コーナンTips ペット 【獣医師監修】柴犬の特徴|性格やしつけ方など飼うために必要な知識を詳しく解説 【獣医師監修】柴犬の特徴|性格やしつけ方など飼うために必要な知識を詳しく解説 ペット クリップボードにコピーしました 【獣医師監修】柴犬の特徴|性格やしつけ方など飼うために必要な知識を詳しく解説 この記事をシェアする! クリップボードにコピーしました 「日本の犬」と聞くと、多くの方はまず「柴犬」を思い浮かべるのではないでしょうか。柴犬は、北海道犬、秋田犬、甲斐犬、紀州犬、四国犬ともに、天然記念物に指定されており、幅広い年代の人に愛されています。 しかし、柴犬の見た目はよく知っていても、実際の性格や寿命、飼い方などを詳しく理解している人はあまり多くありません。また、柴犬という犬種のなかにも、実はいくつかの種類があることをご存じでしょうか。 本記事では、日本人が愛する「柴犬」に関するあれこれをていねいに解説していきます。現在お世話している方も、これから家族としてのお迎えを検討している方も、ぜひ参考にしてください。 目次 柴犬の特徴特徴その1:性格特徴その2:大きさ特徴その3:被毛特徴その4:しっぽ特徴その5:平均寿命柴犬の種類と特徴信州柴美濃柴山陰柴縄文柴川上犬飼いやすい犬13選|選び方のポイントとおすすめの犬種を紹介柴犬を迎える方法と費用迎える方法費用相場ショップにいる柴犬を見てみる|pet Plazaコーナン柴犬の飼い方のポイントしつけと社会化散歩ブラッシングシャンプー柴犬の飼育で注意したい病気皮膚疾患膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)・パテラ柴犬の特徴や魅力を知って一緒に楽しく過ごそう 柴犬の特徴 人間が一人ひとり違う外見や性格をもっているように、犬や猫にもさまざまな「特徴」があります。 種類ごとに異なる特徴をしっかりと理解することで、コミュニケーションやお世話がしやすくなるため、ぜひ意識してみてください。 柴犬によくみられる性格をはじめ、平均的な大きさや寿命など、5つの特徴を解説します。 特徴その1:性格 かつて鳥や小動物などを捕まえる「狩猟犬」として活躍していた歴史をもつ柴犬は、非常に賢くて運動神経に優れています。 信頼する相手のために危険を顧みず立ち向かう忠実な面があり、とにかく勇敢な心の持ち主。「番犬」にも向いている犬種です。 我慢強さや義理堅さもあって頼りになる性格をしているため、上手にしつけをおこなうことができれば、すばらしいパートナーになってくれるでしょう。 特徴その2:大きさ 小型犬~中型犬に分類される柴犬は、日本犬のなかでは小柄な身体をしており、室内でも飼育しやすいコンパクトなサイズ感も人気の秘密です。 体高はオスが38~41cm、メスが35~38cmと性別によって差があります。体重もオスが9〜11kg、メスが7〜9kgほどと、メスのほうが少し軽くて小さい傾向があります。 特徴その3:被毛 柴犬は、太くて硬さのある毛と、柔らかくてふわふわとした毛の2種類をもつ「ダブルコート」の犬種です。異なる毛は二重構造となっており、季節の変化に合わせて生え変わりながら体温を調節したり皮膚を守ったりします。 被毛の長さは「短毛」ですが、ダブルコートのおかげで寒さには強いのが特徴です。 また、毛色は一番メジャーな赤に加えて、黒や胡麻、白といった4つのカラーがあります。胡麻はベースの赤や黒に白色が混ざった珍しい毛色で、色の割合によって赤胡麻や黒胡麻のように呼び方が変わります。 特徴その4:しっぽ 柴犬は、しっぽにもさまざまな種類があり、個体ごとに見た目が異なります。 基本的には「巻き尾」と呼ばれる上向きにカーブした形をしていますが、カーブの方向や巻き方によって豊富な呼び名があるため、覚えて比較してみると楽しいですよ。 ほとんどの柴犬が、背骨から左に向かってしっぽがカーブしている「左巻」か、反対に右にカーブしている「右巻」という種類に分類されるでしょう。そして、左巻と右巻のなかでもとくに巻き具合が強いものを「右二重巻」「左二重巻」と呼びます。 また、左右どちらにも寄らず背骨に沿ってカーブしているしっぽは「車巻」という種類。巻き具合が少ないものは「差尾」や「半差尾」と呼ばれます。 しっぽの先端部分が身体から離れている「半巻」や、カーブを描かずにピンと立っている「太刀尾」なども、柴犬にみられるしっぽの種類です。 特徴その5:平均寿命 柴犬の寿命は、犬全体の平均寿命である12~15歳前後とされています。 もちろん体格や病気、飼育環境などによる個体差はありますが、比較的丈夫で長生きしやすく、健康であれば15歳以上まで元気に生きられる犬種です。 柴犬の種類と特徴 実は、柴犬は地域によって5つの種類に分けられます。 それぞれの歴史や名前の由来、顔立ちや毛色の違いなどをご紹介します。ぜひ気になる種類を見つけてみてください。 信州柴 現在いる柴犬の9割以上のルーツが、この「信州柴」といわれています。 主に長野県や群馬県で狩猟犬として活躍してきた地柴の一種で、丸い顔や三角の耳や目、厚めの下あごなどが特徴的です。 筋肉質な身体をもっているため運動が得意なほか、飼い主さんをはじめ人に対して友好的な子が多い傾向があります。 美濃柴 「美濃柴」は、鮮やかに輝く緋赤の被毛が最大の魅力です。 柴犬のなかでも、とくに狩猟犬や番犬として大活躍してきましたが、現在は数が減り170頭ほどしか存在しないといわれています。 たぬきのようにふっくらと丸くて愛らしい顔や、警戒心が少なく人懐っこい性格が、いまも多くの人に愛されている理由です。 山陰柴 「山陰柴」は、その名のとおり山陰地方で生まれ育った柴犬です。病気に強く、温厚な性格をしているため、ペットとしても非常に飼いやすい犬種といえるでしょう。 全体的にスリムな骨格で、しっぽは「差尾」や、珍しい「太刀尾」であることが多いため、ほかの柴犬に比べると個性的な見た目をしています。 赤みの強い被毛をもっていますが、赤でも淡いものから黒っぽいものまでさまざまなバリエーションがあります。 縄文柴 縄文時代に、縄文人と生活をともにしていたといわれる日本犬の特徴を引き継いだ「縄文柴」。その歴史の深さから、世界的にも非常に貴重な犬種とされています。 現在は300頭ほどしか生息しておらず、繁殖者が不足しているため年々数が減ってきている柴犬です。 額の段差が浅くてキツネのような顔をしており、大きな歯や筋肉質な身体をもっています。オオカミのような見た目をしているため、より頼もしい柴犬が好きな方にぴったりです。 川上犬 長野県の天然記念物に指定されている「川上犬」は、縄文柴と同様にオオカミのような見た目が特徴です。 全体的に身体のサイズが大きく、凛々しい顔つきや長い手足をもっています。ニホンオオカミの血を継いでいるとされており、現在は300頭ほどしかいません。 文化財保護条例の適用により、飼育には条件や審査をクリアする必要があるため注意しましょう。 関連記事 飼いやすい犬13選|選び方のポイントとおすすめの犬種を紹介 柴犬を迎える方法と費用 これから柴犬を家族としてお迎えしたいと考えている方に向けて、そもそもお迎えするにはどのような方法があるのか、費用はどの程度かかるのかを解説します。 自分に合う方法を知り、予算と比較しながら適切なタイミングでお迎えしましょう。 迎える方法 柴犬をお迎えするためには、購入や譲渡などいくつかの方法があります。 まず、誰もが最初に思いつくのは「ペットショップで購入する」方法でしょう。数ある犬種のなかでも人気が高い柴犬は、子犬時代からほとんどのショップで取り扱われています。 しかし、ショップからお迎えをする場合は、生まれた場所や親犬のことなど、子犬に関する情報が不足している場合があり、不安に思われるかもしれません。そこで、事前に子犬のことをよく知りたいと考える方には「ブリーダーさんからお迎えする」方法がぴったりです。 ブリーダーさんの繁殖場所を訪問すれば、そばで親犬が生活していることも多く、実際に触れ合ったり話を聞いたりできます。 また、とくに犬の飼育に慣れている方におすすめしたい方法が「里親になる」こと。個人で保護活動をしている方から譲り受けたり、譲渡会を開催している会場に足を運んだりと、里親について知れる機会は豊富にあります。 ペットショップや病院などで「里親募集」という広告を見かけることがありますが、現在も多くの犬が行き場をなくして保護されています。ただし、保護されている犬は、問題行動が多かったり、心を閉ざしていたりする子が多いため注意が必要です。 自分や家庭の状況をよく考えて、柴犬をお迎えするためにぴったりな方法を見つけてみてください。 費用相場 ペットショップやブリーダーさんから動物をお迎えする際は、必ず最初に生体費用がかかります。柴犬の平均価格は店舗や柴犬の年齢などによって差があるため、よく比較しましょう。 また、購入や譲渡どちらの場合でも、動物を飼育する際には毎日のエサや飼育用品が必要です。さらに、定期的なワクチン接種や健康チェックのための診察、去勢や避妊の手術といったお世話にかかる費用も発生します。 年間で30万円前後が平均的な金額ですが、こちらも病気や怪我の回数などで変動することを覚えておいてください。 関連サイト ショップにいる柴犬を見てみる|pet Plazaコーナン 柴犬の飼い方のポイント 実際に柴犬をお迎えしたあとは、深い愛情をもってお世話しながら楽しい思い出を増やしていきましょう。 柴犬に限らず、動物を飼育するうえで飼い主さんにとって重要となる「飼い方のポイント」をご紹介します。 普段のお世話に加えて、これらのポイントをきちんと押さえれば、より快適で安心した柴犬との生活を満喫できますよ。 しつけと社会化 忠誠心が高い柴犬との生活を送る上では飼い主さんが「一貫性を持ったリーダー」になることが大切なポイント。信頼した相手にはとことん寄り添う性格のため、子犬時代からほめながらしつけをおこない、飼い主さんがリーダーシップをとるようにしましょう。 日常の遊びのなかにしつけを取り入れながら飼い主さんにとって「しても良いこと・してほしくないこと」を教えることで、日常生活がスムーズにできるようになります。 柴犬のトレーニングは短時間でメリハリをつけて行いましょう。 また、なるべく小さいうちから人や犬の集まる場所に足を運ぶと、社会性が身に付きます。走っている車や大きな音など、日常にある物や環境に慣れさせたり、身体の色々な部分を触られることに慣れさせることによって、飼育しやすく人懐っこい柴犬に育つでしょう。 散歩 かつて狩猟犬として活躍していた柴犬は、筋肉質な身体と優れた運動神経をもっています。身体を動かすことが大好きな子が多いため、毎日散歩をさせてあげてください。 運動不足になると体調を崩したり、ストレスをためて元気をなくしたりするおそれがあるため、できれば朝夕の2回散歩に連れて行ってあげましょう。 1回の散歩時間は30分ほどで構わないため、存分に歩いたり走ったりさせながら、ときには人や犬が集まる場所に寄り、社会性を育むのがおすすめです。 ブラッシング ダブルコートの被毛をもつ柴犬は、季節の変化に応じて換毛期が訪れることから、抜け毛の量が非常に多くなります。 さらに柴犬は皮膚トラブルが起こりやすいため、毎日ていねいにお手入れをして怪我や病気を防ぐことが大切です。 好みのブラシを用意して、楽しくスキンシップをとりながらブラッシングをおこないましょう。抜け毛が気になる時期には普段よりもブラッシングの回数を増やし、愛犬の健康や部屋の衛生環境を守ります。 シャンプー 毎日のブラッシングだけでは落としきれない汚れを落としたり、過度な抜け毛を防いだりするために、定期的に「シャンプー」をしてあげることも忘れないでください。 月に1〜2回のペースで身体を洗い、清潔な状態を保ってあげましょう。汚れや抜け毛が気になるからと洗いすぎると、必要な皮脂まで落ちてしまい、フケやかゆみの原因となるため気をつけてください。 また、シャンプー後には雑菌の繁殖や皮膚トラブルを防ぐため、タオルやドライヤーを使用して、しっかりと身体を乾かします。 柴犬の飼育で注意したい病気 整った飼育環境で適切にお世話をしていても、ある日突然病気になってしまうことがあります。柴犬がかかりやすい病気は以下のとおりです。 皮膚疾患(皮膚炎) 膝蓋骨脱臼(パテラ) 緑内障、白内障 外耳炎 歯周病 膿皮症 乳び胸 認知症 ここでは、代表的な病気である皮膚疾患と膝蓋骨脱臼(パテラ)について詳しく紹介します。飼育前にしっかりと目を通して、症状や対処法への理解を深めておきましょう。 皮膚疾患 柴犬は皮膚疾患にかかりやすいため、毎日のブラッシングや定期的なシャンプーなどのケアが欠かせません。 皮膚疾患には「アレルギー性皮膚炎」と「アトピー性皮膚炎」の2種類があり、柴犬に多くみられるのは、遺伝的な要素が関係しているとされるアトピー性皮膚炎です。 生後6か月から3歳ごろまでの間で発症しやすく、かゆみや赤み、発疹といった症状があらわれます。 一方で、アレルギー性皮膚炎は、人間と同じようにハウスダストや花粉といった「アレルゲン」が原因で発症する皮膚炎。症状はアトピー性皮膚炎と同じですが、強いかゆみが出ると自分で身体を舐めたり噛んだりして傷つけるおそれがあるため注意しましょう。 食べ物やノミ、ダニなどから発症する場合も多いため、飼い主さんが毎日のお世話のなかでしっかりと注意してあげる必要があります。 膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)・パテラ 膝蓋骨脱臼は、別名「パテラ」と呼ばれており、主に小型犬に多くみられる症状です。 名前のとおり「膝」の骨に関わる病気で、膝の皿の位置がズレたりはずれたりして歩行に影響が出る骨関節疾患のため、発症後は早期治療が重要となります。 治療では、主に薬やサプリメントの服用、または筋肉注射をおこないますが、重症の場合は手術が必要となる可能性があります。気になる症状をみつけたら、早めにかかりつけの獣医師に相談してください。 柴犬の特徴や魅力を知って一緒に楽しく過ごそう 柴犬は今も昔も多くの人に愛される存在で、性格や特徴などを知れば知るほど魅力が溢れる犬種です。 適切な飼育方法とポイントを押さえれば、誰でも安心して一緒に過ごせる犬種のため、飼育を始める際はまず柴犬について理解を深めることから始めましょう。 愛情いっぱいにお世話しながら、柴犬特有の愛嬌たっぷりな表情や、従順で頼もしい姿を満喫してみてはいかがでしょうか。 現在ショップにいる柴犬を見てみる この記事を監修した人 小松 智彦 獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。 20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。
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