人気のタグ

コーナンTips

園芸

ツバキの育て方を解説!初心者でも毎年きれいな花を咲かせるコツ

ツバキの育て方を解説!初心者でも毎年きれいな花を咲かせるコツ

Featured Image
クリップボードにコピーしました
         

凛とした花姿で、冬の寂しい庭を美しく彩るツバキ。日本の伝統的な美しさを持ち、庭のシンボルツリーとしても人気があります。一見、育てるのが難しいと感じるかもしれませんが、性質に合ったお手入れをすれば、初心者の方でも毎年きれいな花を楽しむことができます。この記事では、ツバキの基本的な育て方から、年間のお手入れ、よくある悩みまで、分かりやすく解説していきます。

ツバキの基本情報

真っ赤な椿の花

ツバキは、光沢のある美しい葉と華やかな花が魅力の、日本を代表する花木の一つです。その基本的な情報を以下にまとめました。

項目 内容
科名 ツバキ科
属名 ツバキ属
和名 ツバキ(椿)
英名 Camellia
学名 Camellia japonica
原産地 日本、東アジア
分類 常緑樹
販売時期 苗木:通年
開花時期 11〜4月
※品種による
耐暑性 普通
耐寒性 強い

ツバキの主な品種

ツバキには数多くの品種が存在します。日本原産の固有種としては温暖な太平洋側に分布する「ヤブツバキ」と、雪の多い日本海側に見られる「ユキツバキ」の2種類があります。園芸品種としては、紅色に白い斑点が入る「岩根絞り」、ピンク色で千重咲きの「乙女椿」、茶花としても愛される一重咲きの「侘助(ワビスケ)」など人気で、花の色や形、咲き方も多種多様です。ご自宅の環境や好みに合わせて、お気に入りの品種を選んでみてください。

ツバキとサザンカの違い

椿とサザンカの違いをまとめた表

ツバキとよく似た花木にサザンカがあります。近年はツバキとサザンカの交雑種が多く、判別も難しくなっていますが、簡単な見分け方のポイントは、花の散り方です。ツバキは花が丸ごとぽとりと落ちますが、サザンカは花びらが一枚一枚ばらばらに散ります。また、葉にも違いがあり、ツバキの葉は光沢が強く厚みがあるのに対し、サザンカの葉はやや小ぶりで、葉の縁のギザギザがはっきりしています。開花時期は、サザンカが秋から咲き始めるのに対し、ツバキは冬から春にかけて見頃を迎える品種が多いです。

ツバキを育てるために必要なもの

花が咲いている椿
ツバキを健やかに育てるためには、いくつかの基本的なアイテムを揃える必要があります。特に苗木選びと、育てる環境の土台となる用土や鉢は重要なポイントです。

苗木

良い苗木を選ぶことが、ツバキ栽培の成功への第一歩です。購入する際は、葉の色が濃く、つやがあり、病害虫の跡がないかを確認しましょう。枝が太く、節の間が詰まっているものが健康な株の証拠です。また、ポットの底から新しい根が少し見えている程度のものを選ぶと、植え付け後の根付きがスムーズに進みます。品種名のラベルがしっかりついている苗を選ぶことも、後々の管理に役立ちます。

用土と鉢

ツバキは、水はけが良く、やや酸性の土壌を好みます。地植えの場合は、植える場所に腐葉土や堆肥を混ぜ込み、土をふかふかにしておきましょう。鉢植えで育てる場合は、市販のツバキ・サザンカ用の培養土を利用するのが手軽でおすすめです。自分で配合する場合は、赤玉土や鹿沼土を主体に、腐葉土などを混ぜて作ります。 鉢は、根が詰まりすぎないように、苗木の大きさに合ったものを選び、成長に合わせて植え替えていくのが理想的です。

培養土|ホームセンターコーナンの通販サイト

鉢・プランター|ホームセンターコーナンの通販サイト

 

関連記事

腐葉土(落ち葉堆肥)の作り方|簡単にできる方法と失敗しないコツ | コーナンTips

ツバキの栽培時期

咲き誇る椿

ツバキの栽培を成功させるには、年間を通した作業スケジュールを把握しておくことが大切です。植え付けや剪定は、ツバキの生育サイクルに合わせた適切な時期に行うことで、株への負担を減らし、翌年の花つきを良くすることに繋がります。

時期 主な作業 ポイント
3月~4月 植え付け、植え替え、剪定、肥料 花が終わった後の生育期に入る前が適期です。
5月~7月 病害虫の防除、挿し木 チャドクガなどの害虫が発生しやすい時期です。
8月~11月 肥料、病害虫の防除 夏の終わりから秋にかけて、花芽の成長を促す肥料を与えます。
12月~2月 水やり、防寒対策 乾燥や寒風が厳しい場合は、株元を保護します。

ツバキの育て方の手順

蕾の椿
ここからは、植え付けから日々の管理、剪定まで、ツバキの育て方の具体的な手順を解説します。それぞれの作業のポイントを押さえて、美しい花を咲かせましょう。

植え付け

ツバキの植え付けは、気候が穏やかな春(3月~4月)か秋(9月~10月)が適期です。 鉢植えの場合は、鉢底石を敷いて水はけを良くし、苗を植え付けます。地植えの場合は、ツバキが根付きやすいよう根鉢と同じくらいの深さの穴を掘ります。穴の幅は根鉢の2倍を目安に広めに掘ると水はけが良くなります。掘り上げた土に腐葉土などを混ぜてから植え付けます。植え付け後は、根がしっかり張るまで、土が乾かないようにたっぷりと水を与えましょう。植える場所は、西日を避けられる半日陰から日向が適しています。

Tips
植え付けの際は、深植えにならないよう気を付けましょう。根鉢の表面が地中に埋まりすぎてしまうと、根腐れや生育不良の原因となります。

水やり

水やりは、ツバキの生育において重要です。特に鉢植えの場合、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えるのが基本です。 夏場は水分の蒸発が激しいので、朝夕の涼しい時間帯に水やりをすると良いでしょう。地植えの場合は、一度根付いてしまえば基本的に雨水で足りますが、夏に乾燥が続くようなら水やりをしてください。冬場の水やりは少し控えめにし、土の凍結に注意しましょう。

肥料の与え方

美しい花を咲かせるためには、適切な時期に肥料を与えることが不可欠です。ツバキに肥料を与える主なタイミングは年に2回です。まず、花が終わった後の3月頃に、株の体力を回復させ、新しい枝葉の成長を促すためにお礼肥として緩効性肥料を与えます。 次に、寒さが本格的になる前の9月から10月頃に、来年の花芽の充実を目的として、リン酸やカリウムを多く含む肥料を与えると良いでしょう。

肥料|ホームセンターコーナンの通販サイト

 

関連記事

肥料の三大要素とは?肥料の種類一覧や使い分けのポイントを解説 | コーナンTips

剪定

ツバキの剪定は、花が終わった直後の3月から4月頃に行うのが最適です。 この時期を逃して夏以降に剪定を行うと、すでに来年の花芽が形成されているため、花芽ごと切り落としてしまい、翌年花が咲かなくなる原因になります。 剪定の目的は、混み合った枝や枯れ枝を取り除き、日当たりと風通しを良くすることです。これにより、病害虫の発生を予防し、樹形全体に栄養が行き渡るようになります。

園芸ハサミ|ホームセンターコーナンの通販サイト

 

関連記事

植木の剪定は自分でできる!切る枝の見分け方と時期について初心者向けに解説 | コーナンTips

ツバキ栽培でよくある悩み

咲いている椿
丹精込めて育てていても、時には「花が咲かない」「葉が落ちてきた」といったトラブルが起こることがあります。ここでは、ツバキ栽培で直面しがちな悩みの原因と、その対処法について解説します。

花が咲かないときの原因

ツバキの花が咲かない原因として、剪定時期の間違いがあります。ツバキは夏に花芽を形成するため、夏以降に枝を切ると花芽を失ってしまいます。剪定は必ず花が終わった直後に行いましょう。また、日照不足も花つきが悪くなる原因の一つです。明るい日陰でも育ちますが、花を楽しむためにはある程度の日光が必要です。そのほか、肥料の窒素分が多すぎると葉ばかりが茂り、花が咲きにくくなることもあります。

葉が落ちる・枯れる原因

ツバキの葉が落ちたり、枯れたりする原因はいくつか考えられます。まず、夏の強い日差しによる「葉焼け」や、水やりが不足することによる「水切れ」が挙げられます。逆に、水のやりすぎで土が常に湿っていると「根腐れ」を起こし、葉が枯れる原因にもなります。また、カイガラムシなどの害虫が大量に発生した場合も、樹勢が弱り葉が落ちることがあります。葉の状態をよく観察し、原因に合った対処をすることが大切です。

ツバキの病害虫対策

白い椿
ツバキを健康に育てるためには、病害虫の対策が欠かせません。早期発見と適切な対処で、大切なツバキを守りましょう。ここでは、特に注意したい病害虫とその対策について説明します。

チャドクガの対策

チャドクガは、ツバキやサザンカに発生しやすい代表的な害虫です。幼虫の毛に毒があり、触れると激しいかゆみや皮膚炎を引き起こすため、特に注意が必要です。5月から9月にかけて年に2回発生し、葉の裏に集団でいます。 発見したら、絶対に素手で触らず、ゴム手袋や服装で肌を保護した上で、枝ごと切り取って処分するか、専用の殺虫剤で駆除してください。冬の間に葉の裏にある卵塊を見つけて取り除いておくと、春の発生を予防できます。

カイガラムシの対策

カイガラムシは、枝や葉に付着して樹液を吸い、ツバキを弱らせる害虫です。成虫になると硬い殻に覆われて薬剤が効きにくくなるため、幼虫が発生する5~7月に薬剤を散布するのが効果的です。数が少ない場合は、歯ブラシなどでこすり落として駆除することもできます。カイガラムシの排泄物は、葉が黒くなる「すす病」の原因にもなるため、見つけ次第早めに対処しましょう。

もち病の対策

もち病は、春先に新しい葉や芽が不自然に膨れ、もちのように白くなる病気です。雨が多く、気温が低い春に発生しやすくなります。見た目は悪いですが、樹木全体が枯れてしまうような深刻な病気ではありません。病気にかかった部分は元に戻らないため、見つけ次第摘み取って処分してください。風通しを良くするために適切な剪定を行うことが、発生の予防に繋がります。

園芸農薬の関連商品を見てみる

 

関連記事

ガーデニングの害虫対策!初心者でも簡単にできる方法を紹介|コーナンTips

 

関連記事

植物の病気対策|主な種類と症状、家庭菜園でできる予防策と対処法を解説|コーナンTips

まとめ

綺麗に並べられた椿の花

ツバキは、基本的な性質と育て方のポイントを理解すれば、初心者でも十分に楽しめる美しい花木です。適切な時期の植え付けや剪定、日々の丁寧な水やりを心がけることで、毎年見事な花を咲かせてくれます。この記事を参考に、ぜひご家庭でのツバキ栽培に挑戦してみてください。

関連記事 今話題の人気記事!

同じカテゴリから記事を探す

ツバキ庭木椿