コーナンTips 園芸 トマトの肥料の与え方は?追肥の時期や過不足の見極め方を解説 トマトの肥料の与え方は?追肥の時期や過不足の見極め方を解説 園芸 クリップボードにコピーしました トマトの肥料の与え方は?追肥の時期や過不足の見極め方を解説 この記事をシェアする! クリップボードにコピーしました 家庭菜園で人気の高いトマトですが、実は「肥料食い」と呼ばれるほど多くの栄養を必要とする野菜です。しかし、ただ闇雲に肥料を与えれば良いというわけではありません。与える時期や量を間違えると、葉ばかりが茂って実がつかなかったり、病気の原因になったりすることもあります。美味しいトマトをたくさん収穫するためには、トマトの成長サイクルに合わせた適切な肥料管理が欠かせません。この記事では、トマト栽培における肥料の重要性から、選び方、与えるタイミングまでを詳しく解説していきます。 目次 トマト栽培で肥料が特に重要な理由は?実つきを良くして甘く大きく育てるために不可欠長期間の収穫を支えるスタミナ源トマトに適した肥料の成分と選び方リン酸成分が多く含まれる肥料を選ぶカルシウム配合で尻腐れ病を防ぐトマトの肥料を与えるベストな時期苗を植え付ける際に土に施す元肥一番果がピンポン玉大になったら追肥生育期間中は2週間に1度のペース肥料の過不足を見極めるサインとは葉が黄色くなるのは肥料不足の合図葉が内側に巻くのは肥料過多の可能性茎が太くなりすぎるつるぼけに注意トマトへの追肥を行う正しい手順手順1:株元から離れた場所に穴を掘る手順2:適量の肥料を土と混ぜ合わせる手順3:肥料の上に土を被せて水をやるプランター栽培で肥料を与える注意点肥料成分が流出しやすいため回数を増やす液体肥料を活用して素早く栄養を届けるまとめ トマト栽培で肥料が特に重要な理由は? トマトは生育期間が長く、次々と実をつけるため、常に十分な栄養を供給し続ける必要があります。肥料が不足すると、実が小さくなったり、味が薄くなったりするだけでなく、株自体が弱って収穫期間が短くなってしまうこともあります。まずは、なぜトマトに肥料が重要なのか、その役割を正しく理解しましょう。 関連記事 肥料の三大要素とは?肥料の種類一覧や使い分けのポイントを解説 | コーナンTips 肥料の要素 主な働き チッ素(N) 葉や茎を大きく育てる「葉肥(はごえ)」 リン酸(P) 花を咲かせ、実をつける「実肥(みごえ)」 カリ(K) 根を張り、病気への抵抗力をつける「根肥(ねごえ)」 実つきを良くして甘く大きく育てるために不可欠 トマトの魅力である甘くて大きな実を育てるためには、たくさんのエネルギーが必要です。肥料に含まれる「リン酸」は花つきや実つきを良くし、「カリ」は実を肥大化させ糖度を高める働きがあります。これの栄養素が不足すると、花が咲かなかったり、実が大きくならなかったりするため、美味しいトマトを作るためには肥料によるサポートが不可欠です。 長期間の収穫を支えるスタミナ源 トマトは春に植え付けてから、上手くいけば秋頃まで長い期間収穫を楽しむことができます。次々と新しい花を咲かせ、実を大きくし続けるには、絶えず栄養を補給し続けなければなりません。人間が活動するために食事が必要なように、トマトも肥料という食事でスタミナを維持することで、長期間にわたって安定した収穫が可能になります。 関連記事 トマトの栽培方法|水やりの頻度や摘芯・芽かきのコツを初心者向けに解説 | コーナンTips 関連記事 ミニトマトの育て方!プランター栽培のコツや収穫のタイミングを初心者向けに解説 | コーナンTips トマトに適した肥料の成分と選び方 ホームセンターの園芸コーナーには数多くの肥料が並んでおり、どれを選べば良いか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。トマト栽培を成功させるためには、トマトが必要とする成分が含まれた肥料を選ぶことが大切です。ここでは、肥料選びの際に注目すべきポイントを紹介します。 リン酸成分が多く含まれる肥料を選ぶ 肥料のパッケージには、チッ素(N)、リン酸(P)、カリ(K)の比率が記載されています。トマト栽培においては、実つきを良くする「リン酸」の比率が高めのものを選ぶのがおすすめです。例えば「N:P:K = 3:7:4」のように真ん中の数字が大きい肥料は、実を育てる野菜に適しています。トマト専用と書かれた肥料を選べば、これらのバランスが最適に調整されているので安心です。 カルシウム配合で尻腐れ病を防ぐ トマト栽培でよくあるトラブルの一つに、実のお尻部分が黒く腐ってしまう「尻腐れ病」があります。これは病原菌ではなく、カルシウム不足によって起こる生理障害です。このトラブルを防ぐためには、カルシウムが含まれている肥料を選ぶことが有効です。最近では、葉にかけるスプレータイプのカルシウム剤も販売されています。 ▶トマトの肥料|ホームセンターコーナンの通販サイト Tips 土作りの際に苦土石灰を使用することでカルシウムだけでなく光合成に不可欠なマグネシウムを補うことができます。 トマトの肥料を与えるベストな時期 肥料は一度に大量に与えれば良いというものではありません。トマトの成長段階に合わせて、必要な時に必要な種類の肥料を必要な量を与えることが重要です。タイミングを間違えると、かえって成長を妨げてしまうこともあるため、適切な時期を見極めましょう。 施肥のタイミング 目的 適した肥料 元肥(もとごえ) 植え付けの1~2週間前 苗の初期生育を助ける 有機質肥料 (緩効性) 追肥(1回目) 第1果房肥大期 実を大きくするための栄養補給 化成肥料 (速効性) 追肥(2回目) 1回目の追肥以降、2週間に1度 収穫を続けるためのスタミナ維持 化成肥料 (速効性) ▶園芸肥料|ホームセンターコーナンの通販サイト 苗を植え付ける際に土に施す元肥 苗を植え付ける前に、あらかじめ土に混ぜ込んでおく肥料のことを「元肥(もとごえ)」と言います。元肥には、ゆっくりと長く効く緩効性の肥料が適しています。特に油かすや骨粉、鶏ふんといった自然由来の緩効性有機質肥料は、微生物の働きを活性化させ、土をふかふかにする土壌改良の効果も期待できるため、初心者の方にもおすすめです。 植え付けの1週間から2週間ほど前に、堆肥や石灰と一緒に土によく混ぜ込んでおきましょう。これにより、根がしっかりと張り、初期の生育がスムーズになります。 一番果がピンポン玉大になったら追肥 最初の追肥のタイミングは、一番最初の実(一番果)がピンポン玉くらいの大きさになった頃が目安です。この時期に追肥を行うことで、これから育つ実や、上段の花房に栄養を送ることができます。これより早い段階で追肥を行うと、茎や葉ばかりが成長して実がつかなくなる「つるぼけ」の原因になることがあるため、焦らず実の大きさを確認してから与えましょう。なお追肥には速効性のある化成肥料が適しています。 Tips 肥料のチッ素成分が多くてもつるぼけになるリスクが高まります。実がつくタイミングではリン酸が多めの肥料を施肥するといいでしょう。 生育期間中は2週間に1度のペース 最初の追肥を行った後は、定期的に肥料を与えてスタミナ切れを防ぎます。目安としては、2週間に1回程度のペースで追肥を行うのが一般的です。または、3段目、5段目と奇数段の花が咲いたタイミングで与える方法もあります。収穫終了まで肥料を切らさないようにすることで、上の方の実までしっかりと大きく育てることができます。 肥料の過不足を見極めるサインとは トマトは葉や茎の様子で健康状態や栄養状態を私たちに伝えてくれます。毎日観察することで、肥料が足りているか、あるいは多すぎるかを見極めることができます。サインを見逃さず、適切な対処を行いましょう。 状態 考えられる原因 特徴 肥料不足 栄養切れ 葉の色が薄い、黄色くなる、茎が細い 肥料過多 与えすぎ 葉が濃い緑色、内側に巻く、茎が太すぎる 適正 健康 葉の色が鮮やかな緑、葉が平らに広がっている 葉が黄色くなるのは肥料不足の合図 肥料が不足してくると、葉の色が全体的に薄くなり、特に下の方の葉から黄色くなってくることがあります。また、新しく出てくる茎が極端に細くなったり、葉が小さくなったりする場合も栄養不足のサインです。このような症状が見られたら、速効性のある液体肥料などで早急に栄養を補給してあげましょう。 Tips 果実が大きくなる頃に葉の縁が黄色くなる場合は、カリが欠乏している可能性があります。 葉が内側に巻くのは肥料過多の可能性 逆に肥料が多すぎると、葉の色が異常に濃い緑色になり、葉が内側に向かって強く巻き込むような形になります。特にチッ素成分が多すぎるとこの症状が出やすくなります。また、葉の表面がデコボコしたり、不自然に縮れたりする場合も肥料過多の疑いがあります。このような時は、追肥を一旦中止し、水やりだけで様子を見るようにします。 茎が太くなりすぎるつるぼけに注意 肥料、特にチッ素が効きすぎると、茎が異常に太くなり、葉が巨大化して茂りすぎる「つるぼけ」という状態になります。一見元気が良さそうに見えますが、この状態になると花が落ちやすくなり、実がつきにくくなってしまいます。茎の先端付近が1cm以上の太さになっていたり、茎に穴が開いたような形(めがね茎)になっていたりする場合は、明らかに肥料の与えすぎです。 トマトへの追肥を行う正しい手順 追肥を行う際は、ただ肥料を撒けば良いというわけではありません。トマトの根は広く伸びているため、根が効率よく栄養を吸収できるように工夫して与える必要があります。ここでは、基本的な追肥の手順を解説します。 関連記事 追肥のやり方を解説|野菜や花を大きく元気にする肥料の重要性 | コーナンTips 手順 内容 ポイント 1 穴を掘る 株元から離れた場所に掘る 2 施肥 肥料と土を混ぜる 3 仕上げ 土を被せて水をやる 手順1:株元から離れた場所に穴を掘る 肥料を与える場所は、茎のすぐ近く(株元)ではなく、少し離れた場所にするのがポイントです。トマトの根は葉が広がっている範囲と同じくらいまで伸びていると言われています。株元から20〜30cmほど離れた場所や、葉の先端の真下あたりに穴を掘るか、溝を作ります。マルチシートを張っている場合は、めくるか穴を開けて土を露出させます。 手順2:適量の肥料を土と混ぜ合わせる 掘った穴や溝に、既定の量の肥料を入れます。この時、肥料が固まったままだと根に直接触れて「肥料焼け」を起こす可能性があります。肥料を入れたら、周りの土と軽く混ぜ合わせて馴染ませるようにしましょう。土と混ぜることで、微生物による分解が進みやすくなり、肥料の効果が安定します。 手順3:肥料の上に土を被せて水をやる 肥料を土と混ぜたら、掘り起こした土を上から被せます。肥料が地表に露出したままだと、雨で流れてしまったり、乾燥して効果が薄れたりすることがあります。最後に、たっぷりと水を与えてください。水を与えることで肥料成分が土の中に溶け出し、根が栄養を吸収しやすくなります。 プランター栽培で肥料を与える注意点 プランター栽培は手軽で人気がありますが、限られた土の量で育てるため、地植えとは違った配慮が必要です。特に水やりによる肥料の流出には注意が必要です。プランターならではの肥料管理のコツを押さえておきましょう。 関連記事 家庭菜園はプランターで!ベランダ菜園のはじめ方とおすすめ野菜10選 | コーナンTips 関連記事 家庭菜園のコスパは?プランターで作れるお得な野菜やメリットを紹介 | コーナンTips 項目 地植え栽培 プランター栽培 肥料の持ち 比較的長く効く 流れ出しやすい 追肥の頻度 2〜3週間に1回 1〜2週間に1回(回数を増やす) おすすめ肥料 固形肥料メイン 固形肥料と液体肥料の併用 肥料成分が流出しやすいため回数を増やす プランター栽培では、毎日の水やりによって鉢底から水と一緒に肥料成分も流れ出てしまいます。そのため、地植えに比べると肥料切れを起こしやすい傾向があります。一度にたくさんの肥料を与えるのではなく、少量の肥料を回数多く与えるのがコツです。例えば、固形肥料を1ヶ月に1回与えつつ、合間に液体肥料をプラスするなどして、栄養切れを防ぎましょう。 液体肥料を活用して素早く栄養を届ける プランター栽培では、速効性のある「液体肥料」が非常に役立ちます。液体肥料は水やりの代わりに与えることができ、すぐに根から吸収されるため、肥料不足のサインが出た時のリカバリーにも最適です。ただし、効果の持続時間は短いため、1週間に1回などの頻度で定期的に与える必要があります。固形肥料と組み合わせて使うことで、より安定した栽培が可能になります。 まとめ トマト栽培では、成長段階に合わせた肥料選びと適切な追肥が収穫量を左右します。葉や茎のサインを見逃さず、適度な肥料管理を行うことが成功への近道です。正しい知識で肥料を活用し、甘くて美味しいトマトをたくさん収穫しましょう。 トマト栽培の関連商品|ホームセンターコーナンの通販サイト
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