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【獣医師監修】犬のお風呂の頻度は?お風呂の入れ方と犬種別の注意点も

【獣医師監修】犬のお風呂の頻度は?お風呂の入れ方と犬種別の注意点も

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犬や猫などの動物は、私たち人間と違って自分で「お風呂」に入ることができません。しかし、愛犬の健康と清潔さを守るためにはお風呂が必要不可欠です。家の中や散歩中など、さまざまな場面で身体が汚れてしまうこともあるため、犬と一緒に生活する以上、理解しておくべきお手入れといえるでしょう。

本記事では、犬のお風呂にスポットを当てて、必要性や頻度、必要なもの、実際の手順などを紹介します。内容を参考にしながら、ぜひ実際に愛犬のお風呂にチャレンジしてみてください。

犬のお風呂は必要?

白い絨毯の上にいる犬

ご飯を食べたり走り回ったりと、日常生活のなかで身体が汚れる機会が多い犬にとって、お風呂で汚れを落とすことはとても大切なお手入れです。万が一お風呂に入らないとどうなるかというと、汚れによって見た目がどんどん悪くなるだけではなく、病気を引き起こすおそれもあります

寄生虫が繁殖したり、アレルギーの原因となったりして、犬の健康に大きな影響を及ぼすため非常に危険です。愛犬が不衛生な状態でいることは、一緒に暮らす家族やほかの動物にとっても悪影響のため、必ず清潔な状態を保ってあげましょう。

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犬のお風呂の頻度

バスタオルをかけている犬の画像

人間の場合は、毎日お風呂に入って身体を清潔にする方が多いでしょう。しかし、犬のお風呂は人の手によって入れる必要があるため、毎日続けるのは困難です。また、犬によっては毎日のお風呂が大きなストレスとなってしまいます。

飼い主さんと愛犬、互いにとって理想的とされるお風呂の頻度をご紹介しますので、目安にしながら適切なペースを維持してください。

シャンプー|月に1〜2回

犬を「シャンプー」で洗う頻度は、月に1〜2回ほどが適切とされています。人間のように毎日洗う必要はありません。汚れが目立たない場合でも、月に一度は必ずシャンプーをしましょう

犬の皮膚は、人と比較すると非常にデリケートであるため、お風呂に入れすぎると必要な脂分まで落としてしまいます。その結果、汚れが付着しやすくなったり皮膚が乾燥したりと、さまざまなトラブルを招きかねません。とくに冬は皮膚が乾燥しやすいため、シャンプーの頻度に注意が必要です。

ただし、汚れが目立つ場合や、主に屋外で飼育している場合、皮膚病などでシャンプーが必要な場合などは、頻度を増やして週1から2週に1回ほどのペースで洗うことも可能です。

愛犬の過ごす場所や犬種、年齢や身体の大きさなどに合わせて、なるべく負担の少ない適切なペースを見つけてあげましょう。

入浴|毎日でもOK

汚れをしっかりと落とすシャンプーは、皮膚や被毛への影響が大きいため頻度を考慮しなければいけません。しかし、お湯に浸かって身体を濡らすだけの「入浴」は、毎日実施することが可能です。

屋内で飼育している場合は月に1〜2回のシャンプーに加えて、3日に1回入浴だけのお風呂の時間を設けるなど、愛犬の状況に合わせて調整してください。

犬によって好き嫌いがあり、お風呂がストレス発散や癒しの時間となる場合もあれば、かえってストレスとなってしまう場合もあります。愛犬の様子を見ながら、入浴の頻度を決めてあげましょう。

犬のお風呂に必要なものと最適な温度

小さなバスタブに入っているポメラニアンの画像

自宅で愛犬をお風呂に入れる際は、事前に必要な道具をそろえておきましょう。犬のお風呂に必要なものは以下のとおりです。

【必ず用意するもの】

  • 犬用のシャンプー剤
  • 大きめのタオル
  • ドライヤー
  • ブラシやコーム類

【あると便利なもの】

  • 洗面器やペット用のバスタブ
  • スポンジや泡立てネット類
  • ティッシュ、綿棒など

シャンプー剤は必ず犬専用のものを選びましょう。タオルは愛犬のサイズに合う大きさや枚数を用意してください。入浴をする場合は、犬のサイズに合う洗面器やバスタブなどの容器が必要です。シャンプー時に使うスポンジや泡立てネットは、なくても手で十分に洗えるため必須ではありません。

また、犬のお風呂で使用するお湯の適温は、人がちょうどいいと感じる温度よりもかなりぬるめの30℃ほど(子犬の場合は35℃ほど)です。熱すぎたり冷たすぎたりしないように注意しましょう。

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犬のお風呂の入れ方

お風呂で洗われているビーグルの画像
必要なものをそろえたら、実際に愛犬をお風呂に入れていきます。シャンプーを使用する際の基本的な犬のお風呂の入れ方を解説しますので、手順に沿って一つずつ丁寧に実施してください。

1. 温水シャワーで体を濡らす

シャンプーを使う前に、まずは身体をよく濡らします。30℃ほどのぬるま湯に設定したシャワーを使用して、部位ごとに丁寧にお湯をかけましょう。被毛がお湯を弾くため、濡らす際には被毛の内側や皮膚までしっかりとお湯が届くように流すのがコツです。

また、被毛が長い犬種や毛玉が気になる場合は、濡らす前にブラッシングをしておくとお風呂全体の工程が楽になります。

2. 足から胴、顔の順に洗う

犬の身体を洗う順番は、下から上に向かって部位を移動するのが基本です。最初は四肢にシャンプーをつけて、毛は手やブラシで優しくほぐしながら毛並みに沿って洗います。足先はとくに汚れがたまりやすいため、念入りに洗いましょう。

四肢を洗い終えたら、背中やお腹など胴全体を同じように洗い、最後に頭や顔に泡をつけます。顔周りは目や耳、口の中にシャンプーが入らないよう、慎重に洗うことが大切です。犬用のシャンプーは基本的に舐めても安全な成分でできていますが、万が一目に泡が入ってしまったら速やかに水で流すか拭き取って、愛犬の様子を観察しましょう。異変が見られる場合は、早めに動物病院を受診してください。

3. シャンプーを洗い流す

身体全体を洗い終えたら、お湯でシャンプーをしっかりと洗い流します。シャンプーで洗うときとは逆に、上から下の部位に向かってお湯をかけて泡を流しましょう。顔周りは非常にデリケートなため、直接シャワーを当てずに手で少しずつお湯をかけたり、濡らしたタオル類で拭いたりしてきれいにします。

毛をかきわけながら、皮膚の表面はもちろん、被毛の根元から先までしっかりと洗い流してください。シャンプーの洗い残しがあると、皮膚の乾燥や病気の原因となるため注意が必要です。

4. バスタオルで水気を拭き取る

シャンプーの流し残しがないことを確認したら、バスタオルで身体をよく拭きます。愛犬が風邪を引いてしまわないように、お風呂から出たら素早く水気を取り除いてあげましょう。ゴシゴシとこすると毛が絡まってしまうおそれがあるため、タオルを身体に押し当てるようにして水分を吸収していきます。

使用するタオルは、愛犬を十分に包み込んで拭けるものであればどのようなサイズでも問題ありません。吸水性に優れたタイプを選ぶと、ドライヤーの時間を短縮できます。

5. ドライヤーで乾かす

犬をドライヤーで乾かす場合は、温風を当てるのと同時に、スリッカーブラシやコームを使用して被毛をとかしながら乾かしていきます。毛をかきわけ、内側から外側に向かってしっかりと水分を飛ばし、毛並みを整えていきましょう。ドライヤーの風を当てる際は、近づけすぎて火傷をしてしまわないように注意し、風量は弱めに設定します。

また、犬を乾かす際に使用するドライヤーは、人が使うタイプと同じで問題ありません。しかし、トリミングサロンや動物病院などで使われるペット向けに設計されたタイプを選ぶと、乾かす作業が何倍も楽になります。

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6. ご褒美をあげる

お風呂が一通り終わったら、愛犬にご褒美を与えてよく褒めてあげましょう。もちろん犬によってはお風呂が好きで喜んで入る場合もありますが、ほとんどの犬にとってはストレスに感じる時間です。少しでも「楽しいこと」「嬉しいこと」と思ってもらえるように、お風呂後には愛犬が好きなおやつやおもちゃなどを与えて、たっぷりと褒めながらスキンシップをとる時間を設けてください。

どうしても愛犬がお風呂を嫌がる場合は、トリミングサロンや動物病院でシャンプーを予約して、プロに任せることも検討しましょう。

【犬種別】お風呂に入れるときの注意点

ドライヤーで乾かされているヨークシャーテリア

犬をお風呂に入れる際は、犬種に合わせて頻度や入れ方を工夫する必要があります。被毛の長さや種類によって、洗いやすさや注意するべき点が異なるため、愛犬がどのようなタイプなのかを事前に理解しておきましょう。

長毛・巻き毛タイプ

長毛や巻き毛タイプの犬種は、汚れが毛に絡まりやすいのが特徴です。そのため、日頃のブラッシングを怠らないことはもちろん、シャンプーの頻度も増やす必要があります

毛玉ができやすいため、シャンプー前やドライヤーのときは念入りにブラッシングをする必要があります。短毛種に比べてお風呂に時間がかかるため、吸水性に優れたタオルや風量の強いドライヤーといった時短アイテムを積極的に取り入れるといいでしょう。

短毛タイプ

短毛種の場合は、毛が短い分、シャンプーやブラッシングが比較的簡単にできます。しかし、短毛だと皮膚を守る力が弱くなってしまうため、皮膚トラブルになりやすい点に注意が必要です。刺激が弱くて肌に優しいシャンプー剤を選んだり、シャンプー後に保湿ケアのアイテムを使用したりと、肌トラブルを防ぐための対策をしましょう。

ダブルコートタイプ

オーバーコートとアンダーコートという異なる種類の被毛を同時に持つ「ダブルコート」の犬種は、長毛種と同じく念入りなブラッシングが必要です。とくに換毛期にはアンダーコートが抜け落ちるため、シャンプー前には不要な毛を除去してあげると洗いやすくなります。

短頭タイプ

鼻が低い短頭種と呼ばれる犬種は、顔まわりのしわの数や皮脂の分泌量が多いため、汚れがたまりやすいのが特徴です。たとえば、パグやブルドッグなどの犬種が当てはまります。

汚れがたまると臭いや病気の原因となるため、シャンプーの頻度を増やして清潔な状態を維持しましょう。

シャンプーが難しい場合は、タオルやガーゼなどを濡らして拭いてあげる方法も有効です。

 

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正しいお風呂習慣で愛犬を守ろう!

お風呂の中で頭に泡を乗せている小型犬の画像
正しい手順を理解して一つずつ丁寧に工程を進めれば、誰でも簡単に犬をお風呂に入れることができます。最初は飼い主さんも愛犬も不安かもしれませんが、回数を重ねるうちに、必ず少しずつ慣れていくため安心してください。

自宅でお風呂に入れるのが難しい場合は、決して無理をせずにプロを頼って、飼い主さんと愛犬の両方にとって負担の少ない方法を選びましょう。

この記事を監修した人

小松 智彦

小松 智彦

獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。
20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。

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