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【獣医師監修】犬の爪の切り方|頻度・長さの目安・爪切りのコツを徹底解説

【獣医師監修】犬の爪の切り方|頻度・長さの目安・爪切りのコツを徹底解説

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犬を飼うと必ずしなければならないお世話のひとつに「爪切り」があります。しかし、多くの動物にとって、四肢の先は触られて嫌な部位です。爪切りをしようとすると、愛犬が嫌がったり怖がったりすることもあるでしょう。

そこで本記事では、犬の爪切りの頻度や長さの目安、切るときのコツなどをご紹介します。

犬の爪切りの必要性

人の手に乗っている、犬の前足と爪切り

爪切りに取りかかる前に、まずは犬にとってなぜ爪切りが必要であるのかを理解しましょう。動物の場合は犬は人間のように、自分のタイミングで自由に爪を切れません。そのため、飼い主さんが爪を切る意味やタイミングをきちんと理解し、お世話をしてあげることが大切です。

ケガの原因になる

犬の爪は、人間の爪と同じように月日の経過とともに長く伸びていきます。長くなった爪を切らずに放置すると、爪が付け根から折れて血が出たり、折れた破片が肉球に刺さったりする危険性があるため注意が必要です。

ひどい場合には歩行に影響が出て、ほかのケガや病気を引き起こしかねません。そのため、必ずこまめに爪を切ってあげましょう

爪を切る頻度

犬の生活スタイルや運動量などによって爪切りの頻度は多少異なりますが、月に一度を目安におこなうといいでしょう。屋外で飼育している場合や、散歩などで外を歩く機会が多い場合は、アスファルトの上を歩く際に自然と爪が削れていくため、爪の伸びすぎを防げます。

しかし、室内で過ごすことが多い犬は、爪を削ることができません。爪が長くなるペースが早いため、月に一度の爪切りでは爪が伸びすぎてしまうおそれがあります。2週間に一度のペースで爪の長さをチェックする習慣をつけると安心です。

犬の爪の構造を理解しよう

黒い爪が伸びている犬の前足

犬の爪は、人間の爪とは構造が異なります。安全に爪切りをおこなえるよう、事前に爪の構造や犬種による違いを把握し、愛犬にとって適切な方法で爪切りをしてあげてください。

爪の基本構造

犬の爪は、1本ずつが丸く太く生えています。角質層からできており、中心には血管や神経が通っているのが特徴です。角質層は柔らかくて削れやすいため、段差を上り下りするときや、コンクリートのような硬い場所を歩くときは、爪が地面に接地するたび徐々に削れていきます。

犬の爪は人間とはまったく異なる形をしているため、爪切りに使用する道具は必ず犬専用のものを選んでください

犬種ごとの違い

犬の前足と狼爪

足先に生えている爪の本数は4本ですが、実は犬には「狼爪(ろうそう)」と呼ばれる5本目の指が存在します。爪切りの際には、この狼爪を見落とさないように注意しましょう。前足や後ろ足の内側に生えていますが、ケガ防止のために生後間もないうちに切除されることもあります。

切除されるかどうかは、犬種とブリーダーの判断により異なるため、家族として新しく犬をお迎えする際にはよく確認してください。

成犬になってから狼爪を切除する場合は全身麻酔が必要な手術となり、子犬期のときよりも負担が大きいとされています。判断に迷う場合は、事前に獣医師に相談しましょう。

爪の色による違い

犬の白い爪と黒い爪

犬の爪は、被毛と同じように犬種によってさまざまな色があります。黒や白、茶などがあり、被毛の色と近くなる傾向があります。爪の色が黒に近いほど「メラニン色素」が多い証拠であり、爪が黒い犬は肉球の色も黒い場合が多いため、一度愛犬の足先を観察してみてください。

爪切りを実施するうえでは、白色に近い爪のほうが内部の血管が透けて見えるため切りやすくなります。時折一部分だけ色が異なる爪が生えている場合がありますが、健康な爪であれば心配はありません。万が一愛犬が痛がったり、爪が浮いていたりする場合には、早めに動物病院を受診しましょう。

犬の爪切りに必要な道具

犬用の爪切りの画像

「爪切り」は、必ず犬専用のものを用意する必要があります。犬用の爪切りにはさまざまなタイプがあるため、使いやすく愛犬に合うものを見つけましょう。

選び方に悩んだら、まずは「ギロチンタイプ」を試してみてください。犬用の爪切りではもっともメジャーな形で、輪になった部分に爪を入れて挟むようにして切ります。

そのほか「ニッパータイプ」や「ハサミタイプ」などもあります。愛犬の爪の大きさや太さによって使い分けるのがおすすめです。爪切りだけでは爪が鋭くとがってしまうため、細かい部分や仕上げ用に「爪やすり」もあると便利でしょう。

また、爪切りの際には誤って血管を切ってしまい、爪から出血することがあります。もしものときに備えて「止血剤」を準備しておくと安心です。

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犬の爪の切り方

人の手で切られている犬の爪

実際に犬の爪を切るときの準備や手順をご紹介します。爪切りは、愛犬はもちろん飼い主さんにとっても、慣れないうちは負担がかかるお手入れです。決して無理はせず、毎日少しずつ挑戦して慣れていくようにしてください。

事前準備

爪切りをするためには、まず愛犬を足先に触れられることに慣れさせておく必要があります。基本的に、犬は足先を触られることを好みません。いきなり爪を切ろうと足先を持ってしまうと、怖がったり怒ったりする可能性があります。なるべく幼いころから、ボディタッチをしながらコミュニケーションを続けて、足先に触られることに慣れさせてあげましょう。

また、爪切りを楽しくて嬉しいことだと覚えてもらうために、上手に爪を切らせてくれたときに与える「ご褒美」も用意しておいてください。おやつやご飯、おもちゃなど愛犬が好きなものであればなんでも構いません。ご褒美は、爪を切るのを嫌がるときに気をそらす手段としても有効です。

爪を切る長さの目安

犬の爪を切る長さが分かる参考イラスト

犬の爪を切る長さの目安は「血管よりも少し手前」です。血管まで切ってしまうと出血し、愛犬が痛みを覚えて爪切りを怖がるようになるため注意してください。

爪の色が白い場合は、血管が透けているため目で見て判断できますが、色の濃い爪だと判断が難しいでしょう。そのため、切るときには少しずつ削っていくイメージで進めていくことをおすすめします

爪切りの手順

犬の爪切りをスムーズに実施するためには、適切な手順を理解することが大切です。最初は無理に1人で実践しようとせず、2人以上で協力しながらおこない、少しずつ慣れていきましょう。

ステップ1:保定する

爪切りの際に愛犬が暴れてケガをしてしまわないよう、最初にしっかりと「保定(動かないように身体を押さえること)」をします。1人で爪切りをする場合には、体に犬を密着させて脇で抱え込むようにするのが基本の形です。爪切りを持たないほうの腕で犬を抱え込んで安定させ、そのまま足を持ち上げて爪を切ります。

足を持ち上げる際には、高く上げすぎないように注意しましょう。どうしても動いてしまう場合には、2人以上で協力したり犬を仰向けにしたりして、愛犬と飼い主さんの両方にとって負担の少ないやり方を見つけてください。

ステップ2:爪を少しずつ切る

保定ができたら、愛犬の様子を見ながら少しずつ爪を切っていきます。犬から直接見えにくい後ろ足から始めると、恐怖を感じにくくなるためおすすめです。

爪切りを持っていないほうの手で足先をしっかりと持ち、肉球の根元を軽く押しながら爪を前に出してから爪切りを当てます。血管を切らないようにするためにも、いきなり一気に切るのではなく、少しずつ切り進めてください。

血管が見えにくい色の濃い爪を切る場合は、断面が少し湿っているように感じると血管が近づいている証拠のため、カサカサした爪がなくなるまで切るのがポイントです。不安な場合は爪やすりを活用して、慎重に進めていきましょう。

ステップ3:褒めてあげる

無事にすべての爪切りが終わったら、愛犬をたくさん褒めてあげましょう。「偉かったね」「よくできたね」と声をかけるのはもちろん、愛犬の好きなご褒美を与えることで、犬が爪切りを楽しくて嬉しいことだと覚えていきます

犬が爪切りをすると良いことが待っていると認識すれば、嫌がる頻度も減っていくため、ぜひ積極的に褒めるようにしてください。

犬の爪切りで困ったときの対処法

人に抱えられて爪を切られている小型犬

愛犬が嫌がったり出血させてしまったりと、爪切りを実施するなかでトラブルが起こることも少なくありません。いざというときに焦ってしまわないよう、事前に対処法を理解しておくと安心です。

爪切りを嫌がるとき

爪切りをしようとすると、犬が怖がって暴れたり噛もうとしたりすることがあります。とくに最初のころは慣れない状況に不安を感じ、嫌がって逃げてしまう子が多いでしょう。

愛犬が爪切りを嫌がった場合には、決して無理をさせないことが大切です。まずは身体や足先に触れられることに慣れさせ、愛犬を安心させてあげましょう。犬が十分にリラックスした状態で、1本ずつゆっくりと爪切りに挑戦するのがおすすめです。まずは1日1本ずつでも構わないため、上手にできたらたくさん褒めて、徐々に爪切りを好きになってもらってください。

どうしても愛犬が嫌がって爪切りが難しい場合は、無理に挑戦しようとせずに動物病院やトリミングサロンを頼ることもひとつの方法です。

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出血してしまったとき

誤って血管を切って爪先から出血してしまったら、速やかに止血をしてください。止血剤を出血箇所につけて、血が落ち着くのを待ちます。止血剤がない場合は、清潔なガーゼやコットンなどを使用して傷口を数分間押さえると、そのうち自然と血が止まります。

出血量が多く、なかなか血が止まらない場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

爪の切り方を覚えて定期的に愛犬のケアをしてあげよう

爪を切られているダックスフンド

愛犬の健康と安全を守るため、爪切りは必ず定期的に実施してください。慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、丁寧にケアしてあげることで愛犬が少しずつ爪切りに慣れていきます。

1人では難しいと感じたら、家族や身近な人の協力を得るほか、プロに任せることも検討しましょう。愛犬と飼い主さんの両方にとって負担がないよう、決して無理をしないことが大切です。

 

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この記事を監修した人

小松 智彦

小松 智彦

獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。
20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。

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