【初心者向け】クワガタの正しい飼い方|飼育に役立つ基本情報と必要なもの
【初心者向け】クワガタの正しい飼い方|飼育に役立つ基本情報と必要なもの

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小さな子どもから大人まで、幅広い層に人気のクワガタ。クワガタの飼育はシンプルで、特別な器具や管理も必要ないため、初心者の方におすすめの昆虫です。(※一部の種類を除く)
本記事では、一般的な国産クワガタの正しい飼い方と、飼育に役立つ基本情報をご紹介します。本記事を参考に、ぜひお子さんと一緒にクワガタを飼育してみてください。
目次
クワガタの飼育に役立つ基本情報
まずは、クワガタの飼育に役立つ基本情報から確認しましょう。クワガタの魅力や平均的な寿命について解説します。
クワガタの魅力と特徴
世界には、約1500種類のクワガタがいるといわれており、日本には約40種類存在します。卵→幼虫→サナギ→成虫へと変化していく完全変態の昆虫です。クワガタの成長過程は神秘的で美しく、飼育をとおして変化する様子を観察できることも魅力の一つです。
クワガタを捕まえるときは、夏に山や森へ行き、木にいないか探してみましょう。また、ホームセンターやペットショップでも購入できます。
見た目は種類によって若干異なりますが、基本的にメスはオスに比べて頭部と体が一回り小さく、オスは大きなアゴをもっています。
クワガタの寿命
クワガタの寿命は種類によって異なります。
日本でメジャーな4種類のクワガタの平均寿命は以下のとおりです。
※ここでの寿命は、成虫として野外での活動をはじめた時点からの期間であり、幼虫期間は含まれません。
【越冬するもの】
- オオクワガタ :2〜3年
- コクワガタ :2〜3年
- ヒラタクワガタ :2~3年
【越冬しないもの】
- ノコギリクワガタ:3〜4か月
- ミヤマクワガタ :3〜4か月
オオクワガタやコクワガタは越冬ができるため数年にわたって生存しますが、ノコギリクワガタやミヤマクワガタは越冬ができないため寿命は短いです。
クワガタの寿命は飼育環境や個体差などにより大きく変化します。オオクワガタなどの越冬できる種類であれば、飼育環境が良ければ3年以上生きる可能性もあるでしょう。
自然界でのクワガタは、6〜9月に産卵期を迎え、数週間かけて卵からふ化して幼虫になります。その後、朽ち木の中で約1〜2年過ごし、夏の終わりにかけてサナギから成虫へと変化します。
越冬する種類のクワガタは、冬になると朽ち木の中で冬眠し、暖かくなると再び活動し始めます。
クワガタの種類
国産で有名なクワガタは、以下の5種類です。
- オオクワガタ
- コクワガタ
- ヒラタクワガタ
- ノコギリクワガタ
- ミヤマクワガタ
それぞれの特徴や飼育時の注意点をご紹介します。なお、クワガタのなかには条例によって採集が禁止されている種類もあるため、事前に確認しておきましょう。
オオクワガタ
オオクワガタの体長や分布、魅力、飼い方の注意点は以下のとおりです。
体長 | 24~93mm |
分布 | 日本全土 |
特徴 | 日本最大級のクワガタ 温厚な性格 長生き |
注意点 | 冬眠をするため、越冬(えっとう)の準備が必要 |
コクワガタ
コクワガタの体長や分布、魅力、飼い方の注意点は以下のとおりです。
体長 | 18~58mm |
分布 | 日本全土 |
特徴 | ・小型 ・細長い ・顎の力が弱い |
注意点 | 冬眠をする種類のため、越冬の準備が必要 |
ヒラタクワガタ
ヒラタクワガタの体長や分布、魅力、飼い方の注意点は以下のとおりです。
体長 | 22~90mm |
分布 | 日本全土 |
特徴 | ・大顎を持つ ・直射日光に気をつければ、暑さにも寒さにも強いので、温度管理が必要ない ・形状が特徴的 |
注意点 | ・気性が荒いので、挟まれないように注意 ・喧嘩をするため、1匹ずつ飼育すること(オスの場合) 喧嘩をしないように隠れ家として枝葉を入れたり、エサをきらさないように飼育したほうがよい |
ノコギリクワガタ
ノコギリクワガタの体長や分布、魅力、飼い方の注意点は以下のとおりです。
体長 | 25~76mm |
分布 | 日本全土 |
特徴 | ギザギザとしたノコギリのような突起がついた大顎 |
注意点 | ・成長するにつれて顎の力が強くなるため、挟まれないように注意 ・越冬しないため、寿命はワンシーズンと短命 |
ミヤマクワガタ
ミヤマクワガタの体長や分布、魅力、飼い方の注意点は以下のとおりです。
体長 | 28~78mm |
分布 | 日本全土 |
特徴 | ・鹿のツノのような大顎 ・後頭部の耳状突起 ・こげ茶色 |
注意点 | ・越冬しないため、寿命はワンシーズンと短命 ・深山(ミヤマ)と言われる通り深い山奥を生息場所とすることから適度に湿度があり涼しい環境を好む |
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クワガタの飼育に必要なもの
クワガタの飼育に必要なものは以下のとおりです。
- 飼育ケース
- 昆虫マット(土)
- 転倒防止材
- 登り木
- エサ台
- 昆虫ゼリー
それぞれの道具の選び方について、詳しくみていきましょう。
1.飼育ケース
飼育ケースは市販のタイプで問題ありません。ただし、通常の飼育ケースはマットや昆虫ゼリーに小バエが発生しやすいため注意が必要です。対策として、小バエシャッターが付いた飼育ケースを選ぶか、小バエの進入を防いでマットの乾燥を抑えるシートを購入して取り付けてください。小バエをシャットアウトする飼育ケースは保湿性も高いので霧吹きなどする手間が省けるので便利です。
また、複数のクワガタを一緒に飼育すると、ケンカをして傷つけあうおそれがあるため、1ケースにつき1匹が理想です。飼育ケースの中には複数飼育出来るように間仕切りが付いている飼育ケースもありますので検討してみてください。
2.昆虫マット(土)
昆虫マットとは、飼育ケースの床に敷くマットです。昆虫マットではなく、自然から拾ってきた土を用いても問題ありません。しかし、ほかの生物や菌が混入しているおそれがあるため注意してください。また、ホームセンターで販売されている園芸用の土は、農薬が使われている場合があります。したがって、専用の昆虫マットがおすすめです。
使用方法は、ケースに昆虫マットを均等に敷き詰めるだけです。そのあと、霧吹きを吹きかけ、湿り気をもたせましょう。ただし、昆虫マットに水分を含ませすぎると湿度が高くなり、カビやキノコが発生しやすくなります。
食べかすや排便などで汚れて臭いが気になり始めたら、昆虫マットを交換してください。
3.転倒防止材
クワガタはたくさん動き回るため、よく転んでひっくり返ります。しかし、そのままにしておくと、ひっくり返ったまま元に戻れず、もがいて体力を消耗します。対策として、転んだときに足をひっかけて起き上がれる転倒防止材を用意しましょう。
小さな木片を設置しておくのがおすすめ。設置後に、クワガタが自力で起き上がれるかどうかも確認しましょう。
4.登り木
成虫したクワガタは、ほとんどの時間を木の上で過ごすため、登り木を用意してあげましょう。自然の木でつくられた登り木は、湿気が高いとカビが発生しやすくなる点に注意してください。
カビない秘訣は空気中の雑菌が登り木につかないようにすることです。
空気中の雑菌が付着しないようにマットを登り木にすりつけるとカビを防ぐことが出来ます。
5.エサ台
昆虫ゼリーを入れるエサ台を用意しましょう。エサ台は、天然木を使用したもので、ゼリーが木の穴に入るタイプが望ましいです。オスとメスが出会って仲良く生活しやすい憩いの場所として大切なアイテムです。また昆虫ゼリーがこぼれにくいほか、クワガタもエサが食べやすいメリットがあります。
6.昆虫ゼリー
昆虫ゼリーはクワガタの主食となります。基本的にエサは昆虫ゼリーのみで問題ありませんが、リンゴやバナナも好物なため、ときどき与えてあげると喜ぶでしょう。
【初心者向け】クワガタの正しい飼い方
飼育環境を整えたら、正しい飼い方を確認しましょう。温度管理やエサの与え方など、飼育の基本について初心者の方向けに解説します。
飼育温度
クワガタは暑さや蒸れが苦手なため、飼育温度には注意が必要です。国産と外国産のどちらのクワガタを飼うかで適切な飼育温度が異なるため、事前に確認しましょう。
種類にもよりますが成虫の飼育温度は20度前後、繁殖に挑戦する場合の温度は24度前後が目安だと言われています。参考にしてください。
国産のクワガタの場合
国産クワガタの多くは、室内の常温状態で飼育が可能です。これは、幼虫や成虫であっても同様です。直射日光の当たらない、風通しの良い場所を選びましょう。
【夏場】
気温が30℃を超える場合は、必ず温度調節をおこなってください。とくに、ミヤマクワガタなどの一部の種類は、深山(ミヤマ)と呼ばれるように気温の低い場所にすんでいることから夏になると常温で飼育するのが困難です。ミヤマクワガタの活動期間中は、できればエアコンで20°C前後を維持してください。
【冬場】
オオクワガタなどの一部の種類は11〜3月ごろに冬眠するため、越冬の準備が必要です。室内の暖房が当たりすぎない場所へと移動させましょう。ただし、屋外の急激な寒さには耐性がないため、外には置かないでください。氷点下より温度が低い場所では飼育しないでください。
外国産のクワガタの場合
外国産のクワガタは、夏や冬になると温度調節が必要です。適正温度は種類によって異なります。
外国産のクワガタは、亜熱帯や熱帯地域に生息しているケースが多いものの、国産と同じで暑さには強くありません。また、外国産は冬の寒さにも弱いため、気温は常に18℃以上を維持してください。
エサのあげ方
昆虫ゼリーは、ある程度なくなったら早めに取り替えます。昆虫ゼリーが合わない場合は、お家にある食材をエサとして与えても問題ありません。先述したリンゴやバナナはクワガタの好物であるため、与えてあげると喜ぶでしょう。
しかし、スイカやキュウリのように水分が多い食べ物は、下痢を引き起こすおそれがあるため避けてください。また、生物(なまもの)は痛みが早く、そのまま放置すると小バエがわいてきます。とくに、夏は腐敗しやすくなるため、食べかすはすみやかに処分しましょう。
水のあげ方
成虫したクワガタは昆虫ゼリーから水分補給をおこないます。一方、幼虫のクワガタはマットに含まれた水から水分補給をおこなうため、基本的に水やりは不要です。
霧吹きに使用する水などは、基本的に水道水で問題ありません。
なお、幼虫の飼育に使用するマットづくりには、加水がとても重要です。使用するマットの水分量を手で握ったときに、団子ができる程度の加水量を意識しましょう。霧吹きをして、まんべんなく均等に加湿するのがポイントです。
冬越しのさせ方
オオクワガタやコクワガタは、成虫になってから2〜3年間生き続けます。
越冬のときは、ケースの半分以上がマットになるように増やしてください。マットが少なすぎると、乾燥するスピードが早まり、クワガタに寒さがダイレクトに伝わってしまうからです。大きめの木きれをマットの中に埋めてあげると、クワガタがマットと木きれの間に入って冬眠できます。
クワガタが冬眠の準備に入ると、飼育側も世話をする機会が減るでしょう。しかし、飼育ケースの湿度管理を怠ると、いつのまにか容器の中がカラカラに乾燥してしまうため、霧吹きは定期的におこなってください。
冬になると乾燥しやすいため、飼育ケースの開口部をビニールで覆いましょう。このとき、空気がとおるよう、真ん中に約3cmの穴を1つあけてからケースの上にかぶせます。次に、飼育ケースの上に新聞紙や不織布などの通気性があるもので覆ってからフタをしてください。
この作業をおこなうことで、冬場の期間に霧吹きをほとんどしなくて済みます。ただし、定期的に飼育ケースが乾いていないかどうかはチェックしてください。
最近では、保湿を保つような空気穴の小さい飼育ケースも購入できますので検討してみてください。
正しい飼い方でクワガタを大切に育てよう!
今回は、一般的な国産クワガタの種類や正しい飼い方、注意点についてご紹介しました。クワガタの飼育は簡単なため、小さなお子さんがいるご家庭での飼育におすすめです。
クワガタの飼育や観察をとおして、お子さんも大きな学びを得られるでしょう。クワガタは寿命が約3か月〜3年と短命であるため、育てるときはていねいにお世話してあげることが大切です。本記事を参考に、ぜひ元気なクワガタを育ててみてください。