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にんにくの栽培方法|初心者でも失敗しないプランターでの育て方

にんにくの栽培方法|初心者でも失敗しないプランターでの育て方

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ガーリックトーストやアヒージョなどの風味付けにかかせないにんにくを、自宅で育ててみませんか。にんにくは、ほかの作物と比べて栽培期間は長めですが、真冬になると休眠期間に入るため、それほど手間はかかりません。

しっかりと育て方を確認すれば、初心者の方でも挑戦できる作物です。プランター栽培も可能なため、アパートやマンションなどの賃貸にお住まいの方にもおすすめ。本記事では、にんにくを種根から育てる方法や注意点をご紹介します。

にんにくの基本情報

にんにくの基本情報
まずは、にんにくの基本情報を確認しましょう。

科名 ヒガンバナ科
属名 ネギ属
和名 ニンニク
英名 Garlic
学名 Allium sativum
別名 大蒜(おおびる)、蒜(ひる)
原産地 中央アジア
分類 多年草
販売時期 8月中旬~11月中旬
植え付け時期 9月~10月頃
収穫時期 5月下旬〜6月
耐暑性 弱い
耐寒性 強い

にんにくの植え付け時期は9~10月頃で、栽培期間は9〜6月と長めです。収穫に至るまでには土づくりや植え付けや芽かき、水やりなどを一つひとつ丁寧におこなっていく必要があるため、しっかりと確認していきましょう。

歴史・由来

にんにくの歴史と名前の由来について解説します。

にんにくの歴史

にんにくの歴史は古く、エジプトのピラミッド建設に携わった労働者に配られたのが食用の始まりといわれています。日本にも古くから存在しており「古事記」にもその記述がされています。有名な「源氏物語」にも、風邪をひいた娘ににんにくを服用させたという記述があるほどです。

昔は料理の風味付けというより、滋養強壮などの薬効目的で使用されていました。仏教(禅宗)では精力がつき過ぎて心を乱す効果があるとして、お酒と同様に御法度とされていました。

やがて明治になり、日本でも肉を食べる風習ができたため、にんにくを食べる機会が増えていきます。そこから高度経済成長で国際交流が飛躍的に進み洋食化が進んだことで、洋食料理に使用するにんにくも、日本の野菜の一種として認知されていきました。

にんにくの名の由来

にんにくの名の由来は2つの説が存在し、なかでも有力とされているのが「忍辱(にんにく)」という仏教用語から来たとする説です。忍辱は「我慢する」「恥を忍んで心を動かさない」という意味ですが、昔は「健康のために臭いに堪えて食べる」との意味もあったことから、その名が付けられたといいます。

主な品種

にんにくは、大きく分けると暖地向けと寒地向けがあります。にんにく栽培は、気候や天候の影響を受けやすく、地域によって育てやすさが異なります。したがって、初心者の方は住んでいる地域の気候や天候に合った品種を選ぶのがおすすめ。

関東や関東以西などの暖地にお住まいの方は暖地向けの品種、北海道や東北側の寒冷地にお住まいの方は寒地向けの品種を選ぶといいでしょう。

家庭菜園におすすめの品種は以下のとおりです。

品種 特徴
ホワイト六片 ・寒冷地向け
・鱗片(りんぺん)のそろいが良く粒も大きい
・もっともポピュラーな国内にんにく
平戸(ひらど) ・暖地向け
・にんにく特有の風味がある
・比較的育てやすい
嘉定(かてい) ・暖地向け
・やや小ぶり
・他品種に比べて収穫までが早い
・香りが強い
無臭にんにく ・全国で栽培可能
・鱗片が10個以上付くため大きい
・にんにく特有の風味が薄く香りはマイルド
・西洋ネギ・リーキの仲間で別種
ジャンボにんにく ・全国で栽培可能
・手のひらサイズで大きい
・比較的育てやすい
・西洋ネギ・リーキの仲間で別種

にんにくを育てるために必要なもの

にんにくを育てるために必要なもの
にんにく栽培を始める前に、まずは必要な道具をそろえましょう。

必要なものは以下のとおりです。

  • にんにくの種球
  • プランター・鉢(深さ20cm以上の長方形)
  • 培養土
  • 鉢底石と鉢底ネット
  • 肥料
  • スコップ
  • ジョウロ
  • 園芸ハサミ
  • マルチング材

にんにくの栽培方法

にんにくの栽培方法
にんにくをうまく栽培するためのポイントについて、以下6つの項目に分けて解説します。

  • 日当たり・置き場所・温度
  • 植え付け方
  • 水やりの仕方
  • 肥料のやり方
  • 芽かき・花芽の摘み取りの仕方
  • 収穫と保存の仕方

日当たり・置き場所・温度

まずは、にんにくが育ちやすい環境を整えましょう。栽培に適した環境は以下のとおりです。

  • 置き場所:日当たり・風通し・水はけの良い場所​
  • 温度  :15〜20℃

日陰で湿気の多い場所は避け、水はけの良い場所を選ぶのがポイントです。にんにくは暑さに弱く、寒さには比較的強いことを覚えておきましょう。

植え付け方

植え付け時期は基本的に9〜10月ごろですが、お住まいの地域によって若干異なります。適期は以下のとおりです。

  • 寒冷地:9月下旬〜10月初旬
  • 暖地 :10月中旬〜10月下旬

土を用意する際は、野菜用の培養土を使用するのがおすすめです。

植え付けの手順は以下のとおりです。

  1. 傷んでおらず粒が大きいにんにくの種球を用意し、鱗片(りんぺん)を一つずつバラす
  2. 株間は15cmを意識し、種球のとがっている側を上に向けて一つずつ土に植え込んでいく(ジャンボにんにくの場合は株間20cm以上)
    ※芽がまだ出ていなくても、とがったほうを上に向けて植えます。
  3. 5〜7cm程度の土をかぶせる
  4. 水をたっぷりと与える

地植えにする際は、畝(うね)を立てて黒マルチを張っておくのがおすすめ。黒マルチを張っておくと、春先の地温保持や雑草防止に役立ちます。黒マルチを使用する場合は、15cm間隔に穴を開けて使用してください。

水やりの仕方

水やりは、土が乾いたタイミングでたっぷりと与えてください。ただし、加湿にならないよう与えすぎには注意しましょう。

肥料のやり方

肥料のやり方は、栽培する地域によって異なります。暖地の場合は、植え付けてから一度、12月に追肥(おいごえ・ついひ)を施します。

一方、寒冷地の場合は、冬になると雪で土が覆われてしまうため追肥はおこないません。寒冷地で栽培する場合は、植え付けの際にしっかりと元肥(もとごえ)を施しておく必要があります。

春になり、にんにくの芽が伸びるタイミングで暖地・寒冷地ともに追肥をおこないます。このときの追肥は、球根が肥大するための重要な栄養分となるため、必ずおこなってください。

芽かき・花芽の摘み取りの仕方

秋ごろに植えたにんにくは、1か月と経たずに発芽します。なかには、2本の芽を出すこともあるでしょう。その際は、成長を考慮してあらかじめ脇芽を抜いておいてください。

芽かきは冬に入る前に済ませます。芽かきとは、栽培に適さない不要な芽を取ることです。葉が3枚ほど出たタイミングで、脇から出た小さな芽を引き抜きます。もう片方が一緒に抜けてしまわないよう、残す側の根本をしっかりと抑えて引き抜くと成功しやすいでしょう。

春になり気温が上がるにつれて、だんだんと大きく育っていきます。花芽が伸びたら早めに摘み取りましょう。にんにくは葉が枯れる前に花芽が伸びてくるため、摘み採らずにいると、株が早い段階で枯れてしまう点に注意してください。

花芽の摘み取り方は、手でつかんで折り取るだけです。手の力で折れるところは、やわらかくておいしい部分のため、摘み取った花芽を捨てずにいただきましょう。

収穫と保存の仕方

花芽を摘み取ってから約2週間後が、収穫にベストなタイミングです。晴天が2〜3日続いたタイミングで収穫しましょう。収穫が遅れてしまうと、土中で鱗片がバラけて採取しにくくなるため注意してください。

保存の仕方は、収穫したにんにくの根っこの部分と茎を15〜20cm程度残して切り取り、数個にまとめてから日陰で風通しの良い場所に約1か月間置いて乾燥させれば完了です。

Tips
ニンニクは収穫までの期間が長いので、育ち切る前に誤って抜いてしまわないように注意してください。

にんにくの栽培で注意すべきポイント

にんにくの栽培で注意すべきポイント
にんにくは病気に比較的強い作物です。しかしながら、まったく病気にかからないわけではありません。にんにくは春になるにつれて、病気が一気に広がることがあります。なかでも、春になると腐る「春腐れ病」や「さび病」には注意が必要です。気づかずに放置すると、最後の最後で失敗して収穫できないことも考えられます。

したがって、越冬前後の予防がとても重要になります。病気の可能性がある場合は、すみやかに殺菌剤を使用して対策しましょう。日頃からしっかりと観察し、予防対策をおこなっておくことが大切です。

にんにくの病害虫対策

にんにくの病害虫対策
にんにくは病気に比較的強いですが、一度発症してしまうと進行を止めることが難しい作物です。収穫期間が長い分、日頃からしっかりと観察して状態に気を配り、病害虫の症状が出る前に対策をしていきましょう。

葉や茎の病気

まずは病気を発症する原因を知り、予防対策をおこないましょう。にんにくは長期の降雨や多湿に弱いため、栽培環境には十分注意してください。万が一発病してしまった場合は、腐敗した葉や株をすみやかに処理し、被害を最小限に食い止めましょう。

葉や茎に発生しやすい主な病気は以下のとおりです。

【さび病】

症状 ・葉の表面にさびのようなオレンジ色の小斑点が出る
・症状が進行すると黒くなる・枯死する
・周囲に伝染する
主な原因 ・多湿な環境
予防・対策 ・風通しの良い環境づくり

【白斑葉枯病(はくはんはがれびょう)】

症状 ・葉の表面に白い病斑が出る
・降雨後の晴天時などに病斑がつながるように拡大
・症状が進行すると腐敗・枯死する
主な原因 ・降雨後の晴天や降雨が続く場合
予防・対策 ・降雨が続く場合はプランターを移動させる

【葉枯病(はがれびょう)】

症状 ・葉の表面に白い斑点が出る
・拡大すると先端が枯れる
・多湿環境の場合は黒い煤(すす)のような胞子をつくる
主な原因 ・気温が20〜25℃で多湿な環境
予防・対策 ・気温に気を配る
・風通しの良い環境づくり

根の病気

根に発生しやすい主な病気は以下のとおりです。

【青かび病】

症状 ・根から発症して株全体に広がる病気
・葉に光沢が出る
・鱗茎(りんけい)の表面に青いかびが発生
・生育不良
主な原因 ・消毒後の種子の乾燥不足
予防・対策 ・消毒後はしっかりと乾燥させる

【黒腐菌核病(くろぐされきんかくびょう)】

症状 ・根から発症して株全体に広がる病気
・株元にごまのような黒い菌核を形成する
・症状が広がると株全体が枯れる
主な原因 ・土壌の病原菌
予防・対策 ・水はけを良くする
・土壌環境の改善

【紅色根腐病(こうしょくねぐされびょう)】

症状 ・根が紅色になり腐る病気
・初期症状が葉に出ないため発見が難しい
・水を吸収できず葉が枯れて球根の生長が止まる
主な原因 ・土の乾燥
予防・対策 ・土壌の乾燥具合に気を配る
・晴天が続いたら水を与える

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害虫

害虫は発生してから対策しても手遅れの場合が多いため、害虫が寄りつかないよう予防対策を徹底することが大切。害虫は基本的に多湿な環境を好むため、風通しと水はけの良い環境で育ててください。防虫ネットを張るのもおすすめです。

枯葉や雑草が生えると害虫の発見が遅れるおそれがあるため、こまめに取り除いてください。害虫を見つけた場合は、粘着テープなどですみやかに駆除しましょう。

にんにく栽培で発生しやすい害虫は以下のとおりです。

【ハダニ】

症状 ・葉の裏側に発生
・葉に白い斑点が出る
予防・対策 ・水を入れたスプレーを葉の裏に吹きかける

【アブラムシ】

症状 ・葉の根元につく
・植物の汁を吸ってウイルスを媒介する
・感染が広がると葉先までびっしりとつく
予防・対策 ・日当たりと風通しの良い環境づくり

【ネギコガ】

症状 ・葉の内側から発生
・柔らかい葉を食害する
予防・対策 ・葉のチェックをこまめにおこなう

 

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にんにくはほかの作物と比べて栽培期間が長いものの、真冬になると休眠期間に入るため、それほど手間はかかりません。正しい方法でしっかりと管理すれば、初心者の方にもおすすめの作物です。

本記事を参考に、ぜひプランターからにんにく栽培を始めてみてくださいね。

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