奮、恐怖、警戒、不安、あるいは何かを要求しているサインかもしれません。 つまり、吠えるという行動は、犬が自分の意思を飼い主や周りに伝えようとしている大切なサインなのです。

「吠えるのはダメなこと」と頭ごなしに叱るのではなく、「どうして吠えているんだろう?」と愛犬の気持ちに寄り添い、原因を探ることが、根本的な解決に繋がります。

あなたの愛犬はどのタイプ?吠える原因を特定しよう

ソファの上で吠える犬

犬の吠えには様々な種類があり、それぞれ原因が異なります。愛犬の吠えがどのタイプに当てはまるのかを特定することが、効果的な対策を見つけるための鍵となります。日頃の愛犬の様子をよく観察し、どんな状況で、どのような声で吠えているかを確認してみましょう。

吠えのタイプ 主な原因
要求吠え ご飯、散歩、遊びなどを求めている
警戒吠え 縄張りや家族を守ろうとしている
不安吠え 飼い主と離れることへの不安(分離不安)
興奮吠え 嬉しい、楽しいといった感情の高ぶり
ストレス吠え 運動不足や退屈、環境の変化

何かを要求している「要求吠え」

「ごはんが欲しい」「散歩に行きたい」「もっと遊んで」といった要求を伝えるために吠えるのが「要求吠え」です。飼い主の注意を引こうと、じっと見つめながら「ワン!ワン!」と力強く、はっきりとした声で吠えるのが特徴です。この要求に応えてしまうと、「吠えれば言うことを聞いてもらえる」と学習し、行動が強化されてしまいます。

縄張りを守るための「警戒吠え」

家の外の物音やインターホンの音、来客、窓の外を通る人や犬など、自分の縄張り(テリトリー)に近づくものに対して「あっちへ行け!」と警告するために吠えるのが「警戒吠え」です。 低く唸るような声から始まり、徐々に甲高い連続した吠えに変わることが多く、自分の体を大きく見せようと毛を逆立てることもあります。これは、犬が持つ縄張りを守るための本能的な行動です。

分離不安症からくる「不安吠え」

飼い主の姿が見えなくなると、不安や寂しさから吠え続けるのが「不安吠え」です。留守番中や、飼い主が別の部屋へ移動しただけでも、「クーンクーン」と鼻を鳴らすような悲しげな声や、甲高く遠吠えのような声で鳴き続けることがあります。これは「分離不安症」という精神的な問題のサインかもしれません。吠える以外にも、物を破壊する、粗相をするといった行動が見られることもあります。

嬉しさや楽しさが溢れる「興奮吠え」

飼い主が帰宅した時や、散歩の準備を始めた時、遊びの最中などに、嬉しさや楽しさといった感情の高ぶりから「ワン!ワン!」と高く短い声で吠えるのが「興奮吠え」です。しっぽを激しく振っていたり、飛び跳ねたりといった、体全体で喜びを表現する行動を伴うことが多くあります。このタイプの吠えは、必ずしも問題行動とは言えませんが、興奮が過度になるとコントロールが難しくなるため注意が必要です。

ストレスや退屈からくる吠え

運動不足や、ひとりぼっちの時間が長いことによる退屈さ、環境の変化などがストレスとなり、それを発散させるために吠えることがあります。 特定の対象がいるわけではなく、単調な声で繰り返し吠え続けるのが特徴です。この場合、吠えること自体が目的となっているため、原因となっているストレス源を特定し、解消してあげることが重要になります。

【原因別】今日からできる無駄吠えのしつけ方

撫でられている黒色の大型犬

愛犬が吠える原因を特定できたら、次はいよいよ実践です。ここでは、原因別に効果的な対策としつけのトレーニング方法を紹介します。大切なのは、一貫した態度で根気強く続けることです。

要求吠えには徹底した「無視」を貫く

要求吠えに対して最も効果的なのは、徹底して「無視」をすることです。愛犬が吠えても、目を見たり、声をかけたり、体に触れたりせず、完全に存在しないかのように振る舞います。そして、吠えるのをやめて静かになった瞬間に、「いい子だね」と褒めてあげましょう。これを繰り返すことで、犬は「吠えても意味がない」「静かにすれば構ってもらえる」と学習していきます。

警戒吠えには「安心感」を与える

警戒吠えの原因は、縄張りを守ろうとする本能と、未知のものに対する不安感です。そのため、叱るのではなく「大丈夫だよ」という安心感を与えてあげることが大切です。インターホンが鳴ったら、まず飼い主が落ち着いて対応し、愛犬に「危険はない」と示します。おやつなどを使って注意を飼い主に向けさせ、吠えずにいられたら褒めてあげましょう。

不安吠えには「ひとりになる時間」に慣れさせる

分離不安からくる吠えには、愛犬がひとりでいることに少しずつ慣れさせていくトレーニングが有効です。まずは短い時間から、飼い主が別の部屋で過ごすなどして、愛犬が落ち着いていられたら戻って褒めてあげます。徐々に時間を延ばしていくことで、「飼い主は必ず帰ってくる」という安心感を育て、ひとりで過ごすことへの耐性をつけていきます。

興奮吠えには「落ち着かせる」トレーニングを行う

嬉しさや楽しさからくる興奮吠えには、興奮をコントロールし、落ち着かせるトレーニングが効果的です。例えば、「おすわり」や「まて」といった基本的な指示でいったん冷静にさせ、落ち着いてから遊びを再開する、といったことを繰り返します。興奮が高まる前にクールダウンさせる習慣をつけることで、犬自身が感情をコントロールできるようになります。

状況別!こんな時の無駄吠えはどう対処する?

公園で手懐けられる犬

原因別の対策に加えて、飼い主さんが特に困りがちな状況別の対処法を知っておくと、より具体的な対応ができます。ここでは、よくある3つのシチュエーションでの対処法を解説します。

状況 対処法のポイント
インターホンや来客 吠える前におやつで注意を引き、落ち着かせる。
留守番中 出かける前は静かに、帰宅後は落ち着いてから構う。
散歩中 他の犬や人が苦手なら、距離を取ってすれ違う。

インターホンや来客に吠える時の対応

インターホンが鳴ると吠えてしまう場合、音と来客を結びつけて警戒している可能性があります。対策として、インターホンの音に慣れさせるトレーニングが有効です。録音したインターホンの音を小さな音量で聞かせ、吠えなければおやつをあげます。徐々に音量を大きくしていくことで、「インターホンが鳴ると良いことがある」と学習させることができます。来客時には、吠え始める前に「ハウス」や「おすわり」で待機させ、落ち着いていられたら褒めてあげましょう。

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留守番中に吠えてしまう時の対応

留守番中の吠えは、分離不安が原因であることが多いです。出かける前に「行ってくるね!」と大げさに声をかけたり、帰宅後すぐに「ただいま!」と駆け寄ったりすると、かえって犬の不安を煽ってしまいます。出かけるときは静かに家を出て、帰宅した際も愛犬が落ち着くまでは構いすぎず、クールに対応するのがポイントです。また、留守番前に長めの散歩に行く、知育おもちゃを与えておくなど、犬が疲れていたり退屈しなかったりする工夫も効果的です。

他の犬や人を見て散歩中に吠える時の対応

散歩中に他の犬や人に吠えるのは、恐怖心や警戒心、あるいは社会化不足が原因です。無理に近づけようとせず、まずは相手と十分な距離を取り、吠えずにすれ違えたらたくさん褒めてあげましょう。おやつを使って飼い主に注目させながら通り過ぎるのも良い方法です。少しずつ距離を縮めていくことで、「他の犬や人がいても怖くない」と学習させていくことが大切です。

無駄吠えを悪化させる飼い主のNG対応とは?

部屋の中でドッグフードを「待て」されている犬

愛犬の吠えに悩むあまり、ついやってしまいがちな行動が、実は問題をさらに悪化させていることがあります。良かれと思ってやっていることが、逆効果になっていないか確認してみましょう。

大声で叱りつける

犬が吠えている時に、それ以上の大きな声で「うるさい!」と叱りつけるのは逆効果です。犬は「飼い主も一緒に吠えてくれている(応援してくれている)」と勘違いして、さらに興奮してしまうことがあります。ま
た、恐怖心から一時的に吠えなくなっても、根本的な解決にはならず、飼い主さんとの信頼関係を損なう原因にもなります。

体罰を与える

叩く、蹴るといった体罰は、犬に恐怖と苦痛を与えるだけで、何故いけないのかを理解させることはできません。むしろ、飼い主への不信感を増大させ、防衛本能からさらに攻撃的になったり、別の問題行動を引き起こしたりする可能性があります。体罰はしつけではなく、単なる虐待であり、絶対に避けるべきです。

吠えている時におやつを与える

吠えている時におやつを与えてしまうと、犬は「吠えたらおやつがもらえる」と学習してしまいます。これは要求吠えを助長する最悪の対応です。おやつをご褒美として使う場合は、必ず犬が吠えるのをやめて、落ち着いている時に与えるようにしましょう。タイミングを間違えると、問題行動を強化してしまうことを覚えておく必要があります。

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無駄吠え対策の前に見直したい生活環境

公園でボール遊びをする犬

しつけやトレーニングと並行して、愛犬が吠えなくても済むような生活環境を整えることも非常に重要です。ストレスの少ない環境は、犬の心を安定させ、問題行動の予防に繋がります。

環境見直しのポイント 具体的なアクション
運動・散歩 散歩の質と量を見直し、エネルギーを発散させる
安心できる居場所 クレート(キャリーケース)やサークル・ケージで静かで安全なパーソナルスペースを作る
退屈させない工夫 知育おもちゃなどを活用し、考える時間を与える

運動や散歩の時間は足りているか確認する

犬は有り余るエネルギーを発散できないと、ストレスから吠えることがあります。毎日の散歩は、単なるトイレの時間ではなく、心身の健康を保つための重要な活動です。距離や時間だけでなく、時にはコースを変えたり、ドッグランで思い切り走らせたりと、内容の質を高める工夫をしましょう。十分に運動し、満足感を得ることで、無駄吠えが減少するケースは少なくありません。

 

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愛犬が安心して休める場所を用意する

犬には、誰にも邪魔されずにリラックスできる自分だけの場所が必要です。屋根付きのクレートやサークル・ケージなどを使い、静かで落ち着ける場所に「ハウス」を用意してあげましょう。そこが安全な場所だと認識できれば、来客時や物音がした時でも、パニックにならずに落ち着いていられるようになります。

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知育おもちゃで退屈な時間を減らす

留守番中など、犬が一人で過ごす時間に退屈させない工夫も大切です。おやつを隠して探させるタイプの知育おもちゃや、時間をかけて楽しめるガムなどを与えることで、犬は集中して遊び、退屈や寂しさを紛らわすことができます。このような工夫は、ストレスによる無駄吠えの予防に繋がります。

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どうしても治らない時に検討すべきこと

注射されている大型犬

様々な対策を試しても吠えが改善されない場合、別の原因が隠れている可能性も考えられます。一人で抱え込まず、専門家の助けを借りることも検討しましょう。

病気や体調不良の可能性を疑う

急に吠えるようになった、あるいは特定の場所を触ると吠えるといった場合、体のどこかに痛みや不快感を抱えている可能性があります。例えば、認知症、関節の痛み、脳の病気などが原因で吠えることもあります。行動の変化が気になったら、まずはかかりつけの動物病院で獣医師に相談し、病気の可能性がないかを確認してもらいましょう。

ドッグトレーナーなど専門家へ相談する

しつけの方法が本当に合っているのか自信がない、問題行動が深刻で手に負えないと感じたら、ドッグトレーナーや行動診療の専門医など、プロに相談することをおすすめします。専門家は、客観的な視点で原因を分析し、その犬の性格や飼い主のライフスタイルに合った、より具体的な解決策を提案してくれます。

まとめ

公園で「お手」をする犬

犬の無駄吠えは、飼い主さんにとって大きな悩みですが、その背景には必ず犬なりの理由があります。吠える原因を正しく理解し、叱るのではなく、根本的な原因に寄り添った対策を根気強く続けることが大切です。愛犬との信頼関係を深めながら、穏やかで楽しい毎日を目指しましょう。

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