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スイカの育て方|初心者でもできる家庭栽培の手順と注意点

スイカの育て方|初心者でもできる家庭栽培の手順と注意点

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夏の風物詩ともいえるスイカ。実は、家庭菜園でも育てられることをご存じでしょうか。広いスペースが必要なイメージがありますが、小玉スイカであればプランターでも栽培が可能です。

本記事では、スイカの育て方のポイント必要なもの、注意点について初心者にもわかりやすく解説します。

スイカはそのまま食べるだけではなく、フルーツポンチにしたり、シャーベットにしたり、皮を漬物にしたりと、さまざまな食べ方を楽しめます。次の夏は、ぜひ自家製スイカを思う存分味わってみてはいかがでしょうか。

スイカの基本情報

スイカの基本情報

科名 ウリ科
属名 スイカ属
和名 スイカ
英名 Watermelon
学名 Citrullus lanatus
別名 水瓜
原産地 南アフリカ中央部
分類 一年草
販売時期 4~8月
開花時期 6月中旬~7月初旬
収穫時期 7~8月
耐暑性 強い
耐寒性 弱い

スイカはフルーツとして売られていますが、実は野菜に分類されます。果糖やブドウ糖などの糖質が豊富。ビタミンA・B1・B2・Cのほか、リコピンやカロテン、カリウム、マグネシウムも含まれており、夏の栄養や水分補給に最適です。

一般的なのは縞模様ですが、縞模様のないスイカや、黒色、黄色の品種も存在しています。さまざまな大きさがあるほか、楕円形や球体など形もバリエーションが豊富です。

Tips
スイカには、果実の中に種が含まれていない品種もあります。種なしスイカの品種は日本で開発されました。一般向けの苗もホームセンターで販売されています。

主な品種

最もポピュラーなのは大玉スイカで、以下の品種が代表的です。

  • 縞王
  • 富士光
  • 早生日章
  • 甘泉
  • 祭りばやし

重さは約3〜5kgで、大きいものでは約7〜9kgになることもあります。大玉スイカは、甘くてシャリッとした歯触りが特徴的です。

小さいサイズのものは、小玉スイカと呼ばれます。小玉スイカの人気品種は、以下のとおりです。

  • 紅小玉
  • ひとりじめ
  • 姫甘

重さは約1.5〜3kgと小さめで、広いスペースがなくても育てられるのがメリット。冷蔵庫に入れやすいこともうれしいポイントです。外見や味は大玉とほぼ変わらないといわれていますが、皮が薄くて可食部分が多く、甘味があります。

皮が緑で果肉が黄色いものは、黄色スイカ、またはクリームスイカと呼ばれます。以下の品種が代表的です。

  • おつきさま(大玉)
  • おおとり(小玉)
  • ひまわり(小玉)

かつて、黄色スイカは甘さが控えめでしたが、最近の品種は甘くてシャリッとした食感を楽しめます。

楕円形のスイカはマダーボールと呼ばれ、以下のような品種が挙げられます。

  • 姫まくら
  • 紅まくら
  • 黒美人(はちきん)

皮が薄くて甘味があり、大きさは約2〜4kgの小玉です。

「四角スイカ」「三角スイカ」など、角のあるスイカは角型スイカと呼ばれます。珍しい形で、お店ではあまり見かけないでしょう。あくまで観賞用のため、味はあまり期待できません。

スイカを育てるために必要なもの


スイカを栽培するときは、以下の道具を最低限そろえておきましょう。

  • スイカの苗
  • プランターや鉢
  • 培養土
  • 肥料
  • スコップ
  • ジョウロ
  • 園芸ハサミ
  • 支柱
  • マルチング材(敷き藁など)

土は野菜用の培養土を使用するのがおすすめです。野菜用の培養土に、元肥として野菜用の肥料を混ぜ込みます。元々肥料が含まれている培養土を使う際は、元肥料は追加しなくて問題ありません。

プランターで栽培する際は、鉢底石を敷いて排水性を高めておきます。

スイカの育て方

スイカの育て方
必要なものをそろえたら、実際にスイカを育てていきましょう。苗の植え付け方から水やりの仕方、肥料のやり方まで詳しく解説します。

日当たり・置き場所・温度

スイカは、日光が良く当たる場所で育てましょう。
基本的に、スイカを育てる際は25〜30℃を保つようにしてください。

植え付け方

スイカの苗は育てるのに保温の手間がかかるほか、環境によっては管理自体が難しくなることも少なくありません。そのため、手間を最小限に抑えたいのであれば、苗を購入するのがおすすめです。

苗は主に5月ごろに出回り、良い状態のものから売れていくため早めに購入しましょう。

スイカの苗は、本葉が4〜5枚付いているものを購入するとすぐに植えられます。そのほか、苗を選ぶときは以下のポイントをチェックしましょう。

  • 葉の色があせていないか
  • 虫食いの跡がないか
  • 株元がしっかりしているか
  • 苗全体がヒョロヒョロしていないか

葉に厚みがあり、色鮮やかな色をしていたら元気な苗のである証拠です。

スイカは、苗の本葉が4〜5枚ほどになったら植え付けをおこないましょう。基本的には、5月ごろに行うのがおすすめです。

根鉢を崩さないようにそっと苗をポットから取り出し、根鉢が少しだけ高くなるように植えてください。複数本の苗を植える場合、株間は1mほどあけ、しっかりと根が張るまで保温してください。

プランターで栽培したい場合は、大きくて深めのプランターを用意する必要があります。小玉であれば45cm幅、大玉であれば75cm幅のプランターが適切です。

水やりの仕方

スイカの原産地は、南アフリカのカラハリ砂漠です。乾燥した土を好むため、水やりでは過湿にならないように注意してください。

基本的には、土の表面が乾いたタイミングで水やりをおこないます。スイカは大きく育っていくと、水を吸い上げるスピードが上がるため、水やりの頻度も高くなるでしょう。とくに、土が乾きやすい夏場は、朝と夕方の合計2回水やりをする場合もあります。

肥料のやり方

スイカは元肥として、野菜用の肥料を使用します。花が咲いたら同じものを追肥し、実が付いて大きくなったらさらに追肥しましょう。元肥を少なめにして、追肥で調節していくと肥料の与えすぎを防げます。

スイカは肥料を与えすぎると、つるぼけを起こすおそれがあります。つるぼけとは、茎や葉だけが伸びる現象です。おいしいスイカを収穫するためには、適切な時期に適切な量の肥料を与えることが大切です。

整枝・摘芯の仕方

スイカは定植したあと、摘芯をおこないます。摘芯とは、先端にある芽を摘み取り、わき芽を発生させて開花させることです。わき芽を作ることで、収穫量も増やせます。

ただし、スイカは増やしすぎてもよくないため、本葉が5〜6枚ほどついたら親づるの先端を摘芯し、子づるを2〜3本ほど残しましょう。

スイカはつるを長く伸ばしますが、ほかの植物と違って実の重みがあるため、支柱を立てて上に伸ばすことはあまりおすすめできません。とくに初心者は、地面につるを這わせる仕立て方がいいでしょう。

つるが伸びる方に藁を敷き、スイカが育つスペースを作ります。つる同士が絡まっていた場合は、離してスイカが育つスペースを確保してください。

人工授粉の仕方

放っておいても実が付く場合はありますが、確実にスイカの実を付けたいのであれば、人工授粉は必須です。

人工授粉をする場合は、晴れた日の朝9時までにおこなってください。スイカの雄花と雌花が咲いたら、雄花を摘み取って雌花にこすりつけます。雌花は付け根部分に膨らみがあるのが特徴です。間違って雌花を摘み取らないように注意してください。

はじめに咲く花よりも、2番目、3番目に咲く花を受粉させた方が、成長が安定します。

また、人工授粉をおこなった日をメモしておくと、収穫のタイミングがわかります。

玉通しの仕方

開花後、30日ほどたったら玉通しと呼ばれる作業をおこないます。玉通しとは、果実をひっくりかえし、裏側を日に当てる作業です。実にまんべんなく日光を当てることで、色ムラを防げます。

また、地面にずっと触れている部分は虫がついたり、病気が発生したりするおそれがあります。病害虫を防ぐためにも、玉通しは必要な工程です。玉通しは収穫までに何度かおこないますが、つるから実が取れないように優しく扱ってください。

6.収穫の仕方とタイミング

スイカの実が大きくなってきたら、いよいよ収穫です。収穫時期は、7〜8月ですが、タイミングは人工授粉をおこなった時期で判断しましょう。大玉スイカは受粉から40日、小玉スイカは受粉から30日程度を目安に収穫してください。

また、スイカは食べごろをチェックする方法があります。実の上のほうを叩いてボンボンという音が聞こえてきたら、食べごろのサインです。反対に、コンコンという高い音が聞こえるなら、まだ収穫には早いかもしれません。

音で見極めることは初心者には少し難しいため、巻ひげの状態で判断するのもおすすめです。実の近くに生えている巻ひげが茶色くなったら、実が熟していて収穫できるサインといえます。

スイカを収穫する際は、つるの部分をハサミで切ります。このとき、ヘタと実の付け根ぎりぎりで切ってしまうと、実が痛むことがあるため、ヘタが少し残るようにカットするのがおすすめです。

また、収穫したスイカは早めに食べきるようにしましょう。保存する際は、カットせずに丸ごと常温保存します。基本的には常温で保存し、食べる前に切って冷蔵庫で冷やすのがおすすめです。

空気に触れると表面が乾燥して味が落ちてしまうため、断面をラップで密封して数日以内に食べきりましょう。

スイカを育てるときの注意点

スイカを育てるときの注意点
スイカの栽培ではいくつか注意点があるため、育てる前にチェックしておいてください。

連作障害の影響が出やすい

スイカは連作障害を起こす野菜です。同じ場所に2年連続で植えると、うまく育たないことがあります。そのため、一度植えた場所は4〜5年の期間をあけるようにしてください。

プランターで育てる場合は、土を丸ごと変えるだけで大丈夫です。

近年では、連作に強い「接ぎ木苗(つぎきなえ)」も売られていますが、それでも完全に連作障害は防げません。

受粉させたら日付をメモしておく

スイカは人工授粉をおこなった時期から収穫のタイミングを計ります。そのため、人工授粉をおこなったら、必ず日付をメモしておきましょう。ラベルやタグに日付を書いておけば、忘れることがありません。

ラベルやタグを取り付ける際は、受粉させた雌花にくくりつけておくといいでしょう。

メモを忘れると収穫タイミングが分からなくなるため注意してください。

乾燥を好むため梅雨時期は要注意

砂漠地帯で自生できるスイカは、乾燥を好みます。過湿を嫌うため、梅雨の時期はとくに注意が必要です。

土に余分な水が入らないようにしたり、水はけの良い土を使用したりして、梅雨対策をおこないましょう。敷き藁などのマルチを敷いておくと、雨が降ったときに余分な水が入り込むのを防げます。
 

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スイカの病気・害虫対策

スイカの病気・害虫対策
梅雨で湿度が高くなる時期、気温が上がって乾燥し始める時期、いずれも病気や害虫に注意しなければなりません。

雨による病気を防ぐためには、泥はねや過湿にならない対策が必要です。敷き藁などのマルチを利用するといいでしょう。

また、気温が高くなって乾燥してくると、ハダニの被害が増えてきます。ハダニは高温で乾燥している環境を好むため、スイカは格好の餌食になるのです。繁殖力が高いため、数が増える前に駆除しなければなりません。
ハダニの被害が増えると葉が黄色く変色し、やがて枯れていきます。被害が拡大している場合は、薬剤を使うのがおすすめです。事前の対策としては、葉水をかけておくといいでしょう。
 

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夏の風物詩「スイカ」を家で育ててみよう!

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スイカにはさまざまな品種があり、畑でもプランターでも育てることができます。自宅で栽培するのであれば、気軽に育てられるプランターがおすすめです。小玉スイカであれば省スペースでも作りやすいため、初心者の方はぜひ小玉スイカを選んでみてはいかがでしょうか。

連作障害や水やりの仕方に注意点はあるものの、育て方を熟知していれば初心者の方でも問題なく栽培できます。ぜひ自宅での栽培に挑戦し、甘くてみずみずしいスイカを存分に堪能してみてください。

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