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日本に生息するクワガタは何種類?人気種の名前と特徴を紹介

日本に生息するクワガタは何種類?人気種の名前と特徴を紹介

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夏になると身近な自然でよく見られるクワガタは、大人にも子どもにも人気の昆虫です。黒光りする鋭く尖ったアゴ(ハサミの部分)を構える姿はどっしりと力強く、見ごたえがあるもの。「クワガタを家で飼ってみたい」というご家族もいるのではないでしょうか。

本記事では、日本で人気のクワガタの種類や特徴などを詳しく解説します。さらに、種類やオス・メスの見分け方についてもまとめました。ぜひクワガタをお迎えして、思い出深い夏にしてください。

日本には何種類のクワガタがいる?

日本には何種類のクワガタがいる?

現在、日本には約40種類のクワガタが生息しているといわれています。しかし、亜種まで含めると70種類以上になるそうです。亜種とは、棲んでいる地域によって大きさや形の微妙な違いをさらに細かく分けたものです。

クワガタは大きく4つに分類され、多くはクワガタムシ亜科に属します。市販されているクワガタでは、キンイロクワガタ亜科に属する種類もあります。日本のクワガタでレアな種類は、天然のオオクワガタやヨナグニマルバネクワガタ、オキナワマルバネクワガタなどです。

世界には、日本よりもたくさんのクワガタがいます。これが日本にいるクワガタの種類が少ないといわれる理由の一つですが、世界全体に対する日本の面積からすると、決して少ないとはいえないでしょう。

日本のクワガタは本州・四国・九州などに広く分布しており、長い時間をかけて多様な種類が生まれたといわれています。クワガタの多様さは、日本の自然が豊かであることを表しているのです。

世界中を見渡すと多種多様なクワガタがたくさんいる

世界中を見渡すと多種多様なクワガタがたくさんいる

クワガタの生息地は、世界において主に東南アジアやアフリカ大陸が多くを占めています。クワガタの種類は世界中に約1,400〜1,500ほど存在するといわれ、そのうち60%以上が東南アジアに生息しています。

世界最長ともいわれるクワガタは、ギラファノコギリクワガタ。インドやネパール、東南アジアなどに分布しており、フローレス島(インドネシア)のギラファノコギリクワガタは10cmをゆうに超えます。

太く立派なアゴを持っているセアカフタマタクワガタは、力強い動きが魅力的なクワガタです。スマトラ島周辺に分布しており、気性が荒いため、バトルなどにも適しています。

パラワンオオヒラタクワガタは、大人の手のひらからはみ出すほど大きい、世界最大級のクワガタ。フィリピンのパラワン島に生息しており、長く大きなアゴと強い攻撃力が特徴です。ヒラタクワガタのなかでも特に人気があります。

日本にいる人気のクワガタの種類と基本情報

日本にいる人気のクワガタの種類と基本情報

ここからは、日本で人気のクワガタをご紹介します。

いずれも、一部地域を除き日本に広く分布しており、郊外の緑地など身近な自然で採集できるクワガタもいます。冬眠する種類であれば、翌年も飼育を楽しめるでしょう。

大きさやアゴ、色など、個性豊かな日本のクワガタの飼育を、ぜひ楽しんでみてください。

1.オオクワガタ

オオクワガタ

「黒いダイヤ」とも呼ばれる、日本最大級のオオクワガタ。がっしりとした体格をしており、日本のクワガタのなかでもとくに人気の高い種類です。

強そうな見た目をしていますが、性格は温厚なため初心者でも飼育しやすいでしょう。冬眠をすることから、ほかのクワガタよりも長生きします。

日本では低い山や平地の広葉樹などにいますが、見つけるのは難しいため、人工繁殖で販売されているオオクワガタを飼うことが一般的です。

体長 24~93mm
採れる場所 低い山や平地の広葉樹
採れる時間帯 早朝か夜間
活動時期 5~9月下旬(地域差あり)

2.ノコギリクワガタ

ノコギリクワガタ

ノコギリのようなギザギザのついたアゴが特徴のノコギリクワガタ。日本の平地から山地の広葉樹に幅広く生息しているクワガタで、市街地周辺の小さな林などでも採集できます

アゴは成長とともに強くなり、カブトムシと闘うこともあります。立ち上がって威嚇する姿は雄々しく見事。アゴは、大きく湾曲したものや短く直線的なものまでさまざまです。

体長 25~76mm
採れる場所 平地から山地の広葉樹林、郊外の林など
採れる時間帯 朝方~昼間
活動時期 5月下旬~9月下旬(地域差あり)

3.コクワガタ

コクワガタ

コクワガタは、小さく細長い体形で、素早い動きが特徴のクワガタ。日本全土に生息しており、都市部の緑地でもよく見かける種類です。

産卵数が多く小さな容器でも簡単に飼えることや、ほかのクワガタよりもアゴの力が弱いことから、初心者にもおすすめのクワガタです。

小さいクワガタの種類ではありますが、飼育下では中型に育つこともあるようです。冬眠をするため、2〜3年ほど生きるといわれています。

体長 18~58mm
採れる場所 広葉樹がある雑木林や山地
採れる時間帯 早朝、もしくは夜の暗くなり始めるころ
活動時期 4~10月(地域差あり)

4.ミヤマクワガタ

ミヤマクワガタ

ミヤマクワガタは、山奥を意味する「深山(みやま)」が由来のクワガタで、日本全土の標高の高い森林に生息しています。こげ茶色の体と鹿の角のようなアゴが特徴で、涼しく、ほどよい湿度のある環境を好みます。

クワガタの多くは夜行性ですが、ミヤマクワガタは昼間に活動する性質があるため、比較的簡単に採集できるでしょう。ただし、温度と湿度の管理が必要なため、飼育のハードルはやや高めです。

体長 28~79mm
採れる場所 標高が高い場所(クヌギの木にいることが多い)
採れる時間帯 朝方~昼間
活動時期 5月下旬~10月上旬(地域差あり)

5.ヒラタクワガタ

ヒラタクワガタ

体が平べったいことから「ヒラタ」と名付けられたヒラタクワガタは、ギザギザのついたアゴが特徴のクワガタ。日本のクワガタのなかでは大型で、人気のある種類です。比較的暖かい地域に生息しており、標高の低い平地でよく見られます。

ヒラタクワガタは飼いやすいクワガタですが、気性が荒く、挟まれるととても痛いため注意してください。また、オスは縄張り意識が強く、メスを挟んで弱らせたり死なせたりするおそれがあるため、飼う際は別々のケースに入れることをおすすめします。

体長 20~80mm
採れる場所 湿度が高い場所、川近くの林
採れる時間帯 夜間
活動期間 5~10月(地域差あり)

6.ネブトクワガタ

ネブトクワガタ

ネブトクワガタは、小型ながら立派なアゴを持つクワガタ。ほかのクワガタにはあまり見られない、翅(はね)のすじ模様が特徴的です。

日本全土に広く分布していますが、局所的に生息しているため、採集は難しいといわれています。また、樹皮裏や樹液だまりに潜む傾向があり、外側からはなかなか見つけられません。

一方、飼育は比較的簡単です。ネブトクワガタはクワガタのなかでも大人しい性格で、狭いスペースでも育てられます。初心者でも安心して飼育を楽しめるでしょう。

体長 12~33mm
採れる場所 クヌギ・ニレなど(地域差あり)
採れる時間帯 早朝(薄暗い内)~夜間(日が沈んでから)
活動期間 4月下旬~9月下旬(地域差あり)

7.オニクワガタ

オニクワガタ

オニクワガタは、標高の高いブナ林などに広く見られるクワガタムシ。

オス・メスともに、アゴに上向きの角のような内歯があり、鬼のように見えることからオニクワガタという名が付きました。小型ですが、特徴的なアゴの形が可愛らしいクワガタです。

飼育に関しては、高温に注意すればそこまで難しくありません。しかし、オニクワガタは成虫になるとほとんど何も食べないため、寿命は数週間と短い傾向があります

体長 16~27mm
採れる場所 やや標高の高いブナやミズナラの林(本州以西)
採れる時間帯 夜間
活動期間 7~9月(地域差あり)

8.ヒメオオクワガタ

ヒメオオクワガタ

ヒメオオクワガタは、高山のブナ林帯などでよく見かける、標高の高い場所に生息するクワガタです。弧を描いたように湾曲したアゴが特徴的で、上向きに突出した内歯がオオクワガタに似ていることからこの名がつきました。

比較的気温の低い場所に生息しているため、暖かい昼間に活動します。採集は、活動がもっとも盛んになる、日が昇ってから夕方くらいまでの時間帯がおすすめです。

昔は珍しく、あまり見かけることがなかったヒメオオクワガタですが、現在は生態が少しずつわかってきているようです。

体長 25~54mm
採れる場所 ブナ林・ヤナギ・ダケカンバなど
採れる時間帯 昼間(夜採れることも)
活動期間 6月上旬~10月頃(地域差あり)

9.アカアシクワガタ

アカアシクワガタ

アカアシクワガタはその名のとおり、赤い足が特徴のクワガタです。標高の高い場所を好み、本州から九州にかけては山沿いの平地に生息していますが、北海道では平野でも見られます。

アカアシクワガタが属するオオクワガタ属は飛翔性が乏しく、あまり活動的ではありません。しかし、アカアシクワガタは昼行性で飛翔性が高く、ライトに向かって飛んでくることも。

飼育にあたっては、高温・高湿に注意が必要です。また、オスとメスを一緒に飼うと、オスがメスを攻撃することがあるため、別々のケースに入れて飼うといいでしょう。

体長 25~61mm
採れる場所 高山地のヤナギなどの広葉樹
採れる時間帯 早朝~午前中(灯火採集なら夕方~夜間)
活動期間 6~8月

10.マダラクワガタ

マダラクワガタ

卵形で頭が小さく、コガネムシのような姿のマダラクワガタ。内側上方に強く湾曲したアゴは小さく、1本の内歯を持ちます。オスとメスの見た目はほとんど同じですが、メスのアゴは小さく、湾曲せずに下を向いています。

マダラクワガタは、主にブナ帯に生息しており、標高1,000m程度の山地に多く見られますが、さらに標高の低い照葉樹林などでも採集できることがあります。

幼虫を見つけた場合は、周囲の材ごとケースに入れて持って帰り、保管しておけば簡単に羽化します。成虫は大人しい性格のため、集団飼育しても問題ありません

体長 4~6mm
採れる場所 ミズナラ・ブナ・カツラ・アセビなどの赤枯れした倒木
採れる時間帯 昼間(材割り採集のため時間帯は問わない)
活動期間 5~8月

クワガタの見分け方

クワガタの見分け方

クワガタのオスが持つ大きなアゴも、闘争用に進化したものと考えられているのです。

幼虫の場合、オスもメスも見た目はほとんど変わらないため、見分けが難しいかもしれません。見分けるポイントは、大きさの違いとメスの卵巣です。

オスは、メスに比べて頭と牙が大きい傾向があります。体もオスのほうが大きいため、並べて比べてみてください。また、メスにはお尻側から数えて3節目あたりに卵巣があります。同じ大きさで見分けがつかないときは、卵巣があるかを確認してみましょう。クワガタは見た目が似ている種類もあるため、森や林などで捕まえても、どの種類のクワガタかわからない場合もあるでしょう。オスかメスかの見分けがつかないこともあるようです。

ここでは、クワガタの種類の見分け方や、オス・メスの見分け方について解説します。採集に行く前に、ぜひ見分けるポイントを押さえておいてください。

オスとメスの見分け方

成虫の場合、オスとメスで異なる姿をしています。一般的に、オスは「ハサミ」と呼ばれる一対の大きなアゴを持っていますが、メスにはありません。

なぜメスにはアゴがないかというと、クワガタは「性的二型」(または性的二形)の昆虫であるためです。性的二型とは、豪華な羽を持つオスのクジャクや、立派なたてがみを持つオスのライオンなど、体のある部分が餌や交尾相手を巡る闘いのための「武器」として進化した種をいいます。

種類の見分け方

種類で見分けるためには、次の3つに注目してみましょう。

  • 体の特徴
  • アゴのギザギザ

これら3つのポイントを押さえておけば、採集に行った際もその場である程度は見分けられます。それぞれどのように見分ければいいのかを解説します。

体の特徴で見分ける

クワガタは種類によって体の大きさや形が異なるため、特徴で見分けることが可能です。

たとえば、全体的に体ががっしりとしていれば、オオクワガタやヒラタクワガタの可能性が高いといえます。アゴが水牛の角のように曲がっている場合は、ノコギリクワガタが該当します。頭の両側が張り出していたら、ヤマクワガタでしょう。

色で見分ける

体の色が特徴的なクワガタは、色で見分けることが可能です。

足が赤い場合は、ノコギリクワガタやアカアシクワガタであると考えられます。足の付け根が黄みがかっていれば、ミヤマクワガタでしょう。

クワガタの色にも注目して、見比べてみてください。

アゴのギザギザで見分ける

アゴの先にある細かいギザギザにも注目してみましょう。

ギザギザがあるクワガタは、ノコギリクワガタやミヤマクワガタ、ヒラタクワガタなどです。オオクワガタやコクワガタなどにはギザギザはありません。

自分の好きなクワガタを採集しよう!

自分の好きなクワガタを採集しよう

夏のペットとして人気のクワガタは世界中に生息しており、日本には約40種類がいます。

外国産のクワガタを売っているペットショップもありますが、身近な山林で日本のクワガタを採集するのも楽しいもの。子どもの自由研究として観察するのもおすすめです。

今回紹介した見分け方を参考にして、お子さんとクワガタの飼育を楽しんでみてください。

 

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この記事を監修した人

小松 智彦

小松 智彦

獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。
20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。

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