人気のタグ

コーナンTips

ペット

【獣医師監修】マルチーズの性格・特徴|飼い主が注意するポイントと上手な飼い方

【獣医師監修】マルチーズの性格・特徴|飼い主が注意するポイントと上手な飼い方

Featured Image
クリップボードにコピーしました
         

「マルチーズ」は、白くて丸っこい見た目が非常に愛らしく、さまざまな世代から人気のある犬種です。とくに子犬時代はトイプードルによく似ているため、街中で見かけたときにどちらかわからなかった経験がある方もいるのではないでしょうか。

本記事では、マルチーズの基本的な性格や特徴、お世話の仕方などを詳しくご紹介します。とても魅力的なマルチーズについて、ぜひこの機会に知見を深めてみてください。

マルチーズの性格

ソファの上に乗っているマルチーズ

ペットを飼ううえで、お迎えする動物の性格を事前によく知っておくことはとても重要です。

マルチーズは「性格がきつい」といわれることもある犬種ですが、実際には優しいところや可愛い一面があります。傾向や注意点を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

性格の傾向

マルチーズは、人懐っこくて甘えん坊な性格の持ち主が多い傾向があります。主な性格の特徴は以下のとおりです。

  • 人懐っこい、甘えん坊
  • 賢くて順応性が高い
  • 活発で運動好き、好奇心が旺盛
  • 警戒心が強く、知らない人や環境が苦手

性別による性格の違いはほとんどありませんが、ほかの犬種と同じようにオスの場合は縄張り意識が高くて活発、メスはマイペースな子がよく見られます

甘やかしすぎには注意

基本的には順応性が高く、人にもよく懐くマルチーズですが、幼いころの飼育環境や飼い主さんの接し方次第では、わがままな性格になってしまうことがあります

甘やかしすぎると、吠え癖や噛み癖といった問題行動を引き起こすおそれがあるため、家族としてお迎えした際にはしっかりとしつけをすることが大切です。

「マルチーズは性格が悪い」「きつい子が多い」という声が聞かれるのは、甘やかしすぎによって起こした問題行動が目立つためでしょう。適切なお世話としつけをおこなえば予防できるため、飼育の際には気をつけてみてください。

マルチーズの特徴

テーブルの上で寝転んでいるマルチーズ

マルチーズの歴史はとても古く、紀元前1500年ごろより登場した犬種といわれています。フェニキア人の水夫たちがマルタ島に持ち込んだことがきっかけで、長年愛玩犬として可愛がられてきました。やがて、フランスやイギリスでも愛されるようになって徐々に人気が上がり、現在のように多くの人に知れわたったとされています。

大きさ

犬のなかでは小型犬に分類されるマルチーズ。体高は約20〜25cm、体重は約3~4kgと非常に小さな体格をしています。とくに、小柄な子は超小型犬に分類されることもあり、コンパクトで愛らしいサイズ感も人気の理由です。

被毛

絹糸のような見た目から「シルキーコート」とも呼ばれている白く美しい被毛は、マルチーズを語るうえで欠かせない魅力です。

長毛種のため、カットをせずに毛を伸ばすと地面につくほどの長さになります。身体全体が毛で覆われた「フルコート」の状態を保つためには、毎日のブラッシングや定期的なシャンプーなどのケアが欠かせません。

しかし最近では、動きやすさや手入れのしやすさを考慮して、あえて愛犬の被毛を短くカットする飼い主さんも多く、サロンでもさまざまなアレンジが展開されているようです。

また、被毛は白が一般的ですが、薄めの茶色やレモン色の被毛をもつ個体もいます。

平均寿命

マルチーズの寿命は、小型犬の平均とほとんど変わらず12〜15歳ほどです

もちろん病気の有無や飼育環境によって寿命は大きく変わるため、愛犬にとって快適な環境のなかで適切なお世話をしてあげましょう。

 

関連サイト

ショップにいるマルチーズを見てみる|pet Plazaコーナン

マルチーズの性格をふまえた飼い方

野原を走り回るマルチーズ
マルチーズをお迎えする際は、性格や特徴をしっかりと理解したうえで、愛犬の個性に合わせた飼育環境を整えてあげることが大切です。しつけの仕方や散歩の頻度など、愛犬に合わせて育て方を工夫すると、愛犬はもちろん飼い主さんもより快適な生活を送れるでしょう。

飼育環境

マルチーズのような小型犬は骨格が細く、骨折や膝蓋骨脱臼(パテラ)になりやすいため、生活のなかで飼い主さんが気をつけてあげる必要があります。

フローリングのように滑る床にはマットやカーペットなどを敷いて、愛犬が滑って転んでしまわないように工夫しましょう。高いところから飛び降りてしまう危険性を考慮して、登れるような家具や危ないものには近づけないようにすることも大切です。

ペット用マットを見てみる

しつけ

しつけは、どのような犬種でもできる限り早い時期に開始するのがベストです。とくに「子犬期」と呼ばれる子どものころは非常にしつけがしやすく、もっとも素直に覚えてくれる時期といわれています。生後3か月ごろからトイレトレーニングや「まて」、「おすわり」などのしつけを始めましょう。また、しつけと並行して小さいうちから積極的に新しい環境や人、ほかの犬と触れ合う機会を設けて社会化トレーニングを進めるのが理想的です。

Tips
社会化トレーニングとは、人間社会に順応させるための訓練のことです。恐怖心や警戒心が芽生える前の子犬期に車やバイクといった動くものや、大きな音の出るもの、見知らぬ人や犬に慣れさせることで、吠え癖や噛み癖といった問題行動を未然に防ぐことができます。

成犬になってからでもしつけをすることは可能ですが、子犬期と比べると時間がかかる傾向があるため、焦らず根気よく向き合いましょう。とくに、吠えたり噛んだりしてしまう癖がある場合は、何歳であってもしつけが必要です。

しつけの際には、愛犬が好きなおもちゃや食べ物などを利用しながら、上手にできた際にはたくさん褒めてあげましょう。決して甘やかしすぎないように注意して、一緒に楽しく遊びながら正しい行動を教えてあげてください。

散歩

小型犬であるマルチーズは、あまり多くの運動量を必要としません。そのため、一日に2回散歩をする場合は、一回あたり10~20分ほどを目安に実施するといいでしょう。

愛犬の体調が優れないときや、天候の悪い日には無理して出かけず、愛犬の様子を見ながら家の中でたくさん構ってあげてください。まったく散歩に行かなかったり、遊んであげる時間が少なかったりすると、ストレスをためてしまうので注意が必要です。

お手入れ

マルチーズの健康を保つためには、適切なお手入れをしてあげることが重要です。ブラッシングや爪切りなど、具体的なお手入れのやり方や頻度などをご紹介します。

ブラッシング

最大の特徴であるシルキーコートの美しさを維持してあげるためには、毎日のブラッシングが必要です。細くて長い被毛は絡まりやすいため、放っておくと毛玉になり、見た目はもちろん健康にも悪影響を及ぼしてしまいます。

とくにマルチーズには、被毛がよく抜ける「換毛期」が存在するため、被毛や皮膚の状態を日々観察しながら手入れをしましょう。

長くて手入れが行き届かない場合には、あえて短めにカットをしてあげるのもおすすめです。

爪切り

人間と同じように犬も爪が伸びるため、定期的に短く切ってあげないといけません。放っておくと怪我をしたり歩き方に影響が出たりするため、非常に危険です。

愛犬の爪を切る際は犬用の爪切りを使用して、一本ずつ丁寧にカットしましょう。血管を切らないように注意して、やすりや止血剤なども用意しておくと安心です。

自分で爪切りをするのが不安な場合は、動物病院やトリミングサロンに一度相談してみてください。爪切りの頻度は、2週間から1か月に一度を目安に、長さが気になるようになったら都度実施しましょう。

歯磨き

爪切りと同様に、歯磨きも愛犬にとって欠かせない手入れです。人間と同じで、放っておくと虫歯になったり歯垢がついたりします。歯垢はやがて歯石となり、口臭や歯周病の原因となるため、口腔内はなるべく清潔な状態を保ってあげましょう。

犬の歯磨きは、犬用の歯ブラシを使用して実施します。ブラシタイプのほかにも、シートや指サックといった形状が展開されているため、愛犬にとって負担が少ないものを選んでください。まずは口周りを触られることに慣れさせるところから始め、少しずつ歯を磨けるようにしていきましょう。

愛犬にとって歯磨きが嫌なものにならないように、決して無理はさせず徐々に慣れさせていくことがポイントです。愛犬が上手にできるようになったら、なるべく毎日磨いてあげてください

犬用の歯ブラシを見てみる

 

関連記事

【獣医師監修】犬の歯磨きの頻度は毎日が正解!磨く方法と嫌がるときの対処法

食事管理

マルチーズの主食には、犬用の総合栄養食を与えます。小柄で口や歯のサイズも小さいため、ドライフードの場合は小粒で食べやすいものを選んであげてください。

また、食が細い子や食べムラが目立つ場合には、フードの種類や味を変えたり、おやつを混ぜたりしてみましょう。栄養が偏らないように注意しながら、愛犬がよく食べてくれる方法を探してみてください。

マルチーズのように小柄な犬種は、栄養が不足すると低血糖症などの病気にかかりやすくなります。そのため、愛犬の食欲や与えるフードの栄養バランスにはとくに気を配って、飼い主さんがしっかりと食事管理をしてあげることが大切です。

マルチーズがかかりやすい病気

診察を受けるマルチーズ
愛犬と長く一緒に過ごすためには、怪我や病気について理解を深めて、適切な予防や処置を実施する必要があります。マルチーズがかかりやすい主な病気をいくつかご紹介するので、万が一のときに備えて一度目を通してみてください。

弁膜症

「弁膜症」は、体内の血液の流れが変わって逆流することによって、心臓や肺などに大きな負担がかかる病気です。発症すると血液中の酸素が不足するため、運動を嫌がったり食欲が低下したりと、愛犬の元気がなくなる様子が見られます。

症状が進むと咳や苦しそうな呼吸をするようになり、失神や肺水腫などを引き起こす危険性もあります。

弁膜症は心雑音によって早期発見できるため、定期的に獣医師による健康診断と聴診検査を受けましょう。もし弁膜症にかかってしまった場合には、服薬や食事の管理をしてなるべく進行を遅らせるための治療をおこないます。

流涙症

マルチーズやトイプードルといった小型犬に多い病気の一つに「流涙症」があります。文字どおり涙が多く流れる病気で、ひどい涙やけ、目ヤニの増加、皮膚炎などの症状が特徴です。目の中の異物や逆まつげなどが誘因となり発症し、悪化すると結膜炎や角膜炎といった目の病気へと広がってしまいます。

マルチーズのように毛色が白い犬種の場合、目元の汚れは見た目も目立ちやすく好ましくないため、発見次第早めに動物病院で診てもらいましょう。

結膜炎

人間にも多い目の病気の一つである「結膜炎」。マルチーズの場合は、流涙症のほかにも寄生虫やアレルギー反応などから発症することがあります。

白目の充血や、目の周りの腫れが見られた際には、すぐにかかりつけ医に相談してください。愛犬が目をかゆがっている場合や、目ヤニや涙を出して目を開けられない場合も結膜炎の可能性が高く、放っておくと悪化して角膜炎を併発する危険性があります。

基本的には点眼薬を使用して治療しますが、原因や症状によって治療法はさまざまで、ときには手術が必要なケースもあるため早期発見が大事です。

外耳炎

耳の炎症によってかかる「外耳炎」には、急激に症状が進行する「急性外耳炎」と、ゆっくり長期的に発症していく「慢性外耳炎」の2種類があります。どちらの場合でも、耳が腫れたり皮膚が変色したりするため、異変を感じたら必ず早めに診察を受けてください。

愛犬が耳をかゆがって地面にこすりつけたり、ひっかいたり頭を振ったりする様子が見られたら、耳の中をよく観察してみましょう。耳だれによる悪臭や、聴力の低下といった症状もあるため、放置しておくと危険です。治療においては、定期的な耳洗浄や点耳薬などを実施します。

マルチーズは飼いやすい犬種!性格を理解して大切に育てよう

野原で寝転がるマルチーズ

性格がきついイメージを持たれがちなマルチーズですが、子犬期にしつけと社会化トレーニングをおこなえば、飼い主に従順でとてもお世話しやすい犬種です。

小さな身体で人懐っこく近づいてくる様子は非常に愛らしく、きっとマルチーズの魅力に夢中になることでしょう。本記事を通してマルチーズの特徴や性格を十分理解したうえで、家族としてお迎えしてください。

この記事を監修した人

小松 智彦

小松 智彦

獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。
20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。

関連記事 今話題の人気記事!

同じカテゴリから記事を探す

マルチーズ犬猫種飼い方