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【獣医師監修】犬のワクチンの種類や費用は?接種のタイミングや注意点を詳しく解説

【獣医師監修】犬のワクチンの種類や費用は?接種のタイミングや注意点を詳しく解説

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愛犬を迎えて、「そろそろワクチンの時期かな?」「種類がたくさんあってどれを選べばいいかわからない」と悩んでいませんか?

大切な家族である愛犬には、健康で長生きしてほしいものです。しかし、ワクチンの副反応や費用について不安を感じることもあるでしょう。この記事では、犬のワクチンの種類や費用、適切な接種タイミング、そして知っておくべき注意点を詳しく解説します。正しい知識を身につけ、愛犬にとってベストな選択をしてあげましょう。

犬のワクチン接種が必要な理由

動物病院で青い手袋をした獣医師に抱えられ、首筋にワクチン注射を受けるシベリアンハスキー
愛犬が健康で安全な生活を送るためには、食事や運動の管理だけでなく、病気に対する備えが欠かせません。目に見えないウイルスや細菌は、散歩中の道端や他の犬との接触だけでなく、飼い主さんの靴や衣服に付着して室内に持ち込まれることもあります。治療が困難な事態を避け、愛犬と社会全体の安全を守るためにも、ワクチン接種は飼い主が果たすべき重要な責任の一つです。

重篤な感染症の発症を未然に防ぐ

犬の感染症の中には、発症すると治療が難しく、高い確率で命を落としてしまう恐ろしい病気が存在します。例えば、犬ジステンパーや犬パルボウイルス感染症などは、感染力が非常に強く、致死率も高い病気です。これらは一度発症すると特効薬がないことも多く、対症療法しかできないケースが少なくありません。ワクチン接種によって事前に免疫をつけておくことが、愛犬の命を守るための最も効果的で重要な防御策となります。

狂犬病の予防接種は法律で義務化されている

犬のワクチンには、飼い主の判断で接種するものと、法律で義務付けられているものがあります。特に「狂犬病」の予防接種は、狂犬病予防法という法律によって、生後91日以上のすべての犬に対して、年に1回の接種が義務付けられています。狂犬病は人間を含むすべての哺乳類に感染し、発症するとほぼ100%死亡するという極めて危険な病気です。日本国内での発生を防ぐためにも、飼い主としての法的義務と社会的責任を果たす必要があります。
参考:狂犬病|厚生労働省

Tips
狂犬病予防法では以下のことが飼い主に義務付けられています。義務を怠ると20万円以下の罰金が科せられる可能性もあるため、必ず確認しておきましょう。

  1. 飼い犬の登録(生涯1回):犬を飼い始めた日(または生後90日を経過した日)から30日以内にお住まいの市区町村に登録します。マイクロチップを装着している場合は環境省の「犬と猫のマイクロチップ情報登録」サイトで飼い主情報の変更登録を行います。お住まいの自治体が「マイクロチップ登録制度の特例」に参加している場合は、この手続きが市区町村への登録とみなされます。
  2. 狂犬病予防のワクチン接種(毎年1回):毎年4月1日から6月30日までの間に接種を受けさせます。ただし、新しく犬を飼い始めた場合(子犬は生後90日を経過した場合)は、その日から30日以内に接種させる必要があります。なお、病気などの理由で獣医師が接種不可と判断した場合は、「狂犬病予防注射実施猶予証明書」を自治体に提出する必要があります。
  3. 犬の鑑札と注射剤票の装着(常時):交付された鑑札と注射剤票は首輪などに付けておきます。ただしマイクロチップが鑑札とみなされる自治体では、物理的な鑑札の装着は不要となる場合があります。注射済票は、マイクロチップの有無に関わらず、常に装着させておく義務があります。

ワクチンの種類と予防できる感染症

診察台に横たわる犬を背景に、手袋をはめた獣医師がワクチン用の注射器と2種類のバイアル瓶を持っている様子
犬のワクチンは大きく分けて「狂犬病ワクチン」と「混合ワクチン」の2種類があります。狂犬病ワクチンは前述の通り義務ですが、混合ワクチンは任意接種となります。混合ワクチンは、1本の注射で複数の病気を同時に予防できるもので、生活環境に合わせて種類を選ぶことが一般的です。

種類 接種の義務 対象となる主な病気 備考
狂犬病ワクチン あり(法律で義務) 狂犬病 年1回接種が必要
混合ワクチン なし(任意だが推奨) 犬ジステンパー、犬パルボウイルス、レプトスピラ症など 2種〜10種など組み合わせがある

狂犬病ワクチンはすべての犬に必要

狂犬病ワクチンは、室内飼いか外飼いかに関わらず、すべての犬に接種が必要です。日本では長年発生がありませんが、世界では現在も発生しており、いつ国内に侵入してもおかしくない状況です。万が一の侵入に備え、すべての犬が免疫を持っておくことが社会全体の安全につながります。未接種の場合、20万円以下の罰金が科されることもあるため、必ず毎年の接種を行いましょう

コアワクチンで重大な疾患を予防する

混合ワクチンに含まれる病気の中で、すべての犬が接種すべきとされるものを「コアワクチン」と呼びます。これには、犬ジステンパーウイルス、犬パルボウイルス、犬アデノウイルスなどが含まれます。これらの病気は感染力が強く、感染すると重篤化しやすいため、生活環境に関わらず予防が必須です。通常の混合ワクチン(5種以上)には、これらのコアワクチンが含まれています。

ノンコアワクチンは生活環境で選ぶ

「ノンコアワクチン」は、生活環境や地域のリスクに応じて接種を検討するものです。例えば、川遊びやキャンプによく行く犬や、ネズミなどの野生動物と接触する可能性がある犬には「レプトスピラ症」の予防が必要です。また、ドッグランやペットホテルなどで多くの犬と接する機会が多い場合は、「犬パラインフルエンザ」などの風邪症状を引き起こすウイルスの予防も推奨されます。これらは7種や8種以上の混合ワクチンに含まれることが一般的です。

 

関連サイト

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ワクチン接種を受ける適切なタイミング

鮮やかな青緑色の背景の前で、真っ直ぐ前を見つめてお座りをする子犬
ワクチンは一度打てば終わりではなく、適切な時期に追加接種を行うことで効果を発揮します。子犬と成犬ではスケジュールが異なるため、獣医師と相談しながら計画を立てることが大切です。

時期 接種内容 備考
生後6〜8週頃 混合ワクチン(1回目) 母子免疫が低下し始める時期
生後10〜12週頃 混合ワクチン(2回目) 3〜4週間の間隔を空ける
生後14〜16週頃 混合ワクチン(3回目) 確実な免疫獲得のため
成犬以降 年1回の追加接種 抗体価検査を行う場合もある

子犬期は複数回の接種が必要になる

子犬は生まれた直後、母犬の初乳から「移行抗体」という免疫をもらって病気から守られています。しかし、この移行抗体は生後数ヶ月で徐々に消えていきます。移行抗体が残っている間にワクチンを打っても効果が薄れてしまうため、抗体がなくなる時期を見計らって、2〜3回に分けて接種を行う必要があります。一般的には生後16週齢頃に最後の接種が終わるようにスケジュールを組みます。

成犬以降は一年に一度の頻度で受ける

子犬期のプログラムが終了した後は、免疫力を維持するために年に1回の追加接種(ブースター接種)を行うのが一般的です。近年ではコアワクチンに関しては3年に1回で十分というガイドラインもありますが、ノンコアワクチン(レプトスピラなど)は免疫の持続期間が短いため、年1回の接種が推奨されることが多いです。また、ドッグランやペットホテルでは「1年以内の接種証明書」の提示を求められることがほとんどです。

犬用品|ホームセンターコーナンの通販サイト

 

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ワクチン接種にかかる費用の目安

米ドル札の上に置かれたワクチン薬剤と注射器。犬の予防接種にかかる年間費用や家計の予算管理をイメージした写真
ワクチンの費用は動物病院によって自由に設定できるため、施設ごとに異なります。また、混合ワクチンの種類(何種混合か)によっても金額が変わってきます。事前に相場を知っておくと安心です。

種類 費用の目安 備考
狂犬病ワクチン 約3,000円〜5,000円 別途、済票交付手数料(約550円)が必要
混合ワクチン(5〜6種) 約5,000円〜8,000円 一般的なコアワクチンを含む
混合ワクチン(7〜10種) 約7,000円〜12,000円 レプトスピラ等を含む

※価格は2026年1月時点の目安です。別途、診察料がかかる病院が多いため、詳細は受診前にご確認ください。

Tips
多くのペット保険では、予防目的のワクチン接種費用は補償の対象外となりますので注意しましょう。

狂犬病予防接種にかかる費用を確認する

狂犬病の予防接種は、自治体が実施する「集合注射」と、動物病院での「個別接種」があります。集合注射の場合は3,000円前後(注射済票交付手数料込みの場合が多い)で済むことがありますが、動物病院の場合は診察料が加算されることもあります。動物病院では3,000円〜4,000円程度の注射代に加え、自治体への登録代行手数料などがかかる場合もあるため、事前に確認しましょう。

混合ワクチンの種類別の相場を把握する

混合ワクチンは、予防できる病気の数が増えるほど費用も高くなる傾向があります。2026年1月時点の相場は5種〜6種混合であれば5,000円〜8,000円程度ですが、レプトスピラ症などを含む7種〜10種混合になると、7,000円〜12,000円程度になることが多いです。愛犬のライフスタイルに不要な成分まで打つ必要はないため、獣医師と相談して最適な種類を選び、費用を抑えることも賢い選択です。

ワクチンを接種するメリット

ワクチン接種を済ませ、ドッグランの広い芝生の上を元気に駆け回るゴールデン・レトリバー
ワクチン接種には、愛犬の健康を守る以外にも、飼い主さんとの生活の幅を広げるメリットがあります。

メリット 内容
施設の利用 ドッグラン、ペットホテル、トリミングサロン等が利用可能に
重症化防止 万が一感染しても軽い症状で済む可能性が高い

ドッグランや宿泊施設を利用できる

多くのドッグラン、ペットホテル、トリミングサロンでは、利用条件として「1年以内の狂犬病ワクチンおよび混合ワクチンの接種証明書」の提示を求めています。これは施設内で他の犬への感染を防ぐためのルールです。ワクチンを接種しておくことで、愛犬と一緒に旅行に行ったり、広い場所で遊ばせたりと、行動範囲を大きく広げることができます

 

関連サイト

ペットホテル・トリミングサービスのご予約はコチラ|ホームセンターコーナンのペットショップサイト|コーナンpet plaza

病気にかかった際の重症化を回避できる

ワクチンを接種していても、稀に感染してしまうことがあります。しかし、あらかじめ免疫を作っておくことで、ウイルスが体内で増殖するのを抑え、発症しても軽い風邪程度の症状で済むことが期待できます。命に関わる最悪の事態を避けることができる点は、飼い主さんにとって大きな安心材料となります。

接種後に注意すべき副反応の症状

ワクチン接種後の副反応で元気がなく、床にぐったりと横たわっている犬
ワクチン接種後は、体内で免疫を作る反応が起こるため、一時的に微熱が出たり、元気がなくなったりすることがあります。多くの場合は1~2日で自然に回復しますが、稀に重篤な副反応が出る可能性があります。ここでは接種後に注意すべき副反応について、「接種後すぐにあらわれるもの」と「しばらく経ってからあらわれるもの」に分けて紹介します。接種後に愛犬の様子がおかしいと感じたら、すぐに気づいてあげることが大切です。特に注意すべきサインを知っておきましょう。

接種後すぐ(数分~1時間以内):アナフィラキシー反応

接種直後に起こる緊急性の高い重篤なアレルギー反応です。ぐったりして倒れる、血圧の低下、呼吸困難、けいれん、失禁、激しい嘔吐などといった症状があります。 命に関わるため、直ちに獣医師の処置が必要です。万一のことを考え、最低でも接種後15〜30分程度は院内や駐車場で待機し、様子を観察するようにしましょう。

接種後しばらくして(数時間~数日以内):アレルギー反応

免疫が作られる過程で起こる反応で、接種後しばらく経ってからあらわれるのが特徴です。以下のような症状が見られた場合は、すぐに病院に連絡し、指示を仰ぎましょう。夜に症状が出ることも考え、事前に夜間診療をしている病院を探しておくと安心です。

症状 詳細
ムーンフェイス 顔全体や目の周り・口元が腫れる
皮膚症状 痒がる、蕁麻疹が出る
消化器症状 嘔吐、下痢

ワクチン接種当日の手順

動物病院で青いスクラブを着た獣医師に顔を優しく保定され、健康状態のチェックを受けるフレンチ・ブルドッグ
スムーズかつ安全にワクチン接種を終えるために、当日の流れをイメージしておきましょう。

手順 内容 ポイント
1. 自宅での確認 食欲、元気、便の状態チェック 体調不良なら延期する
2. 来院・診察 体温測定、触診、問診 不安な点は伝える
3. 接種 注射 数秒で終わります
4. 待機 院内または近隣で待機 急な副反応に備える
5. 帰宅 安静に過ごす 激しい運動やシャンプーは禁止

手順1 健康状態を確認して来院する

ワクチンは健康な状態で打つことが大前提です。当日の朝は、食欲があるか、便の状態は正常か(下痢をしていないか)、元気はあるかなどをしっかり確認しましょう。もし少しでも体調に不安がある場合は、無理をせず日程を変更することが愛犬のためです。また、接種後に体調を崩してもすぐに対応できるよう、午前中の来院がおすすめです。

 

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手順2 獣医師の診察と接種を受ける

動物病院に到着したら、獣医師による診察を受けます。体温を測り、聴診や触診で健康状態をチェックしてもらいます。この時、最近の体調や気になることがあれば必ず伝えてください。問題がなければワクチンを接種します。注射自体は一瞬で終わることがほとんどですが、愛犬が怖がらないよう優しく声をかけてあげましょう

手順3 帰宅後も安静にして様子を見る

接種後は、副反応が出る可能性を考慮し、病院内または近くで15分〜30分程度様子を見ることが推奨されます。帰宅後も当日は激しい運動(ドッグランやボール遊びなど)やシャンプーは避け、静かに過ごさせてください。愛犬がリラックスできる環境を整え、飼い主さんもそばにいて様子を見てあげましょう。

安心してワクチンを受けるためのポイント

動物病院の診察台で、落ち着いた様子で背中にワクチン注射を受けているウェルシュ・コーギーの横顔
トラブルを未然に防ぎ、安心して接種を受けるためのコツを紹介します。

項目 ポイント
予約時間 午前中に予約する(午後は様子見の時間にする)
情報共有 過去の副反応歴やアレルギーを伝える

体調が良い日の午前中に予約を入れる

ワクチン接種は、できるだけ「平日の午前中」に行うのがベストです。万が一、接種後に副反応が出て体調が悪化した場合でも、午後の診療時間にすぐに受診できるからです。夕方や休診日の前日に接種すると、夜間に具合が悪くなった際に対応が遅れてしまうリスクがあります。愛犬の安全のために、スケジュール調整を工夫しましょう。

既往歴やアレルギーを獣医師に伝える

もし過去にワクチン接種で顔が腫れたり、気分が悪くなったりした経験がある場合は、必ず獣医師に伝えてください。また、食べ物や薬へのアレルギーがある場合も共有しましょう。既往歴によっては、ワクチンの種類を変えたり、事前にアレルギーを抑える注射を打ったりするなどの対策をとることができます。正確な情報共有が愛犬を守ります。

そのほか、下に当てはまる場合はワクチン接種を控えたほうがいい可能性があるので獣医師と相談しましょう。

  • 普段より元気がなく、体調が優れない様子がある
  • 疲れが溜まっていたり、ストレスを感じている
  • 数日以内にペットホテルへの預け入れや旅行、シャンプーの予定がある
  • 嘔吐をしている、または便が緩い(下痢)などの消化器症状がある
  • お腹に寄生虫がいることがわかっている
  • がんや自己免疫疾患など、他の病気で治療を受けている
  • 妊娠中である、または発情期を迎えている
  • 食欲不振や痩せすぎなど、栄養状態が良くない
  • ワクチンの接種に必要な週齢に達していない
  • 体力や免疫力が低下している高齢の犬である
  • 過去にワクチンを打ってアナフィラキシーなどのアレルギー反応が出たことがある

まとめ

明るい診察室で、笑顔の女性獣医師に優しく撫でられながら、リラックスしてワクチン接種を待つ犬
ワクチン接種は、愛犬を恐ろしい病気から守り、健康な生活を送るために欠かせないものです。狂犬病ワクチンの義務を果たしつつ、ライフスタイルに合った混合ワクチンを選ぶことが大切です。副反応のリスクも理解し、体調の良い午前中に接種するなど、飼い主としてできる対策を行いましょう。不安な点は遠慮なく獣医師に相談し、愛犬にとって最善の選択をしてあげてください。

この記事を監修した人

小松 智彦

小松 智彦

獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。
20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。

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