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金魚の寿命は10年?種類ごとに違う年数と長生きさせる4つのポイント

金魚の寿命は10年?種類ごとに違う年数と長生きさせる4つのポイント

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金魚を飼い始める際、「どのくらいまで生きるんだろう?」「種類によって寿命は変わるのかな?」など、寿命に関する疑問が多く浮かぶのではないでしょうか。

本記事では、金魚の種類ごとの寿命や、寿命前に死んでしまう理由などについて解説しています。また、長生きさせるためのポイントについても触れているので、金魚を飼う予定の方・すでに飼っていて長生きさせたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

金魚の平均寿命は10年から15年ほど

金魚の平均寿命は10年から15年ほど

一般的に金魚の平均寿命は10年から15年ほどといわれています。

金魚は鑑賞用の魚のなかでも長生きする種類で、体が丈夫なため飼育しやすい点が特徴です。初めて魚を飼育する人や、アクアリウムを手軽に始めたい人にも適しているでしょう。

しかし、丈夫だからといって金魚にとって劣悪な環境で育ててしまうと、平均寿命よりも早く死んでしまいます。とくに、水温や水質の管理、水換え不足、エサの与えすぎには注意してください。

また、見た目の綺麗さから、金魚鉢で飼いたいと考えている人もいるでしょう。しかし、金魚にとって金魚鉢は小さく、水温が急激に上昇したり酸欠になったりする心配があります。

平均寿命よりも長く生きてもらうためには、正しい飼育方法を知っておくことが大切です。

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種類ごとの寿命

金魚にはさまざまな種類がいます。種類によって寿命が異なるため、自分が飼っている種類や、これから飼いたいと思っている種類の寿命を把握しておきましょう。

一般的に、フナのような形をしている和金やコメットなどの金魚は、寿命が10年から15年と比較的長い傾向があります。反対に、品種改良されている金魚は5年から6年、琉金は5年から8年、出目金は7年から10年と比較的短いのが特徴です。

下記の表に、代表的な種類の寿命をまとめました。

名前 平均寿命
和金(わきん) 10~15年
琉金(りゅうきん) 5~8年
出目金(でめきん) 7~10年
コメット 10~15年
ピンポンパール 5~6年
らんちゅう 5~6年

お祭りの金魚の寿命

お祭りから持ち帰った金魚でも、基本的に平均寿命は変わりません。しかし、お祭り会場への移動から、ポイで追いまわされ家に持ち帰るまでに、金魚は大きなストレスに晒されています。ストレスになる要因が多いほど寿命が縮まる傾向があるため、お祭りの金魚は寿命が短いといわれます。

また、お祭りの金魚がすぐに死んでしまう原因の一つが、弱っている状態のまま放置することです。長く生きてもらうためにも、お祭りの金魚を持ち帰ったら、適切な水を作ってあげる必要があります。

水づくりから始める必要があるため、お祭りの金魚を持ち帰る予定がある場合は、カルキ抜きや水槽など、事前に必要なものを揃えておきましょう。

寿命がギネス記録になった金魚

金魚の平均寿命は10年から15年ほど

前述したとおり、金魚の平均寿命は10〜15年ほどですが、ギネス記録に載っている金魚の最長寿命は「43年」です。イギリスのヒルダとゴードン・ハンド夫妻が飼っていたティッシュという名の和金で、1956〜1999年まで生きたとされています。

ゴールディと呼ばれる45年生きた金魚がいたとメディアに取り上げられたこともありますが、こちらは非公式です。

また、中国ではある金魚が50年以上生きたという報告があったものの、確かな記録がないため、43年が最長だとされています。

参照:Oldest goldfish ever | ギネス世界記録

金魚が寿命前に死ぬ原因

金魚が寿命前に死ぬ原因

寿命が比較的長いとされている金魚ですが、「なぜか寿命前に死んでしまう」ことがあります。その理由として考えられるのが、間違った飼育方法です。

ここでは、金魚が寿命前に死んでしまう主な原因を3つ解説していきます。

金魚は丈夫な魚ではあるものの、デリケートな面もあります。金魚の知識がなかったという方は、ぜひ参考にしてみてください。

  1. 水質の管理不足
  2. 水温の管理不足
  3. エサのあげ方

原因1.水質の管理不足

まず、金魚を育てる水質の管理不足が挙げられます。適応能力が比較的高い金魚ですが、急激な水質の変化には耐えられません。金魚を水質に慣れさせるためには、ゆっくりと環境に適応させる必要があります。

購入やお祭りから持ち帰った金魚を水槽に入れる際には、水合わせをおこないましょう。水合わせとは、環境の急激な変化によって金魚に負担がかからないよう、水質や水温を合わせる作業です。

まず、金魚の入った袋を30分ほど水槽に浮かべます。次に、袋の中の水を1/3程度捨てて、ゆっくりと水槽の水を混ぜて20分ほど待ちましょう。これを2~3回ほど繰り返すことで、袋の中の水質を水槽の水質と合わせることが可能です。

水質が急激に変化すると、金魚が「pHショック」を起こすことがあります。pHショックを起こした金魚は、異常なまでに泳ぎ回ったり、えらの動きが早くなるのが特徴です。

水合わせを根気よくおこない、水温の変化に慣れさせることで、pHショックを起こすリスクも低減するでしょう。一度pHショックを起こすと、蘇生させることはほとんどできません。そのため、できるだけ大きな水質変化が生じないようにすることが大切です。

また、水換えは基本的に1~2週間に1回おこない、1/3程度の水を少しずつ換えるようにしてください。

原因2.水温の管理不足

水質と同じように、急激に水温が変化してしまうと、水温ショックと呼ばれる体調不良を起こすおそれがあります。

水温ショックを防ぐためには、初めの水合わせで水槽の温度にも適応させてあげることが重要です。徐々に水合わせをおこない、水温に慣れてもらいましょう。

また、水槽の置き場所によっても、水温が急激に変化することがあります。窓際やクーラーの下などは水温が変化しやすいため、できるだけ避けましょう。

原因3.エサのあげ方

金魚を飼い始めてから寿命が縮まる原因としては、エサのあげすぎが挙げられます。エサは、常にあげていればよいわけではありません。食べ残しがあると水質の悪化につながるため注意が必要です。

金魚はよく食べるため、つい多くのエサをあげてしまいますが、水質悪化が早いと感じる場合は、あげすぎていないかを確認してみてください。

また、とくに水換えのあとは、金魚が環境の変化に慣れようとして、消化不良を起こすことがあります。そのため、水換えをおこなった日は、通常よりもエサの量を少なくするとよいでしょう。

金魚がかかりやすい病気にも注意

金魚がかかりやすい病気にも注意

丈夫で初心者でも飼いやすい金魚ですが、病気にかかることもあります。金魚は、淡水魚であるフナから品種改良された魚です。そのため、飼うときは淡水魚がかかりやすいとされる病気に注意しましょう。

ここでは、金魚がかかりやすい病気を4つ紹介します。

病気は長引くと治療が難しくなるだけではなく、ほかの金魚に感染してしまう危険性もあるため、できるだけ早く治療することが大切です。初期症状が出ている段階であれば、約1〜2週間で治療できるでしょう。

また、病気にかかっている金魚は、必ず専用の水槽に入れて隔離してください。治療に使う薬が残留すると、ほかの金魚や水草などに悪影響をおよぼすおそれがあります。

  1. 穴あき病
  2. 尾ぐされ病
  3. 白点病
  4. 転覆病

病気1.穴あき病

穴あき病は、非運動性エロモナス菌と呼ばれる細菌に感染することで発症します。金魚の体表の一部が充血したように赤くなり、ウロコが剥がれ落ち、体に穴が空いてしまう病気です。

早めに他の魚から隔離し、塩分濃度0.5%の塩水による塩水浴をおこないます。塩水浴だけでは完治するまで1カ月以上かかることもあるため、早めに薬剤を入手し、薬浴をおこないましょう。

病気2.尾ぐされ病

尾ぐされ病は、金魚のヒレがボロボロになってしまう病気です。初期段階ではヒレに切れ目が入るだけですが、徐々にボロボロになり、溶けたようにヒレが小さくなっていきます。

尾ぐされ病は、カラムナリスと呼ばれる細菌に感染することで起こります。カラムナリスは、水槽内に常在する細菌ですが、エサの食べ残しやフン、水温が上がるなどの条件が揃うことで繁殖するため注意が必要です。

ヒレ部分は再生が早いものの、なかには再生しない金魚もいます。

病気3.白点病

白点病は、金魚の表面に白い点が現れて広がっていく病気です。ハクテンチュウと呼ばれる繊毛虫に感染することで発症し、進行するとエサを食べなくなってしまいます。

ハクテンチュウがエラに寄生すると呼吸困難を起こす場合があるため、白点病にかかっていることがわかったらすぐに治療しましょう。

薬浴は1〜2週間ほど続けてください。また、白点病の治療中はエサを与える必要がありません。

ハクテンチュウは放置すると水槽内の金魚すべてが感染してしまうため、早期治療が大切です。

病気4.転覆病

転覆病は、泳ぐときに逆さまになってしまう病気です。金魚の浮袋の損傷や障害が原因と考えられていますが、詳しい原因はわかっていません。浮袋がつぶれてしまい、最終的には沈んでしまうこともあります。

完治することは難しいため、日頃の水質や水温を適切に管理し、安定した環境で飼育することで転覆病を予防しましょう。

金魚を寿命まで長生きさせる4つのポイント

金魚を寿命まで長生きさせる4つのポイント

金魚を寿命まで長生きさせるためには、いくつかのコツがあります。金魚は、うまく環境に適応させれば長生きします。しかし、一般家庭では、半年ほどで死んでしまうケースも少なくありません。

金魚にできるだけ長生きしてもらうために、以下のポイントを押さえておきましょう。

  1. 塩水浴をする
  2. 過密にしない
  3. 水換えをこまめにする
  4. エサを適切にあげる

ポイント1.塩水浴をする

金魚の病気は専用の薬で治療できますが、塩水浴も効果的とされています。塩水浴は、金魚の体調不良の改善に有効な手段として昔から使われています。

塩水浴をおこなうと、金魚の表面についた病原菌が落ち、疲労やストレスの軽減につながります。

塩水浴の塩分濃度は0.5%が目安です。金魚の体と近い塩分濃度で泳がせましょう。

また、塩水浴には体力を温存しつつ、自己治癒力を高める効果もあります。さらに、塩水浴は白点病や軽度なエラ病の治療にも効果を発揮します。

ただし、塩水浴のデメリットとして、金魚の水分が外に出てしまうことが挙げられます。そのため、塩水浴を行う際は、塩分濃度を金魚の体よりも濃くしないように注意してください。また、水が汚れやすくなるため、様子を見ながらこまめに1/3~2/3程度の水換えをしましょう。

Tips
0.5%の塩水を作るときは、1Lの水を用意し、小さじ1杯程度の塩を入れて下さい。

ポイント2.過密にしない

アクアリウムを楽しみたい方の中には、「金魚をたくさん飼育したい」と考えている人もいるでしょう。しかし、過密での飼育はおすすめできません。なぜなら、水の量が多いほうが水質や水温を安定させやすく、金魚が泳げるスペースを広く確保できるからです。

長生きさせるためには、できるだけ金魚の負担を減らす必要があります。水量の目安は、体長5cm程度の金魚1匹に対して10Lです。約60L入る水槽であれば、金魚6匹が最適でしょう。

ポイント3.水換えをこまめにする

前述のとおり、金魚は水質が著しく悪化すると、病気になったり弱ったりするおそれがあります。水質の悪化を防ぐためにも、水換えをこまめにおこないましょう。

汚れの原因は、水草の破片や金魚のフン、食べ残しなどです。基本的に水換えの頻度は2週間に1回程度ですが、初めて金魚を飼う場合は1週間に1回を目安におこなってください。

また、一度に大量の水を換えてしまうとバクテリアが減少するため、1/3程度が目安です。金魚の密度や水槽の大きさ、ろ過フィルターの性能によって汚れる速度が変わる場合もあるため、様子を見ながら適切な水換えの頻度を見極めてください。

ポイント4.エサを適切にあげる

エサを適切な方法であげることも、金魚を長生きさせるために重要なポイントです。

暖かい季節は食欲が増すため、飼い主が近づくとエサを食べたそうな仕草をすることもあるでしょう。しかし、エサの与えすぎは、体調を崩す原因となります。暖かい季節は、1日3回に分けて少しずつ与えてください。

反対に、寒い季節は冬眠状態に入り、エサを食べなくなってしまいます。そのため、エサを無理に与えてはいけません。

金魚は健康であれば3分ほどですべてのエサを食べ終わります。食べすぎるとエサを吐き出す仕草をするため、1粒ずつちゃんと食べているかを観察することで、健康状態を確認できます。

元気な金魚を選ぶ方法

元気な金魚は動きが活発なため、水槽の中をどのように泳いでいるかをチェックしましょう。

また、目やえら、ヒレも確認しておきたい部分です。目には透明感があり、くもりや傷のない金魚を選びます。

えらは、片方が開いていないと病気にかかっている可能性があります。両側のえらを開いて呼吸しているかどうかをチェックしてください。

ヒレはピンと張っていて綺麗な状態が理想です。ヒレが裂けたり折れたりしている金魚は選ばないようにしましょう。

なかには、ウロコが剥がれて傷ついている金魚もいます。白い点や赤い点は病気が疑われるため、できるだけ避けるのが得策です。

金魚が寿命まで生きられる環境にしてあげよう

金魚が寿命まで生きられる環境にしてあげよう

平均寿命が10〜15年とされている金魚は、比較的丈夫なので初めて魚を飼う人に適しています。しかし、金魚が平均寿命まで生きられるかどうかは、飼い主の知識や飼育環境に左右されます。

そのため、金魚を飼う前に長生きさせる方法を熟知し、適した環境をつくってあげてください。また、金魚が病気になってしまった際はできるだけ早く対処し、ほかの金魚に病気が広がらないようにしましょう。

この記事を監修した人

小松 智彦

小松 智彦

獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。
20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。

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