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犬の睡眠時間はどれくらい?年齢や犬種ごとの平均時間を詳しく解説

犬の睡眠時間はどれくらい?年齢や犬種ごとの平均時間を詳しく解説

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初めて犬を飼う方は、いつも寝てばかりいる愛犬の姿を見て心配になったり、病気を疑ったりする飼い主さんは多いのではないでしょうか。
しかし、犬は一日のほとんどの時間を眠って過ごす動物です。
人間よりも睡眠時間が長く、昼夜問わずよく眠るので、あまり心配はいりません。

本記事では、犬の平均的な睡眠時間を、年齢や犬種別に解説していきます。
睡眠時間が変化する原因や、快適な睡眠環境づくりの方法など、愛犬家に役立つ情報もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

犬の睡眠時間は人間よりも長い

犬の睡眠時間は人間よりも長い
夜間だけではなく、日中でもぐっすりとお昼寝をする愛犬の姿をよく目にするのではないでしょうか。
人間の理想的な睡眠時間は7~8時間ほどですが、犬は人間よりも長く、12~15時間ほどの睡眠が必要となります。

犬の睡眠時間が人間よりも長い理由は、犬は人間に比べて、浅い眠りである「レム睡眠」の割合が多いからといわれています。
レム睡眠とは、身体は眠っているものの、脳は活動している状態を指します。

犬はもともと野生動物なので、危険から身を守るために浅い眠りをとる習性があるといわれています。
レム睡眠を何度も繰り返していることから、疲れがなかなかとれず、多くの睡眠時間が必要になると考えられます。

起きている時間に元気いっぱい走り回ったり、遊んだりするためには、十分な睡眠が欠かせません。
そのため、愛犬が寝てばかりいても、なるべく起こさないようにし、快適な睡眠環境を維持してあげてくださいね。

犬の年齢と平均睡眠時間

犬の年齢と平均睡眠時間
犬の睡眠時間は、年齢によって異なります。
ここでは、「子犬」「成犬」「老犬」の3つのステージごとに、必要な睡眠時間をご紹介します。

その1:子犬

0〜1歳までの幼少期は、起きている時間にはとにかくよく動き回ります。
体力の消耗が激しいため、成犬よりも多くの睡眠時間が必要です。

平均睡眠時間は18~19時間と、一日のほとんどを睡眠にあてるので、構いすぎには注意しましょう。
子犬の時期はとくに可愛く、つい起こしたくなるかもしれませんが、無理をさせてはいけません。

丈夫で健康な身体をつくるためにも、起きている時間にはたっぷりと遊び、疲れた様子を見せたら静かな環境で寝かせてあげるなど、メリハリをつけて愛犬と接しましょう。

その2:成犬

1~7歳頃までの成犬期には、子犬よりも活動時間が長くなります。
成犬に必要な睡眠時間は、10~15時間です。
成犬になるにつれて、身体も脳も眠っている状態である「ノンレム睡眠」の割合が増え、しっかりと体力を回復できるようになります。

人間と比べると多くの睡眠時間が必要で、1日の半分以上を寝て過ごしますが、犬の一生のなかではもっとも体力がある時期です。
そのため、一緒に出かけたり外で遊んだりと、アクティブに過ごすことができます。
愛犬と旅行やアウトドアを楽しみたい場合は、なるべく成犬の時期を選ぶといいでしょう。

その3:老犬

犬種やサイズにもよりますが、一般的に7~8歳を超えるとシニア期に入り、老犬として毎日を穏やかに過ごすようになってきます。
老化とともに睡眠時間が長くなり、最終的には幼少期と同じく18~19時間ほど眠るようになるでしょう。

成犬の頃と同じ感覚で長い時間出かけたり、遊んだりすることは控えなければなりません。
体力を多く消耗し、身体に負担がかかってしまいます。
快適な睡眠環境を整えて、なるべく無理をさせないようにしてあげてください。

犬種と睡眠時間の目安

犬種と睡眠時間の目安
犬の睡眠時間は、年齢だけではなく、犬種によっても異なります。
一般的には、小型犬よりも大型犬のほうが体が大きく体力を消耗しやすいため、多くの睡眠時間が必要です。

ここでは、5つの犬種をピックアップして、睡眠時間の違いについて解説していきます。

犬種その1:柴犬

柴犬は「中型犬」にあたる犬種です。
平均睡眠時間は10時間前後と、犬のなかでは短く、日中は活発に動き回る傾向があります。

なかには15時間ほど眠る子もいますが、熟睡できている時間は多くありません。
もともと日本で狩猟犬として活躍していた柴犬は、警戒心がとても強く、些細な音にも敏感に反応して目を覚まします。
眠りが浅い犬種であるからこそ、安心してぐっすりと眠れる環境を用意してあげましょう。

犬種その2:チワワ

「小型犬」や「超小型犬」に分類されるチワワは、平均で10時間ほど眠ります。
起きている時間には、小さな身体を一生懸命動かして活動するものの、必要な運動量が少ないため意外と体力を消耗しにくい犬種です。

活発で運動量が多い子などは10時間以上眠る場合もありますが、基本的にはほかの犬種より短い睡眠時間でも問題なく元気に過ごせます。

犬種その3:トイプードル

トイプードルは、犬の平均的な睡眠時間である12~15時間ほど眠る犬種です。
体格としては「小型犬」に分類されますが、やんちゃで活発な子が多く、体力を消耗しやすいため、多くの睡眠を必要とします。

また、柴犬のように狩猟犬としてのルーツがあり、物音に敏感に反応したり、元気に走り回ったりする習性があることも、睡眠時間の長さに影響していると考えられるでしょう。

ちなみに「プードル」は、体重や体の大きさによって呼び方が異なります。
スタンダードやミディアム、ティーカップ、タイニーといったほかの種類は、必要な睡眠時間がトイプードルとは異なる可能性があるので注意してください。

犬種その4:ポメラニアン

小型犬のなかでも運動量が多いポメラニアンは、12~13時間以上眠るとされています。
かつては、そり犬として活躍していた犬種であるため活動的な子が多く、小さくて愛らしい見た目からは想像もできないパワフルさが特徴です。

一人遊びも大好きで、起きている時間には非常に多くの体力を消耗します。
そのため、長めにしっかりと睡眠をとって体力を回復させてあげることが大切です。

犬種その5:ゴールデン・レトリーバー

大きくて頼もしい体が印象的なゴールデン・レトリーバーは、18~20時間と一日の大半を睡眠にあてる犬種です。
「大型犬」に分類され、小型犬や中型犬よりも体を動かすために多くのエネルギーを消耗します。
また、日中は活発に動き回る子が多いので、しっかりと回復するためには十分な睡眠が欠かせません。

同じ大型犬でも、ワーキングドッグ(使役犬)の睡眠時間は短く、たとえばシベリアンハスキーは12時間ほどです。

大型犬は家の外で飼育している家庭も多く見られますが、外飼いをする場合は、より安心して眠れるように、快適な環境づくりをしてあげてください。

犬の睡眠時間の変化と原因

犬の睡眠時間の変化と原因
年齢や犬種ごとの平均睡眠時間よりも極端に長い、もしくは短い場合には、ストレスやケガ、病気などが原因かもしれません。

睡眠時間は性格によっても異なるので、愛犬の体調に変化がなく、元気で過ごしていればあまり気にする必要はないでしょう。
しかし、突然睡眠時間が大きく変わったり、睡眠中の愛犬の様子に異変を感じたりしたら、早めに原因を見つけて対処してあげてください。

睡眠時間が短い原因

愛犬がすぐに起きたり、なかなか寝ようとしなかったりして、睡眠時間が短くなったと感じたら、普段の生活や睡眠環境を見直してみましょう。
犬にとって、寝床が「安心して眠れる場所」ではなくなっている可能性があります。
たとえば、引っ越しをして家の香りや部屋の雰囲気が変わったり、家の近所で大きな音がする工事が始まったりと、環境の変化が犬にストレスを与えているかもしれません。

また、睡眠時間が極端に短い場合、認知症や呼吸器系・心臓の疾患が原因で眠りが浅くなっているケースも考えられます。
気になる症状が見られたら、早めにかかりつけ医に相談しましょう。

睡眠時間が長い原因

平均より睡眠時間が長くても、愛犬がよく眠っていれば、基本的には心配はいりません。
体力や性格の違いにより、平均以上に眠る犬は多くいます。

しかし、あまりにも睡眠時間が長すぎると感じるときは、ストレスやケガを疑いましょう。
たとえば、環境が変化したり、欲求が満たされていなかったりすると犬はストレスを感じ、ホルモンのバランスが崩れて過剰な眠気を引き起こすことがあります。

また、甲状腺機能低下症や脳腫瘍などの疾患が原因で、意識障害の一つである「嗜眠(しみん)」の状態となっているおそれもあります。
少しの物音ではなかなか目を覚まさず、寝たり起きたりを繰り返すなど、異変が見られるときは嗜眠を疑ってみてください。

さらに、怪我をしていたり、関節に痛みがあったりするためにうまく起き上がれず、睡眠時間が長くなっている可能性もあります。

糖尿病などの特定の病気が原因の場合もあります。

ストレスや病気、ケガに早く気付いて適切なケアをおこなえるよう、日頃から愛犬の様子をしっかりと観察してあげることが大切です。

犬が快適に眠れる環境づくりのポイント

犬が快適に眠れる環境づくりのポイント
一日の多くの時間を眠って過ごす愛犬のために、なるべく快適な睡眠環境を整えてあげましょう。
環境づくりのポイントは、「寝床」と「温度管理」の2つ。
ちょっとした工夫が愛犬の元気と健康につながるので、ぜひチェックしてみてください。

ポイントその1:寝床

人間が布団や枕を使って寝るように、愛犬にも寝具が必要です。
ケージやフローリングなどの固い場所で眠ると、関節を痛めたり毛が抜けたりするおそれがあります。
愛犬専用の寝床として、ふかふかのクッションやペットベッドなどを用意してあげましょう。

犬が使いやすいクッションやベッドは、ペットショップやホームセンターをはじめ、100円ショップやスーパーなどでも手軽に購入できるので、一度覗いてみてください。
すぐにベッドを用意できない場合は、タオルや洋服などを数枚重ねて、厚みのある簡易ベッドを作ってあげるといいでしょう。

また、犬はとても綺麗好きな動物なので、トイレとは離れた場所に寝床を用意するのがおすすめです。

ポイントその2:温度管理

室内と室外のどちらで飼育していても、愛犬が過ごす環境の「温度」はしっかりと管理してあげる必要があります。
犬の毛量によって適温は異なりますが、夏場は22~26度、冬場は19~25度を意識して温度調整をおこないましょう。

また、ダブルコートの犬種は、換毛期の影響で夏場に毛量が減り、冬場は多くなります。
そのため、シングルコートの犬種よりも夏は高め、冬は低めの温度が適温です。

幼少期やシニア期の犬は、体調管理がうまくできないので、室温に加えて暑さや寒さに応じた工夫をしてあげてください。
暑い日には冷たさを感じられるマットや保冷剤などを用意し、寒い日には毛布やカーペットで一定の温度を保ってあげるといいでしょう。

愛犬の睡眠時間から良質な睡眠がとれているか確認しよう

愛犬の睡眠時間から良質な睡眠がとれているか確認しよう
犬は人間よりも長い時間を睡眠にあてて、体力を回復します。
起きている間は、一緒に体を動かして体力づくりやストレス発散をさせてあげることが大切ですが、疲れた様子が見られたらゆっくりと休ませてあげましょう。

まずは、年齢や犬種による睡眠時間の違いをしっかりと把握して、愛犬が寝ているときの様子を観察してみてください。
愛犬がいつまでも元気で健康な身体を維持できるように、快適な睡眠環境を整えてあげましょう。

この記事を監修した人

小松 智彦

小松 智彦

獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。
20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。

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