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【初心者向け】スパティフィラムの育て方|基本のお手入れや植え替え方を解説

【初心者向け】スパティフィラムの育て方|基本のお手入れや植え替え方を解説

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室内向けの植物であるスパティフィラムは、白い花びらのような仏炎苞(ぶつえんほう)が特徴的です。かわいらしい見た目から、観葉植物として人気の植物です。

スパティフィラムは丈夫な性質を持ち、鉢植えでも育てられるため、ガーデニング初心者の方にもおすすめです。ただし、日当たりの確保や温度管理、動物に対する中毒性などの注意点もあるため、栽培を始める前に確認しておきましょう。

本記事では、スパティフィラムの基本情報や育て方のコツ、注意点について詳しく解説します。

スパティフィラムの基本情報

パティフィラムの基本情報

まずは、初心者でも育てやすいといわれる、スパティフィラムの基本情報をご紹介します。

科名 サトイモ科
属名 スパティフィラム属
和名 笹団扇(ササウチワ)
英名 peace lily、spathe flower
学名 Spathiphyllum(スパティフィラム)
別名 スパテフィラム、スパティフィルム、スパシフィルム
原産地 熱帯アメリカ
分類 多年草
販売時期
開花時期 5月~10月
耐暑性 強い
耐寒性 弱い

熱帯アメリカが原産地のスパティフィラムは、暖かさに強く、寒さに弱い性質があります。10℃以下の温度では生長できないため、冬場は注意が必要です。日本は四季による気温差があるため、基本的には室内で育てるといいでしょう

また、直射日光は嫌いますが、日照不足になると花が咲きにくくなるので、窓際で育てるのがおすすめです。

特徴

スパティフィラムは熱帯植物で、白い花びらのように見える仏炎苞(ぶつえんほう)が特徴的です。

仏炎苞は葉が変形したものであり、花本体は中央の肉穂花序(にくすいかじょ)と呼ばれるつぶつぶとした部分です。

小鉢から中鉢程度の大きさで手軽に栽培できるスパティフィラムは、耐陰性にも優れており、室内向けの植物として親しまれています。「部屋の雰囲気を変えたい」「賃貸でも植物を育てたい」という方におすすめです。

熱帯植物なので暑さに強く、寒さに弱い性質がありますが、極端に気温が低くなければ問題ありません。また、条件が良ければ年中開花し、長い間花を鑑賞できる特徴もあります。

主な品種

スパティフィラムの代表的な品種は以下のとおりです。

  • ミニメリー
  • マウナロア
  • メリー
  • ドミノ
  • センセーション
  • ダイヤモンド

ミニメリーは小型の品種なので、狭いスペースで育てたい方におすすめです。

マウナロアとメリーは中型の品種で、とくにメリーは日本で誕生し、多く流通しています。

ドミノは葉にも模様が入っているのが特徴です。インテリア性を求める方に人気があります。

センセーションは葉に白い模様が入っていますが、花はあまり咲かないため花を観賞するのではなく、葉を楽しむ品種です。

ダイヤモンドは斑が散りばめられたように入っており、珍しい品種です。多数の花が同時に咲くため、存在感がある品種です。

スパティフィラムを育てるために必要なもの

スパティフィラムを育てるために必要なもの

スパティフィラムを育て始める前に、必要な道具をそろえていきましょう。

必要なものは、以下のとおりです。

  • スパティフィラムの苗
  • プランターや鉢
  • 培養土
  • 鉢底石と鉢底ネット
  • 肥料
  • スコップ
  • ジョウロ
  • 園芸ハサミ
  • マルチング材(バークチップなど)
  • スパティフィラムは、ホームセンターや園芸用品店などで購入できます。
  • 鉢は苗よりもひと回り大きいものを使い、生長して大きくなったら植え替えましょう。

スパティフィラムの育て方

スパティフィラムの育て方

丈夫で育てやすいスパティフィラムですが、初めて植物を育てる方にとってはわからないことが多いでしょう。
ここでは、置き場所や水やりの仕方、肥料の与え方など、スパティフィラムをうまく育てるためのポイントをご紹介します。

日当たり・置き場所・温度

スパティフィラムは、日当たりの良い窓際で育てましょう。ただし、直射日光が当たらないよう、カーテンを取り付けてやわらかい日差しが入るようにしてください。適度に日光が入ってくるレースカーテンが最適です。

冬は日差しが弱いため、直射日光で育てても構いません。しかし、急激な温度変化を避け、葉焼けしないように注意する必要があります。

温度は、最低でも8℃以上を保つことが大切です。スパティフィラムは寒さに耐性がなく、10度以下では生長できません。花を咲かせたいのであれば、15~20℃の室温を維持するといいでしょう。

水やりの仕方

スパティフィラムの水やりは、夏と冬で方法が異なります。

猛暑が続く夏の時期は、朝日が昇る前に水を与えましょう。朝から30℃を超える暑さになることもあるため、涼しい時間に水やりをおこないます。朝日が昇る前の水やりが難しい場合は、気温が下がってくる夕方や夜に与えても問題ありません。

冬の時期の水やりは、夏とは逆の時間帯におこなうのがポイントです。気温が急激に下がる夜の時間帯に水を与えると、スパティフィラムが凍ってしまったり、負担がかかったりするおそれがあります。冬の時期は、朝か昼に水やりをしましょう。

生育期は、土の表面が乾いたら、鉢の底から染み出てくるまで水を与えます。ただし、鉢の中が湿っている状態が続くと枯れやすくなるため、受け皿に水が溜まらない程度を目安にしてください。

土の表面が乾いていても、鉢の中は濡れていることがあります。水やりの頻度が高すぎると、根が腐る原因となるため注意が必要です。

反対に、気温が高くて土が乾きやすい夏の時期は水不足により枯れるおそれがあります。そのため、霧吹きで葉に水を与えて乾燥を防ぐ(葉水)などの工夫を取り入れましょう。

肥料の与え方

スパティフィラムは、適切な時期に肥料で栄養を補ってあげることで、すくすくと育ってくれます。

基本的には、5月〜10月の間に生長していくため、この生育期に肥料を与えてください。

日本で栽培していると、12月〜3月頃は気温が低くて生育が止まるため、肥料による栄養過多にならないよう注意しましょう。栄養過多になると、根腐れを起こして枯れてしまうおそれがあります

肥料の種類は、ゆっくりと効果を発揮する緩効性肥料もしくは即効性のある液体肥料が適しています。

植え替えの仕方

スパティフィラムの植え替えは、生育期の初期である4月〜5月、または9月頃におこなうといいでしょう。花がついているときの植え替えはできるだけ避けてください。

もしタイミングを逃してしまったら、一通り花が咲き終わる9月頃に植え替えをおこないましょう。

植え替えに必要なアイテムは以下のとおりです。

  • 観葉植物用の培養土
  • 鉢底ネットと鉢底石
  • ひと回り大きい鉢
  • 移植ゴテ
  • 細長い棒
  • 園芸用のハサミ

まず、元の鉢からスパティフィラムを取り出します。植え替えをおこなうときは、水やりを1週間以上控えて、鉢の中の土を乾燥させてください。根が張っていて取り出せない場合は、鉢と土の間を長い棒でつつきながらはがしましょう。根を引きはがしたら、鉢を真横に倒して軽く揺らしながら鉢側を引き抜くと綺麗に取れます。

次に、取り出したスパティフィラムの根から、古い土を落としてください。植え替える前の段階で水やりを控えて鉢の中を乾燥させておくと、土を落としやすくなります。

古い土には栄養がなく、植物の生長が乏しくなるため、できるだけ落とすようにしましょう。1年ごとの植え替えであれば、1/3程度ほぐすだけでも問題ありません。

古い土を落としたら、古くなった葉茎や短すぎる葉茎を切り落とします。茶色く枯れている葉茎は根元からカットしましょう。短い葉茎は根から分割できそうであれば株分けして、根元で切ってください。

次に、茶色くて古くなった根を切り落としましょう。切り落とすのは茶色や黒っぽいもののみで、太くて白い根は残しておいてください

新しい鉢には鉢底ネットと鉢底石をセットしておき、1/4〜1/3程度の培養土を入れます。スパティフィラムを鉢の中に入れたら、手に持ったままもう片方の手で土をかぶせていきましょう。ある程度の土が入ったら、分散させるように茎を離して微調節をおこないます。株同士が密着しすぎないようにし、真ん中にも土を入れてください。

最後に、細長い棒で土の表面をつつきながら茎や根の間に土が詰まるようにして、土を上まで入れましょう。植え替え後は、水をたっぷりと与えるのがポイントです。

増やし方

スパティフィラムは、剪定したあとの株分けによって増やすことができます。

スパティフィラムを株分けで増やす場合は、植え替えのタイミングでおこないます。
古い土を払い落したあと、根の部分をよく見てみると、イモが大きくなっていることがわかるでしょう。

株分けをするときは、このイモを中心に分けていきます。あまり細かく分けると花が咲きにくくなるため、8号以上で半分程度の株分けが目安です。

リンク植木鉢のサイズ選択に困ったら|号数の見分けと適したサイズの測り方

スパティフィラムの病害虫対策

スパティフィラムの病害虫対策

初心者向けのスパティフィラムは、病気に強い性質をもっています。しかし、害虫が付くと病気にかかり、枯れてしまうこともあるため注意してください。
主に、下記の病害虫への対策と駆除をおこないましょう。

病害虫 原因/よくいる場所 影響 対策
すす病 ・カイガラムシの排泄物 ・枯れる ・早期発見
・カイガラムシの駆除
ハダニ ・葉や茎 ・吸汁して株を弱らせる ・霧吹きで葉に水を与えて予防
・見つけたら歯ブラシでこそげ落とす
・殺虫剤をまくのもおすすめ
カイガラムシ ・葉の裏側 ・吸汁する
・排泄物による病気
・見つけたら歯ブラシやヘラでこそげ落とす
・卵は拭き取って駆除
・薬剤は浸透性のあるものを選ぶ

スパティフィラムを育てるときの注意点

スパティフィラムを育てるときの注意点

とても美しい姿を観賞できるスパティフィラムですが、動物に対する中毒性がある点に注意しなければなりません。とくに、犬や猫が誤って食べてしまうと、神経症状や口内の炎症、気道が塞がる、けいれんするなどの悪影響を及ぼします。最悪の場合、命の危険にさらされることになりかねません。これは、犬や猫にとって毒となる不溶性のシュウ酸カルシウムが含まれているためです。

また、ほかの動物にも悪影響を及ぼす危険があるので、ペットを飼っている方は十分に注意してください。

ペットのいる家庭では、ガジュマルなど毒性のない観葉植物を育ててみるのもおすすめです。
ガジュマルの育て方!初心者でも失敗しない基本的な管理方法

スパティフィラムのトラブルQ&A

最後に、スパティフィラムに関してよくある質問をご紹介します。
初心者でも育てやすいスパティフィラムですが、葉先の枯れや変色、花が咲かないなどのトラブルが起こることがあります。トラブルの原因と対策についてみていきましょう。

Q1:葉先が枯れたり変色したりする原因は?

葉先の枯れやしおれ、変色の原因は「根詰まり」や「水切れ」です。

植え替えをせずに育てていると、鉢いっぱいに育ってしまい、根詰まりを起こします。根が詰まると水やりをしても水を吸えなくなり、葉先が枯れていってしまいます。

根詰まりを防ぐためには、定期的な株分けや植え替えをおこなうことが大切です。毎年5月〜9月の間に植え替えをおこなうといいでしょう

また、水やりを怠ると水切れを起こし、枯れる原因となります。スパティフィラムは水が好きな植物なので、根詰まりを起こしていないのであれば、水やりの頻度を増やしてみましょう。定期的に葉水をおこなうこともおすすめです。

一度枯れた葉や変色した葉は元に戻らないため、ハサミで取り除いてください。

Q2:花が咲かないのはなぜ?

花が咲かない原因としては「日照不足」「肥料切れ」「変色した花の放置」が考えられます。

直射日光が苦手なスパティフィラムですが、適度に光がないと花は咲きません。そのため、暗い場所で育てている場合は、明るい場所に移動させてください。レースカーテン越しに光が当たるようにするか、日当たりの良い部屋で直射日光が当たらない場所に置きましょう。

肥料切れを起こしている場合も、花が咲かなくなります。そのため、5月〜9月の間は2カ月に1回、緩効性化成肥料を与えてください。花が咲かない場合は、リン酸の割合が多い肥料を選ぶといいでしょう。

また、花が咲いてしばらく経つと色が変わってくるため、早めに根元から取り除くことが大切です。変色した花をそのままにしておくと、種を作るためにエネルギーが使われ、新しい花が咲かなくなってしまいます。

スパティフィラムの育て方は基本を知っておけば簡単!

スパティフィラムの育て方は基本を知っておけば簡単!

スパティフィラムは、基本的な育て方を把握しておけば、初心者でも簡単に育てられる植物です。温度管理や水やりの仕方、肥料を与える時期などを守り、適切に管理すれば、きれいな花を咲かせてくれます。部屋の印象をガラッと変えるインテリアとして取り入れられるでしょう。

ただし、動物に対する中毒性があるという危険な面も持ち合わせているため、ペットを飼っている方は注意が必要です。ペットが届かない場所に置くなどの対策をおこないましょう。スパティフィラムの基本を理解して、正しい方法で育ててみてくださいね。

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