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インゲン(いんげん豆)の栽培手順|初心者でも失敗しない育て方を解説

インゲン(いんげん豆)の栽培手順|初心者でも失敗しない育て方を解説

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家庭菜園で人気の高い野菜といえば、インゲン(いんげん豆)です。種まきから収穫までの期間が比較的短く、初心者の方でも育てやすいのが魅力ですが、「過去に種を腐らせてしまった」「あまり収穫できなかった」という経験がある方もいらっしゃるかもしれません。

インゲンは、ほんの少しのコツを知るだけで、驚くほどたくさん収穫できるようになります。採れたてのインゲンはスーパーで買うものとは比べ物にならないほど柔らかく、甘みがあります。
この記事では、インゲンの基本的な情報から、つるあり・つるなし品種の選び方、そして失敗しないための栽培手順までを詳しく解説します。プランターでも畑でも実践できる内容ですので、ぜひ今年のシーズンから挑戦して、食卓を彩る自家製インゲンを楽しんでください。

インゲンの基本情報と特徴

“青空と山々を背景に、支柱に沿って高くつるを伸ばしたインゲンの畑。緑豊かな葉の間から、細長いサヤがいくつもぶら下がっている様子"
インゲンは、中央アメリカを原産とするマメ科の植物です。日本には江戸時代に中国から隠元禅師によって持ち込まれたと伝えられており、それが名前の由来となっています。栄養価が高く、緑黄色野菜としてβ-カロテンやビタミンB群、カリウム、食物繊維などをバランスよく含んでいます。

インゲンは比較的温暖な気候を好み、寒さには弱い性質を持っています。しかし、生育期間が短いため、年に数回(一般的には春と秋の2回、地域によっては3回)収穫できることから、関西地方などでは「三度豆(さんどまめ)」とも呼ばれ親しまれています。

以下に、インゲンの基本的な植物情報をまとめました。

項目 内容
科名 マメ科
属名 インゲンマメ属
和名 インゲンマメ(隠元豆)
英名 Kidney bean, Common bean, French bean
学名 Phaseolus vulgaris
別名 サイトウ(菜豆)、サンドマメ(三度豆)
原産地 中央アメリカ(メキシコ南部など)
分類 一年草
販売時期 種:通年、苗:4月~5月頃
開花時期 種まきから約40~50日後
収穫時期 6月~7月、10月~11月(種まきから約50~60日後)
耐暑性 やや弱い(25℃以上で花が落ちやすくなる)
耐寒性 弱い(霜に当たると枯れる)

つるあり種とつるなし種の違い

“白背景に置かれた新鮮なインゲン。そのままの形のもの数本と、調理しやすいように短くカットされた断面の見えるインゲン"
インゲンには、大きく分けて「つるあり種」と「つるなし種」の2つのタイプがあります。それぞれの特徴を知り、ご自身の栽培環境やライフスタイルに合った品種を選ぶことが成功への第一歩です。ここでは、それぞれの特徴と栽培難易度について解説します。

長期間収穫できるつるあり種

「つるあり種」は、つるが1.5m~2m以上にも伸びるタイプです。
最大のメリットは、収穫期間が長く、トータルの収穫量が多いことです。一度成長すると次々と花を咲かせ、約2ヶ月間にわたって収穫を楽しめます。ただし、草丈が高くなるため、長い支柱を組んだりネットを張ったりする準備が必要です。栽培スペースに余裕があり(特に高さ方向)、じっくりと育ててたくさんの収穫を得たい方におすすめです。

家庭菜園におすすめのつるあり品種

・ケンタッキー101
つるあり種の中でも特に人気が高い定番品種です。暑さや病気に強く、生育が旺盛なので初心者でも失敗が少ないのが特徴です。丸いサヤは柔らかく、曲がりも少ないため、どんな料理にも使いやすい万能な豆です。

・モロッコ(平莢種)
幅が広く平らな形をした「平莢(ひらさや)」タイプの代表格です。見た目は大きいですが、スジがなく非常に柔らかいのが魅力です。肉厚で甘みがあり、煮物にすると味がよく染み込みます。

手軽に栽培できるつるなし種

「つるなし種」は、草丈が50cm程度で止まるコンパクトなタイプです。
つるが伸びないため、大掛かりな支柱やネットが不要で、ベランダでのプランター栽培にも最適です。また、種まきから収穫までの期間が短く、スピーディーに結果が出ます。その反面、収穫期間は2週間程度と短く、一斉に実って収穫が終わる傾向があります。「まずは手軽に始めてみたい」「ベランダで場所を取らずに育てたい」という初心者の方には、このつるなし種が特におすすめです。

初心者におすすめのつるなし品種

・サクサク王子
その名の通り、サクサクとした歯切れの良い食感が大人気の品種です。従来のインゲンのキュッキュッとした食感が苦手な方やお子様にも好まれます。スジができにくく、収穫遅れでも硬くなりにくいため、家庭菜園に最適です。

・初みどり2号
つるなしインゲンのロングセラー品種です。種まきから収穫までの期間が短く、濃い緑色のきれいな豆がたくさん実ります。株がコンパクトにまとまるため、小さなプランターでも育てやすく、ベランダ菜園の入門種としておすすめです。

Tips
つるなし種でも長く収穫を楽しみたい場合は、時期を2週間ほどずらして数回に分けて種をまく「ずらし蒔き」がおすすめです。

インゲン栽培に必要な道具

“青い模様の服を着た人が、家庭菜園の畑で収穫したばかりの新鮮なインゲンを両手いっぱいに抱えている手元のアップ"
栽培をスタートする前に、必要な資材を揃えておきましょう。インゲンは準備さえ整えば、あとはスムーズに育てることができます。特に「プランター」と「支柱」は、選んだ品種(つるあり・つるなし)によって適したサイズが異なるため注意が必要です。

以下に、必要な道具とその選び方をまとめました。ホームセンターや園芸店に行く際の参考にしてください。

道具 選び方・備考
インゲンの種 育てたい品種(つるあり/つるなし)を選びます。
プランター つるなし種:標準的な65cmプランター(深さ20cm以上)
つるあり種:深さ30cm以上の大型プランター(土がたっぷり入るもの)
培養土 初心者の方は、肥料配合済みの市販の「野菜用培養土」が便利で失敗がありません。
鉢底石・鉢底ネット 根腐れを防ぎ排水性を良くするため、プランターの底に敷き詰めます。
支柱支柱 つるなし種:倒伏防止用に長さ60~90cm程度の短い支柱や麻ひも
つるあり種:長さ210cm程度の長い支柱と、つるを這わせるための園芸用ネット
肥料 追肥として使用する「化成肥料」を用意します。
その他 ジョウロ(ハス口がついた優しい水流のもの)
園芸ハサミ(収穫や間引きに使用)
不織布または防虫ネット(種まき直後の鳥害やアブラムシ対策に必須)

種まきに適した栽培カレンダー

“土から芽を出したばかりのインゲンの新芽"
インゲンは寒さに弱いため、種まきのタイミングが非常に重要です。早すぎると地温不足で発芽しなかったり遅霜で枯れたりしますし、逆に遅すぎると夏の暑さで花が落ちて実がつきにくくなってしまいます。

お住まいの地域に合わせて、適切な時期にスタートしましょう。

地域 栽培タイプ 種まき時期の目安 タイミングのポイント
中間地・暖地
(関東以西など)
春まき 4月中旬 ~ 6月中旬 地温が15℃以上になり、遅霜の心配がなくなってからまきます。
秋まき 8月下旬 ~ 9月上旬 夏の猛暑が落ち着いた頃にまき、本格的な寒さが来る前に収穫します。
冷涼地
(北海道・高冷地)
春まき 5月下旬 ~ 6月中旬 十分に暖かくなってからまきます。冷涼地では年1回の栽培が一般的です。

初心者向けインゲンの育て方

“白いプランターで育つインゲンの苗。日当たりの良い場所で、瑞々しい緑の葉の間に薄紫色の小さな花がいくつか咲いている様子"
ここからは、実際の栽培手順を解説します。インゲンは「発芽」さえクリアすれば、その後の管理は比較的簡単です。土作りから収穫まで、順を追って見ていきましょう。

日当たりと用土の準備を行う

インゲンは日当たりと風通しの良い場所を好みます。ベランダで育てる場合は、室外機の風が直接当たらない、日のよく当たる場所にプランターを置きましょう。土については、水はけが良く、有機質に富んだ土が理想です。初心者の方は市販の野菜用培養土を使用するといいでしょう。場合はそのままで構いませんが、畑や古い土を使う場合は注意が必要です。プランターの底には鉢底石を敷き詰め、水はけを確保します。

Tips
インゲンは酸性土壌に弱い性質があります。畑で栽培する場合は種まきの2週間前に1㎡あたり約100gの苦土石灰を混ぜて、酸度がpH6.0~6.5になるように調整しておきましょう。また、種まきの1週間前には1㎡あたり堆肥約2kgと化成肥料約50gを施してください。

 

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種まきは鳥害と水分に注意する

インゲンの種まきで最も重要なのは、「鳥」と「水」の管理です。プランターの土に、指や瓶の底で深さ2~3cmほどの窪みを作ります。株間は20~30cm程度空けましょう。1つの窪みに3粒ずつ種をまきますが、この時、種の「へそ(くぼんだ部分)」を下に向けると発芽しやすくなります。土を優しく被せ、手のひらで軽く押さえて鎮圧した後、たっぷりと水をやります。種まき直後の種は、鳥にとって格好の餌です。発芽して本葉が出るまでは、不織布やネットを被せて鳥害を防ぎましょう。また、発芽までは過度な水やりを控え、土が乾きすぎない程度に保ちます。

間引きを行い丈夫な苗を残す

無事に発芽し、本葉が1~2枚開いてきたら「間引き」を行います。1箇所にまいた3粒のうち、生育が悪かったり形がいびつだったりする苗を取り除き、元気な苗を1~2本残します。この時、残す苗の根を傷めないよう、引き抜くのではなくハサミで地際からカットするのがポイントです。間引きを行うことで、残った苗に栄養が集中し、がっしりとした丈夫な株に育ちます

Tips
2本立ちにして育てるとお互いが支え合うように成長して倒れにくくなるほか、収穫量も多くなるためおすすめです。

支柱立てと誘引で茎を支える

苗が成長してくると、風で倒れやすくなります。品種に合わせて支柱を立てましょう。つるなし種の場合、草丈が伸びてくると自身の重さで倒れることがあります。四隅に短い支柱を立てて紐で囲うか、株元に短い支柱を添えて軽く結んでおくと安心です。つるあり種の場合は、つるが伸び始めたら早めに長い支柱を立てます。プランターのときは、支柱を合掌型(三角形)に組んでネットを張るのが一般的です。つるは反時計回りに巻き付く性質があるので、最初のうちは支柱やネットへ優しく誘引してあげましょう。

追肥と土寄せで株を安定させる

美味しいインゲンを実らせるために、適切なタイミングで肥料を与えます。つるあり種は栽培期間が長いため、追肥は2回行います。1回目は草丈が伸びて花が咲き始める頃、2回目は収穫が始まった頃が目安です。
つるなし種は栽培期間が短いため、花が咲き始める頃に1回だけ行います。追肥は1株あたり15g程度の化成肥料を株元から少し離れた場所にパラパラとまき、土と軽く混ぜ合わせるのがポイントです。同時に、株元に土を寄せる「土寄せ」を行うと、根がしっかりと張り、株の倒伏を防ぐことができます。

開花から収穫までのタイミング

花が咲いてから約10日~2週間後、実が膨らんできたら収穫の合図です。インゲンは「若採り」が基本です。サヤが平らで柔らかいうちに収穫しましょう。収穫が遅れるとサヤが硬くなり、食感が落ちてしまいます。収穫の際は、無理に手で引っ張ると茎や根を傷める原因になるため、必ずハサミを使ってヘタの部分から丁寧に切り取りましょう。早めに収穫することで株の負担が減り、次の実がつきやすくなります。

気をつけるべき病害虫と対策

“インゲンの茎に密集する黒いアブラムシの群れ。吸汁被害による生育不良を防止するための、病害虫対策セクションのイメージ画像"
インゲンは比較的育てやすい野菜ですが、害虫や病気が発生することがあります。早期発見と対策がカギとなります。

アブラムシとハダニ

アブラムシは新芽や葉の裏に集団で発生し、汁を吸います。見つけ次第、粘着テープで取り除くか、薬剤を使って駆除します。アブラムシは光るものを嫌うため、株元にアルミホイルやシルバーマルチを敷くと予防になります。ハダニは乾燥すると発生しやすく、葉の色が抜け白っぽくなります。葉の裏にも水をかける「葉水」を行うことで予防できます。

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炭疽病(たんそびょう)

炭疽病(たんそびょう)は葉やサヤに黒褐色の斑点ができる病気です。カビが原因で、雨が多い時期や泥はねによって感染します。発病した葉はすぐに取り除き、畑の外で処分しましょう。マルチングをして泥はねを防ぐことが有効な予防策です。

栽培で失敗しないためのポイント

“インゲンの株元。地面に近い場所で、太く成長した瑞々しいインゲンが重なり合うようにたくさん実っている様子"
インゲン栽培で初心者が陥りやすいミスを防ぐために、特に重要な2つのポイントを押さえておきましょう。

種まき直後の水やりは控える

インゲンの種は大きく、水を吸いすぎると土の中で腐ってしまうことがあります。「種まき直後はたっぷりと」水やりをしますが、その後発芽するまでは、土の表面が乾くまで水やりを控えるのが鉄則です。毎日ジャブジャブと水をあげてしまうのが、発芽失敗の最大の原因です。

開花後は水切れに注意する

発芽までは乾燥気味にする一方、花が咲いてからは十分な水分が必要になります。この時期に水切れを起こすと、せっかく咲いた花がポロポロと落ちてしまったり、サヤが曲がってしまったりします。開花後は、土の表面が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷりと水を与えましょう。特にプランター栽培では夏場の水切れに注意してください。

連作障害を避けて場所を選ぶ

インゲンを含むマメ科の植物は、「連作障害」が起こりやすい野菜です。同じ場所(同じ土)で続けて栽培すると、生育が悪くなったり病気が発生しやすくなったりします。一度インゲン(またはエダマメやエンドウなどのマメ科)を育てた場所や土では、2~3年はマメ科野菜の栽培を避けるようにしましょう。プランターの場合は、新しい土に入れ替えるか、リサイクル材などで土壌改良を行うことをおすすめします。

 

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まとめ

“コンクリートの地面に並べられた複数の長方形プランター。インゲン豆や落花生などの苗がそれぞれ植えられ、家庭菜園で元気に育っている様子"
インゲンは、種まきの水分管理と開花後の水やりにさえ気をつければ、初心者の方でも失敗が少なく、たくさんの収穫を楽しめる野菜です。特に「つるなし種」なら、ベランダでも場所を取らず手軽に始められます。
自分で育てて収穫したインゲンは、柔らかく甘みがあり、茹でてマヨネーズをつけるだけでも立派なご馳走になります。「枯らしてしまったらどうしよう」と不安にならず、まずは一袋の種から始めてみてはいかがでしょうか。手をかけた分だけ、植物はしっかりと応えてくれるはずです。

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